幻想世界に誘われて【完結】   作:鷹崎亜魅夜

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 どうして同じ鬼なのに地底のとある鬼と差がありすぎるんだろう?
 では本編どうぞ。


六話 『小さな百鬼夜行』

 神社に向かって飛んでいく。そして、神社に着いたが……。

 

『お? 見知らぬ奴が神社に来たね?』

 

 翼の龍化を解いて、前方を見る。見知らぬ女の子がいたので、縁側の近くにいた人に近づいていくと──

 

「酒臭っ!?」

 

 そう、何故か酒臭い。そして良くその人を見ると──おそらくお酒が入っている瓢箪を持っていて、頭の左右に角が付いた少女がいる。頬が適度に赤くなっていた。

 

 その少女は不満そうだったが、すぐに機嫌を直してこう言う。

 

「おいおい、初対面に酒臭いってのはどうかと思うけどね。罰として私と酒を飲め!」

 

「その誘い文句はおかしい」

 

 何故そんな気さくに酒を勧めてくる理由が分からない。

 

 その酒飲み少女は話題を変え、話しかけてくる。

 

「う〜んと……お前がアレか? 霊夢の言っていた、紫に誘われてここに来た外来人の──辰上、侠だったけ?」

 

 言葉をつなげてその角の生えた少女が確認してきた。

 

「そうだけど……君は?」

 

「私? 私は伊吹萃香、鬼だよ。お前はさっき翼を生やして飛んでいたけど……なんかの鳥の妖怪か何かか?」

 

「いや、さっきのは能力で、人間なんだけど?」

 

「ふ〜ん……(嘘はついているようにはみえないね)」

 

 瓢箪に入っているであろう酒を飲みながらこちらの容姿を見てくる。

 

 ……酒については、幻想郷では年齢制限はないらしい。ここ数日で博麗も飲んでいたし、すすめられたが……まぁ、ある事情で断ったし。

 

 そして唐突に上機嫌になって自分にこう言う。

 

「ここであったのは何かの縁だし、私と一緒に三日月でも見ながら酒でも飲もう! 肴は外界の酒の話しで良いよ!」

 

「何でそう酒を勧めるの? それと、自分は酒は止められているんだよ」

 

「なにおーっ! 私の酒が飲めないというのかーっ!」

 

 すすめてきたので断ったが、とある会社の上司みたいな口文句で怒ってくる伊吹。

 

 断り文句にとりあえず外界の理由を言ってみる。

 

「だいたい、外界では酒を飲むにはある一定の年齢を超えなくちゃいけないんだ。まぁ、ある人達は隠れて、年齢が達していないのにもかかわらず飲んでいる人はいるけど……自分は公的にはまだ約三年ほどは飲めないんだ」

 

「うわぁ……外界ではそんなことが決められているのか……あっ! でもここは幻想郷だからいいじゃん! だから飲める!」

 

「そういうと思ったけど、自分にとってはちゃんと理由があると聞かされているんだよ。自分は少ない量で、何故か二日間寝込んだっきりになってしまうほど酒に弱いらしいんだ。家族にも親友にも止められているし」

 

「……鬼は嘘は嫌いだよ?」

 

「嘘を言ってどうなるの? 初対面の人──鬼に嘘をつく度胸はないよ」

 

「むぅ……嘘には聞こえない……(ま、いっか。宴会の時に飲ませよう)」

 

 何か不穏なことが聞こえたような気がしたが気にしないでおこう。

 

『萃香ー。誰と話して──あら? 侠。帰ってきたのね』

 

 神社の奥の方から声が聞こえ、縁側に来た人物は博麗。

 

 自分は今日の成果を話すことにした。

 

「ただいま。今日の成果だけど寺子屋で働かせてもらえることになったよ。明日から行ってくる。たまには休みはもらえるみたいだけど」

 

「そう。よかったじゃない。なら少し夕飯の準備を手伝ってくれる? もう少しでできるから」

 

 そう言って博麗は神社の奥に戻っていった。

 

 ……何というか──

 

「……なんか博麗って反応が淡泊だよね」

 

「霊夢はそんなもんだよ。自分から興味を示す物なんて少ないしね。私としたらそこが結構心配なところなんだよね〜」

 

「そうなの?」

 

「基本、霊夢は関心事が少ないんだ。普段の生活とか、縁側で座ってお茶を飲むとか昼寝が多いから。先代の巫女とかは余った時間で修行とかするらしいんだけど、霊夢は先天的な天才だからね」

 

「天才? 頭が良いとか……そんな部類とかじゃなくて、巫女としての実力ってこと?」

 

「そう。霊夢は生まれてこの方、努力をしたことがないんだ。だから霊夢の性質としては誰を見てもみんな平等にしか思っていないからね。異変だってそう。犯人が成し遂げようとしている努力を霊夢は『それが何?』としか感じられないんだよ。個人的な感情を持たない分は異変解決に向いているのかもしれないけど、人のやっていることを余り理解しようとしないんだ。それに霊夢は幻想郷の実力者でもあるからね。たいていの奴は霊夢には勝てないのさ」

 

「──」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『こんなことをして何になる? 時間の無駄だ』『貴様は邪魔。世の中自分の思い通りになると思うな』『全くもって理解不能だ。そんなことでするなんてクズの極みだ』『黙れ。貴様の言い分はどうだって良い』『本家からの依頼だ。徹底的にたたきつぶす』『恨むなら貴様の浅はかの思考を恨め。因果応報ということを知れ』『そんなことで計画を? ……はっ。どうでもいい』『いい加減気づけ。ただの人迷惑という自己満足と言うことを』『同情でも誘っているのか? 悪いが貴様のことはどうでも良い。一言で言うのなら、単なる愚か者だ』『許せだと?貴様は気づくのが遅すぎた。そのまま汚く這いつくばって──』

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「おい? いきなりぼうっとしてどうしたんだ?」

 

 考え事をしているときに、急に伊吹から声をかけられた。

 

「──え? あぁ……ちょっと外界のことを思い出してね。性質は違うけど、博麗に似た奴がいたなぁって」

 

 嘘はつかないで、伊吹に答える。

 

 ……もう、あの事を考えるのは止めよう。

 

『ほらぁー! 早く手伝いなさーいっ!』

 

「あ、博麗も呼んでいるし手伝わなくちゃ」

 

「ご飯できたら呼んでくれ。私は月見酒でもして時間を潰すから」

 

「伊吹は手伝ってくれないの?」

 

「私はまともに料理できないし」

 

 ……まぁ、いいか。

 

 晩ご飯の支度をして、博麗、伊吹、自分で机をかこった。

 

 

 

 

 ……紅魔館の外来人って──まさかね。

 

 

 

 




 表・第二章完結。次回は裏主人公のターン。
 この表主人公は謎が多すぎる。途中で出てきた誰かの言葉。裏主人公は何かは知っているかも知れない。
 ではまた。
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