裏主人公視点。
では本編どうぞ。
ヤマメ達と談笑しながら進んでいく。地底の知識についてはパチュリーとヤマメ達のおかげで大体把握出来た。そして外界の情報に少し疎いという事で、オレの起こした異変等を伝えてみると。
「──そりゃ凄い! あの幻想郷最強とも言われる博麗の巫女を追い込むところまでいっただなんて!? それで幻想郷の創造神の龍神の先祖返りがここにいるなんてどうなっているの地上!?」
「…………時代は変わっていく」
「しかもオレはその龍神の先祖返りと親友だからな〜。一種ものすごいパイプを持っていることになる。ま、そんなオレと話して交友を深めているヤマメ達も凄いと思うぞ?」
「これはしずまっちゃんに信仰しなくちゃ勿体ないね……でも、神々を滅ぼす神様だから信仰しちゃって問題ないの?」
「別にオレは他の神々を滅ぼすつもりは毛頭無いからな。別に問題ないんじゃね?」
そうこう話している内に……少し遠いが橋が見えてきた。あの近くにパルパルという奴がいるのか……?
「なぁ、ヤマメ? あれが旧地獄と分ける橋で良いのか?」
「ん? そだよ? 多分、少し人影が見えるから……パルパルがいるね、うん。じゃあ挨拶しにいこうか!」
「…………南無」
キスメが何やらパルパルに対して気遣いの言葉を言っていたような気がするが……オレとヤマメは気にしないことにした。
そしてどんどん橋に近づくと……人影が明らかになっていく、見た目は茶色っぽい上着を羽織っていて黒のアンダーシャツ(?)を着ている。紺色に近いスカートを履き、首元には白いマフラーなようなもの。髪の毛からでている耳の先は尖っている。この人がパルパルか?
最初、そのパルパルはヤマメ達を見るなり嫌そうな顔をしていたが──
「ヤマメにキスメ? わざわざどうしたのよこんなところまで……って、隣の男は誰よ?」
当然、オレの存在に疑問を持った。まずはヤマメの反応を見守っていたが──
「私達、結婚します♡」
キスメの桶を地面に置き、急に腕を組みながらそうお茶目な冗談を言い始めたので、とりあえずオレもこの波に乗ることにした。
「おう。ヤマメの婿です。どうぞよろしく」
「…………………………はぁっ!? い、何時そんな男と妬ましい関係になっていたのよ!? 全然知らなかったわよそういうのっ!?」
……期待の反応をしてくれるな、パルパルっていう奴は。
そして弄り始めるヤマメ(とオレ)。まず始めにヤマメが弄り始める。
「いやぁ〜ついさっき? 女の勘というの? とりあえず蜘蛛の巣に上玉が引っかかっていたから私の物にしちゃった♪」
「さっき!? 急すぎるわよ!?」
「オレの心と体はヤマメの物です。全てはヤマメの為に」
「あなた大丈夫!? ヤマメの能力って恋の病も操れるんだっけ!?」
「パルパル……これが恋の力なんだよ♪ 恋をした乙女は全てを超越する! 早く相手を見つけないとダメだよー?」
「何なの見せつけるために来たの妬ましいっ!! それ明らかにその男、正気を持っていないような気がするんだけど!? それで私にそういう相手がいないことについての当てつけ!?」
「うん♪ 絶賛パルってね♪」
「ここまで来ると本当に妬ましいわ……何であなた達は本当に楽しそうな人生を送っているんでしょうね……っ!」
「…………そして私も参戦」
さっきまで気遣いの言葉を言っていたキスメも参戦し始めた。その事で勘違いがヒートアップしていくパルパル。
「愛人!? 公認の愛人までいるのこの男は!? 何でそこは嫉妬狂って醜い争いにならないのよ!?」
パルスィの疑問は尤もだろう。そんな彼女にオレは調子に乗って冗談を重ねる。
「全てはオレの意思はヤマメの意思。キスメもそういう事柄になっても良いとヤマメは言っていたので、オレは反対しない。むしろ大歓迎」
「欲望がダダ漏れじゃないこの男!? ヤマメ、あんた癖の悪い男に逆に引っかかっているわよ!?」
「あらら〜? こりゃ参った♪」
ヤマメの片手は彼女の頭に乗せながら、舌を出しながらお茶目に言う。まだふざけることは継続中なので、オレはヤマメとキスメに話題を振った。
「オレは子供は五人ほど欲しいと思っているが……ヤマメ、キスメ。子供は何人欲しい?」
「そうだねぇ〜……私は二人欲しい♪」
「…………三人」
「あんた達私の前で幸せそうな会話をしているんじゃないわよーっ!!」
うん、さすがにキレた。どうやらイチャつくのを見るとイラつく部類らしい。しょっちゅう【妬ましい】って言っていたぐらいだしな。
オレとヤマメ、キスメはアイコンタクトをして──ヤマメがネタばらし。
「冗談だよパルパル。さすがに会ってばっかりの男を婿にするような軽い女じゃないって私。ね、キスメ?」
「…………同文」
「……………………は? 冗談?」
ポカンとしているパルパルに、オレが補足するように説明。
「全ては仕組まれていた演技だったていうことさ! お前さんの反応を楽しむためにな!」
オレはそう言ってヤマメ達と「イエーイ☆」と言ってハイタッチをする。これだから苦労人を弄るのは止められない。
しかし……冗談でさえもパルパルにとってはお怒りの様子だった。
「ヤマメっ! あんたいい加減にしなさいよ! まともに名前は呼ばないわ、私をからかってくるわ! キスメもこんなやつに悪ノリしない! それとそこの男! 初対面なのにヤマメの悪戯に協力するんじゃないわよ!」
「ね、しずまっちゃん? パルパルって弄り甲斐があるでしょ?」
「…………地底の良心」
「あぁ。ここまで丁寧に狙いの反応をしてくれる人物は中々いないだろうな」
「もうあんたらが仲が良すぎて妬ましいわっ!!」
一人一人丁寧なツッコミをしてくれるんだからな。弄りたい気持ちはよく分かる。
とはいえ……このままパルパルの事をよく知らないのは良くない。オレは自己紹介も含めて尋ねてみることに。
「お互いの事をよく知らなかったな。途中ヤマメにあだ名を呼ばれたりしたが、オレは本堂静雅だ。よろしくなパルパル」
「ヤマメェッ! あんたが変なあだ名で呼び続けるからこの男の呼び方が定着しつつあるじゃない!?」
「だってしずまっちゃんに名前教えてないし。ほら、パルス──パルパルも自己紹介しよう?」
「……はぁ。頭の中で一周通り過ぎて冷静になれたわ……」
そうため息をつきながら、落ち着いた様子で自己紹介をしてくれる。
「水橋パルスィよ。決して【パルパル】だなんて呼ばないように」
「え? パルC?」
「……今微妙に呼び方がおかしかったわよね?」
「気のせいだろうパルシー?」
「今確実に違ったわよ!?」
「失礼。噛みました」
「何処に噛む要素があるのよ!? 絶対わざとでしょ!?」
「噛みまみた」
「わざとじゃないっ!?」
「まぁ、結局わざとなんだが」
「あんた私の事舐めてるでしょっ!」
見ず知らずの人物に弄られているのが気にくわないのか結構怒ってた。それをフォローするかのように喋ってくれるキスメ。
「…………少なくとも、パルスィさんと仲良くなるために冗談を交えてる」
「……は? こんな私と仲良く? 見た感じ外来人か何か知らないけど、忌み嫌われた妖怪が住む地底妖怪相手なのに頭湧いているんじゃない?」
罵倒を交えながら言葉を返すパルスィ。
うーむ……あまり好感度は良くないみたいだ……。ちょっと残念。
だが……オレは仲良くしたいというのも本心だ。その事をパルスィに伝えてみる。
「もちろんだ! パルスィみたいな美人とお近づきになりたいからな! 自分の気持ちに嘘偽りは無い!」
「びっ!? 美人!? な、何言ってくれているのやっぱり頭湧いているんじゃないのこの男!? 罵倒されながら煽てようとするなんて妬ましいっ!?」
……ある意味予想通りなんだが、言葉を早く口走っては頬を赤く染め上げながら非難してきた。この手のタイプは──押せばきっと好感度が上がる!
「何を言っているんだパルスィは! 基本的に好意的に触れあえれば誰だって良い気持ちはするだろう!? だが、中には触れあっていく中で冗談で人を困らせることはする! だけどな、パルスィはそう触れあうとオレも楽しくなるんだ! 正直に言って困っているパルスィは魅力的だとオレは思う!」
「み、魅力……!?」
「あぁ! それはもちろんだが……女性は笑顔が良く似合う! 出来ればオレはお前さんの笑顔もみたい!」
「──ッ!?」
良し! 顔一面が赤く染まった! これで好感度が上がる!
パルスィと会話をしていた中、オレの服袖を引っ張ってオレの注意を引く人物。オレはその方向に振り返ると、ヤマメは両手指の人差し指を頬に触って笑顔を作り、キスメも軽く笑顔を作っては見せて言う。
「ねぇねぇしずまちゃん。私の笑顔も良い?」
「…………(ニコッ)」
「お前さん達の笑顔も良いな! 可愛いぞ!」
オレに向けての好意的な笑顔なら万々歳だ。ヤマメ達の笑顔も魅力的である。
だが……異様に重い視線を感じた。その視線の主は……パルスィである。
「どうしたパルスィ?」
「…………(楽に笑顔を作れたらそんな苦労しないわよ)」
「? 聞こえないんだが、もう少しはっきり喋ってくれないと──」
「いろんな女性に口説きかかる男なんて二回死ねばいいと思うわ」
「おっふ……」
先ほどの赤く染め上げた可愛らしい表情とは打って変わって、妬ましそうな顔で別な表現で罵倒してきた。原因はおそらく、パルスィ以外の人物を褒めた事だな……。意外とフラグは難航だぞ……。
ヤマメはオレのフォローしてくれるみたいで、オレのあることを言ってくれる。
「パルパル〜そんな事言ってたらバチが当たるよ? しずまっちゃんは神様なんだし」
「…………え? 神……様?」
ヤマメの言葉に信じられないような視線でオレに送って来たので、オレは答えるように言った。
「そうだ! オレは神様だ! 何なら崇めても良いんだぞっ?」
「……お断りするわ。あんたを崇めるぐらいならここで妬んでいた方がマシよ。何でこんな奴が神様なのよ妬ましい……」
「そんな事を言ってしまうのか……なら! どんな願いでも話だけなら聞いてやろう!」
「……話だけならまるっきり意味がないじゃない……」
疲れたように頭を手で支えながらパルスィは言葉を返した。その行動にヤマメは問いかける(おそらく確信犯)。
「パルパル? 何か疲れるようなことでもあったの?」
「あんた達が気楽すぎて妬ましいわ……私のストレスが溜まっていく一方よ……」
どうやらパルスィはツッコミのし過ぎで疲れているらしい。
……なら──
「オレがそのストレス、軽減させてやろう! 少し失礼する!」
オレは指先をパルスィの額にくっつけた。無論、取り払われてしまったが──
「!? 何でそんなことをするのよ──って……あら?」
「? どうしたのパルパル?」
「だからそういう呼び方は止めなさいよ……何かストレスを感じなくなったわ。少し清々しい気分」
「え……? しずまっちゃんの指に触れたとたん!?」
「多分、そうだと思うけど……静雅、あんた私に何をしたのよ?」
パルスィの言葉にヤマメと聞いていたキスメも驚き、本人から疑問の声をかけられた。
「何、オレの能力で【ストレスを発散】させた事にした。能力名はトップシークレットな。あまり言いふらすものじゃないからな」
「精神干渉の能力!? あんたって何者なの!?」
「だから神様と言っているんだが……ちなみに能力は外れな。その気になれば物理的干渉もできるぞ」
「しずまっちゃん、例えばどんなことができるの?」
ヤマメが疑問を投げかけてきたので、オレは簡単な例を出す。
「【攻撃を受け付けない】とか、【ある場所に移動した】ことにも出来るし、その気になれば……この幻想郷をオレの支配下に置くことが出来るチート能力だ」
「敵に回してはいけない人物だった!?」
「まぁ、オレは現状の生活に満足しているからそんな気は無いんだけどな」
「…………一歩間違えれば幻想郷崩壊」
オレの能力を大ざっぱに説明すると同行していた二人はそれなりに驚いていた。
一方、パルスィはというと──
「……何よそれ自分の思い通りになる能力って何よ? そんなのどう対処すれば良いのよ妬ましいわ……」
親指の爪を噛みながら結構動揺していた。そりゃ、幻想郷を支配できる能力っていったらビックリするよな……。
……そういえば橋を通る本題を忘れているような気がする。
そう思いだしたオレは改めてパルスィに本題を問いかけた。
「少し話は変わって……オレこの先にあるであろう旧地獄の先、地霊殿に行きたいんだ。万能そうなオレの能力でも、一度は目にしないと地霊殿に移動出来なくてな。だから通っても良いか?」
「……拒否して弾幕ごっこになろうが、私が勝てる相手ではないじゃない……。無駄に争って道を塞ぐより、通した方が厄介事はなさそうね。だからさっさと行きなさい」
そう言うとパルスィは道を譲ってくれた、これでヤマメ先導の元、旧地獄に一先ず着ければ問題は無いが……いささか、つまらないような気がするな。
オレと同じ意見なのかヤマメも近くに寄ってきて……耳打ちをしながら会話をする。オレとヤマメの間に立ってキスメも一生懸命に聞いているが。
パルスィがオレ達の様子を見て不審に思って話し掛けようとするが──それはもう遅かった。
「……人の前で密談? 仲が本当によろしいようで妬ま──」
「ゆけっ! ヤマメ! いとをはく!」
「りょーかいっ!」
オレの言葉ヤマメは反応し、手元から蜘蛛の糸を出す。その先はもちろん──苦労人パルスィ。
「ちょっ!? いきなり何を──」
言いかけたところでもう遅い。実はオレの能力の補助でもあるがもうすでに……糸による簀巻き状態になった。
急に体を拘束させられて怒らない人物はいないだろう。もちろん、怒ったが──
「通したのに何でこうなるのよ!? ヤマメ! さっさとこの拘束を解きなさい!」
「まぁまぁパルパル。旅は道連れ世は情けっていうでしょ? せっかくだからパルパルも同行しようよ♪」
ヤマメはそう良いながらキスメの入った桶を持ち、オレはパルスィを担ぎあげ、言葉を繋げた。
「パルスィがいた方が面白そうだからな! パルスィもパーティに参加だ!」
「お、下ろしなさいっ! 私は行かないわよ!? 行ってもしょうがな──」
「行くぞヤマメ、キスメ、パルスィ! オレ達の旅はこれからだ!」
「「おー♪」」
「本当に離しなさいよっ!? あぁ、本当にあんた達は──妬ましい──!」
パルスィの叫びは虚しく響き、早足でオレ達は旧地獄へと向かった……。
『……パルスィ、連れて行かれちゃったよ。ヤマメ達もあの神様と一緒に触れ合っていて楽しそうだなー。あの神様は家にいれば……面白い発見でもあるのかな? それはともかく……私も行こう! 何だか楽しくなって来ちゃった♪』
前回と比べて分量が多い……。
ではまた。