ではどうぞ。
一話 『博麗神社』
「──ここは……」
八雲紫さん(だっけ?)の導きで幻想郷に着いた自分。そこは石でできた階段と、反対側にはどこかの集落が見える。
「……よくよく考えたら何で直接神社へ飛ばされないんだろう……?」
おもいっきり階段を上らなくてはいけない。やけに長く見える、その階段を。
一応自分の服装を見てみる……おもいっきり高校の制服だった。何故? そして自分がよく使っていたバッグ(肩にかけるタイプ。革製)まである。中身も色々入っているようで少し重かった。バッグに目を向けた後、また階段を見る。
「……気にしてもしょうがないか……めんどくさいなぁ……」
根気よく、階段を上ることにした。
少年移動中……
……長かった階段を上りきり、目の前には神社が広がっている。見た目は少し古いが、年季が入っているような年代物に感じた。ここが八雲さんが言っていた博麗神社だろうか。
その神社の前には鈴と──賽銭箱。
「そういえば賽銭しないと……」
財布はあるんだろうか……ズボンのいつも左ポケットの中に財布がちゃんとあった。ちなみに反対のポケットは携帯が入っている感触があるが……まずは残金に確認を優先することに。
中身はいくらだったか──
一万円札 × 1 五千円札 × 0 千円札 × 0
五百円玉 × 0 百円玉 × 0 五十円玉 × 0
十円玉 × 0 五円玉 × 1 一円玉 × 0
「…………」
財布の中身を取り出したら一万円と五円しかなかった。左手で一万、右手に五円と持つ。
……おかしい。自分は一万円は普段財布に入れないのに。入れたとしても使いやすい千円札のはずなんだけど……?
でも、自分は八雲さんの言っていたことを思い出す……。
『多い額を賽銭しておくことを勧めるわ』
何でこの金額なんだ……悪意を感じる。
……まぁ、どういう経緯であれこの金額にしてしまったのは自分なんだけど。
そもそもこの幻想郷は『円』で大丈夫なんだろうか……目の前は日本の文化でもある神社があるから大丈夫か。
でも一万円を失うのはかなりでかい。この世界の物価によるが、しばらくは生活ができる。カードも色々見るが、何も描かれていない白紙のカードがある……レシートではないらしい。そんなことより八雲さんの言っていたことも気になる。
ここは思い切って──
「……諭吉さん。君のことは忘れない……!」
福沢諭吉を賽銭箱にツッコンだ。後で後悔するだろうけど、反省はしてない……していないんだ……っ!
──ガタンっ!
神社の右前の方から物音がした。視線を移してみると、女子がいた。
その女子は髪の毛にフリルが付いた紅いリボンでポニーテールにしている。後の服装は……脇の部分が露出していて、ミニスカートにも見える紅白の巫女服だった。多分、この女子が博麗霊夢だろう。
しかしその女子は、賽銭箱と賽銭をした自分を交互に見ている。その様子は震えているように見えた。
「あんた……今、確認するけどどれくらい賽銭した!?」
「え、円でいいなら一万賽銭したけど──」
「ちょっとどいてっ!」
勢いよくその女子は賽銭箱に頭をツッコムぐらいに賽銭箱を覗き始めたので、自分は邪魔にならないようにして少し距離を取った。
……神主とか巫女って、賽銭額とか関係ないんじゃないのかな……?
確認し終えたその巫女は驚きの表情をしながら自分に問いかけてくる。
「……ほんとに一万あるっ!? あんた何者なのっ!?」
「強いて言うなら……異世界人?」
「異世界人……………………あぁ、外来人ね。通りで変わった服装をしているし……」
冗談のつもりで言ったが通用したっ!?
ある意味驚いていると、博麗霊夢であろう巫女に話しかけられる。
「というかあんた、ここはどこか分かってる?」
「八雲さんって人から聞いたんだけど、ここは幻想郷で現在地は博麗神社ってとこかな?」
「……紫ね……あのスキマ妖怪……今度は一体何をしたいの……?」
どうやらちゃんとした知り合いらしい。ってあの人妖怪だったのか……? どういう基準で妖怪とか判断すればいいんだろう……?
考えをまとめていると、その巫女はかくにんという事だろうか、違う情報を求めてきた。
「そうなると、あんたは紫のスキマからこの幻想郷に来たの?」
「え? うん。そうなる」
「色々と聞きたいことがあるけど……とりあえず神社に上がりなさい。賽銭してくれたんだし、お茶ぐらいは出すわよ」
「あ、それはどうも」
博麗霊夢の後に自分は着いていった……。
原作設定では霊夢は裕福らしいですが、ここでの霊夢はお金も大事にしています。お金ってたくさんあっても困らないよね?
余裕があれば今日また投稿します。
……それと賽銭の時に
『さらば諭吉ぃっ!』
……と思い浮かべた人は挙手しなさい。お兄さんが喜ぶから。