幻想世界に誘われて【完結】   作:鷹崎亜魅夜

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 地上にて。
 三人称視点。
 では本編どうぞ。


六話 『情報の整理』

 侠達が地霊殿から地底の入り口傍へ移動。そして──入り口には霊夢、妖夢、早苗、衣玖……そして人間の魔法使いでもある魔理沙もいた。まだ侠達には気づいていないようだったので、侠が気づかせるために話し掛けることに。

 

「……皆? 入り口前で何しているの?」

 

 彼が声をかけて、入り口にいた全員は侠達へと視線を一気に移す。そして侠の存在を確認した霊夢はすぐに彼の元に駆け寄り──怒りを含めた声で話し掛けた。

 

「侠っ!! 勝手に行くなって言ったでしょ! 地底で何してたのよ!?」

 

「それについてはゴメン。地底に行って……静雅紹介の元、地底の妖怪達と会っていたとしか言いようが……」

 

「……静雅。あんた……あの看板の意味は私達の妨害をしていた事よね?」

 

 侠の説明を聞き終えた霊夢は、侠を地底に連れて行った静雅に視線を移した。

 

「だってそうしなきゃゆっくり会話が出来ないと思ってな。霊夢は間違いなく侠を奪還すると思っていたし」

 

「当たり前でしょ! あんたの行動が紫と被るのよ! 唐突に現れては意味深な言葉を残していくわ、勝手に持って行くわ!」

 

「おぉ、ゴメンゴメン」

 

「うざっ」

 

 思いのこもっていない静雅に謝り方に天子は瞬間的に言った。

 

 霊夢はしばらく静雅に説教(?)しているをよそに……侠は妖夢達に近寄って話し掛ける。

 

「魂魄達は博麗と同じ理由?」

 

「は、はい……それで追いかけたのですが……地底に入れなかったのです。結界に似た何かがあるみたいで……それに看板で──」

 

 妖夢が地底の入り口に何時の間にかある看板に視線を移すと、釣られて侠も看板に何を書いているか視線を移すと──

 

 

 

 

 

【この先立ち入り禁止ですのでお帰りを(笑) mg(^Д^)gm <ダブルプギャー】

 

 

 

 

 

 ……明らかに挑発的なメッセージだと侠は把握した。

 

 顔文字云々も含めて、同じ外来人でもある早苗があることを小声で尋ねる。

 

「(あの……もしかして本堂さんはオタクなんですか……?)」

 

「(ある意味間違ってないね。趣味が本当にギャルゲーなものもあって、それなりに文化に詳しいし)」

 

「(それじゃあロボットにも詳しかったりするんですか!?)」

 

「(結構好きだけど……そういう事は本人に聞いて貰える?)」

 

「(そ、そうですよね……ちなみに、侠君はロボットについて興味ありますか?)」

 

「(ない)」

 

「(そ、そうですか……)」

 

 侠の返答に悲しそうな声をした早苗だが……魔理沙が侠に近寄って彼に情報を求める。

 

「……静雅が紅魔館にいないと知って、神社に来れば霊夢が怒ってて……地底に行って何してたんだぜ?」

 

「それも自分にとっては不思議だったんだよね。単に話し合いをしただけで」

 

「……本当に何しに行ったんだぜ?」

 

 魔理沙も疑問に思っていたが……傍観していた衣玖は天子の元に動き出し、行動を促すように言う。

 

「総領娘様。そろそろ天界に戻りましょう。総領主様が心配なさりますよ?」

 

「……そうね。帰るとするわ」

 

「……総領娘様──いえ、何でもありません。では行きましょうか」

 

「? 衣玖? どうしたのよ? 何を言いかけたの?」

 

「いえ、お気になさらず。無用な心配だったようでしたので」

 

「ふーん……まぁ、良いけど」

 

 何かを言いかけていた衣玖に疑問を覚えた天子だったが気にしないことにした。

 

 しかし……衣玖は心の内で思う。

 

「(……侠さんと関わって以来、総領娘様は変わりましたね。おそらく今までの総領娘様ならば駄々をこねていたでしょう。しかし……私から促した行動を、受け入れて貰っている。侠さんと関わった人物は【短所】を緩和するのでしょうか……?)」

 

 衣玖は侠と関わった天子の行動が信じられなかった。出来るだけ、人の言うことを聞くようにしている。我が儘不良天人と呼ばれていたが……この頃、自制が出来ていたことを。それを衣玖は嬉しく思った。

 

 そして天子は衣玖と天界に戻ろうとしたが……思い出したように、天子は衣玖に制止の声をかける。

 

「あ。ちょっと待って衣玖。少し侠に話したいことがあるのよ」

 

「……? わかりました」

 

 衣玖は彼女の言う通りに待機。天子は隣に未だ静雅に説教している霊夢をよそに、侠に話し掛けた。

 

「侠……何かあった時は私に頼りなさい。良いわね?」

 

「? どうしたの急に?」

 

「一応言っておかなきゃと思っただけよ。あんたが完全に──いいえ、何でも無いわ。じゃあね」

 

「……うん」

 

 そう話し終わった天子、そして待っていた衣玖は飛翔。天界へ向かい帰って行った。

 

 そうしてようやく説教が終わったのか霊夢は侠にあることについての状況について尋ねる。

 

「侠……どうしてあの不良天人の事を名前で呼んでいるのよ? あんた、普段例外を除いて名前を呼ぼうとしないじゃない。あいつに呼び方を強制させられたの?」

 

 霊夢の話題に妖夢と早苗も食いついた。魔理沙は静雅と何か話しているが。

 

 侠は拳をつけて数十秒考える仕草を見せて……発言。

 

「……自分でも何時の間にか呼んでたんだよね。何時から呼び始めたんだろ?」

 

「まさかの無自覚!? あんた本当に天界で何かあったの!? 天界から発端の揺れとか何だったのよ!?」

 

「天界の揺れ──あ。その時だ。天子の事を名前で呼び始めたの」

 

「「「…………え?」」」

 

 話を聞いていた三人はまさかの一言で呆然としていたが──魔理沙とちょうど話し終えたのか、静雅がある事を聞いてくる。

 

「何か天子と被ったのか?」

 

「被ったと言えば……被ったね。過去の待遇と天子の待遇が重なって。それで天子を悪く言う輩がいたから……マジギレして、天界──いや、幻想郷中? それで振るわせたんだと思う」

 

 当然のように言った侠。そして四人は……侠の言っていることが信じられなかった。

 

「(天子と何があってキレたのよ!?)」

 

「(そういえば侠さんが怒っている場面を見たことがないような……!?)」

 

「(いやいやいや!? 侠君がキレて幻想郷中振るわすって何ですか!?)」

 

「(……どうやったら幻想郷中を振るわせることが出来るんだぜ?)」

 

 静雅を除く四人は何が何だか分からない様子だったが……静雅だけ、反応が違っていた。

 

「(……侠はもう最低限の力は取り戻している。それで……まさかそれを踏まえて、【ある時】の侠になったのか……!? やっぱり、【心】がまだ完璧にまだ治っていないのとしか考えられない……! でも……さすがにもう無いよな? おそらくスイッチとなるのは【一定以上の怒り】と【信用からの裏切り】のはずだからな……大丈夫なはず──)」

 

 そう考えをまとめていた静雅で自分を安心させるように念じていたところに──メイド服を着た人物、十六夜咲夜が現れた。

 

 彼女は状況を把握するなり、静雅を見ては咲夜は駆け寄り声をかけたが……。

 

「そろそろ入り口にいると思ったけど──? どうしたのよあなた達?」

 

 咲夜から見たら当然の疑問だろう。侠は平然としているが、他の人物は何か考えているような表情をしているのだから。

 

 彼女の言葉にいち早く反応したのは静雅。彼は彼女に反応を返した。

 

「咲夜? まさか迎えに来てくれたのか?」

 

「えぇ。妹様は静雅がいなくて不満を言っていたわよ? 最近のあなたは外出が多いんだし……それと、侠もいるということは……目的を達成出来たのね?」

 

「……あぁ。一応な。侠をさとりに会わすという目的を達成できた」

 

「ゑ? 何それ? 自分初耳なんだけど?」

 

 特有な二人の会話に代表して侠が静雅に疑問を。それに対して静雅は説明。

 

「まぁ、そうは言っても地底の妖怪を侠に会わす事が目的だったんだ。お前さんは龍神の先祖返りでもある。侠はオレが促さなかったら地底に行かなかっただろ? せっかく創造神の子孫なのにそれはどうかとオレは思ってな。今回の地底巡りツアーに参加させたんだ」

 

「……まぁ、確かに行かなかったね。知り合いがいるわけでもないし」

 

 侠は彼の言葉に同調。静雅は親友の性格を把握してたからこそ、今回の地底へと誘った。

 

 霊夢は「ちゃんとした理由があるなら言ってからしなさいよまったく」と言っていたが……静雅と咲夜の会話に疑問を覚えた魔理沙が二人に疑問を投げつけた。

 

「……何か最近の咲夜は静雅の行動を把握し過ぎてないか? 今日も紅魔館に行って中国とパチュリーに聞いたんだけどよ……知らないって言っていたぜ? 【目的】といい……何かお前ら仲が良すぎないか?」

 

 魔理沙以外の人物も疑問に思っていた事柄。他の人物が知らない静雅の情報を咲夜が知っている。以前は美鈴かパチュリーに伝言を残していた静雅なのだが……ここ最近、伝言を残す相手が咲夜に変わっている事を彼女は疑問に思っていた。

 

 それについて従者組はというと。

 

「……偶然、私が静雅の近くにいたからじゃない?」

 

「だよなー? 偶然で咲夜がいたから伝言を残したんだし」

 

 ポーカーフェイスで二人は【偶然】だと言う。本当か嘘かわからない、察しがしづらい表情だった。

 

 魔理沙の質問に答えた後、咲夜は静雅に行動を促す。

 

「ほら、紅魔館に帰るわよ静雅。妹様の相手をしてあげなさい」

 

「了解した。じゃあ皆の衆、また会おう!」

 

 静雅は咲夜の手を取り、その場から消えた。彼の能力で帰還したのだろう。

 

 紅魔館従者組が帰ったところで、霊夢、妖夢、早苗は侠に詰め寄り、当然の話題を振ってきた。

 

「侠〜? 天界の事柄も気になるけど、地底で起きた事も話してもらうわよ〜?」

 

「や、やっぱり気になりますし、お話してくれたら嬉しいです……」

 

「【天地】に行った侠さんの話をもちろん私も聞いてみたいです!」

 

「……地底は別に良いんだけど、天界も話さなきゃダメ?」

 

「そりゃもちろん──」

 

 そう霊夢が言いかけたところで──三人はとある人物の警告が頭によぎった。

 

 

 

 

 

 

 

『──調査無用と言ったはずよ?』

 

 

 

 

 

 

 

 紫の本気の警告。三人はそれを思い出してしまい、思いとどまる。

 

「──やっぱり地底の話だけで良いわ……」

 

「ゑ? そう? なら別に良いけど……」

 

「じゃあ侠君! 今すぐ守矢神社に行って話をしましょう──」

 

「博麗神社に決まっているじゃない早苗っ」

 

 巫女二人は侠の腕を掴み連行。侠自身は戸惑っていたが……そのまま連れて行かれた。何だかんだ博麗神社に行くであろう。

 

 苦笑いをしていた妖夢だったが、何かを考えて会話に参加していなかった魔理沙に行動を促すように言う。

 

「魔理沙さんも博麗神社に来ますか?」

 

「……あ、あぁ。行くとするぜ」

 

「じゃあ先に行っていますね……」

 

 妖夢は先に博麗神社へと向かっていく。その中……魔理沙は再びあることを考えた。

 

「(……どうも、【偶然】じゃないような気がするんだよなぁ……)」

 

 腑に落ちないものの、魔理沙は箒にまたがって博麗神社へと向かった……。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『──ふぅ。確か紅魔館は……アッチで良いのかな……?』

 

 

 

 

 

 

 

 

 




 次話でこの章自体は終わりです。その後にはフラグ回ですが。

 ではまた。
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