幻想世界に誘われて【完結】   作:鷹崎亜魅夜

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 前回の話のその後。
 三人称視点。
 では本編どうぞ。


十二話『外界での小休憩』

 警察の事情聴取を終え。とは言っても、簡単な口裏合わせである。紫によって過去の本家に冤罪を掛けられた警視総監は彼女に感謝し、この本家で起こったことは内密に処理する事になった。崇也以外の人物は人によってだが他の容疑が掛かっていた人物もいたので、それぞれの対応を。

 

 過去の本家の息子である崇也は手当の厚い、過去に辰上侠が預けられていた孤児院に預けられることになった。体調が回復する次第、柊史も彼のフォローをするという。その事を聞いた侠は安堵した。

 

 場所は変わって、侠が住んでいる家に移動し。スキマで待機していた人物達はお邪魔する事になった。特に早苗の反応が強かったのは別に置いておく。

 

 静雅は一旦家に帰っては、【ある物】を取りに行った後すぐに能力で侠の家に。一先ずの彼はアリスに【ある物】を見せて説明していた。

 

「──これが【ロボット】だ。どうだ〜? 中々かっこいいだろ?」

 

「へぇ……素材は硬いわね。人形みたいに柔らかく動かせないけど……安定感はあるわね」

 

「そしてこのロボットは分解できては、そのロボットのパーツとして合体が出来るという。合体は男のロマンだよな〜♪」

 

「(……人形を組み合わせて、さらに別の人形を作り出す、ね……。中々良いアイデアだわ)」

 

 違う箇所では、宴会の料理を作る為に咲夜と妖夢が侠の義理の母親でもある佳織を手伝う事に。

 

「咲夜ちゃんはポテトサラダを作って貰って、妖夢ちゃんはスープ作ってくれるかしら? それぞれの作り方とかは指示するから」

 

「……見たことのない調味料があるわね。この柔らかい入れ物に入っている【まよねーず】ってのは。これって卵と油とかで作られている調味料なのね……」

 

「外界の時代では火は使わないんですね……。この面に接しているだけで、温めることが出来るなんて……」

 

 外界で得られる知識に感心しながら、順調に作業をこなしていく従者組。

 

 ……ちなみに佳織は霊夢と紫以外の幻想郷の人物と対面した時、「可愛い女の子ばかりね〜」とマイペースな発言をしてはすでに受け入れていた。

 

 違う場所では、陽花の部屋に集まっていたのは霊夢と魔理沙。彼女達三人は話に花を咲かせていた。

 

「えっと……魔理沙さん、だっけ? あたしに聞きたい事があるって何?」

 

「陽花はアレだろ? 幼い頃から侠や静雅と過ごしていたって。それでだ。何か静雅の弱み的な事を知っているか?」

 

「魔理沙……そこまでしてあいつの事を知りたいの?(意味深)」

 

「バッ!? そういう意味じゃねぇぜ!? ただあいつはやけに弱みというか、弱点をみた事がないから不思議に思って聞いているだけだぜ!? 他に他意が無いってのっ!」

 

「しずまっちゃんの弱みね〜……。強いて言うのなら、真正面からの褒め言葉に弱いよ」

 

「……それって本当に弱点なのか?」

 

「裏表の無い、正直な発言だったらね。しずまっちゃんは嘘の発言とか見極める事が出来るから、心のこもっていない褒め言葉は暴くから」

 

「(……そういや前に静雅と咲夜の弾幕ごっこの時、咲夜に男として褒められて動揺していたような……?)」

 

 静雅の新しい一面を魔理沙が知っているときには、家主でもある柊史の部屋に早苗が訪れてアルバムを見せて貰っていたり。

 

「侠君、昔はこんなに感情表現が豊かだったんですね〜……」

 

「それなりにはね。侠君は事情が事情だから大人びるのが随分早かったよ。……ところで、早苗君は【モリヤ】神社の巫女と言っていたけど……【モリヤ】の字は洩びる矢と書いて【洩矢】かい?」

 

「いえ、守る矢と書いて【守矢】ですね。むしろそちらの洩矢は諏訪子様の名字です。あ、諏訪子様というのは守矢神社の祟神でもあるんですよ! まぁ、現在は八坂神奈子様の神社らしいのですが……」

 

「……洩矢諏訪子。それに八坂神奈子。八坂神奈子に関してはもしかして、【諏訪大戦】で勝利を挙げた軍神の名前かい?」

 

「! 知っているのですか!? 私は詳しい事は知らないんですが、過去に神奈子様と諏訪子様が【諏訪大戦】という戦いで、神奈子様が勝利したと。でも、それなりにお二人は仲がよろしいんですけどね。それにしても……柊史さんが守矢神社の歴史に詳しい事に驚きです。もしかして外界にまだ神社があったときに参拝されていました?」

 

「……侠君と同年代なら。君は知らなくてもしょうがない。むしろ──いや、何でも無い。侠君次第で、君も知らない事を知る事になるだろう」

 

「……?」

 

 早苗との会話で面白い物を見つけたかのように、顎を付けて考察している様子の柊史。早苗としては何を知っているのか問い続けていたが、はぐらかされてしまった。

 

 この場にいないのは八雲紫なのだが。彼女は幻想郷に戻って酒の調達に言っているという。

 

 そして──辰上侠の自室には、彼と──ティアー・ドラゴニル・アウセレーゼが対面していた。

 

「……ご先祖様。後に関して何ですが──」

 

「わかっておる。後は──主の本当の両親を探しに行くのだな?」

 

「はい。下克上は達成し、もう本当の両親達は隠れる理由はなくなりました。おそらく義父さんはすでに連絡してあるとは思いますが……」

 

「しておるの。主の報告を聞いた後、本当の父親と連絡をとっていた。時期に本当の家族と出会う事が出来るだろうの」

 

 言葉を一先ず句切り、侠が部屋に持ち込んでいた大福を口に入れて咀嚼するティアー。彼が大福を飲み込んだ後に、重要な話を切り出す。

 

「そして、主は本当の両親と出会えた後……しばらくの間【──】をしているのであろう? 我も無論、同行するが……何時かかるかわからない事を」

 

「……学校の事も問題あるんですけどね。それはちょっとずるい真似を使いますが、ある制度を使えば学業面は何とかなるんで」

 

「積み重ねが功を制したのぉ……。ま、主なら問題ないであろうな」

 

 侠と予定を確認している時に、彼の事をティアーは振り返る。

 

「(……時たま先祖返りは祖先と同じような運命を辿ると聞いた事があるが……その通りだの。世界は違えど、惚れた女の為に駆け回るとは……)」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 それ以降はリビングには料理が並べられ。侠の家族を含めた宴会が始まった。無論、紫も侠の家に上がった時には、同伴している妖怪もいた。

 

「侠、五徳を連れてきたわよ。あなたの家族なんだから、ちゃんと出席させないと」

 

「あ、五徳……しばらくぶり」

 

「あぁー! しばらく放浪していた五徳だぁーっ!? 何処行っていたの!?」

 

「ナァ〜」

 

 妖怪──否、陽花の辰上家のペットでもある五徳だ。彼女のトレードマークでもある【五徳】を頭に乗せている。五徳は侠を見つけるなり、彼女はすぐさま駆け寄っては彼の膝に収まった。欠伸をしながら彼女は体を丸めている。

 

 だが──彼女の正体は辰上家は知らないという。幻想郷側の人物にとっては五徳は人型で姿を現し、侠の過去を教える手助けなどをしていた。ちなみに言うと、侠によって拉致されていた静雅もこの事実は知らない。

 

 正体を知っている霊夢達は、その事について意見しようとしたが──途中で止めた。特に霊夢は彼女の様子を察したはずだ。

 

「(……ようやく、侠は自由になれたものね。何だかんだペットとしても傍にいた五徳も心配していたみたいだし……。彼女なら、何時か自分から正体を明かすでしょう)」

 

 霊夢と同じ考えに至ったのか、とある人物達は納得を見せているが……とある人物はどこか羨ましそうに五徳へ視線を送っている少女もいる。

 

「(合法的に侠君の膝に収まれるなんてずるいです……)」

 

 蛙の髪飾りをしている早苗は、陽花にちょっかいを出されて面倒くさそうに相手をする五徳を見てそのような事を考えていた。

 

 そしてなんやかんやで準備は整い、外界での宴会が始まった……。

 

 

 

 

 

 

 

 

 現実側と虚構側の人物を交えた宴会はそれなりに活気を見せていた。しかし……外界には酒を飲むのは年齢制限があり、特に陽花の教育上にも悪いので紫以外の幻想郷の人物は飲むのを禁じられた。特に魔理沙は文句は垂れていたものの、一先ず家主の言う事に従って宴会はにぎやかに進んだ。

 

 ……無論、侠の中にいるティアーも出現し、大人の枠組みで飲んでいたが。

 

 ──しかし、途中からタガが外れる事になる。悪戯をするみたいに紫は境界操作で侠と陽花以外の人物の飲み物に酒を混ぜはじめた。同様に悪ノリしたティアーもである。肝心の保護者でもある柊史は対応しようとしたものの、適度に酔い始めた妻である佳織の相手をするのに精一杯だった。

 

 幻想郷の人物達も酒が回り。侠に大胆に抱きつく早苗を見て霊夢は怒りつつ侠に小言を言い、妖夢もどこか甘えるような仕草で侠に話し掛け。侠は対応に困っているさなかで早苗に便乗したのか……陽花は彼の後ろに抱きついてご機嫌な様子を浮かべていた。

 

 魔理沙とアリスに関してはお互いの魔法について討論しており、どちらかが良いかと第三者の意見として静雅に返答を求めたりしたりなどしていて、その二人を咲夜が宥めたりなど。

 

 騒がしい中だったが、外界の夜は過ぎていった……。

 

 

 

 




 次話で本格的に動きます(いろんな意味で)

 ではまた。
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