表主人公視点です。
では本編どうぞ。
寺子屋に入って、慧音さんに教壇の前で改めて自己紹介をしろと言われたので、黒板に名前を書いて自己紹介する。
「前に来たときは生徒だったけど、慧音さんの助手みたいなものかな? まぁ、お手伝いをすることになった辰上侠です。問題が分からないとき、慧音さん以外に自分に聞いても良いと言われているので、解き方が分からないときは言ってください。でも幻想郷の歴史については専門外なので聞かないでね? まだ勉強していないから」
自己紹介をした後拍手がちらほら起こる中……チルノがずっとこちらを見ている。また終わった後弾幕ごっこやろうって言われるのかな……?
すると、慧音さんが自分の傍に立ち、こう言う。
「今日主には歴史をやるとして、休憩を入れた後は昨日やった算数の復習をやるからな。皆頑張って解くように。侠は悪いが幻想郷の歴史については生徒として聞いてくれないか?」
「わかりました」
返事をして昨日座った席──チルノの隣に座る。
……あれ? 昨日座ったときは寒かったのに寒くない?
「……キョー」
寒さを感じないことに疑問を持っていると、小声でチルノが話しかけてくる。
「何? また弾幕ごっこならちょっと考えたいんだけど」
「別件よ。寺子屋が終わった後、昨日の湖の場所に来て」
「? 別に良いけど……」
何かに誘われたが気にしないことにして、授業に取り組んだ。
生徒達勉強中……
主にやったことは幻想郷で起こった異変のことだった。紅い霧が覆う異変、春が訪れない異変、毎晩満月が出続ける異変、外界から神社が来る異変、博麗神社だけを狙った地震の異変、怨霊が出てくる異変など。それら全てのことは異変解決者である博麗や霧雨のことも教えられた。
算数の復習の時は主にチルノ(見るに見かねたため)、ルーミア、鳥の妖怪、蛍の妖怪に中心的に教えた。
……この四人(?)の頭の内容は気にしないでおこう。今後はこの四人に効率の良い勉強を教えなければ。
そして、勉強は終わり。生徒達はすぐに帰ったり、近くで話していたりしている。それに対して自分は今慧音さんと一緒にこれからの勉強で使う瓦版作り……すなわちプリント作りをしている。
黙々と一緒に作っている中、慧音さんが話しかけてくる。
「侠から見て私の授業はどうだったか?」
「個人的には興味深いです。ですが、子供たちは少々飽きっぽい内容かも知れません」
「ははは……やっぱりそう感じているか。私も常々思っている。外界での勉強はどうしているんだ?」
「基本的には寺子屋と同じような感じですけどね。まぁ、自分は予習とか復習とかちゃんとやっていますけど」
そんなこんな事を慧音さんと話していた。この後に自分が持っていた外界の問題集を貸した。慧音さん自身の興味であり、学べる物は学ぶという。そして幻想郷の歴史などが書かれているという『幻想郷縁起』という本を借りた。
寺子屋の仕事が終わり、チルノに来いと呼ばれていた霧の湖に向かう。森の瘴気の影響は出ていないようなので問題ないと思うけど。走って行くと、見覚えのある影が色々と見えてきた。
「遅いっ!」
「ち、チルノちゃん。侠さんは慧音先生のお手伝いしていたんだから遅れてもしょうが無いと思うけど……」
デジャヴを感じたが、大妖精がチルノを宥めている。この二人以外にも人影があるみたいで──
「わはー。侠なのだー」
「あ。ルーミアもいたのか」
両手を横にまっすぐにしながら声をかけてくるルーミアもいたり──
「あ。今日はお勉強を教えてくれてありがとうございます!」
「お手伝いさんの人も来たんだ?」
勉強を教えた鳥の妖怪と蛍の妖怪の女子だ。名前は確か……。
「鳥の妖怪の方はミスティア・ローレライで、蛍の方はリグル・ナイトバグだったけ? もうちょっと勉強はした方が良いと思うよ?」
「あはは……やっぱりそう思っちゃいます?」
「でも侠さんの教え方は良かったと私は思うよ。……忘れちゃうかもしれないけど」
……大妖精は除いて頭が悪い組が集まっているのだろうか?
しかし、まだ緑の帽子を被っており猫耳を生やして尾が二本生やしている猫の妖怪らしき人物──妖怪もいる。
……そういえばいたような気がするが、まともに触れ合ったことはなかったな気がする。
「君は……?」
「はいっ! 私は橙って言います!」
……元気な猫の妖怪だ。もふもふしたい。
その橙は少し好奇心に満ちたような目でこちらを見てくる……どうかしたのだろうか?
どうこう考えている時に、また元気よく橙は話し掛けてきた。
「あなたが紫様の言っていた侠さんですね! 初めまして!」
「ん? 君って紫さんの知り合いなの?」
「私は紫様の式神の式神なので!」
……なんか一段階飛ばしているような気がする。
自分の言葉に言い方に気がついたのか、橙は言い方を訂正する。
「あ、私は八雲藍様の式神なんです。それで藍様は紫様の式神なんですよ」
成る程。じゃあ簡単に言うと──
「君が子供だとしてその藍さんがお母さん、紫さんが【この名詞はスキマ送りにされました】ってことか──あれ? 今言葉が変だったような……?」
「? どうしたんですか?」
「い、いや……何でも無いよ」
どうやら他の人は何にも無かったらしい。まぁ気にしないことが無難だろう。
疑問はともかく、チルノに本題を持ちかける。
「そういえばチルノ。こんなに集めてどうしたの?」
「ふふふ……よくぞ聞いてくれたわね! 今日は久しぶりに皆で遊ぼうと思ったからよ!」
……いかにも子供らしい理由だった。
その事を聞いてか、他の子達は喋り始める。
「そういえば最近遊んでなかったのだー」
「皆の予定が会わないときが多かったですよね」
「私も最近屋台でお客さんが多かったから……」
「私も虫たちに色々教えなくちゃ行けないことがあって会わなかったんだよ」
「私は式神が使えるように練習してたんだけど、まだまだ藍様のようにうまく式にできなかったなぁ……」
「アタイはカエルを凍らせるのに忙しかった!」
一部を除いてみんな忙しかったらしい。
皆の理由を聞いた後、話題を戻すために話を聞く。
「……いや、それで自分が呼ばれた理由は?」
「あ、そうだった。キョー……アンタはアタイと首を並べるぐらいに強いわ」
「怖っ!? 首を並べるって何!? それ単なる惨劇現場だよね!?」
肩を並べる之表現がさらに怖くなった。
しかし、チルノは説明を続ける。
「弾幕ごっこはアタイが油断したから負けちゃった。でもっ! 油断していなかったら絶対アタイが勝っていたのよ! そこは譲れないわ! 妖精サイキョーはそんな甘くないのよ!」
……何か典型的な負けず嫌いな子供のようだ。まぁ、ここは合わせるか。
「そうだね。自分はチルノが侮っていたところを狙ったからまぐれで勝てた。本来の実力のチルノだったら自分なんて手も足も出ないだろうね。最強のチルノを勝ち続けるのは難しいんだ」
「やっぱりキョーはよく分かってるじゃない! アタイはキョーよりも強いんだから!」
「「「「(大人な対応ですまされちゃってる……)」」」」
「チルノは侠よりも強いのかー?」
「……まぁ、そういうことにしておいて」
四人から呆れられたような顔をされているが、別に良いだろう。小声で聞いてきたルーミアには合わせるようにするようにと頼んだ。
自分の言葉でご機嫌になったチルノは自分にこう言う。
「そんなキョーにアタイ達が遊びに参加させてあげるわ! それでキョーが遊ぶものを決めて構わないわよ!」
「皆は良いのかい? 自分が決めちゃって?」
チルノからは良いって言われたけど、念のため他の皆に確かめてみる。
「私は構わないのだー」
「はい。大丈夫ですよ」
「皆がそう言うんだったら良いわ」
「外界の遊びはどんなのが気になるし、やってみたいな」
「とっても楽しみです!」
どうやら遊びの考えは自分に委ねられたらしい。
そうなると……目の前に氷の妖精もいるし、この遊びが良いかな?
「氷鬼なんてどうかな?」
「何それ!? 鬼を凍らせるの!?」
自分の言ったことに目を輝かせるチルノだが、他の人は顔が青ざめている。
……誤解しているな、きっと。
「いや、そういう直接的な意味じゃなくて、鬼ごっこに特別なルールが追加されたと考えても良い。鬼役にタッチされたら、タッチされたときの体の形のまま動かないようにしていなくちゃいけないんだ。また動けるようになる条件は、鬼じゃない人にタッチされたら動けるようになる遊びなんだ」
「そのままの体勢でいないといけないんですか……」
「変なポーズでタッチされたら、された人はきついですね……」
賢い二人組の方は(大妖精と橙)は理解してくれたようだが……。
「「「「…………?」」」」
……残る四人はまだ説明が必要な顔をしている。
「……まぁ、やってみれば分かるかな? 最初の鬼は自分がやろう。根本的には鬼ごっこと同じだよ。けど、タッチされたら、鬼以外の人にタッチされるまで固まっていること! 後は追加として弾幕と飛行は禁止。自分の足で走ること。制限時間は試しに五分として全員止まっていたら自分の勝ち、一人でも走り回っていたら君たちの勝ちってことで。それじゃあ三十秒数えるから、離れた方が良いよ。それじゃあ……開始!」
自分の声で皆それぞれの反応をしながら散り始め、氷鬼が開始された。
今回は見た目は幼女と遊ぶ回。種族? そんなの関係ねぇ。
ではまた。