幻想世界に誘われて【完結】   作:鷹崎亜魅夜

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 いつからフランと戦うことを錯覚していた?
 裏物語、三人称視点です。
 では本編どうぞ。


裏・第三章
一話 『フランドールの従者』


 静雅がフランドールの部屋に行って翌朝。静雅は自室に帰っていなかった。レミリアと咲夜、パチュリーの三人でフランの部屋へと進んでいる最中である。

 

 心なしか心配そうなレミリアと咲夜。そんな二人にパチュリーは声をかける。

 

「部屋には戻っていないけど……静雅は死んではいないと思うわ。あの能力がある限りは静雅は肉体的な死はない」

 

「パチェ……それは精神的には死んでいる可能性があるとでも言いたいのかしら? 確かにあいつは元人間だけど、精神的にまで死ぬ奴とは思えないわ」

 

「……妹様、どうしているでしょうね……」

 

 咲夜は心配しながら静雅の身を案じる。彼は大丈夫なのか? 彼は【おもちゃ】にされていないだろうか?

 

「(……妹様次第、ですね……)」

 

 ──歩いて数分後。フランの部屋の前。部屋の前に来たはずなのだが──

 

「……妹様の部屋の扉ってこんな明るい装飾をしていたかしら?」

 

「してないわよ!? 何このピンクとかこう言う色! せめて赤にしなさいよ!」

 

「お嬢様。そこは問題ではありません」

 

 レミリア達の記憶が正しければ重苦しい扉だったはず。それが全体的に明るくなっていて、壁掛けがかけられている。壁掛けにはピンク色の文字で【フランのお部屋♡】と書かれている。

 

 その急な変貌を見て各々の反応をとり、パチュリーは扉を見て分析する。

 

「妹様が書いたとしても字がうまくてデザイン性が優れている……とりあえず、静雅は生きていそうね」

 

「……何故静雅は自室に帰らなかったのかしら? フランと問題なく過ごせたのなら問題は無いのだけど……」

 

「……とりあえず返事を求めてみましょう──妹様! お嬢様とパチュリー様がお見えです! お部屋を開けていただいてもよろしいでしょうか?」

 

 咲夜はノックしてフランの返事を求めることに。

 

『咲夜とお姉様とパチュリー? いいよ入ってきて!』

 

 覇気に満ちた、嬉しそうな声でフランは答えた。

 

 そして、ゆっくりと扉を開けていく。

 

 ──そこで三人が見たものとは──

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「お、レミリア嬢に咲夜、パチュリーじゃねぇか。どうした?」←腕立て伏せ

 

「お姉様、咲夜、パチュリーおはよう!」←静雅の背中に乗っている

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ──意味の分からない状況だった。

 

「……静雅……あなた、何してるのよ?」

 

 ジト眼で呆れているように背中にフランを乗っけている静雅に話しかけるパチュリー。

 

「最近筋肉なまっているような気がしてな。筋トレをかねてついでにフラン嬢と遊んでいる」

 

「何か妙な揺れで楽しいよ! パチュリーも静雅にのってみる?」

 

「……遠慮しておくわ(ちょっと心配した私がバカみたいじゃないの……)」

 

「……本題に入らせてもらうわ」

 

 急に透き通るような、気高い声。それに察したのかフランは静雅の背中から降りて、静雅もレミリアに立って体を向ける。

 

「昨日はどうして自室に帰らなかった? 妹のために尽くすのは良いのだけど、誰かに報告するなりしなさい」

 

「……了解した」

 

「それと……この部屋は何? 私の知っているフランの部屋とは全然違うんだけど……?」

 

 そう。前までのフランの部屋は重苦しい雰囲気で飾り付けなど無いに等しかった。

 

 だが……今は薄いピンクの色で壁紙や天井に色が付いており、床に至ってはごつごつしていたのがなくなって凹凸のない、綺麗な石の床になっている。照明も綺麗になっており、綺麗に部屋を照らしている。タンスの傷がなくなっており、四角だったデザインが丸くなり、取っての部分は♡が出ていて使いやすくなっている。ベッドに関しては新品のように見える。

 

 静雅は自慢げにこう答える。

 

「オレがデザインした模様替えだ。少々フラン嬢の部屋としては重苦しかったから、全体的に明るい、女の子にイメージに近い部屋にした。女の子にとっては良い色のピンクを取り入れ、全体的に明るく見えるようになったぞ」

 

「……そのピンクはどこから仕入れたのですか?」

 

 咲夜からの当然な疑問。部屋からは出ていなかったのにピンクを仕入れることは可能だろうか?

 

「何か能力で染まれって念じたらできた」

 

「……何でもありですね、その能力……」

 

 

 

 

 

 〜とある冥界〜

 

「幽々子様。ちょっとご報告したいことが……」

 

「? どうしたの妖夢? 彼氏ができたことの報告?」

 

「みょんっ!? い、いえ、そういうことではないのですが……とある一本の桜の木の花びらの色が抜け落ちたように真っ白になっているのです。私の記憶が正しければ濃い桃色の花びらだったような気がするのですが……」

 

「あらあら。不思議なこともあるのねぇ」

 

 

 

 

 

「どうやらオレの能力は物質の質量保存の法則に成り立っているらしい。木材とか欲しかったんだが現れなかった。色はどうやってできたのかは知らないが、物質は元々あるべき所から持ってこないといけないらしいな。もっとも、タンスの物質を改造する分には問題は無いんだが」

 

「……意外と制限が掛かっていたのね。その能力。静雅、自室には帰っていなかったことなんだが、お前がどこで寝たの?」

 

 急なレミリアからの質問。静雅の様子が少しおかしくなる。

 

「レミリア嬢。言っても怒らないことを約束してくれるか?」

 

「? どういう──」

 

「静雅と一緒に寝たの!」

 

 ──フランの言葉に静寂が走った。静雅は表面上は冷静にして、こう言った。

 

「オレは何も悪くない」

 

「……へぇ。どういう風に悪くないのか説明してくれないかしら?」

 

 プレッシャーの掛かる声で静雅に言うレミリア。

 

 しかし、そこで割り込む声。

 

「お姉様……静雅は悪くないの!」

 

「……フラン?」

 

「静雅と弾幕ごっこして、それから色々とあったんだけど……ベッドで静雅の外界の話を聞いている途中で私は眠っちゃったの……」

 

「運悪く、服袖を捕まれてしまってな。すやすやと眠っているフラン嬢の邪魔はしてはいけないと思って……ぼうっとしていたらオレも眠っていた。他意は決して無い」

 

 フランと静雅の表情は真面目だ。フランは何で自分の姉がそれで怒っているか分からなかったが、直感的に伝えた方が良いと思ったのだろう。

 

 本人の言い分がちゃんと届いたのか、レミリアの言葉は軽くなる。

 

「そう……フラン。これからは寝るときは男と一緒に寝ちゃ駄目よ? そういう事をするのはずいぶん先にしなさい」

 

「? どうして?」

 

「……フランにもいずれ分かる事よ」

 

 フランはまだ純粋な子供だ。レミリアはまだ子供でいて欲しいのだろう。

 

「え〜……教えてくれたって良いのに……」

 

「フラン嬢がそのことを学ぶことはまだ早いと言うことだ。レミリア嬢と同じぐらいの年齢になったら分かるだろう」

 

「私とお姉様は五年しか違わないよ?」

 

「じゃあ五年後には分かるかもな」

 

 レミリアの言葉をフォローして、優しく諭す静雅。静雅の言葉にフランは頷く。

 

 一区切りが着いたところでレミリアは静雅に話題を変えて話しかける。

 

「静雅。一先ずお前は食事を取りなさい。まだ人間でいう朝食はまだでしょ?」

 

「ん? そうか。じゃあ食べておくか」

 

「そしてフラン。静雅を呼びたいときは図書館に行きなさい。基本的にはあなたの部屋に近い図書館にいさせるから。それでいなかったら咲夜を呼びなさい」

 

「わかった! 静雅、また後でね!」

 

「仰せのままに」

 

 そう静雅は返事を返すと、体がぶれて消えた。

 

「すごーい! 咲夜みたいにいなくなれるんだ!」

 

 新しい物を発見したように喜ぶフラン。喜びフランにパチュリーはあることを聞く。

 

「妹様。静雅はどうだった?」

 

「優しかったよ! それに弾幕ごっこも強いし! お姉様、ありがと! 咲夜みたいな従者を私にくれて!」

 

 そう言ってフランは満面の笑みでレミリアにお礼を言う。

 

「え? あ、どうってことはないわよ。私は咲夜という優秀な従者はいるし、そろそろフランにも優秀な従者を付けようと思ったのよ」

 

「それでもありがと!」

 

 戸惑うレミリアだったが、フランは繰り返してお礼を言った。

 

 

 

 

 

 ──まるで、狂気がなくなった、純粋な子供みたいに。

 

 

 

 

 

 咲夜はその光景を見て微笑ましくなり、笑顔を浮かべた。

 




 裏主人公とフランの関係は良好。

 もしかすると読者様はこの話は裏主人公とフランの弾幕ごっこが始まると思っていたかも知れませんが……諸事情でその話は先にします。その先で弾幕ごっこの回想をするという形で。期待してくれていた方はすいません。必ず弾幕ごっこの回は載せますので!

 ではまた。
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