幻想世界に誘われて【完結】   作:鷹崎亜魅夜

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 原作主人公の魔理沙登場。そして初陣が始まる。
 では本編どうぞ。


三話 『霧雨魔理沙、模擬弾幕ごっこ』

 博麗からいろいろ教わっていると、空から箒にまたがった女子が現れて霊夢の隣に着陸する。

 

 ……あれが世間で言う『親方! 空から女の子が!』みたいなものだろうか?

 

 博麗はその女子に話しかける。

 

「……魔理沙……食べに来たのかしら?」

 

「おう。邪魔するぜ」

 

「邪魔しないで欲しいわね……」

 

「そう言うなよ? 私と霊夢との仲だろ〜?」

 

 箒から降りて男っぽい口調で霊夢に話しかける女子。どうやら面識のある女子らしい。

 

 その女子は黒い服をベースにスカートで白いエプロンのようなものをしており、シルクハットに似ているような似ていないような黒い帽子を被っていて、左耳の傍の髪の毛に白いリボンを付けている。そして箒で空を飛んでいたところから……魔法使いを連想させた。

 

 その魔法使い(仮)がこちらに気づいて話しかけてくる。

 

「? 見ない顔だな? 外来人か?」

 

「外来人……?」

 

「幻想郷の外の世界から来た人を外来人と呼ぶのよ。紫のスキマから落とされた人も同様にね」

 

「お前……スキマ妖怪に目を付けられたのか……それは災難だったな……」

 

 ……何故か同情されてしまった。博麗も何か面倒くさそうにしていたし、そんなに八雲さんは人気がないんだろうか?

 

「君は魔法使いか何か? さっき箒で空を飛んでいたみたいだけど?」

 

「そうだぜ。人間の魔法使いの霧雨魔理沙だ。お前の名前は何て言うんだ?」

 

「辰上侠。……この世界は色々な文化が混ざっているんだ……東洋と西洋の文化があるなんて」

 

「? 東洋? 西洋って何よ?」

 

 霊夢が自分に話しに疑問を持ったようで聞いてくる。

 

「東洋は和風文化のことを示すかな? 具体的な例で言うとわかりやすいのは神社や巫女。西洋は城や魔法使いという分け方をしている」

 

「いちいちそんな風に分けなくても良い気がするぜ……」

 

 面倒くさいという表情で感想を言ってくる霧雨。

 

 霧雨は博麗に向き直し、話を振る。

 

「そういえば霊夢? こんなところで何をしているんだ? 掃き掃除でもなさそうだし……」

 

「侠に弾幕ごっこや能力、スペルカードについて教えてたのよ」

 

「ほ〜? 侠は能力はあるのか?」

 

 自分の能力が気になるみたいなので、先ほどの出来事を踏まえて説明した。

 

「自分の能力は【体を獣化させる程度の能力】。さっき手を龍の手に変換することが出来た」

 

「見たことも聞いたこともない能力だぜ……外来人特有の能力だな」

 

「能力と言えば二人とも何か能力があるのか?」

 

 ふと疑問に思ったので二人に聞いてみることに。

 

「私は【空を飛ぶ程度の能力】よ」

 

「んで、私は【魔法を扱う程度の能力】だぜ?」

 

 ……能力に格差があるような気がした。そっちの能力マジで実用的で便利そうだ。

 

 話が違う方向に向かっていた所為か、博麗は会話を元に戻す。

 

「それで話は戻すけど、今これからスペルカードについて説明しようとしたところよ」

 

「それなら私が教授してやるぜ! 霊夢も良いだろ?」

 

「……好きにしなさい」

 

 何か博麗は投げやりみたいな態度だった気がするけど、いつの間にか先生が博麗から霧雨に変わった。彼女は覇気のある声で確認を含め問いかけてくる。

 

「じゃあ、侠! スペルカードについて何か知っていることはあるかっ?」

 

「弾幕ごっこに弾幕と能力とスペルカードが関わっていることぐらいだね」

 

「じゃあ、私が考えていることを教えるぜ。弾幕ごっこはパワーだ! ごり押しでやれば大体の弾幕ごっこには勝てるぜ!」

 

「……魔理沙の考えそのままね……」

 

 霧雨の説明にそのまま言う博麗。

 

「まぁ、これも実際に見てもらえば早いぜ。私の十八番のスペルカードはこれだぜ」

 

 服のポケットから絵柄のついたカードを見せてくれた。そのカードはなんというか……光線みたいな絵柄が描かれていた。

 

「それがスペルカード?」

 

「そうだぜ? これは恋符【マスタースパーク】。火力満点のスペカだぜ!」

 

「何だ? それはどこかに行って買わないといけないの?」

 

 自分の思った疑問に博麗が答えてくれる。

 

「違うわ。それは元々何も描かれていない白いスペルカードがあるわけ。それを持って自分が思い描けたイメージをその白いスペルカードに念じれば出来るのよ。それぞれの人のイメージは千差万別。それぞれ異なったスペルカードが作られるのよ」

 

「へぇ……」

 

「霊夢〜。それは私が説明しようとしたところだぜ……?」

 

「……あ。そういえば財布に──」

 

 ふと思い出す。レシートかと思ったら単に白いカードが入っていたことを。カード入れから引っ張り出したら三枚の白紙のカードがあった。

 

「……何で持っているのよ?」

 

「知らない内に財布に入ってた」

 

「どうせあのスキマ妖怪が入れたんだろ……」

 

 八雲さん……あなた何者なんですか?

 

 とりあえずイメージをする。ここは幻想郷。妖怪がいると言っていたな。力量は分からないが、自分を守る力が良いな……。

 

 そう考えていると、少しずつ絵柄が浮かんできて、完成した。読み取れる文字は……。

 

「……防符【リフレクション】?」

 

「見た感じは防御のスペルカードね?」

 

「……良しっ! 侠のスペルカードが出来たみたいだし、私と弾幕ごっこやろうぜ!」

 

「えぇー」

 

 霧雨の提案に露骨に嫌そうな反応をする自分。

 

「…………何でそんな嫌そうな顔をするんだ?」

 

「……必要以上に戦いたくないというか、女子とはそんな戦いたくない」

 

「ずいぶんと紳士的なのね?」

 

「だって女子と戦うとか乗る気がしない」

 

 博麗から茶化されたような気がするが、女子と戦いたくない。同性なら別に良いけど。

 

「そんなこと言うなよ〜? 私なら全然構わないぜ?」

 

「君がそう言っても自分が構う。自分が逃げ回るならまだ良いけど……」

 

「じゃあ、そうしたらいいんじゃない?」

 

 自分の言った言葉に提案する博麗。

 

「一分以内に魔理沙からの弾幕、スペルカードの攻撃をひたすら侠は避ける。被弾回数は……三回ね。三回当てれば魔理沙の勝ち。二回以内なら侠の勝ちで。それで良いかしら?」

 

「ナイス提案だな霊夢!」

 

「一分以内か……まぁ、それなら良いかな?」

 

「よし! そうとなったら構えろ侠! 私が勝ったら何かもらうからな!」

 

「いつそんなルールが追加されたんだろう……? まぁ、あるもので」

 

 お互いに構えてお互いの出方をうかがう。審判は博麗に。

 

 そして……そろそろ博麗が宣言する頃だ。

 

「……始め!」

 

「先手必勝だぜっ!」

 

 霧雨の手からいきなり星みたいな弾幕がこちらに飛んでくる。中々速かったが、間一髪で転がり避けた。

 

「容赦ないなぁ……」

 

 素早く起き上がり、体勢を立て直す。

 

「(……魔理沙の弾幕を簡単に避けた?)」

 

「ほらほら! 避けないと次の弾幕が当たるぜ!」

 

「初心者なのに容赦がないっ!?」

 

 連続でこちらに今度は緑色の弾幕が飛んでくる。自分は余り弾幕が使えないのに……。

 

 躱す方法は決まってくる。普通に避けるか、至近距離で自分の弾幕と相殺させるか。そう一つはさっきの自分のスペルカードを使うか。

 

 五連続で弾幕が飛んでくる。最初の二発は普通に体をズラして躱して、次の二発は至近距離の自分の弾幕を当てて相殺。しかし、一発は自分にくらってしまった。

 

「ぐっ……地味に痛いな、これ」

 

「ようやく一発かよ……? お前どれだけ運動神経良いんだよ?」

 

「(……何か戦い慣れしているような気がするわね……)二十秒経過」

 

「くっ……私としては開始二十秒以内に決着がつくと思ってたぜ……なら、使わせてもらうぜ!」

 

 霧雨は一枚のカードを取り出す……スペルカードっ!?

 

 急にスペルカードを取り出した霧雨に博麗は声をかける。

 

「ちょっと魔理沙……初心者相手にそれはやり過ぎじゃないの?」

 

「大丈夫だぜ。侠なら大丈夫……そんな気がする」

 

「さっき会ったばっかりだよね!? そんな『お前のことを信用している』みたいなことを言われてもっ」

 

「私のいつも使っている道具無しだから大丈夫だぜ……いくぜ──」

 

 霧雨はスペルカードを構え、宣言。

 

 

 

 

 

「──恋符【マスタースパーク】!」

 

 

 

 

 

 霧雨のカードから極太レーザーが飛んでくる……ってやばくねっ!? ヘタしたら死ぬよっ!? これ自分も使わなくちゃ!

 

 自分のスペルカードを構えて詠唱する。

 

 

 

 

 

「防符【リフレクション】!」

 

 

 

 

 

 防御系統なのは分かるが、効果は分からないが発動させる。自分は腕で目を隠していた。

 

「っ!? 何だよそれぇっ!?」

 

 何故か霧雨の焦る声が聞こえた。腕を下げてみると、横に転がっている霧雨が見える。

 

 ……何時の間にか自分の体には赤いぼやけを纏っていた。それであの極太レーザーがきていない──いや、この状況だと撥ね返したのだ。

 

「……何よ今の? 魔理沙のマスタースパークを撥ね返すなんて……」

 

 博麗も驚きの声を上げている。自分の状況を整理していると、赤いぼやけが消えていった。

 

 このスペルの効果に自分は驚いていたが──

 

「隙ありだぜっ!」

 

「ぐふっ!?」

 

 このスペルカードについて考えていたら、霧雨からの弾幕を二発喰らってしまった。しまった……周りに気を配っていなかった!

 

「よしっ! 私の勝ちだぜ!」

 

「ギリギリ時間以内ね。この弾幕ごっこは魔理沙の勝ちね」

 

「無駄に考えすぎたな……うん。よそ見をした自分の負けだ」

 

 体についた埃を払いながら制服を整える。

 

 ……だいたい、このスペルカードの効果の検討がついた。

 

「侠〜。何だよそのスペカ? 私のマスタースパークがそのまま跳ね返ってきてビックリしたぞ?」

 

「……多分、このスペルカードは弾幕や遠距離攻撃を撥ね返すことが出来る効果だと思う」

 

「……そうなると弾幕や遠距離攻撃のスペカを撥ね返すことが出来るのかよ!?」

 

「侠……少しそのスペルカードを貸しなさい」

 

 博麗に渡すように言われたので素直に渡す。彼女はスペルカードを見ながら考察を述べる。

 

「……見たところスペルブレイクにしては早すぎるわね……。十秒ほどで消えたのはきっと制限時間ね」

 

「制限時間? そのスペルカードが? そんなのってあるの?」

 

 博麗の言葉に自分は疑問を抱く。問いかけると博麗は淡々と答えた。

 

「だって長時間なら無敵じゃない。こんなの使われたら誰も勝てないでしょうよ? おそらく、公平性を作るために使える時間が早いのだ思うわ。ざっとだけど十秒ほどで消えたわ」

 

「メリットが大きい分、デメリットがあるスペルカードか……二人もこういう制限時間があるの?」

 

「「基本的にないわ(ぜ)」」

 

「……何で自分ばかり不器用な能力やスペルカードばかりなんだろう……?」

 

「そんなの私が知るわけないでしょ? 紫も紫よ。何でこう特殊な外来人を連れてきたか……。はい、返すわ」

 

 博麗からスペルカードを返してもらった。

 

 ……確かに自分の存在はあの世界から見ると部外者なのかもしれないけど。

 

 色々疑問とか思い返していたが、霧雨が場をまとめ始める。

 

「よしっ! 良い勝負だったし朝食を食べるか!」

 

「……はぁ。やっぱり食べるのね」

 

 博麗はため息をつきながら神社の中へ手招きして自分たちを入れてくれた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 ……今の時間帯、朝だったのか……。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




 模擬弾幕ごっこは表主人公の敗北。世の中そんなに甘くない。
 表主人公は基本的に戦うことが余り好きではない。それでいいのか主人公。
 疑問に思ったことはどんどん送ってきても構いませんのでどうぞ。
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