最初は表主人公視点。また戻りますが。
では本編どうぞ。
紅魔館の外装は赤で目に悪い色をしていたけど、内装も赤い。ここの主はどういうセンスをしているのだろう? そして外から見るより中が広く感じる。
誰も会わないまま、なるべく下に行くように進んでいたら……重そうな扉が若干開いていた。誰か通ったのかもしれない。
「……とりあえず開けてみようか……」
意を決して扉を開けると──そこには多くの本、本、本が多数の本棚に収められていた。
「おお……! これは興味深い……!」
……異変が解決したら読ませてもらおう。
霧雨を探しに中に入って探してみるが……進む度に道は荒れていて、本が落ちていた。
「……はぁ。またあの二人か……」
ここを管理しているノーレッジのことも考えてあげて欲しい。
惨状に呆れていると──手が出ていて、本に埋もれている人らしき人物がいる。この人がノーレッジだろうか? 何か悪魔の翼っぽいのが見えているような気がするけど。
「……とりあえず助けて事情を話そうかな」
丁寧に自分は本をどかし始めた。本をどかすと現したのは──スーツを着た、頭と背中に悪魔の羽根が生えた女性だった。その人(?)は気絶をしていた。どんだけあの二人は気絶させれば気が済むんだろう?
「おーい、起きてくださーい」
紅さんと同じく体を揺すって反応を確かめる。数秒後にその人の目は開いて、こちらを見てくる。
「う〜ん……どなたですか──って、えっ!? えっ!?」
その悪魔っぽい人は気がついて自分を見るなりかなり驚いていた。起こし方が悪かったんだろうか?
〜side out〜
小悪魔は体を揺さぶられている。そして思い出す。この日食の異変を解決しに来た霧雨魔理沙に攻撃され、その後同じ異変解決者の博麗霊夢に攻撃され、吹き飛ばされた衝撃で本棚が倒れて生き埋めになった。だが、今では本の重みは感じない。誰かに覚醒を促されている。
そして、小悪魔は意識を取り戻し促した相手を見たが──
「う〜ん……どなたですか──って、えっ!? えっ!?」
小悪魔はその相手を見て驚愕した。その相手とはこの異変を起こした本堂静雅の携帯電話に写っていた親友──辰上侠だったのだ。外界にいるはずの執事の親友がここ、図書館にいる。これは小悪魔の夢なのだろうか?
『あの〜……自分を見てどうしました? 何か変なことでもしたんでしょうか?』
喋っている。会えないと思っていた人物が目の前で喋っている。恋愛小説で読んだ人物に出てきた好みの男性。
小悪魔は夢だと思い、自分の頬をつねってみたが──
「──痛いです!?」
「……自分って悪夢の光景だと思われているのかな?」
現実を確かめた。夢じゃない。
小悪魔の突然の行動に目の前の人物は戸惑いながらも小悪魔に話しかける。
「い、いえ!? 悪夢じゃないですよ!? ただこんなところにいるのかが不思議で……」
「あ〜、うん。それは気にしないで。とりあえず自分は事情を聞きに来ただけだから。この異変について」
小悪魔は話している少年のことを知っている。だが、パチュリーにはこう言われていた。
『静雅のことは誰にも話しちゃ駄目よ。どういうわけか静雅は情報を漏らさないようにしているけど……』
パチュリーからは口止めされている。話したいのに話せない。知りたいのに知れない。小悪魔は落ち着いて、名前を確かめることにした。
「えっと……あなたは誰ですか? それとどうして紅魔館に?」
「名前……以外とまだ知られていなかったみたいだね。博麗神社で居候している外来人の辰上侠」
「(──名前が一致しました!? それで居候をしている……!?)」
彼は本物だった。しかも居候ということは幻想郷には何日間か居たということ。昨日、静雅が能力で試しにやっていたら紅魔館に現れる可能性があったと言うことだ。
しかし、侠本人はそんなことを知るはずもない。侠は拳を顎に当てながら答え続ける。
「それで目的ねぇ……ちょっとある人に頼まれてこの異変を調べに来たんだ」
「え……っ!?」
「何かこの『日食』が不自然でね。普通なら持って数十分なんだけど、もうすぐ一時間近くたってもいっこうに太陽が現れない。それで博麗達はこの紅魔館が怪しいと判断して特攻したと思うんだけど……すれ違ったみたいだ。それとゴメンね? 博麗達がこの部屋をめちゃくちゃにしたみたいで」
「え、いや、そのぉ……」
……運命とは時には残酷なことだ。会えないと思っていた人物に会えたと思ったら──敵としてだった。しかもこの現象の名前まで知っている。
「確認の意味も含めるけど──この異変を起こしたのって最近雇ったっていう執事だよね? できればその執事に止めるようにいって欲しいんだけど──」
小悪魔は悟ってしまった。
──博麗霊夢と霧雨魔理沙と同じでこの異変を解決しに来たと。
小悪魔は悟ってしまった。
──せっかく仲直りできた主達の夢を壊しに来たのだと。
小悪魔は悟ってしまった。
──仲良くすることが出来ないと。
小悪魔は葛藤に包まれる。この人と仲良くなりたい。興味を持ってもらいたい。でも、主達のために戦わなくちゃいけない。戦いたくなくても。
小悪魔は感情があふれだし──
「(ひぐっ……)」
泣いてしまった。抑えきれない気持ちに負けて泣いてしまった……。
〜side 侠〜
「ちょっ!? 何で泣いているの!?」
情報を聞き出そうと聞いていたら急に悪魔の人が泣き始めてしまった!? 何で!? 何も危害は与えていないよね!?
「す、すみばぜん……」
「今の聞き方に悪かったところがあったのなら謝るから──!? 危ないっ!」
──急に弾幕がこちらに飛んできたので悪魔の人を抱いて転がりながら躱した。何だ今のは!?
「こぁあっ!? い、一体何が──」
「とりあえず君は下がってて! 危ないから!」
悪魔の人を抱くのを止め、逃げさせるを促す。
──そして、紫の服をベースとした服で、もみあげには赤と青のリボンを付け、帽子には三日月を付けている女性が現れた。
「……魔理沙にやられ、霊夢にもやられて私が倒れている間──こぁに何をしたのっ!?」
……怒ってらっしゃる。自分、何もしていないのに怒ってらっしゃる。今の悪魔っぽい女の人が泣いていたせいか、勘違いしている。戦闘すら起こっていないのにも関わらず。
それを見かねて何とかしなくちゃいけないと思ったのか、悪魔の人はその人に弁解をする。
「ち、違うんです、パチュリー様!? これは、勝手に私が泣いただけであって──」
「こぁっ! そんなことは言わなくて良いわ! そいつはこの幻想郷にいないはずの姿を借りている妖怪なのよ! 今すぐそいつから離れなさいっ!」
……えっ!? 妖怪扱いされた!?
悪魔の人もパチュリー・ノーレッジ(確定)に促されて、後ろ髪を引かれる思いのようにその場から離れた。
それにこの人、ものすごい誤解をしていない!?
「ちょっと待って! 自分はあの人に何もしていない! ただこの異変のことで聞いていただけなんだよ! それと自分は人間だ!」
「あなたは隠しているつもりでしょうけど妖力を感じるわ! そんな見栄ついた嘘はつかないでちょうだいっ!」
……はい? 驚愕の真実なんですけど?
「えっと……自分の力って妖力だったの……?」
「……どうやら今まで自分を人間だと思い込んでいる妖怪だったみたいね。なのに体は人間……あなたの能力か知らないけど、化けの皮を剥がせてもらうわ!」
そういいながら弾幕を放ってくるノーレッジ……はぁ。この際自分の力が妖力だったことはもうどうでも良い。だけど──
「──戦うしかないのか……!」
戦闘は避けられない。図書館の前半。
……え? 戦闘がないって? 区切りの良い感じで区切ったらこの文字数がちょうど良かったんだ……ちゃんと後半も投稿します。
週2投稿出来ないときは毎週土曜日の20時に出来るよう心がけていますが、週2のとき土曜以外の時間帯に不定期に投稿することがあるのでチェックしてみてください。
ではまた。