最初は三人称。
裏主人公、本堂静雅の戦闘BGMは【アンノウンX ~ unfound adventure】で脳内再生してください。
では本編どうぞ。
「侠……? あの喋り方と人称……そして──静雅? あの執事の事を知っていたのか?」
戦い始めた二人を見て魔理沙は疑問を持つ。あの執事を見た瞬間、目つきと口調が変わった。対面することで侠は紅魔館の執事が静雅と分かったのだろう。
疑問そうにしている魔理沙に咲夜は思い出したように言う。
「そういえば執事──静雅は名前と能力がばれないようにしていたわね。何故か『異変中は執事と呼んでくれ』と言っていたのは多分、この時のために?」
「……何だそりゃ? それじゃあ静雅っていう執事は幻想郷に侠がいることを知っていたのか? しかし何であんな親しげに──」
魔理沙は知っている。侠は基本名前で人を呼ばない。しかし、その彼が名前らしきもので呼んでいる。
『──それは静雅があの辰上侠と親友なのよ』
背後から聞こえてきた声。一部以外が振り向くと図書館を管理している魔女、パチュリー・ノーレッジだった。
おんぶされているレミリアはパチュリーに話しかける。
「あらパチェ。この弾幕ごっこを見るためにここまで来たの?」
「そうだけど……レミィ、見るだけでも分かる満身創痍ね……」
「お、パチュリー……ってじゃない! パチュリーは侠の事知っていたのか?」
魔理沙は気になった。この異変で辰上侠が紅魔館住民と戦ったことを知らないのだろう。それなのに詳しく知っているそぶりを見せている。
「今、こぁは辰上侠の奇妙な式神の面倒を見ているけど……昨日、こぁが静雅の携帯電話という物の待ち受け画像という写真かしら? それについて静雅は解説したのよ。今戦っている男とは外界での一番の親友だということを」
「成る程……いわばお嬢様とパチュリー様みたいな関係ですね」
パチュリーの説明に咲夜は頷いた。だが、パチュリーはあることの推測は黙っているままだが。
「(……八雲紫の思惑であるかもしれないと言うことは黙っていた方が良さそうね……)」
「しっかし……あんなひねくれた奴とよく友達になれるよな、なー霊夢?」
パチュリーの推測は置いておくとして、同じ戦った者として魔理沙は霊夢に話しかける。
……だが、彼女の腐れ縁である霊夢は返事をしてこない。
「……? 霊夢?」
不思議に思い。霊夢の方へ視線を向けてみると──
「…………(ぽー……)」
頬を赤くしながらぽーっとしている。霊夢の視線の先を追ってみると……戦っている侠の姿だ。何故かお互い弾幕を使わず肉弾戦している。
……だが、ここである違和感。
「……っ!? 侠の攻撃が静雅に当たっているぜ!? どういうことなんだぜ!?」
お互い弾幕は使っていないとしても、侠の直接攻撃が静雅の体に撃ち込まれている。同時に静雅による攻撃も侠に撃ち込まれているのだが。ちなみに二人ともは武器を使わない素手での戦いである。
……一発も当てることが出来なかった魔理沙だったが、侠はもう初めの方で攻撃を与えている。それはおそらく霊夢も同様だったはずなのだが。
その様子を見たレミリアは遠くから静雅に話しかける。
「静雅っ! 何故能力を使わない!?」
それを聞いた静雅は侠の攻撃を防御や受け流したりしながらも、途切れ途切れに答えた。
「悪い、レミリア嬢! こいつ、とは、能力を使わない、対等な勝負で蹴りを、付けたいんだ! 外界、で、負け越している、からな!」
「静雅、それなら、俺も能力は、使わない! いつも以上での、『組み手』でいこうじゃないか!」
「あぁっ! 幻想郷式、『組み手』だ! 能力禁止で、使って良いのは、弾幕と、スペルカード、のみ!」
「そして、勝利条件、は──」
「「──相手に敗北を認めさせること(だ)!」」
……勝手に二人でルールを決めて盛り上がっていた。
そんな二人を見てパチュリーはジト目で一言。
「……仲が良すぎでしょ、あの二人」
ごもっともである。異変を賭けて対決しているはずが、個人での戦い重視になっている。
そして、咲夜は静雅のある言葉が気になった。
「……負け越している!? それじゃあ静雅と侠の強さは──」
「──能力関係を抜いたら自称人間の方が強いということでしょう。けど、静雅のスペルは厄介よ。そうそうこの異変が終わるとは思えないわ」
レミリアは心配するというよりも、静雅の勝利を願っている形だ。
二人は今度は距離を取り、弾幕を放ち始めた。
「……侠ってこんな強かったか霊夢? あんな弾幕を躊躇無くはなっているが……霊夢? 聞いているのか?」
魔理沙は再び反応がなかった霊夢に尋ねる。その霊夢はいうと──
「…………(ぽー……)」
頬が赤いままずっと目線の先は──侠を見ている。
「……?」
魔理沙は一先ず霊夢に近づき、目の前で手を顔の前に出し、振ってみる。
……すると。
「…………ん? 魔理沙? どうしたの?」
「いや、どうしたのかは私が聞きたいんだが……霊夢は侠の事をどう思う?」
それを聞いた瞬間──ボンッ! とさらに顔を赤くし──
「ちちち違うわよ!? 確かにいきなり肩を掴まれたと思ったら凄いなんか男らしい顔で言ってくるのよ!? それで今まで見たことのない優しい顔でお礼とか言ってきて……今まで思っていなかったけど侠って結構かっこい──」
「いやっ!? 説得どうこうの話じゃなくて侠の弾幕ごっこについて聞いているんだぜ!?」
「──!? だ、だったら最初からそう言いなさいよバカ!」
「お前が聞いていなかったんだろっ!?」
何やら必死になって否定していた霊夢だったが、魔理沙の言葉を受けて何やら恥ずかしがっていた。何やらを。
彼女としては多少は落ち着きながら、魔理沙の質問に答える霊夢。
「ま、まぁ侠の弾幕ごっこね、うん。強いんじゃないかしら?」
「……何かおかしいぜ霊夢? かなり適当なことを言ってないか?」
「言ってないわよ! あの執事だが知らないけどあいつ自身が『オレより侠の方が強い』って言っていたの! だったら魔理沙が勝てなかった執事よりも侠の方が強いのよ!」
「おまっ!? 霊夢こそあいつに負けそうだったじゃねぇか! それだったらお前だって侠より弱いって事になるぜ!」
「残念でしたー。私の戦いは侠がバトンタッチしてくれと頼んできたから代わっただけで私は実際には負けていませんーっ」
「侠がいなかったら霊夢だって負けてただろ!」
「(……仲が良いんだか悪いだか、この異変解決者達は……)」
パチュリーは二人に呆れながら、外来人通しであり、親友達の戦いを見守ることにした……。
〜side 侠〜
お互い弾幕を撃つも、相殺したり躱したりで中々当たらない。いつもなら俺が優位に立てるのだが、状況が違う。
「侠……どうやらここに来るまで結構な力を使ったようだな」
「そりゃあ、ここまでくるのに強い人がかなりいたから。興味が無い弾幕ごっこでここまで来るのは大変だった」
「お前さんが弾幕ごっこに興味を持ったら誰も勝てねぇよ……だが、能力は使わないとしても、この優位性を使ってオレはお前さんに勝ちたいんでね。そんで、この異変を達成させる!」
そして静雅は、スペルを取り出し宣言。
「縛符【這いつくばる愚者達】!」
『! あのスペルか!? 侠、近づかれるな!』
手を前に出して宣言共に霧雨の声が飛んでくる。重力スペルか……。
とりあえず冷静に弾幕を静雅に放つ……が、急に弾幕が下に急降下。床に弾幕が落ちた。
「悪いが、このスペルを使っている最中は弾幕は通らない!」
「見れば分かる。だが、大体把握した」
『……把握したですって……?』
俺の発言にノーレッジから言葉が飛んでくる。
静雅は手を前に出したまま、こちらに走ってくる。だが、俺は適度な距離を保ち、逃げる。
「どうした侠! 手も足も出ないか!?」
「そのスペルは手も足も出ない方が正解だろうよ?」
静雅の頭では分かっているだろう。俺には基本挑発は通用しない。そして角度をずらして弾幕を撃ち込む。だが、重力にしたがって落ちるのを繰り返すだけ。
そして何発は撃ち込んで分かったこと。
「その重力のスペルは大体目の前に五メートルほどの立方体の範囲しか出せないみたいだ。しかもその間、弾幕を放ってこない。少しでも俺の動揺を誘うためにそのスペルを使ったみたいだが……おそらく、自分の弾幕も下にいってしまうんだろう。そのスペルは本来奇襲してから使うスペル。動けなくしてから当てるのが基本のスペルのはずだ」
「……完璧に分析されたな。その通りだ。これは本来能力と合わせて使うスペルだからな。仕方ないから最初の方でこのスペルを使わせてもらった」
そう話している内に、放っていた弾幕は下に落ちなくなり静雅に向かっていったが、躱された。重力がなくなったということはスペルブレイクだろう。
「あっさり攻略されてしまったな……魔理沙相手だとこのスペルで十分だったんだが」
『う、うるさいぜっ!?』
『あなた……スペル一枚で負けたのね……』
魔理沙の反応にメイドは少し困ったように言っていた。
そして──静雅は新たなスペルカードを取り出した──
ようやく戦闘に入った……長かった。
今まで質問が多かったどうやって裏主人公を攻略するのか? 答えはプライドのため、フェアな勝負でけりをつける。彼はチート無しで表主人公に勝ちたいんですよ。
そしてツンデ霊夢。
裏主人公のスペルである縛符【這いつくばる愚者達】は能力と組み合わせてやります。
スペル発動→能力で移動、効果範囲内に入れさせる→相手は押しつぶされる
……という感じです。
ではまた。