幻想世界に誘われて【完結】   作:鷹崎亜魅夜

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 人形と言えばこの人。
 三人称視点。
 ではどうぞ。


『〜Ex side story〜』4

 とある魔法の森の一軒家に──アリス・マーガトロイドの住む家がある。彼女は魔法使いである。種族での魔法使いだ(大ざっぱのカテゴリーとしては妖怪だが)。人間の魔法使いの霧雨魔理沙とは違い、食事や睡眠を取る必要はなく、寿命も長い。

 

 中でもアリスは人形を主にした魔法が得意。指先で繋いだ糸で人形を巧みに操ることが出来る。その気になれば複数の人形を指先で操ることが可能だ。

 

 その中でアリスは目指しているものがある。それは人形の自立化だ。

 

 現時点で人形に魔力を送り、半自立型の人形がある。代表的な人形は上海人形、蓬莱人形といったものがある。彼女は日々自立型人形を作るため研究している。

 

 彼女は人形制作に必要な素材を上海人形に頼み、研究に没頭してたとき……ドアからノックが聞こえてきた。

 

「……帰ってきたかしら?」

 

 研究を中止し、ドアまで歩いて開ける。ノックをしたのは自分の人形である上海人形だった。手に袋を持っているので、買い物はちゃんとしてきたのだろう。

 

「……シャンハーイ」

 

「お帰り──? どうしたの? 何か機嫌が少し悪いみたいだけど?」

 

 荷物を受け取り、自室に上海人形を入れる。

 

「……シャンハーイ!」

 

「素材を買えたのはよかったけど、氷精達に見つかって追いかけられてたの……それは災難だったわね……しかもそれで服が破れて──? その割には服は変わりがないように見えるけど?」

 

「シャンハーイ! シャンハーイ!」

 

「途中で妖怪の女の子と変な男の子に会って──えっ? それで確かめるって意味合いでスカートの中を覗かれたの?」

 

「シャンハーイ!」

 

 ……一見どうやって会話が成り立っているのか不思議だが……アリスは魔力を与えているため、意思疎通出来ているのである。

 

 ……一部例外で侠は何故か意思疎通が出来たりするが。

 

「それでほつれたところとか直してくれたの?」

 

「……シャンハイ」

 

「……ちょっと見せてみなさい」

 

 アリスは上海を手に取り観察する。見てみるとうっすらと自分とは違う縫い方で目立たないように縫われていた。

 

「(すごい……私とは手癖とか違うけど……不自然があまりない。それでなるべくもうほつれないように頑丈に縫われていている。手先が器用な人物には間違いないわね……)」

 

 そういえば私以外に人形を作る人は見かけたことがないわねと思いながら観察し、分析する。

 

 そして、情報を集めるために上海に色々聞いてみるアリス。

 

「どんな人かどうか特徴教えてくれる? 絵で大ざっぱで構わないわ」

 

「……シャンハーイ」

 

 アリスは紙とペンを取り出し、上海にペンを持たせ描かせてみる。

 

 ──そこで、乱入者が現れた。

 

「(ガチャ)よーっす、アリスいるかーっ?」

 

「せめてノックして待ちなさい。それが常識でしょ」

 

「まぁそこは気にするな。気にしてたら禿げるぜ?」

 

「楽観的な奴は良いわね……」

 

 そこに来たのは霧雨魔理沙だった。彼女は片手にキノコがたくさん入っているバスケットを持っているように見える。

 

「今日はキノコがたくさん採れてな。霊夢んとこはお裾分けしたからお前のところもしようと思って」

 

「……別にキノコとかいらないんだけど」

 

「まぁまぁ、食用だから気にせず食っとけって」

 

 魔理沙は適当にバスケットを机の上にのせた後、アリスに話しかける。

 

「そういや知ってるか? 侠は紫に白玉楼に拉致られたらしいぜ」

 

「……何でわざわざ白玉楼に?」

 

「幽々子に紹介するんだとよ。それで一週間近くは白玉楼に来られないように結界を展開みたいだぜ」

 

「……はっ? 何でわざわざ結界までするのよ?」

 

「知らんぜ。それで霊夢は不機嫌だったな。まぁ、男版咲夜を連れ去られたとなれば霊夢も怒るだろうよ」

 

 一通り話し終えたのか魔理沙は傍に何かを描いていた上海に疑問を持ち、アリスに詳細を尋ねた。

 

「……何描いているんだぜ?」

 

「ちょっとね──ん? 出来たの上海?」

 

「……シャンハーイ」

 

 上海は描き終えてその場からどいた。特徴として見えるのは全体的に黒い服。少しはだけた胸元。左目の近くに二本のヘアピンで留められている。

 

 その特徴にいち早く気づいた人物が一人。

 

「──! こいつ静雅じゃないか!」

 

「!? それって前回の異変の犯人じゃない! そういえば勝手に置かれた新聞であったような……!」

 

「何だ? 上海は静雅に何かされたのか?」

 

「そういうわけじゃないんだけど……上海のほつれを直した器用さが気になってね……」

 

 そう言って考えるアリス。直した本人が紅魔館にいるとなれば会いに行くのはある意味難しいかも知れない。

 

 そもそもアリスは実際に会ってみたいと考えている。外界での技術を取り入れたいと思っているからだ。

 

 静雅の親友である侠がいればコネで紅魔館に入れるかも知れない。だが、今はその親友は魔理沙の情報で白玉楼に居てそれは難しい。

 

「……後日、正攻法で行ってみようかしら」

 

「……私も行ってやろうか? まだあいつとは弾幕ごっこで勝ててないからな。強行突破するなら手伝うぜ」

 

「しないわよ。そんな野蛮なこと」

 

 アリスはこれからの予定を立て始め、どうするか考え始めた……。

 

 




 薄々感じていた人もいるかもしれませんがアリスの回でした。そして表の『〜Ex side story〜』3 と合わせると……?

 次回からは第七章。表からです。

 ではまた。
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