幻想世界に誘われて【完結】   作:鷹崎亜魅夜

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 計三度目の弾幕ごっこ。
 引き続きアリス視点。
 では本編どうぞ。


二話 『再々戦する二人』

「星符【メテオニックシャワー】!」

 

 魔理沙は構えた手から宣言したスペルカードの星の弾幕を繰り出す。それに対して静雅は──

 

「無駄無駄無駄無駄ーっ!」

 

 ケースから槍みたいなのを取り出し、独特の構えで叫びながら槍で弾幕をはじく。時には避けて静雅も手から球状の灰色の弾幕を繰り出す。

 

 はじいた弾幕の内、流れ弾こちらに向かってくる──ってちゃんと考えながらはじいてないじゃない!? こちらに向かってくる流れ弾の弾幕を私は相殺しようと人形を取り出し、弾幕を込めるが──

 

「……別にそんなことをしなくても大丈夫よ」

 

 ボソッと呟くパチュリーの声が聞こえ──弾幕は私達に届く前に消えた。それを見て呆然とする私。

 

「…………え?」

 

「だから大丈夫と言ったでしょう。ちゃんと静雅は能力で私達に被害が出ないようにしているわ」

 

「…………ねぇ? あいつの能力って一体何なの?」

 

「一応知っているけど、本人は言いたくないみたいだから言わないわ」

 

「……霊夢は知っているの? 静雅の能力」

 

「知らない。擬似的の紫の能力だと思ったら?」

 

「いや……アレとは何か違うでしょ……」

 

 パチュリーは黙秘。霊夢は霊夢で興味がない。あなた……仮にも苦戦した相手なのにどうでも良いわけ?

 

 ……そして、魔理沙のスペルカードを静雅は攻略したみたいで、今度は静雅がスペル宣言をする。

 

「今度はオレの番だ! 槍符【天からの五月雨】!」

 

 宣言すると静雅の周りに多数の槍の形をした弾幕が生成され、天井に向かって放つ。すると天井に当たった弾幕達は反射をし、雨のように魔理沙を襲う。

 

「……侠が苦戦したスペルか! だが……どんな弾幕かは分かってるぜ!」

 

 魔理沙は箒に乗りながら俊敏に動きながら雨のような弾幕をグレイズしながら躱す。躱している最中に躱した弾幕は床を反射してまた魔理沙を襲う。

 

 ……何で雨なのに床に当たったら反射するのよ……雨ではないじゃない。

 

 魔理沙は躱しながら弾幕を静雅に放つ。それに対して静雅は躱したり槍ではじいてたりした。

 

 魔理沙は躱し続け、ようやく槍の弾幕の攻撃がやんだ。静雅のスペルブレイクだ。魔理沙は勝ち誇るように言う。

 

「よしっ! 調子が良いみたいだぜ! お前のスペルカードを攻略だ!」

 

「……ははっ。流石は異変解決者だ。能力を介さないスペルでは厳しいか」

 

 ……静雅に魔理沙は負けたとき、いろいろ愚痴を言ってきたこともあったけど……善戦してるじゃない。まだどっちが有利不利が決まっていない。

 

 だけど……隣にいるパチュリーはこう言う。

 

「静雅……手加減しているわね」

 

「……え? 手加減してるの?」

 

「してるわよ。能力を使っていないおろか、飛翔すらしていないじゃない」

 

 ……能力を使っているかどうか分からないが、パチュリーから見ると能力を使っていないらしい。そういえば魔理沙は飛翔しているのにも関わらず、静雅は地上で対処したりしている。

 

 霊夢はそれを聞いてあることをパチュリーに問いた。

 

「そういえば能力使ってないわね。私と戦ったときは攻撃が勝手に反れて当たらなかったもの。能力を使っていたらわざわざ躱す必要はないはず……」

 

「能力を使ったら基本的に誰も勝てないもの。唯一能力を使わない相手が親友である辰上侠だけものね」

 

 ……能力を使われると誰も勝つことが出来ないの!? しかも何で侠だけは大丈夫なのよ!?

 

 当然その事に疑問に思い、静雅をよく知っているパチュリーに聞いてみた。

 

「何で静雅は侠にだけ能力を使わないのよ?」

 

「プライドらしいわよ。外界での勝負事で負け越しているんですって。辰上侠に勝つときは能力を使わない実力勝負で勝ちたいという理由で使わない。辰上侠も静雅と戦うときは能力を使わないみたい」

 

 ……能力を使えば侠にも勝てるのに、お互い能力を使わない実力勝負だけでやる……意外にもちゃんとした理由があったんだ。

 

 ふと静雅に目を向けると……顔が楽しんでる。もしかして魔理沙に能力を使わないで勝とうとしているのか──

 

「サービスタイム終了! 能力解禁だ!」

 

「ちょ、おま!? 能力使ってなかったのかよ!?」

 

「ここからはずっとオレのターンだっ!」

 

「ならその前に潰してやる!」

 

 ──単なる気まぐれだったみたい。

 

 魔理沙は静雅の行動の前にスペルを宣言する。ある道具を持ちながら。

 

 そう──ミニ八卦炉だ。スペルカードを構え、ミニ八卦炉に魔力が集まっていき──

 

「恋符【マスタースパーク】っ!」

 

 普段と違い、さらに太くなったビームが静雅を襲う。

 

 ミニ八卦炉は魔理沙が香霖堂の店主から譲って(? 詳しいことは知らない)もらったマジックアイテム。おき火代わりにも使用できるが、力を込めることで普段より攻撃力を上げることが出来る。

 

 静雅は一瞬驚いたような表情を見せたが、すぐにスペル宣言。

 

「槍技【シールドジャベリン】!」

 

 そう宣言すると静雅は槍を回転させて、どういうわけか回転し続けたまま宙に居続ける。そして魔理沙のマスタースパークが槍に当たるが、静雅には通らない。回転し続けている槍がマスタースパークを受けている。高速回転でマスタースパークを防いでいるみたいね。

 

 しかし、魔理沙の攻撃が有利みたいでどんどん押していく。静雅は苦虫を噛み潰したように言う。

 

「……いつもより力がでかくないかそれ?」

 

「へっ! 弾幕は──パワーだぜ!」

 

 魔理沙がそう答えると同時にマスタースパークが静雅を包み込む。

 

 それで勝利を確信したのか、魔理沙は宣言した。

 

「よしっ! 私の勝ち──」

 

 言い切る前に魔理沙は静雅の現状を確認しようとしたが……そこには静雅はいなく、執事服の上着に、彼の武器である槍がそこにあっただけだ。

 

「──なっ!? あいつは一体何処に……!?」

 

 ……第三者だからこそ分かる、静雅の居場所。彼はいつの間にか──

 

「──チェックメイト、と言ったところか」

 

 そう言いながら……白いワイシャツの格好の静雅が、手を銃の形みたいに人差し指を魔理沙の後頭部に当てて勝利宣言をする静雅。

 

 ……静雅はマスタースパークに飲まれる前、急に体がぶれ──何故か上着だけを残して魔理沙の背後に瞬間移動していた。まさか……これも能力だというの!?

 

 一瞬の出来事に魔理沙も困惑した。

 

「い、いつの間にそこにいたんだぜ!?」

 

「そりゃあ見えないようにして移動したからなぁ。お前さんのスペルをオレの防御スペルで受けているとき、オレの姿は見えなかったはずだ。いつもよりビームが太くなっていたから尚更だ。死角になったのを利用して能力で移動しただけだな」

 

 意外とちゃんと考えてたのね。しかも魔理沙がパワー重視にした所為で静雅の姿を確認できず、それを利用して能力をつかった。パワー重視じゃないスペルならば急に消えても反応は出来たかもしれない。

 

 ……静雅と魔理沙の場合は優劣がはっきりしているのかしら? 魔理沙はスピードよりのパワータイプだけど、静雅はテクニックといったところね。

 

 現状を確認したのか、魔理沙は悔しそうに唸る。

 

「畜生だぜ……」

 

「ははは。オレは侠以外負けるつもりはないからな」

 

 そう言いながら静雅は魔理沙から離れ、上着と槍を取りに行き、槍をケースに収めて私達にこう言う。

 

「とりあえず一段落したところだし、アリスのクッキーをつまみながらお茶会でもしようぜ!」

 

 ……あ、結局クッキーは皆に分けるんだ。

 

 私は帰ろうとしたが、静雅が「せっかくだから親睦深めようじゃないか!」といって私も巻き込まれた。

 

 ……侠はともかく、キャラの濃い人物ばかり現れるわね……。

 

 




 能力の使用は極力控えた静雅。さすがに明らかすぎるチートは使わない。

 ではまた。
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