アリス、頑張ります。
では本編どうぞ。
大多数の人物が発言した人物に視線を向ける。向けていないとしたらパチュリーと静雅ぐらいだ。
そして、その人物は──博麗霊夢。
その霊夢にレミリアは問いた。
「……それは詳しくは自分の祖先について知らないという意味かしら? だったらまだ私の説明の方が納得のいく──」
「侠って拾われたらしいから両親すら分からないらしいのよ」
さらっと霊夢は言った。その発言に魔理沙は焦ったように言う。
「お、おい!? 人の事情をそんな簡単に喋るものじゃないぜっ!?」
「この話は侠の事を調べているんでしょ? だったら有力な情報を言い合ってまとめるべきじゃない?」
霊夢は当然のように言う。
……侠って捨て子で拾われた子供なの!?
私はその事実に驚愕していると、霊夢は説明を続ける。
「本人曰く、辰上家と関係ないと公言しているわ。確かに聞いた話だと辰上家は龍に関係のある子孫であると侠は言っていた。でもそれだけらしいのよ」
「なっ……!?」
霊夢がレミリアの説明を論破した。あくまで侠はその辰上家には関係ないのね……。
……スルーしそうだけど、その辰上家って結局先祖返りがいそうなんだけど。
だが、レミリアは諦めが悪いのか次の仮説の説明をする。
「じゃ、じゃあこれはどうよ! フランと戦っている途中で使い始めた氷精もどきの能力! あれが実は本当の能力で雪女か何かの先祖返りよ!」
……私はだんだん辰上侠の情報が混乱してきたわ……今度は何で氷精の力が使えるのよ……?
だが、霊夢はこう言う。
「──それもないわね」
「は、はぁっ!? 何でそんなことが言えるのよっ!?」
即刻否定した霊夢。否定されたレミリアが困惑した。
そして、
「……それは何故なんだ? 霊夢? 納得いく説明は?」
「氷の力を使うようになったのはフランと戦ってから。その時初めて使ったって侠は言っていたわ。それに、ちょっとこれについてはワケが違うのよ」
霊夢の説明している途中にパチュリーも気になったのか、霊夢に問う。
「そのわけが違うっていうのは?」
「きっかけはチルノと弾幕ごっこをしたとき。当然侠はチルノに勝ったらしいわ。でも、問題はその後。チルノから何故か水色の光が出て──侠の体内に入ったらしいわ」
『……え(は)?』
霊夢以外の人物は当然の疑問。私も含めて霊夢に不思議な視線を送った。
……光って何よ?
霊夢はその視線を受けてか機嫌を悪くする。
「侠が言っていたんだからしょうがないでしょ!? その後の侠はチルノに近づいても寒く感じなくなったって言ってたわ! その後侠はチルノに似た能力を出来るようになったの!」
「……まぁ、侠は基本的に冗談や嘘は言わないからな。霊夢の言っていることは本当だろう」
静雅が肯定すると周りもうなずき始める。親友のアドバンテージもあるせいか、侠の人柄が良いせいか……納得はした。
「う〜……」
ただし、一人だけ……紅魔館の主は不満そうにしている。ま、自分の理論を否定された挙げ句、他人の意見が肯定されればねぇ……。
その中で、おそるおそる挙手をする人物がいた。
「あの〜……すみません。少しいいですか?」
「……こぁ? どうしたのかしら?」
挙手したのは意外にもパチュリーの使い魔の小悪魔だった。声が小さいながらも発言する。
「……お嬢様が言った侠さんの能力である【体を龍化する程度の能力】と、仮に氷精の能力である【冷気を操る程度の能力】を持っている。どちらにしても、不自然を感じるんです」
「……不自然?」
「はい。仮に【体を龍化する程度の能力】は先天的で、侠さん自身もこれは自分の能力だと思っているはずです。しかし、後天的である【冷気を操る程度の能力】なのですが……明らかに、矛盾していると思うんです」
……ちょっと言っている意味が分からない。言ってる本人以外は納得していない。レミリアは小悪魔に問う。
「つまり、あなたは何を言いたいわけ?」
「え、えっと……本当に侠さんの能力が【体を龍化する程度の能力】ならば、氷精の能力が使えることが不思議なんです。あくまで体の強化するだけの能力ですのに、他人の能力を使うことができるのか。仮に侠さんの能力が【他人の能力を使う程度の能力】ならば納得できるんですが……」
『──!?』
小悪魔の言った仮説に私達は驚愕した。確かにそうだ。侠の能力が【体を龍化する程度の能力】ならば他の能力は使うことが出来ない。むしろ能力というのはない人物もいれば、もちろんある人物もいる。でもそれは大抵一人一つが多い。というよりは二つ以上能力を持っている人物は知らない。満月の日に能力が変わるワーハクタクの上白沢慧音を除いて。
その会話に霊夢や魔理沙も参加する。
「でも、何でチルノの能力だけ使えるわけ? 弾幕ごっこで勝つのが条件ならば紅魔館住民の能力も使えるようになるはずよ」
「他にも何か一定条件を満たすと使えるようになるんじゃないのか?」
「一定条件ねぇ……」
魔理沙の発言した一定条件。
……そういえばチルノとの違いと言えば……!
「多分、霊夢の言った光よ! 一定条件を満たすと光が出てきて使えるようになるんだわ!」
「成る程……! だから私達に勝っても能力を得られなかった……!」
私の言葉に咲夜が同調する。おそらく、この考えで間違っていないはず!
そして締めくくるようにレミリアが発言しようとするが──
「つまり──」
「条件を満たすことで【他人の能力を使う程度の能力】が侠の本当の能力なの?」
「ちょっ!? フラ──」
「えぇ。おそらく今の段階ではそうよ、妹様」
……何だか可哀想に感じるわね。妹に良いところを持っていかれるなんて。
そして……従者に慰められている主って一体……。
パチュリーは小悪魔に話しかける。
「しかし……よく気づいたわね、こぁ。そこは考えてなかったわ」
「いえいえ……そんな大したことじゃないですよ」
「辰上侠の時に頭が回るんですもの……そんなに会えなくて寂しい?」
「こぁあああっ!? べべべ別にそういうわけじゃあないですけどもないですよっ!?」
「てんぱり過ぎよ、こぁ」
……わかりやすい反応ね。それでもパチュリーは優しい目で使い魔のことを楽しそうに見ているし……。
「…………」
それに対して……霊夢は不機嫌そうな顔をしている。今の会話に不機嫌になる要素なんてあったかしら?
魔理沙はそれに気づかず、会話に参加する。
「侠は人柄が良いからな〜。おまけに咲夜みたく家事万能だし。あいつは良い嫁になるよな」
「……そこは婿でしょうよ魔理沙」
「あいつが誰かと結婚したりしたら間違いないく専業主夫だろ?」
魔理沙に私はツッコムが、それっぽい返事をする。
……否定は出来ないわね。
話を変えようと咲夜は発言する。
「話をそれに着目してみましょう。それでは結局侠の【体を龍化する程度の能力】は一体何なのか?」
「やっぱり問題はそこよね。侠の能力は【他人の能力を使う程度の能力】と仮定して、何故全く関係ない能力もどきが使えるのか?」
私は咲夜の言葉を繋いで発言する。おそらくここは皆が思っているだろう疑問だ。
私は意見を収集しようとしたが──
「だぁーっ! こんな辛気くさい話はやめやめ!」
言葉を投げるようにして発言したのは静雅。当然皆の視線は静雅に集まる。
視線を受けながらも静雅は発言する。
「そもそも楽しくお茶会でもしようと思ったのに何でこんな重い話題になっているんだ? 確かに侠の能力は不可解な点はあるだろうが、今は良いんじゃないか? 時間がそういうのは解決してくれるはずだ。ここで議論しても侠の事は何も変わらないだろ! 頭が疲れるわっ!」
……要するに考えるのがめんどくさくなったのね……あなた仮にも侠の親友なのに……。
「…………」
でも……そんな静雅に咲夜は視線を送っている。今の発言に気になることでもあったのかしら……?
本格的に会話に参加し始めた霊夢。そして能力の違和感に気づいた小悪魔。二人とも侠のために。
この仮説はどこまで合っていると思いますか……?
そして、咲夜が侠の話題とは違うが、あることに気づく。それは何でしょうか? 答えはまたフラグ回を投稿します。次でこの章のアリス視点は最後ですね。
ではまた。