幻想世界に誘われて【完結】   作:鷹崎亜魅夜

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 前提条件が変わります。
 裏主人公視点です。注意。
 ではどうぞ。


『〜Ex side story〜』6

「さってとと……二日後にはデートか……楽しみだ」

 

 オレは喉の渇きを感じ、キッチンに向かって歩いていた。

 

 それにしても……アリス・マーガトロイド、か。ツッコミ属性だな。おかげで弄りやすい。

 

 アリスの情報を整理しながらキッチンの扉を開ける。そこには椅子に座って何かを飲んでいる咲夜がそこにいた。

 

 オレの存在に気づき、咲夜が話しかけてくる。

 

「あら? どうかしたの静雅?」

 

「ちょっと喉が渇いてな。それでこの香り……コーヒーか」

 

「お嬢様の口には合わないらしいけどね。でも、こうして一人でコーヒーを飲むのを結構好きなのよ」

 

「おいおい、一人じゃ寂しいだろ? そん時はオレも呼んでくれ」

 

「気が向いたときに呼ばせてもらうわ。それで? ブラック? ミルク?」

 

「微糖ミルク入りコーヒーで頼む」

 

 そう咲夜に頼むと手慣れた手つきでコーヒーを淹れ始める。インスタントではない本格派だ。コーヒー豆があったからな。

 

 ティーカップにコーヒーを淹れた後、ミルクを少々入れ、角砂糖を一つ入れる。スプーンで溶かすように混ぜて、差し出してくる。

 

 オレは受け取り、一口飲んで一言。

 

「うまい」

 

「ありがとう」

 

 ……うん、単純な評価が出た。

 

 雑談を含めてオレは咲夜に話し掛ける。

 

「しっかし……咲夜はブラックなんだな? そんなに好きか?」

 

「コーヒー自体を味わうならブラックが良いと思わない?」

 

「ま、別に良いけどよ」

 

 お互いに椅子に座り、口を付けてコーヒーを飲んでいると……咲夜があることを聞き出してくる。

 

「どうこう言うつもりはないけど……静雅、あなた何か隠していない?」

 

「実はオレに彼女がいるかどうかか?」

 

「そういうことじゃないわよ……何でさっきの話し合いに余り参加していなかったの?」

 

 咲夜はそう言いながらティーカップを机にある受け皿に置いて聞いてくる。

 

「ちゃんと話し合いに参加してたじゃないか。それが何か隠していると?」

 

「話題はあなたの親友。私達はそれについて議論していたわ。なのにあなたは親友の性格と、疑問に思ったことにしか発言していない。侠の情報なら静雅がたくさん知っているはずでしょう? それなのに自分からその事について話そうとしないのは何でかしら?」

 

「……侠の事を聞かれたら答えるつもりだったさ。だが皆は聞いてこなかった」

 

 

 

 

 

 

 

「そういう『事象』にしたから?」

 

 

 

 

 

 

 

 オレはコーヒーを飲もうとしたとこで手を止めた。咲夜は話を続ける。

 

「あなたがあの場にいないならともかく、あなたはあそこにいた。それならば侠の事について質問攻めされるのが普通だと思うわ。けど、何故か皆それはしなかった。私も途中までは気づかなかったわよ。気づいたのはあなたが会話を止めたとき。その時静雅を皆が認知したような反応があった。まるで今まで気づいていなかったかのように。途中でもあなたは霊夢に質問したりしたわ。でも、その質問内容は皆が疑問に思っていたこと。だからあまり静雅の発言に疑問を思わなかった。逆におかしいわよね。親友の話題だというのに静雅本人が黙っていること(・・・・・・・・・・・・)に疑問に思わないのですもの」

 

「……単にオレの影が薄かっただけさ」

 

「異変の張本人が何を言っているのよ?」

 

 ……そうだ。オレはあえてあまり会話には参加しなかった。【空気の事象】。単に影が薄くなる。途中で発言しても、誰の発言かは興味を持たない。ただその人が発言しただけ。そう思い込ませる。

 

 ──真実を知るオレにとっては無駄な時間だった。まぁ、収穫としては氷の能力がオレの予想通り途中で発現したことが合っていたことだ。

 

 コーヒーを喉に通してから、ティーカップを机の上にある受け皿においてオレは両手を挙げる。

 

「降参。気づかれるとは思わなかった」

 

「途中で気づいたって言ったでしょ?」

 

「そっかそっかー。で? 咲夜は侠の真実を知りたい?」

 

「……ものすごい隠し事じゃないの!?」

 

 隠していたものが隠していたものなのでやっぱり驚かれた。

 

「まぁ、そうは言ってもオレは親伝いで聞かされたんだけどさ。『侠の真実の一部はお前から話して欲しい』って。親友の大仕事だ」

 

「一部? 一部しかあなたは知らないの?」

 

「いんや、頭から足まで知っている。でも、オレが伝えて良いのは一部だけ。残りは侠が決心したときかな? んで? 知りたい?」

 

「……正直興味がな──」

 

「まぁまぁそう言わずに。オレも一人は知って貰いたいしな。オレに何かあったときのために」

 

 咲夜は拒否しようとしたが構わず話を続けた。

 

「……死なないあなたが何を言っているのよ……?」

 

「言い換えればオレが諸事情でいない時、その時と思ったら真実の一部を侠や周りの人物に教えてといて欲しい。それに──侠の過去についてもな」

 

 ……オレは咲夜に一部の真実を話し始めた。

 

 

 

 

 

 少年お話中……

 

 

 

 

 

「──じゃあお嬢様や小悪魔の言った事は!?」

 

 咲夜は驚愕したような反応を示した。説明を補足するように咲夜に話す。

 

「侠はな。受け入れた家族の言われたことを鵜呑みしているのに過ぎない。でも、嘘はついてはいない。その表事情に限定するならば。しかし……そうしなければならなかったんだ。もしも本当の事を本家に知られたら侠の存在が危なくなってしまう。だからこそ引き取った親は侠の幼い頃に刷り込ませたんだよ。侠を守る為に(・・・・・・)

 

 オレは一呼吸を入れてこう言った。

 

 

 

 

 

 

 

 

「──侠も自分の思っていることがミスリードとは思っていないだろうよ」

 

 

 

 

 

 

 

 

 




 ちなみにこれ以降裏主人公と咲夜は毎日ではないですが、良く一緒に過ごすようになります。一緒にコーヒーを飲むなり、雑談したり。

 表主人公が言っていた事に一部、思い込んでいる事柄があります。感想欄で一度、疑問に思ったことを指摘されたことがありましたが……侠自身の思い込みという可能性があります。もしかすると表主人公の謎で勘の良い方は、今までの情報と間違っている情報を照らし合わせると、この段階で気づく方がいるかもしれません。ですが、確信している答えを感想欄には書かないでいただけると嬉しいです。もしかするとまだ情報が足りなく、考えてくださっているユーザー様もいるかもしれないので。答え合わせをしたいという意味で聞きたい方はメッセージにてお願いします。

 次章は表。もう少しだけ白玉楼での生活が続きます。

 ではまた。
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