うちの嫁さんは元バンドガールだそうで   作:ノリの人

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バレンタイン、それは独り身には地獄の1日…
バレンタイン、それは大体の2次作が更新される日…
バレンタイン、それは主人公とモカちゃんのイチャイチャ回じゃおらー!

という訳で3回目の投稿ながら特別編というのことでいつもの半日記形式ではなくオール物語形式でお送りします。

前半は大学生時代の話です。嫁さんではない彼のモカちゃんの呼び方は少し悩みましたw


バレンタイン特別編 うちの嫁さんはチョコよりパン派だそうで

これはまだ俺達が付き合い始めて1年目の話。日記にも残していない俺と嫁さんだけの思い出だ。

 

 

その日の講義が全て終わった後、俺はあーちゃんを迎えに彼女が講義を受けている棟まで来ていた。俺は木にもたれかかってあーちゃんを待つ。あーちゃんの方も講義が終わった様で彼女はは俺をすぐ見つけてこっちに駆け寄ってラッピングされた紙包みを俺に渡す。

 

「しーくんしーくん、はいこれー。」

 

「何だ、今日ってなんかあったっけ?」

 

今日が何の日か悩む俺に対してあーちゃんはのんびりとした声で今日は何の日か告げる。

 

「しーくんは忘れっぽいんですなー。今日はバレンタインデーだよー。」

 

あーちゃんに言われて俺は今日がバレンタインデーという事に気付いた。以前は彼女なしの独り身だった為か女子同士の友チョコも憎むほどの嫌な日ではあったが今年からはあーちゃんがいてくれるのでそんな日にはならない様だ。

 

俺はあーちゃんから貰ったそれの包みを開けて中を取り出した。だが俺はパン好きな彼女が普通のチョコを渡すはずがないのを忘れてた様だ。中身はパンだった。そう、パンだった。

 

「これは?」

 

「モカちゃん特製チョココロネー。」

 

うん、可愛い。可愛くて抱きしめたい。だがそれを必死に抑えて俺はチョココロネを見る。そのチョココロネは明らかに手作りであり、所々形がいびつだった。ただ少しアレンジを加えているのかパンの生地まで黒い。おそらくチョコを練りこんでいるのだろう。そして一口食べたがあれだった。何というかあれだった。生地に練りこんだチョコがかなり苦かったのに対してクリームは驚くほどに甘い。食べられるのは食べられるが2度は食べたくないという味だった。だかあーちゃんの手前厳しい事を言って悲しませたくはない。それ故に俺は美味しかったことだけを伝えることにした。

 

「美味しかったよ。」

 

「やったー。」

 

その一言であーちゃんは笑顔になり、俺に抱きついてきた。俺はそのまま彼女を負ぶって帰るか迷い、結局そのまま負ぶって帰った。

 

「だけどあと少し生地の方のチョコは甘くしてクリームは甘さを抑えてくれないかな。美味しいけどキツい。」

 

「はーい。」

 

俺達はそのまま駅へと歩いていった。

 

 

そして帰りの電車に揺られながら俺の肩に寄りかかって寝ているあーちゃんを俺は横目で見ながらそっと彼女を撫でながら呟く。

 

「ありがとな。」

 

そう言って彼女を撫でていた俺だが、ホワイトデーで俺が四苦八苦したのはまた別の話。

 

因みに後日知ったが男子寮に全裸の自分をラッピングで局部だけ隠して彼氏に突撃したヤンデレっぽい女子生徒がいたらしい。文字通り私を食べてということらしいが他の女子に連行されていったそうだ。男子の方は他の奴らから憎悪の視線を送られたらしい。…男子の方は飯を奢ってやろうと思った。

 

 

 

 

__________________________

 

 

 

 

 

「しーくん黄昏ちゃって、何を考えてたのかなー?」

 

昔の事を思い出していた俺の肩に嫁さんが寄りかかってきた。

 

「今日はー、バレンタインデーだからー。モカちゃんからのプレゼントなのだー。」

 

嫁さんはそう言って俺に可愛らしくラッピングされた箱を取り出す。

 

「開けていいか?」

 

「どーぞー。」

 

嫁さんの許可を貰ってラッピングされたそれを丁寧に解いて中身を取り出す。ラッピングの中にはピンク色の箱があり、それを開けて中身を見た俺は笑みを浮かべた。

 

「あの時みたいにパンじゃないんだな。」

 

「私だって成長してますよー。」

 

嫁さんはそう言って口を膨らませる。その様が可愛くて俺はホッペをプニプニとつついた。

 

「むー、早く開けないと来年はあげないよー。」

 

早く開けて欲しい様なので俺は蓋を開けた。中に入っていたのはおそらく嫁さんの手作りであろう今時珍しいハート型のチョコだった。俺はそれを手にとって食べる。ものは違えどあの時よりも美味しくなったそれを俺はすぐに食べ終えた。チョコを食べ終えた俺は肩に寄りかかってまったりしている嫁さんに対して言葉をかける。

 

「美味かったよ。」

 

「ほーほー、それは良かった良かった。皆んなに手伝って貰った甲斐がありましたなー。」

 

「手伝って貰ったって誰に?」

 

嫁さんを手伝ってくれたのが誰か気になった俺は嫁さんに聞き返す。

 

「リサさんとかー、つぐとかだよー。」

 

「そうか、ならまたお礼をしておかないとな。」

 

「おー、浮気ですかー。これはいけませんなー。」

 

嫁さんはそう言ってからかってくるが俺としてはそんな訳はないので否定する。

 

「俺はお前一筋だっての。で、ホワイトデーは何がいい?」

 

「そーだなー、パンかなー。」

 

「やっぱりパンか「でもー」ん?」

 

「しーくんが作ってくれるものなら何でもいいかなー。」

 

「そっか。じゃあ頑張らないとな。楽しみにしてろよ。」

 

「あ、でも辛いもの以外だよ。」

 

「分かってるって。」

 

こうして結婚してはじめてのバレンタインデーは和やかにに終わった。




少し無理矢理な気もしますがバレンタインはこれでおしまい。
次の特別編はホワイトデーになるかな?
本編の更新もちゃんとやります。
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