見覚えのある景色だ。
ニューホーム。
ここは、そう呼ばれているらしい。
「トリエルさんのお家と構造は全く一緒ですが…」
色の無い家だ。
「道も、家も、何もかもが真っ白ですね」
点在する金色の花を、一層際立たせる。
「思い出の花…」
住人は孤独な王様と、思い出だけ。
「寂しい場所です…」
既に地下への鍵は開かれている。
さぁ、急ごう。
「…はい」
ハウディ!
初めまして!
ボクはフラウィ。
お花のフラウィさ。
…そんなに警戒しないでよ。
傷付くじゃないか。
アハハ。
キミ、ボクとは最初に出会うはずなのに、ってずっと不思議だったんじゃないかい?
そう、ボクらは本当は初めまして、じゃないね?
でなくちゃ、こうして現れただけで警戒なんてするもんか。
前のボクには随分と酷い目に遭わされたみたいだね。
アハハハハ。
…。
大丈夫さ、何もしないよ。
ただ、キミにお願いがあってね。
これから先も、キミが覚えていたらで良いんだけれど…
お願い、フリスクを助けて…!
信じられないかもしれないけれど、フリスクは本当は、こんなことするような奴じゃないんだ。
…え?知ってる?
そっか…キミ達は地上でフリスクと友達だったんだね。
フリスクから、地底世界のことをどこまで聞いてるの?
…じゃあ、地底世界からモンスターが解放された日の、その後から教えてあげるよ。
フリスクがモンスターの親善大使になってから、地上では人間とモンスターの交流が始まって、平和な世界が訪れた。
だけれど、ある日突然、世界はリセットされた。
フリスクの意思で?
いいや、違う。
初めてフリスクと出会った時から、ずっとフリスクを助けていた存在がいる。
ボクは、そいつと親友だった。
今でも、そう思ってるよ。
みんなが地上に出て、あいつは間違いなく満足したと、そう思った。
でも、違った。
あいつは、まだ不満を持っていて、ボクとの約束通りボクの記憶ごと世界をリセットした。
じゃあ、何故ボクはその記憶を保持しているのかって?
どんなことをしたって、白紙に出来ないことはあるんだよ。
ボクが決意を持っていたから。
ボクが友達に恵まれていたから。
本当に大切な記憶の欠片だけ残すことが出来た。
そう…そうだよ!その欠片を修復してくれた人が居るんだ!
それで…!その人から、キミ達のことも聞いてたんだ!
思い出した…!
あぁ…長かった。
キミ達がやって来るまで、何度も何度も、世界はリセットされた。
ずっと、待ってたよ。
キミ達に伝言があるんだ。
それは、ボクの願いでもある。
もう一つ、お願いしてもいいかな?
“カルデア…どうか…あの子達を───”
「今日は素敵な日だ」
「花が咲いてる」
「小鳥達も囀ってる」
「こんな日には」
「お前みたいな奴は…」
「地獄で燃えてしまえばいい」
黄金に輝く回廊。
鮮やかな赤。
白骨死体。
「…サンズさん!」
マシュとフォウが駆け寄る。
「…よう、遅かったな」
右肩から左脇腹にかけて切り裂かれている。
傷口から赤い液体が滴る。
「そんな…酷い怪我です…」
「フォウ…」
「へへ…間違いなく、致命傷だろうな」
スケルトンなのに?
「スケルトンでも、
あるのは骨だけでしょ。
「生憎、オレは骨のあるモンスターじゃないんだ」
ははは。
「へへへ…」
マシュとフォウが呆然とした表情で、自分とサンズの顔を交互に見ている。
「お前、慣れ切ってるな」
うん。
「とても言葉じゃ言い表せないぜ」
そんなにかな。
「なぁ…聞き飽きただろうが、良いか?」
うん。
「どんなに罪深い人間だろうと救われるべきだと、思うか?」
「償いさえすれば幸せになれると、思うか?」
分からない。
「そうかい」
でも、救われたいって思う人の手なら掴んであげるよ。
「…へっ」
ふふ。
「なら、アイツはどうだ?」
伸ばしてない手は掴めない。
「お前も落ちたらどうだ?」
自分は自分さ。
「アイツは違ったみたいだがな」
そういう時もあるさ。
「都合の良い話だな?」
人間だもの。
「…オレにとっちゃ、アイツは薄汚い兄弟殺しだ」
うん。
「…次のサンズにとっては友達だと、良いな」
そうだね。
「…なぁ、パ、ピ、ル、ス」
塵になった。
救ってくれ…!
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FICTION