「ここに何か用か、人間」
キャラは傲慢な子供だ。
「うわ、吃驚した」
そう思っていた。
「勝手に入っておいてそれか」
あの子は、知る限りでは、一度も謝ったことが無い。
「アハ」
ただ叱責、或いは激怒するモンスターを見つめている。
「ふん、さっさと出ていけ」
時折、モンスターの子供が怒りのあまり突き飛ばしてしまうことがある。
「あれは何?」
あの子は、落ちて来た当時の頃の様に不気味な笑顔を浮かべて、見つめるだけだ。
「聞こえなかったのか?」
モンスターの子供は、真っ青な顔をして、慌てて手当てをしてから、あの子の家まで送り届ける。
「いいじゃないか、教えてよ」
そして、次の日にはまた一緒に遊んでいるのだ。
「…設計図だ」
そういった光景は少なくなかった。
「何の?」
キャラは自罰的な子供だ。
「何でもいいだろう」
死ぬのが怖くないか、聞いたことがある。
「へー、そんな態度とっていいのかな?」
義父を毒殺仕掛け、剰え鼻で笑い飛ばした子供だ。
「…なんだ」
蟻を踏み潰す様なものなのだろうと。
「お父さんに言い付けるぞ~?」
あの子は
「…はぁ…」
“そんな悪い子は、罰を受けるべきだ”
「フッフッフ」
“だから怖くない”
「…聖杯だ」
と言った。
「何それ」
…
「分かりやすく言えば、どんな願いも叶える器だ」
人間とは、そんな勇気の出し方をするものなのか?
「!じゃあ」
…
「無理だ」
その結果が、どうだ。
「…どうして?」
友を裏切り、友に裏切られ。
「燃料が足りない」
そんな悪い子は、未来永劫、愛しい者達を殺し続けなけばならなくなった。
「何が」
それが、あの子の罪と罰だ。
「人間の
…
「…そう」
カルデア。
「お前がなってみるか?」
これは、正当なのか。
「いいよ」
これは、あの子に対する仕打ちとして、妥当なのか。
「…」
教えてくれ…
「…」
…
「…遠慮しておこう、お前一人でどうにかなるものではない」
教えてください…
「あっそ」
王よ…
「ふん、とっとと出ていけ」
愛を知り
愛を望む
お前には権利がある
友は全て消えゆく
全てを知るが故に、全てを託すのだ
聖杯を受け取れ、キャラ
お前が居なければ、「復讐心」という感情を理解することは無かった。
あの子の気持ちを、理解することが出来た。
ありがとう、バアル。
お前が居なければ、「決意」することは出来なかった。
死にたくない、ただ在り続けたいという願い、それが残した欠片は、とても貴重なサンプルになった。
ありがとう、アンドラス。
お前が居なければ、人間に「期待」することは無かった。
たとえ間違いだったとしても、あの子の背を押したことを、後悔などしていない。
ありがとう、ゼパル。
お前が居なければ、「生」きるということを、「死」ぬということを、理解することは無かった。
彼等が居たということ、忘れることは無い。
ありがとう、フェニクス。
お前が居なければ、「救済」することは叶わなかった。
ありがとう、ラウム。
貴方がいなければ虚数潜航など、不可能だっただろう。
貴方には、本当に世話になった。
貴方の御蔭で、ここまで来ることが出来た。
もっと、貴方と…貴方達と、共に研究が出来たなら…
しかしそれは、贅沢が過ぎるというものだ。
たった一つ、為せることがある。
何一つ為せなかった、我々にとってそれは。
とても幸福なことだ。
感謝している。
ありがとう、☝✌ ❄☜☼。
さようなら。
“ああ、こんな悪い夢”
“早く醒めてしまえばいいのにな…”
ご注文は?
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FICTION