Fate/UNDERTALE   作:Feles

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LV 1
WPN 空っぽの銃
AMR カウボーイハット


家族(Family)

「ぼくがカルデアにきてもうすぐ1ねんはんだね」

 

「もう、そんなに経ったんだ…」

 

あっという間の時間だった。

 

「そうだよ、いまはクリスマスのじきさ」

 

「もうすぐ、なんだね」

 

もうすぐ。

 

「…リツカ」

 

「ん?何かな?」

 

「リラックスしなよ」

 

「えっ?」

 

「はい、わらって!」

 

「えっと、こう?」

 

笑顔を作ってみる。

 

「ダメだよリツカ!ぜんぜんダメ!そんなのえがおじゃない!」

 

「えっと…ごめん」

 

「はぁ…」

 

ガッカリさせてしまったらしい。

 

「そうだリツカ、デートしよっか」

 

「え」

 

「クリスマスデートだよ、ほらはやく!」

 

手を引かれ、強引にマイルームから引っ張り出される。

 

「どこかいきたいところはある?」

 

「無い…かな」

 

「じゃあカルデアをおさんぽしよう!」

 

「う、うん」

 

「はい、とうちゃく!」

 

「えぇ!?」

 

まだマイルームの隣の部屋の前までしか歩いていない。

 

「ここはだれのへやでしょーか?」

 

「誰って、マシュだよね」

 

「せいかい、おじゃましまーす!」

 

「ちょ、ちょっと!」

 

ノックも無しに扉を開け放つ。

 

「えっ?」

 

「あっ」

 

「ワオ!」

 

そこには下着姿のマシュが…

 

「リツカ、てったーい!」

 

「う、うわわわ!」

 

悲鳴をBGMにこけない様に走る。

マシュ、ごめん。

 

「つぎはどこにしよっかな!」

 

「あわわ、ちょ、こける!」

 

その後も、セイヴァーピックアップ部屋ガチャは続いた。

そして、最後に辿り着いた場所は

 

「はい、ここはどこでしょーか?」

 

「セイヴァーの部屋、だよね?」

 

「ピンポーン!ようこそ、ぼくのへやへ」

 

「お、お邪魔します」

 

手を引かれるままに部屋の中へ。

そういえば、一度もセイヴァーの部屋には入ったことがない。

部屋を見回してみるが、名前の分からない金色の花が飾られている以外はほとんどマイルームと変わらな…

 

「何あれ」

 

飾り付けられた、というよりはイタズラされたクリスマスツリーとトナカイを混ぜたようなモンスターの置物がある。

 

「あれはギフトロットのおきものだよ、クリスマスだからかざってるんだ」

 

「へ、へ~」

 

「ほかになにかきになるものはあるかな?」

 

「じゃあ、あの金色の花は何?」

 

「あのはなのなまえはぼくもしらない、けどアズゴアがたいせつにそだてたはなだよ」

 

「あの花がそうなんだ」

 

「うえきばちをわけてもらったんだ」

 

彼らの思い出の花。

 

「ほかにはなにかある?」

 

「ん~、もう無いかな」

 

「そう?じゃあデートスタート、のまえにパラメーターオンっていってみて」

 

「パラメーターオン?」

 

「そしたら、ステータスをひらいて」

 

「ステータスを開…何これ」

 

セイヴァーのステータス欄に好感度パラメーターに…その他意味不明なパラメーターが沢山追加されている。

 

「はい、こんどこそデートスタート!」

 

ステータスに文字が表示される。

                     

DATE START!

 

 

「さぁ、パラメーターをみながら、みごとぼくをこうりゃくしてみせるんだ!」

 

「デートとはいったい…」

 

セイヴァーは こちらの こうどうを    

まっている。

 

どうする?

ふくをほめる

おちゃにさそう

クリスマスプレゼント

 

まさかの選択肢性。

藤丸立香のデートは続く…

 


 

 

 

「ハロー、リツカ」

 

食堂で夕食を取っていると、彼が話しかけてきた。

 

「ハロー、セイヴァー」

 

「ここにすわってもいいかな?」

 

「うん、いいよ」

 

承諾すると彼は向かい合う位置の椅子に座った。

それにしても、珍しい。

彼は親しい人が多い、勿論英霊含めて。

だから、食事を取る時は基本的に他の人と一緒だ。

彼は誰かに誘われれば断らない。

けれど、今は二人きりだ。

 

「…」

 

「…」

 

言葉は無く、食事の音だけが響く。

偶然誰も誘わなかったのか、それとも誘いを断ったのかは分からない。

分かるのは、彼がいつに無く真剣で、自分に用があることだけ。

 

「…」

 

「ふぅ…」

 

こちらは食べ終わったが、彼はゆっくりと食事を進めている。

話は戻るが、彼は友達を作るのが上手い。

彼と誰かの間に敵意や殺意があろうと、彼は慣れていると言わんばかりに突き進み、いつの間にか友人関係を築いている。

そんな彼が、彼を待つ間に食堂内を何気なく見回して、見つけてしまった恐らく彼が初めて断った人物、チラチラ視線を送ってくる花の魔術師(マーリン)との食事より優先することとは何だろうか。

 

「もしも」

 

「うん?」

 

「もしもリツカに"じかんをもどすちから"があったら、どうする?」

 

彼は何を聞いているのだろうか。

言葉通りの意味か。

それとも、もっと別の何か意味があるのだろうか。

 

「…」

 

「あまりふかくかんがえないで、たしかにとくいてんはかこがかえられてうまれた」

 

「うん、そうだね」

 

「でも、いまはなしている"ちから"はとくいてんをうまないものとしてかんがえて」

 

日常の中で、「過去に戻れたらどうしたい?」なんていう何気ない質問をされた時と同じ様に考えるのは、何か違う気がする。

自分に"過去に戻る力"があるとして、それにどんな意味があるだろうか。

 

「…」

 

「とおまわしすぎたかな、じゃあ、その"ちから"がリツカにあるとして」

 

「うん」

 

「オルガマリーを、ロマンをたすける?」

 

「!」

 

特異点を生じさせること無く、所長を、ドクターを助けられるとしたら?

自分はどうするだろうか。

 

「所長は酷い人だと思ったよ」

 

「ふふっ」

 

「魔術なんて知らない一般人だったのに、見下して罵倒してくるし」

 

「そうだったね」

 

「でも悪い人じゃなかった、正しいことを為せる人だった、と思う」

 

「うん」

 

「ロマンは情けない人だなって思った」

 

「あはは!」

 

「弱気で、悲観的で、根性無し」

 

「ひどいいわれようだね」

 

「でも間違いなく善い人で、やる時はやる人だった」

 

「うん」

 

「…助けたかったなって思うよ」

 

所長が真っ赤なカルデアスに飲み込まれた時、何も出来なかった。

ドクターが宝具を使い消え去った時、言葉を掛けることも出来なかった。

 

「そんな"力"があったら助けるかもね」

 

「そっか」

 

そんな都合の良い物は無いけれど、この気持ちは本当だ。

 

「ぼくもそうおもったよ、とうぜんオルガマリーのこともね」

 

彼も所長が、ドクターが好きらしい。

 

「このあと、ひまかな?」

 

「えっ、うん」

 

「じゃあ、おはなししようよ」

 

「まだ何か聞きたいことがあるの?」

 

「いや、もうはなしてしまおうかなって」

 

「?」

 

何の話だろうか。

 

「じつはね、ぼくのアンダーテールにはエンディングがみっつあるんだ」

 

「えっ?平行世界(IF)の記憶があるの?」

 

「いいや、まぎれもなくすべて、いまここにいるぼくがむかえたエンディングだよ」

 

「ほんとうは、はなすきはなかったんだ」

 

「だっておかしいでしょ?まるでゲームみたいに、ひとつのじんせいにみっつもエンディングがあるなんて」

 

「でも、リツカとのかいわが、ぼくをケツイでみたしたんだ」

 

「リツカにはなしたことがあるのは、いちどめのエンディングまで」

 

「いまからはなすのは、いちどめのエピローグからにどめのエンディングまで」

 

「さんどめのエンディングは」

 

 

 

「また、ぼくをしょうかんしてくれたらおしえてあげるよ」




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