―――気づくと、暗闇で一人佇んでいた。
どこかも分からない一寸先も見えない暗闇。黒色に塗りつぶされた世界で、たった一人だった。
それから歩き続けてきてどれだけの時間が経ったのだろう。
数えるのが億劫になるほどの時間を費やしたというのに冷たく暗い世界が変わる事はない。
いや、本当に前に進んでいるのかさえ定かではない。
それでも立ち止まる事なく、馬鹿正直に歩を進める。
足を止めた時がきっと最期なのだと本能が理解していた。
『何故歩くんだい?意味なんてないのに』
囁くような声がそう問うた。男のようにも女のようにも聞こえた。或いは両方なのかもしれない。澱んだ色の乗せた粘着質な声だった。それに応える事はしなかった。応えてしまえば、きっと終わってしまう。
『辛いだろう侘しいだろう虚しいだろう』
『楽になろう?こんな苦痛から解放されたいだろう?』
『こんな冷たい場所は嫌だろう?』
『さぁ―――』
そうして、数多の声が一斉に囁くのだ。
『私達と、一緒になろう』
様々な声が混じり合い、溶け合い、絡める様に。それらは喜悦に満ちた負の感情。苦悶と怨嗟に満ちた饗宴は躰に纏わりつき次第に躰を浸食し、鉛のように重くしていく。
……いや、既に躰というものがよく分からなくなっていた。今動いている足は自分の足なのか、そもそも本当に前に進んでいるのか。
目的地はなく、果たしてここは何処なのか、何故己はこうやって歩いているのか、その理由すらも不明確で。それどころか、自分という存在がよく分かっていない。
どうして歩いているのだろう。
―――立ち止まってしまえば楽になれるのに。
どうして騒めきを耳に入れようとしないのだろう。
―――受け入れてしまえば静寂はやってくるのに。
俺は、誰なのだろう。
―――自分の存在を忘れてしまえばそんな苦しみから解放されるのに。
悪魔の囁きに似た、弱い心が生み出す幻聴は受け入れない。
果たして自分が何故ここまで意固地になっているか分からないが―――
『■■殿――』
ふと、懐かしい声を聴いた。雑音交じりで、掠れていて、色褪せているけれど。
いつの日か、どこかの場所で聴いた声だった。
声の主は分からない。最早何も思い出せないが、それでもきっとそれは大事なものだったに違いない。
仄かに、躰が熱を取り戻したような気がした。
「―――何時まで無駄な事をするつもりだ?」
「マッタク、イイ加減ニ諦メテクレナイカナ」
高低の奇妙な二つの声と共に突如視界が開ける。
黒は白に。暗闇は反転するように白亜の空間に変貌した。いつまでも続く白亜は現実味がなく、前後左右上下が全て同じで自分を強く保たないと立っていることすら忘れそうになる。
真っ白なキャンパスを塗りつぶすように人型のナニかが居た。
背景に溶け込むような白い死覇装にはフリルのような襟がついており、首から上は細長い硬質そうな仮面で覆われていて、腰には刀を下げている。そんな奇妙な出で立ちの人型だった。
人ではない。
手にも手袋があり肌の露出はまったく無いが、少なくとも見た目は人型だ。けれど常人には到底出すことの出来ない暴威を纏った威圧感を発していた。決して友好的な雰囲気ではないが、言葉を交わせる人型に気付けば問いかけていた。
「ここは……。お前は、俺は、誰なんだ」
久しく声を出していなかったのか、咽喉の奥から出てきた音はか細く、不安定だ。それに人型は僅かな反応を示した。
「……驚いたな。まだ声が出せるほど自らを保っていられるか。メタスタシアの能力は既に吸収済みだ。本来であればこの時点で欠片ほどの魂も残らないはずだが」
「少ナクトモ自我ハナクナッテルト思ッタケド、流石ニ護廷十三隊ノ副隊長ナダケハアルネ」
掠れた声とはいえ、発声出来たことに人型は驚いたらしい。声色には見下すような感心の色が宿っていた。
……しかし、護廷十三隊、副隊長とは何のことだろう。どこかで聞いたことがあったはずだ。大事なものであったもののはずだ。けれど歯車が一つだけズレているように惜しいようで致命的に噛み合っていない。
ずきり、と頭部に痛みが奔った。
「護廷十三隊……副隊長……」
それが自身を構成する重要な言葉だとは理解できるのだ。けれど雁字搦めに結ばれた紐はまだ解けない。
「マア、冥土ノ土産に教エテアゲルヨ」
「俺の名はアーロニーロ。第9十刃、アーロニーロ・アルルエリ」
「此処ハ僕達ノ精神世界。シブトク足掻イテイル死神ノ残リ滓ヲ始末シニ来テヤッタンダ」
寄生虫は駆除しなくては駄目だろう、と嘲りながら腰の刀の抜いた。向けられた刃の刀身に粗く映し出される顔は男のもので、それが自分の顔なのだと気づく。刃に殺意は乗せられていない。まるで腕に止まった蚊を叩き潰すような気楽さだ。
―――頭が痛い。絶えず襲い掛かり続ける頭部の痛みは臨界点に達しようとしていた。
「此れまでも数多の虚を喰ってきたが」
「此処マデ強情ナノハ初メテダヨ、精神世界ニマデ行ッテ直接手ヲ下スノモ含メテネ」
「そのしぶとい精神に免じて聞いてやる。最期に言い残すことはあるか?」
「……」
何か人型が喋っている。けれど言葉は耳に入らない。頭の中を渦巻いているのは疑問だけだ。
「……無いようだな」
「ナラ死ネ」
断頭台のギロチンの如く、無慈悲な刃が振り下ろされた。
迫り来る刃を避けることが出来たのは奇跡だ。無造作に振り下ろされたものであるとはいえ、その一撃は十分に鋭く、己を屠るだけの十分な威力があった。それを避け切ったのは意識しての事ではない。考えるよりも早く、鍛錬を重ねたであろう体さばきで後方へ下がり、避けていた。記憶はなくとも、この身に刻まれた経験は生きていたようだ。
「……貴様」
「残リ滓ガ。イイ加減シブトイヨ」
斬撃を躱したことに人型は機嫌を損ねたらしい。再び腰だめに刀を構えると嘘のような速さで己の眼前に躍り出る。その速さに瞠目し、人型の姿を視認した時には既に横殴りの暴力が襲いかかろうとしていた。
「っ!」
再び後ろに下がる。首を刈り取ろうという頸部への一閃を仰け反るようにして紙一重で回避する。僅かに髪を掠めたのか、短い黒髪が白い地面に幾本かはらりと落ちた。
―――頭が痛い。
二度も回避したことで、人型にあったであろう多大な慢心は無くなったようだ。遊びの気配が僅かに消えた。
再び目で捉えきれないほどの速度で左側面に迫り、その速さを緩めずに加速したまま躰を両断するように薙ぎ払う。胴でそのまま受ければ上半身と下半身が泣き別れになることだろう。
最早反射だ。背筋を舐めるような怖気に身を委ね、着地も考えず逆方向に飛んだ。
今度は回避し切れず躰に刃切っ先が躰を抉った。無様に転がり、腰に鋭い痛みが奔り呻く。しかし態勢を整える時間を与えてくれるほど人型は悠長な性格をしているわけではないようだ。
躰を仰向けにすると、地面に転がった己の頭を串刺にする刃が迫ってきていた。
たまらず転がり直撃こそ免れたが、深々と頬を切り裂いた。切り裂かれた傷口から派手に出血し、顔を鮮血が濡らしていく。ぬるりとした不気味な感触が咽喉を伝っていった。
接近を嫌ってたまらず距離を取る。追撃する機会はあったはずだが、人型は余裕綽々な様子でゆっくりと歩いて詰めていく。荒い呼吸を必死に整えている己を見て鬱憤も晴れたのか、嗜虐に満ちた奇怪な嗤い声を上げた。
思考が纏まらない。鋭利な突起物で頭を小突かれるような痛みは今なお続いている。
左手で頭を押さえたまま、腰に右手を伸ばす。そこにある何かを掴もうとして、右手は虚しく宙を切った。
「無駄ダヨ」
「お前の斬魄刀はもうない。言わなかったか?メタスタシアの能力は既に吸収済みだと。つまりは―――」
片手に刀を構えたまま、空いた手で顔を覆っていた仮面を剥がす。
軽い音を立てて仮面が落ち、人型の素顔が露わになる。どこかで見た男の顔だった。
「―――こういうことだ」
二つの声が一つになる。不安定で捉えどころのない奇妙な声は確固とした一人の男の声に変化した。
「俺は既にお前の記憶、力、霊力の全てを取り込んでいる。お前は初め、自分は何者かと尋ねたな。教えてやる。お前は志波海燕という死神の残滓、文字通り魂の搾り滓だ」
嘲笑うように唇を釣り上げ、邪悪な笑みを作った。
「俺は、名もない魂、かつて、志波海燕であったもの、その名残……」
ああ、そうだ。己は確かそう呼ばれていた。海燕、と。
現実味がない。記憶は劣化し摩耗している。しかし確かに記憶していることがある。志波海燕という男は死んだ。そう、それだけは覚えている。一つだけ、鮮明な記憶があるのだ。
胸を貫く痛みと安堵の感情、掻き抱いた温もりを。
「折角ダ、最期ニ良イモノヲ見セテアゲルヨ」
邪悪な笑みを張り付けたまま、斬魄刀を手首を軸に回転させる。そして、
「―――水天逆巻け、捩花」
斬魄刀は淡い光に包まれ、その形を変えていく。光が弾けた時、そこにあるのは刀でなかった。青の飾り布が目を引く、三又の矛だ。
「懐かしいだろ?―――終わりだぜ、志波海燕」
激浪と共に捩花が襲いかかった。
絶え間なく続く波濤を紙一重で直撃から逃れる。
片手首を軸とした舞を思わせる槍、その戦い方には覚えがある。覚えがある、というと多少語弊があるかもしれない。それは長い時間を懸けて相棒の捩花と共に生み出した槍術なのだから。記憶にはないが、それは経験としてこの身に刻まれているのだろう。
捩花。
そう呼ばれた三又の矛に望郷に似た懐かしさを感じた。
きっとあれは己がかつて扱っていた得物だ。
人型がいくら手心を加えていようと彼我の戦力差は歴然だ。戦うための武器もなく、鉛のような躰の動きは次第に緩慢になっていく。それでも決め手となる一撃だけは貰わない。
己と同じ顔をした人型が動くよりも速く、次の動きが察知できる。僅かな体の仕草、動き、技の繋げ方。どれもがよく知っているものだ。
けれどそれにも限界がくる。元より捩花は攻撃範囲が広い斬魄刀だ。巻き上げた波濤で敵を圧砕する攻撃方法には多少の誤差などあってないようなもの。疲労と痛みが蓄積し、遂には上から降ってきた激流が半身を叩きつける。
悶える声を上げる暇すらない。押し流されるように地面にしたたか叩きつけられると、躰の感覚は殆ど掻き消えていた。
「終わりだな」
半分しかない視界には渦巻く波濤と三又の矛が広がっていた。
気付くと、またしても何処かもしれない場所に寝転がっていた。
先ほどまでの冷たい白亜ではない、蒼穹の空が広がっていた。地面に接触している背中はザラリとしていてどこか柔らかい。体を起こすと、そこは海の浅瀬のようだった。寄せては返す波と砂浜、そして幾本もの海漂林があった。潮騒がどこか懐かしい。
知っている。この場所を。この場所は―――
「ようやく目が覚めたみたいだね」
背後から柔らかい声が響き、振り返る。そこに立っていたのは子供だ。群青色の簡素な着物を身に纏った子供が水面に立っていた。腰まで真っすぐ伸びる長い黒髪は女のようにも見えるが、変声期を迎えた少年を思わせる中性的な声が性別を曖昧にさせていく。
「……捩花か?」
そう問うと、子供―――捩花は微笑んだ。そして微笑んだかと思えばかぶりをふって此方に詰め寄ってくる。
「まったく、遅いよっ。僕がどれだけ待ったと思ったのさ。声を掛けても全然気づかないし。こっちは君の世界を守るのに頑張ってたっていうのに、君は少しばかり薄情じゃないかな」
不満気に、さも怒っています、という風に捩花は言った。
「……悪い」
「ま、最期には僕を頼ってくれたからよしとしよう。……本当はのんびりと行きたいところだけど、そうも言ってられないか。今の状況は分かってる?」
がしがしと頭を掻いて頭の中を整理する。確かに取り戻したものはある。それでも記憶は虫食い状態だ。人型は己と同じ顔で同じ戦い方をしていた。記憶を抜き取られたか、或いはそれに準ずる力を行使されたのだろう。おかげで記憶は穴だらけだ。どこかふわふわとして今一自分という存在に自信が持てない。
「記憶が大分曖昧で穴だらけだ。……最期は覚えてるけどな」
自らの躰を貫く刃、ただそれだけは鮮明に残っている。けれどそれはきっと不本意なものではなかったのだ。何故自分の躰に刃が立てられたのか、それすらも分からないが、
『―――心は此処に置いていける』
嘆きの言葉でもなく、恨み辛みの声でもなく。きっと己は満足して逝ったのだろう。
「正直残された時間は少ない。今は小康状態だけど、直ぐに浸食が始まる。ここの浅瀬が消えるとき、僕は本当にあの破面に全ての力を明け渡すことになるんだ」
広大に見える世界はその実、とても儚く狭いものに成り下がっていると捩花は形の良い眉を歪めて言った。
「僕は君だ。僕が力の全てを明け渡すことは君の全てを明け渡すということと同義だよ」
「どうすりゃいい。どうすればお前を救える?」
己の物言いに捩花はころころと笑った。
「そこで僕を出すあたり、君はやっぱり変わらないね。うん、君は記憶の大部分を喪っているみたいだけど、君は君だ。それが分かれば十分」
いつの間にか、捩花の手には三又の矛が握られていた。子供が握るには巨大なそれを事もなく両腕で持ち上げ、差し出す。
「僕が主導権を握れるのは一回、それも短い時間だけだ。頼んだよ―――」
意識はそこで切り替わる。今にも叩きつけられようとした波濤は霧散し、開けた視界の先では人型が驚愕の表情を浮かべていた。ずしり、と両手に重みが加わる。懐かしい相棒が手に収まっていた。
「馬鹿な!何故捩花がお前の手の中に!」
「ハッ、そんなに不思議じゃねえだろ、斬魄刀はただの刀じゃねえ」
斬魄刀は意思を持つ死神の半身だ。人型のあまりの見当違いぶりに笑らいが込み上げる。満身創痍にも関わらず、体の奥から沸き立つ力に後押しされて弾かれるように立ち上がる。その勢いのまま下段から掬い上げるように繰り出した一撃を人型は辛うじて躱すが、たたらを踏み態勢を崩した。
「クソがァ!」
人型は空中で態勢を整え、手袋をしたままの左手を開放した。そこあるのは五指がある人の手ではない。触手で構成された触腕だ。
「喰い尽くせ!グロト――!」
「遅え!」
この機を逃がすわけにはいかない。踏み込みは瞬歩、瞬間移動の如く人型に追いすがり、右手を切り飛ばす。抵抗する隙など与えはしない。捩花を大上段に掲げ、不愉快な顔に向けて渾身の力を込めて振り落とした。
頭蓋を潰す音、それに一瞬遅れて巻き上がった波濤がアーロニーロを押し潰す。
「ガ、グ、ああァァァ!!」
荒波が収まると、そこにいたのは志波海燕の姿を模った人型ではない、悍ましいものがそこにいた。試験管のような頭部に紅色の液体で満たされていて、中には二つの球体が浮かんでいる。驚くべきことにその二つの球体が二つの声の主のようだった。罅割れた頭部を無事な左手で必死に押さえているが、亀裂は広がっていき、最期にはあっけなく崩壊した。
「アアアアアアァァァァ!!」
耳に障る金切り声を上げながら、紅色の液体を撒き散らして人型の躰が崩れ落ちる。
「イ、嫌ダ!死ニタクナイ!死ニタクナイ!嫌ダ嫌ダ嫌ダァァァァ!!」
それはいっそ無様ともいえる光景だった。子供のように喚きながら、次第にその声も力を失っていく。拳大の球体は派手に転がり、動きを止めた。
「……糞が」
もう片方は静かに、己を憎々し気に睨み、息絶えた。
瞬間、世界は崩壊する。硝子が罅割れるように、世界全体に亀裂が軋みながら広がっていく。そして、眩い光に包まれた。
アーロニーロ・アルルエリが動きを止めて一刻が経とうとしていた。
藍染が与えたメタスタシアを捕食した瞬間、一度痙攣したように体を跳ねさせてからは置物のように微動だにしていない。
「藍染隊長、これ大丈夫なんですか。さっきから全然微動だにしませんけど」
藍染の傍らに佇む市丸はアーロニーロを指さしながら藍染に問うた。
「さあ、それは分からない」
藍染は玉座に座り、いつもの微笑を湛えてそう返答した。そこには仮にも配下であるアーロニーロを慮る様子は欠片もない。
「これまで多くの虚を捕食させて来たが初めての事例だ。霊圧に揺らぎがある事から彼の内側では何かが起こっているのかもしれないね」
その何かが知りたかったのだが、市丸も特段興味があるわけではない。言ってしまえばアーロニーロがどうなろうとも市丸には関係がないし、死んだところでなんの感慨も沸かないだろう。市丸にとってアーロニーロとはその程度の価値でしかなかった。
しかし突っ立てるだけではどうにも持て余す。
暇やなぁ、というぼやきにも似た独り言はラスノーチェスの広大な空間に消えていった。
「っ!藍染様!」
これまで一言も喋らず律儀に傅いていた東仙が突如躰を起こした。盲目の東仙は盲目だからこそ他の感覚は鋭敏だ。目には見えない前兆を感じ取ったのか、それはアーロニーロが苦し気に呻く事によって現実とある。
苦し気に呻くアーロニーロの躰に亀裂が走る。硬質な不協和音は続き、やがてアーロニーロの躰の中から何者かが殻を突き破るように這い出る。まるで脱皮のようだ。初めて見る光景に市丸も目を見開いた。
そこに全裸の男だ。俯いていて顔は見えないが、藍染達はその霊圧に既視感があった。
間違いなく霊圧は破面のもの。けれど、混濁したようなアーロニーロが放つような霊圧ではない。清純で真っすぐなそれには三者とも心当たりがあった。
鯉口を切る東仙を手で制し、藍染はゆっくりとアーロニーロだったものに歩み寄る。
足音を聞き取ったのか、顔を上げる。そこにあった顔を見て市丸は僅かに目を見開いた。
「すまないが、名を教えてもらえないかい?」
「俺か?俺は―――」
迷うように言葉を一度切り、自分のあるべき名を静かな声で述べた。
「俺の名はアーロニーロ。第9十刃、アーロニーロ・アルルエリだ」