ここは旧人類の街。
新人類は誰一人居らず機械と共存した暮らしを送っている。
……共存というよりは半ば依存しているのが正解だが。
そんな中、ラフな格好で右目に眼帯を着けた明るい髪色の少女が隣の透き通るような蒼色の髪をした少女と肩を並べて歩いていた。
途中でその二人を見つけた人型警備用ロボットがフリーズし止まり数秒後に何もなかったかの様に動き出す。
蒼髪の少女がドヤ顔でもう一人の少女に抱き付き、抱き付かれた方は歩きつつ頭を誉めるように撫でていた。
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「お、こことかいいんじゃない?」
「入ってみるかの!」
私達は先日見たロボット映画の玩具を探しに旧人類の街へとやって来ていた。
ロボットは機械の象徴なので鬼種の街ではまず置いていないので敢えてこちらにやって来たのである。
「どうも~失礼しまーす」
「たのもーう!」
店の外まで並べられた商品から踏んで店の中を探すべく暖簾をくぐって入る。
個人経営なのだろうが店内に所狭しと並べられた玩具の数はまさにロマンの城だった。
「おぉー!!トウコ!見よ!!あんなに種類があるぞ!」
「見つけるの早いね」
私が変身ベルト等を眺めている内に直ぐに目当てのものを見つけたあおが駆け寄っていく。
「これ映画で観た奴じゃろ?こっちはアニメの……む、色違いもあるのか!」
目をキラキラさせている。
どれを買うのか迷っている間にこの店がどんな交換形態をとっているのか店内の張り紙に書いてないか探す。
三度目の大戦以降都市毎にそれぞれ独自の通貨があるのだ。
都市に近ければ電子通貨はまだ生きてるがこんな寂れた場所だと物々交換へ時代が逆戻りしていたりする。
「へー、まだ電子通貨使えるんだここ」
張り紙には【電子通貨対応してます】の文字が。
後は店員を探すだけなのでまだ悩んでいるあおの方へ近付く。
「どう、決まった?」
「むー……迷うが……この10周年記念版にするかの。四作目のはガワ背負ってて格好悪いわ」
他の棚を探してみた所、新品があったのでそれを持って店員の所へ会計しに向かう。
店の奥へ進むと何と会計に居たのはロボットだった。
バイザーを付けた頭部と着ている黒のスーツが何ともアンバランスで面白い。
「すいませーん、これ下さい」
「イラッシャイマセ、こちらの商品で間違いはありませんか?」
「合っておるぞ!!」
「電子通貨使えるんですよね?」
「ハイ、使えますよ。デハ、こちらにカードもしくは生体バーコードをかざして下さい」
お金を払おうとポケットに手を突っ込む。
すると、クイッと腕を引っ張られたのであおの方を振り向くと得意気な顔をしたまま、店員に見られないように私に掌を向け、一瞬でその表面にバーコードを浮き上がらせた。
そしてそのまま手をかざして会計を済ませる。
「デハ、ラッピングしますね」と店員が店の奥へ行った隙にあおに尋ねる。
「この前襲ってきた人達から盗ったカード使うつもりだったんだけどさ、それどうやって払ったの?」
「機竜研究してる所の資金から出した」
「……さらっと凄いなぁ」
「戦争に使う金を平和な玩具買う金に使ったんじゃ、ノーベル平和賞貰ってもいいんじゃないかの?」
「ノーベル賞以前に世界中で一番危険な兵器だからね君」
それは照れるのー♪とくねってるあおを見てたら店員が戻ってきた。
「アノ、お連れの方はどうしたんですか?」
そりゃくねくねしてたら気になるよね。
都市伝説か。
「お気になさらず。たまにこうなるんですよ」
店員は首を傾げつつ綺麗に包装された玩具の箱を渡してきた。
「じゃあありがとうございました」
「また来るからのー!」
「ハイ、お元気で」
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最近の拠点である図書館へと戻ってきた。
壁の回りに生えている木に何百人と死んだ人間を串刺しにして飾ってある場所を通り入口から中へと入る。
「アレやってから人が来なくなっていいよね」
「匂いだけは通るとき気になるがの」
そもそもあんな発想が出てくるとか貴様はヴラド・ツェペシュか、と言ってあおは図書館の扉を閉めた。
街中の警備ロボは全員あおに認識を書き換えられて通報出来なかったので、今回町中での襲撃はありませんでした。