一週間ほど図書館を拠点にしていたが、いい加減腐乱臭が洒落にならなくなってきたので移動する事にした。
このあいだ買ったロボの玩具と読み途中の本二冊を鞄に詰めて図書館を後にする。
暫く歩いた所で【Bloo-D】を起動、そのまま空へ飛び立ち上空から見える範囲に精査を掛ける。
「どこ行く?」
『新人類の所はどうじゃ?お主旧人類の土地出身なんじゃろ?』
「そうだね、ならそっちに行こうか」
確かにまだ見た事無かったしそうしよう。
思い立ったら吉日、新人類の街がある方向を向き巡航形態に変形して目的地の1km手前まで飛んで進む事にした。
巡航形態で辺りの風景を眺めて話ながらそろそろ目的地に着くと思ったその時、
「何だお前らは」
気付くと私達のすぐ近くに金髪の鬼種が居た。
あの向こうに住んでいる護衛役みたいなモノだろうか。
「あー、あの私達」
「姿を見れば分かる、旧人類共の竜牙兵だな」
「だから違」
「ここから先は行かせねぇ……俺があの町を守るんだ!!」
そう叫んで殴り掛かってきたので一瞬だけ右側のブースターを全開にして回り込み、から振った右腕を切り落とした。
『わーお、サラッとバイオレンス』
「話を聞かないのが悪い」
俺の腕がああああ!!と叫んでいるのを無視してあおと話す。
……うるさいな。
「そんな騒がないでよ、くっ付けとけばすぐ治るでしょ」
「な訳ねーだろボケぇ!?」
「え、そーなの?」
あれー私の中の常識が……と考えてると今度は上空から「よくも兄貴を……!」と女の子の声が聞こえてきたので振り向きざまに蹴りを腹に当ててぶち抜く。
「あ、がぁぁぁぁぁ!!!??………………がふっ」
「アカネ!!?お前……!!」
「だから話聞いてよ。敵対するつもりは無いって」
『お主それ足先に腹貫かれて気絶してるおなごが居て言う台詞じゃないからの?』
「正当防衛って奴だよ」
「ふざけんなぁぁぁぁぁ!!!」
またさっきのが向かって来たので足に刺さってた女の子の方をぶん投げてみた。
予想通り慌てて抱き止めて此方を睨んでくる。
「落ち着いてって、誤解だから」
「ここまでやっておいてあり得るか!!」
あお、『そうじゃろうなぁ』ってどっちの味方だよ。
「貴方があの町で一番偉いってか強いの?」
「あぁ?俺なんかよりもっと強い姉貴が」
そう目の前の金髪男が言い掛けると、
「はーい呼んだ?アカツキくんおねーちゃんの居ない隙に何兄妹そろってやられてるのかなー?」
「あ、姉」
「えーい☆」
アカツキって人の首筋に問答無用で手刀を喰らわせ気絶させた。
「えっと、話をする前にアカツキくんの右腕を回収したいんだけど、いいかな?」
「あ、それならもう拾ってますよ」
さっき話してた隙にパパっと地上に降りて拾ってきた。
どうぞ、と渡す。
「……そっかー全然気付かなかったしおねーさん戦っても多分負けるからこのまま街までついて来てくれると嬉しいなーって」
「オーケーです。本当に敵意無いんですよ」
何とか話が合いそうな人が出て来たので街までついていく。
『敵意は無いけど襲ってきたら殺すじゃろ?』
「当たり前じゃん」
『うーむ、やはりお主を選んで正解じゃったなぁ!!』
嬉しそうなあおの声を聞きながら、お姉さんの後について地上の街へと降りていった。
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で、会議の席についた訳だが。
「何で睨まれてるんですか」
「当たり前だろ!?こっちは腕切り落とされてんだぞ!!完治に三日は掛かるわ!!」
「私は一週間は掛かるよ!?コフッ」
妹の方が咳き込むと同時に血を吐いた。
「えっ……遅くない?」
「遅くないですよ。鬼種の中では平均的なものです」
姉の方が補足で説明してくる。
「そうなの?あお、ちょっと右手斬って」
「食べていいかの?」
「いいよ」
その返答ににんまりと笑うとあおの右手が一瞬光り、私の切られた右手がズルッと畳に落ちた。
「ばっ……!お前なにやって!?」
「お姉!!これ包帯?止血!?」
「いてて……」
手首から溢れ出る血を眺めつつグッと力を込める。
「はい、完治」
「は……ハァ!?」
「えぇ!?」
兄妹のリアクションが派手でいいね。
お姉さんの方も声は上げないものの目を見開いて驚いていた。
「はい、あお。食べていいよ」
ウズウズする気配を感じたので床に血塗れで落ちていた私の手を拾って渡す。
「わーい!おやつじゃ!!」
あおが骨を砕くボリボリ音をBGMに三人に話し掛ける。
「これが普通じゃないの?」
「「普通じゃねーから!!」」
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「まぁお互いに常識のズレがあったって事で」
「納得したくねぇがさっきの見たらな……」
「認めるしかないっていうか……」
貸して貰った布巾で床に飛び散った血を拭きつつ会話を続ける。
「その再生力、鬼種のハズですよね?それならば此方の……」
「機竜か?我はそのオリジナルだぞ!」
「その機竜を何で鬼種が使える訳?」
……?イマイチ話が分からない。
「鬼種だと乗れないの?」
「乗れないってより俺らの魔力と機械の相性が最悪なせいで動かないハズなんだが」
「そうですね、私の知る限りでも鬼種が機竜を乗りこなした実例はありません」
知らなかった。
「あお、何で私は乗れるの?」
「我の好みだからだな!!」
「そんな理由かよ!?」
何となく動かせてたけど理由は特に考えた事無かったな。
「私がハーフなのも関係ある?」
「それは分からんが貴様の血は旨いぞ!」
「ハーフ……ですか?」
不思議そうに訊いてきたので眼帯を取って見せる。
左目の人間の眼を。
「!?……通常鬼種は100%遺伝が発現するはずなのですが」
「そうらしいね、本に書いてあったよ」
「あのさ、さっきから聞いてるとお前ってこっちの鬼種の知識全然無いよね、それと旧人類の知識も」
妹の方に指摘されたので確かに、と返す。
「どっかの鬼種が私の母親に当たる人を無理矢理犯してできたのが私らしいよ?」
「……何故伝聞系?」
「鬼種の子なんてあの社会では敵だし売り飛ばされたからだよ、けどこの眼が気になった人が居たから人体実験の研究所に連れてかれてさ」
何かさっきから三人の雰囲気が暗いな。
「それで毎日全身切り刻まれたり薬打たれたりして人体実験されてたんだけど、ある時研究スタッフの一人の女性が哀れんで夜に外の景色を見せてあげるって言ってこっそり連れ出してくれてね」
「……一緒に景色を見たの?」
妹の方が尋ねてきた。
「いや、殺して逃げたよ?」
何故青ざめるんだ妹の方。
気にせず続ける。
「それで取り抑えようとする人達殺したりして逃げてたら偶然機竜の研究ラボまで来てね」
「そこで我が『我を動かす事が出来たらここから出してやろう』と持ちかけたらあっさり承諾しての!今までの動かそうとしてきた輩は全員死んだのにトウコだけは動かせたので我も気に入ってな!」
「それでその場に居た人達全員殺して逃げてきたんだよ」
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「貴女の来歴はよく分かりました。大変でしたね……」
「そう?あおに会えたからラッキーじゃない?」
「嬉しい事言ってくれるのー!!」
後ろから抱きつかれたので頬に軽くキスしてから向き直る。
「まぁ、今まで逃げ回ってたけど何となく新人類の街を見たいなと思ってこの街に来ました、ハイ」
「分かりました。では改めて、私はモミジと申します。この二人の姉です」
「俺はアカツキ、こっちの腹に包帯巻いてんのが」
「アカネだよ。まだ腸が再生してないけど事情が事情だから水に流すね……」
自己紹介かー……
「私はトウコ、暫くこの街見て回るからよろしくね」
「我はあお!!二機しかおらぬ機竜のオリジナルの内の一機でありトウコの嫁だ!!」
おっと、
「親友かと思ってたけど嫁なんだ。なら私はあおの妻かな」
「一生、文字通り宇宙が消滅するまで一緒に過ごすのだ。そなたを嫁と言わずとしてなんと言う!!」
「いえーい」
「イエーイ!!」
ハイタッチする私達をあきれた顔をして眺める三人。
そんな訳で新人類の街に暫く滞在する事になったのであった。
書き途中
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彼女の展開された背中の装甲から伸びた四本のアームが私の身体を拘束する。
「別にこんな事しなくても逃げないのに」
「口ではそう言っててもな、まぁ念の為じゃよ」
そう言うと早速私の服を膂力に任せて引き裂いていく。
言えば脱いだけど、あおが私の事をを征服してるって認識する為に必要なプロセスだから黙って脱がされるのを待つ。
引き裂かれたシャツからこぼれた乳房にあおが吸い付く。
先端を噛まれ、痛みで涙がにじむ。
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鬼種の兄妹達の許可もとれたので、街へとくり出して散策する。
「あお、さっき言ってた『我を動かす事が出来たらここから出してやろう』って持ちかけた事とかよく嘘つけるよね」
「それを言うならお主だって売り飛ばされた訳ではないだろうに」
「そっちの方が同情されるかなって思ってさ」
売り飛ばされたのは嘘だ。
お母さんは鬼種の人と恋をして私を産んだ。その相手はどこに居るのかは分からない。ただ鬼種とのハーフとして産まれた私をお母さんは大切に育ててくれた。
しかし、隠れて生活していた所を竜牙兵に見つかりお母さんはその場で射殺、私も撃たれたけど死ねなかったので興味を持たれて研究所へ連れていかれたっていうのが本当の話だ。
「初めて会った時はトウコ血まみれじゃったし、右腕の断面を焼かれてて再生出来ていなかったの」
「命からがら逃げてきてやけに警備が薄い所があるなって思ったら」
「我がいたんじゃよな!」
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今日も昨日と同じ痛いのの繰り返しだ。
両手両足を拘束されたまま首だけを動かし研究室内に入ってきた研究員達を眺めながらそう思った。
お母さん曰く