王国が反転した。さぁ、控えろ人類(仮) 作:銀髪!銀髪!
本当に真に受けちゃダメだよ?
これから語られるのは、少しだ先にある、行き着くかどうかも分からない未来の話。
「はじめまして、織斑一夏君。私はアイザック。アイザック・レイ・ペラム・ウエストコット」
「残念です。裏切ったとはいえ、肉親をこの手にかけることになるとは」
「キヒヒ。とても美味しかったですわ。このお礼に、苦しまずに逝かせてあげますわ」
表舞台に出てきた魔王が嗤う。
「アンタが何者だろうが知らないし構わない。でも絶対に皆を傷付けさせない。アンタは、俺が倒す!!」
勇者の剣を持つ少年は確固たる意思で魔王に挑む。
「だってアレはただの・・・嘘・・・信じませんわ・・・」
知らなかった真実を突きつけられた少女は絶望の涙を流す。
「こっちだって怖いわよ。今すぐ逃げ出したいくらいね。でもね、私は代表候補生なの。一矢報いる位はしてやるわよ」
今にも折れそうな少女は、誰よりも強くあろうと前に立つ。
「ずっと皆に嘘ついてて、ごめんね。だって僕は・・・」
嘘に塗れた少女は、自らの本当の姿を曝け出す。
「すまないが、私は軍人だ。覚悟などとうに出来ている。たとえどのような命令であろうと、それが下されたならば必ず遂行する」
恐れをなくした少女は、その手を赤に染めていく。
「黙って見るなんてナンセンスよ。私は生徒会長。すなわち学園最強。自分の機体じゃなくても、この程度どうにか出来ちゃうのよ」
愛機を破壊され、その名を地に落とした少女は、落ちた肩書きを再び掲げ、敵を倒さんと槍を取る。
「この世界にヒーローはいない。幸福もない。あるのは虚無と絶望。ただそれだけ」
弱き己の殻を破るため魔王の手を取った少女は、その見に宿りし絶望のままに、力を振り撒く。
「ようやくアタシらの出番か。随分とボスは勿体ぶったじゃねぇか」
「うるさい黙れ。それで、下された命令は?」
「殺すも殺さないも自分達のしたいように、望むままにだそうよ。だから始めましょう。私達の戦争を」
暗闇の中から、息を潜み隠れていた闇の組織は動き出す。
「私はなんて弱いのでしょう」
周回遅れに気付いた老人は、静かに舞台から消えていく。
「誰にも手出しはさせない。ここからは、私の戦争だ」
かつての力はなく、しかしその見に宿る武技は衰えず。急速に揃えた装備を纏い、世界最強は立ち上がる。
「有り得ない。もう物理や科学の領域じゃない。そもそもの前提が違っている。それじゃあまるでオカルトだ。この世界には神様でもいるってことなの?」
敗北者となり追われる身となった天災は、法則外の存在を目の当たりにする。
「駄目だ。今のままでは駄目なんだ。力がいる。もっと大きい、敵を完膚なきまでに叩きのめせる絶対的な力が。だから寄越せ、貴様のもつ力とやらを」
力に溺れた少女はその身に穢れを纏わせながら、焦がれた物を掴み取る。
「〈王国〉が反転した。さぁ、控えろ人類」
最後の覚醒を見た魔王は、己の目的を完遂させる。
もしかしたらこの話消します。