王国が反転した。さぁ、控えろ人類(仮)   作:銀髪!銀髪!

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キリングバイツとアマゾンズのクロス作品出そうと思ってるけど・・・

アマゾンぇ・・・パンチキックの桁が1桁多いんだが・・・。キリングバイツでも剛力羅が多くて握力1t位なのにスペック低いファーストシーズンだけでパンチ20t・・・。
誰かどうすればいいか助けてくれぇ〜!


一夏スクール

コツン、コツン、コツン。

 

 

 

陽は沈み、人があまり通らない路地。そこには一人の女性がふらついた足取りで歩いていた。化粧の濃い顔は顔が赤くなっているせいかブサイクを通り越してさえいる。

彼女は酔っていた。酒に、自分に。

 

彼女は十年前まで社会のカーストの底辺に近い存在だった。会社では夜遅くまで押し付けられた残業三昧。上司からは同期の美女ばかりを贔屓され、自分は邪魔者扱い。パワハラは止まらなかった。酒なんて飲む暇などない。家に帰れば疲れでぐっすりと眠るのだから。

 

 

 

コツン、コツン。

 

 

 

だが十年前に全てが変わった。ISの登場により、例え適正値が低くとも女性というだけで優遇される、神のごとき時代が来たのだから。女性はISの適正値はDと低かったが、そんなものは関係ない。パワハラしてきた上司、同僚達をあらぬ罪で陥れ、社会的に殺してやった。会社の空いた役職に自分が座り、地位も金も手に入れた。

 

 

 

コツン、コツン。

 

 

 

人生が薔薇色へと変わったのだ。かつては合コンなどに誘われることなどなかったが、今では誰もが誘ってくる。それがご機嫌取りのためだとはいえ気分がいいことに変わりはない。

今日だってご機嫌取りの合コンに誘われ、飲んで食べて豪遊し、その全てを男に払わせたのだから。

 

 

 

コツン、コツン。

 

 

 

ああ、なんて素晴らしいのだろう。まるで気分は女王だ。全てが自分の思い通りに進む。自分に不利なことなど何一つ存在しない。世界は自分が中心になっているのだと本気で信じてさえいる。

 

それが愚かなことだと、気づきはしないのだ。

 

 

 

コツン、コツン。

 

 

 

ふと先程から地面をヒールが叩く音が聞こえる。自分の足取りとは違うリズムで音が鳴っている。酔ってボーッとしている頭を回転させてとりあえず辺りを見渡す。だが見渡せる限りでは誰もいない。

酔いすぎたか、と髪をかきあげる。確かに今日は何本もボトルを開けていたなと思い返す。

 

 

 

コツン、コツン。

 

 

 

頭が痛い。体が鉛のようにだるい。そんな感覚に襲われながら、女性はゆったりとした足取りで進む。だけどその足取りは少しづつ遅くなり、やがて地面に膝をついてしまう。

体が自由に動かない、気づき叫ぼうとするも声すら出ない。まるで重力が何倍にも膨れ上がったかのように。

 

 

 

コツン、コツン。

 

 

 

そんな中でもヒールの音は止まらない。それどころか徐々に近づいてくる。ヒールの音が近付いてくるにつれ、だんだんと視界が歪みネジ曲がる。

 

「キヒヒ」

 

不気味な声がする。女性の笑い声だ。声のした方向を振り向く。そこには黒を基調としたドレスのような洋服、所謂ゴスロリを着込んでいる少女がいる。少女の右眼は黒髪で隠れており、それが不気味さをさらに増やす。

 

「貴方、とても美味しそうですわね。ああ、今から美味しく頂いて差し上げますわ」

 

少女が女性に近づき、顎を持ち上げる。頂く、とはどういうことだろうか。女性はその答えに簡単にたどりついた。目の前の少女は自分の唇を奪うつもり。女性はそういう風に認識した。

 

「では、頂きますわ」

 

少女のかおがちかづいてくる。女性はゴクリと唾を飲む。男性と唇を重ねたことはあるが、女性とは一度もない。未知の世界への入口で興奮し始める。いつの間にか下腹部が熱を持っている。

 

だが待っていたものは違った。訪れたのは快感などではない。不快感だ。まるで体の中から大切な何かが吸われていく感覚。何よこれと言いたくとも体は動かず、声は出ない。喘ぐことさえできない。

視界が黒に染まっていく。やがて全てが染まる視界で、女性が最後に見たのは隠されていた少女の右眼に映されている、金色の瞳の中で逆回転する時計だった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「キヒヒ、とても美味しゅうございましたわ」

 

少女はそう言って女性を離す、否———落とす。ドチャリという落下音がした場所には目を剥いて血塗れで死んでいる女性。出血量はとてつもないほど広く、壁や道路に血が散乱している。

少女は唇の端についた血をぺろりと舐め、金色に輝く瞳に手を当てる。そして溢れ出てくる欲望。

 

「足りませんわ、足りませんわ!この程度じゃ全然足りませんわ!」

 

一人殺してもまだ足りない。あと何人殺せば足りるのだろうか、満足できるのだろうか。十人?百人?千人?もしかすると地球上全ての人間?

 

悪夢(ナイトメア)様」

 

声がする。少女が振り向くと物陰から一人の黒服の男性が出てくる。少女は男の存在に最初から気づいていたため、驚く様子はない。

 

「ウェストコットMDからご連絡があります。ご確認を」

 

男はそう言って脇に抱えていたカメラ付きのパソコンを開き、画面を少女へと向ける。画面に映っているのはアイザック。そして流しているのはリアルタイムの映像。

 

「やぁ時崎狂三。随分と楽しんでいるみたいじゃないか」

 

「キヒヒ。貴方こそ随分と元気そうじゃないですか。何かいい事でもあったのですか?」

 

「さぁどうだろうね?まぁいい。君に『お願い』があるんだ」

 

「また『お願い』ですか?」

 

「ああ。ドイツに飛んでほしいんだ。出来れば一週間以内に」

 

「ドイツ?何故かお聞きしてもよろしくて?」

 

「勿論だとも。理由は君に少し仕込みを頼みたくてね」

 

「分かりましたわ。でわ、一週間以内にドイツに行かせていただきますので、諸々のことはお願いしますわ」

 

「任せてくれたまえ。よろしく頼むよ。あ、それとそこにあるゴミ、ちゃんと片付けておいておくれよ」

 

「キヒヒ、勿論ですわ。食べた後始末をするのも淑女のマナーですから」

 

少女がそう言うとアイザックは男に通話を切るように伝える。男は頷いてキーボードを操作して画面を消し、姿を消す。男がいなくなると少女はため息をついて背景となっていた死体を見る。

 

「あらあら、私振られてしまいましたわ。折角このような面倒な『絵』を描いたというのに。残念ですわ、残念ですわ」

 

女性の体を中心に流れる赤い血が、ハートの形を表している。これは少女がアイザックへと贈る愛情の形。血みどろの愛情、という訳では無い。ただ単に最も近くにあった『食料兼絵の具』ということだけなのだから。

 

「はぁ、仕方ないですわね」

 

少女の足元の影が伸びて血を囲む。すると血と女性は影に食われるように吸い込まれていく。やがて影は少女の足元に戻り、先程までの殺害現場は何事も無かったかのよう綺麗な状態となっている。

 

「では御機嫌よう」

 

誰もいなくなったこの場でお辞儀をする。次の瞬間、少女の姿は跡形もなく消えていた。

 

この日から二週間後、警察へと一人の女性の捜索願が出されるが、女性は永遠に見つかることはなく、事件は迷宮入りとなった。

 

 

 

——————————————————————————

 

 

 

 

右を見ても女子。左を見ても女子。後ろを見ても女子。前にも女性。四方八方、部屋中異性で固められた教室に、織斑一夏は肩身が狭そうに座っている。

彼がいるのはIS学園1年1組の教室の真ん中の最前席。場所のせいで嫌でも視線が集まってくる。視線が集まる理由など簡単だ。彼が世界で唯一ISを動かせる男性だからだ。

それだけではない。一夏は自覚のない甘いマスクを持っているせいで余計に視線が集中するのだ。

そんな彼の唯一の逃げ場は、窓側の席に座っている彼の子供の頃からの幼馴染。

 

(助けてくれよ、箒・・・)

 

視線を送るも無視される。嫌われてしまったかと思うが全く心当たりがない。無視された理由は彼女自身のとある気持ちのせいなのだが、それに気づくことなどありえない。

 

「・・・斑くん!織斑一夏君!」

 

「は、はい!」

 

集中していたせいで周りに気を使えていなかった。どうやら自己紹介で自分の番が来たらしい。一夏は立ち上がり、真剣な表情を見せる。だがその裏では心の中で何を言えばいいか悩んでいた。

高校デビュー、という訳ではないが女子校に男子一人という状況で『暗い奴』『変な奴』とヒソヒソと裏で言われたら流石に傷付いてしまう。そんなことを避けるための最善策を、頭の中で考え続ける。

 

「織斑一夏です。

 

 

 

以上です!」

 

ズコッ!とまるで昭和のお笑いのようにクラス一同が転ぶ。一夏自身も予想外だ。まさかこんなことを言ってしまうとは。

みんなが転んでから立ち直ってすぐ、バン!という何かを叩いた音が響く。

音源は一夏の頭。一夏は痛そうに顔を歪めながら頭を抑えていた。

 

「痛った・・・!って、関羽!?」

 

「私にそんな長い髭が生えていると思うか?」

 

再度バン!と音がする。一夏を叩いた人物は、武器である出席簿を手に、教壇へと歩いて行く。そして教壇へ立つとクラス中がヒソヒソからキャアキャアと黄色い声を上げていった。

 

「千冬様よ!お逢い出来て光栄です!」

 

「私千冬様に会うために北海道から来たんです!」

 

「罵ってください!罵倒してください!殴ってください!」

 

狂乱したように騒ぎ立てる少女達。彼女達の声で窓ガラスは少しだけ振動している。大声の行き先であるスーツ姿の女性、一夏の実姉である織斑千冬はヤレヤレと頭を抑える。

 

「全く、どうして私のクラスはこうもバカばかりなのだ。これはアレか?私に対する嫌がらせか?」

 

そんなことは断じてない。織斑千冬は世界最強のIS乗りの称号のようなものとなっている『ブリュンヒルデ』という名を唯一持っている女性である。幼い頃からIS学園へ入学することを目標としていた彼女達からすれば、英雄や神と同じ存在なのだ。

 

「静かにしろお前達。次の者、早く自己紹介を済ませろ」

 

千冬の一声で静まり返る教室。まるで独裁者のような扱いをされている千冬は少しだけテンションを下げる。

一夏はそんな姉を見て流石だな〜と呑気に思っていたが、すぐに意識が隣の席へ持っていかれることになる。

 

「カレン・N・メイザースです。DEM社の企業候補生をしています。一年間、よろしくお願いします」

 

まるでお手本のような挨拶をした少女に、一夏は見惚れていた。手入れの通ったノルティックブロンドの美しい髪。クールビューティを思わせる瞳をメガネの奥に隠し、日本人らしかぬ美貌を持った美少女———否、美人。

 

(すげぇ、綺麗な人だな・・・)

 

見蕩れている一夏とは対称に、千冬は少しだけ目を細めてカレンを見る。

 

(こいつがDEM社が送り込んできたIS乗りか。あまり強いとは思えないが、学園長と更識から警告された以上、注意しなければな)

 

一人警戒した瞳でカレンを見る千冬。だが千冬はカレンに見蕩れている一夏を見て、頭を抱えることになる。




IS世界の通常の女性なんてこんなもんだろ?IS学園が寛大なだけなんだよ。

前半のタイトルは狂三カニバルです。
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