先月終わりに風邪でぶっ倒れて、執筆する意欲が湧かないままずるずるとこのざまです
書き貯めも無かったので非常に時間がかかってしまいました
web版の方が更新されていたので伴うようにして更新してみます(唐突なダイレクトマーケティング
まずは説明する必要ないかな、と思っていたけど感想でも聞かれたので急遽差し込んだ微妙な裏設定からです
オリキャラが交じっていますが、今後登場する予定のない舞台装置なのでお気になさらず
あと書き方もなんだかアレですけど、ほら、病み上がりだから、執筆の練習だから(目逸らし
今を遡ること10年前、俺はふらりとこの世界へ紛れ込んでいた。
それは決して自分の意志で来たわけではない。
人間が誰しも望んで生まれるわけではないことと似たように、何らかの事象に晒され巻き込まれ流されるままに第二の人生を送らざるを得なくなってしまっていた。
ちなみに、こういう言い回しは俺を最初に発見したヒイラギさんという人の見解と意見を参考にしている。
当時は保護者で、今では身元の保証人だ。
この世界に来る前はOSO―Only Sense Online―というVRMMORPGで遊んでいた。
自らの
モンスターと戦ったり、武器や道具を作成したり、モノを売ったり、料理をしたり、畑を耕したりetc….
自分自身で
個人的には、ゲームしてないで表へ出ろ、と言いたいが。
モンスターと戦うのはさておいて、自由度を追い求めてゲームの質が向上しているのなら、普通に現実に向き合った方が手っ取り早いと思うのだけどなぁ。あ、現実でも戦いはあるな、社会というモンスターと。
話が逸れたが、俺は今でこそこんな
それが女顔という宿命の所為か機械の不調か、不調だな、俺は悪くない。……女性アバターとして登録されてしまったのである。
このゲームは自由度が売りにしては、アバター作成に然程のチカラが入ってない。
登録時に本人の顔をカメラで撮り、それを基にしてほぼ本人の見た目そのままな分身をゲーム側が勝手に作成する。
妹曰くやろうと思えば造ることもできるが時間が異様にかかる、とのことだ。
初回登録時に脳波測定で二時間かけられているのに、さらにより『かかる』ことを突き付けられれば誰だって辟易する。つまりはそういうことだ。
……今更だが、個人情報保護とか全く考慮されてなかったな。身元バレとかあっても可笑しくなかっただろうに、よくあれほど人気のゲームになったモノだ。
俺はこの世界に、件のアバターそのままで紛れていた。
ユン、というのはそのままアバターネームで、名付けの時に打ち間違えで自分の名前の頭文字が入っていなかった所為でもある。
名前に関しては自分のタイプミスだが、やはりアバター登録に関しては今でも物申したい。
まあ、妙な縁が出来た一因にはなったのだろうから、やらなきゃ良かった、とまでは云わないけれどな。
……というか、機械の認識ミスだってまさかこんな事態に連動するとは、誰だって想定しないだろう。
ヒイラギさんに事情を説明したところ、そんなこともあるよね、で済ませられたのは有難かった。
理解度と包容力が半端なかったが、こんな荒唐無稽な事情をあっさりと受け入れられてもらえてかなり嬉しかった。
……だって実のところ心許がめっちゃ無かったし!
知り合いはいないし! 見も知らない街と何が通じるかもわからない法律が待っていたら、高校生1人で何ができると!?
嘘を吐くのなんて得意じゃないし、本当のことを話しても信じてもらえなかったら意味が無い。
正直、数年分の運をその出会いで使い切ったって思ったね。
……で、モノの序でにヒイラギさんは俺のアバターを軽く診断していた。
そこでわかったことが、この身体はゲーム時のアバターをそのまま実体として使っている、という事実。
OSOは自由度が売りなゲームなだけあって、怪我をすれば痛いし、モノを食べれれば味も分かるし、匂いも嗅げれば疲れも感じる。
五感、体幹、平衡感覚、それらを整えることに無駄な阻害は一切ない。
下手をすれば現実以上に現実的な身体の動きを、ポテンシャルを最大限に発揮できる。
つまりは、現実と同じ感覚で生活するのになんら支障がない上に、ゲーム的な極端なバッドステータスを差し引いた生理現象以上の悪影響を実感させない肉体を、実体として得てしまったわけである。
……わかりづらいか。
要するに、トイレに行く必要が無いって話だ。
女性の身体なのに生理がないし、ついでに元がゲームだから排泄もないからな。
個人的には有難いが、何かちぐはぐな出来損ないを扱わされている感じだ……。
ちなみに元の世界に戻る気もあるにはあるのだが、柊さんの云う事には『死ねば助かるのでは』とのこと。
何処の
仮にも使っている肉体がアバターなのだし、ゲーム的な『死に戻り』が通じる可能性が、あとひょっとしたらそんなことは関係なしに『本人』のデッドコピーが今の状態でオリジナルと分岐しているのかもしれない、などと解説される。
いや、ゲームと同じと散々言われても、普通に現状コンソールも扱えないしログアウトもできないから、納得も認識するのも難しいです……。迂闊に試せるか、そんな真似。
そんなわけで、結果的に10年ほど普通の生活を送ってしまったわけだ。
途中高校にも編入したり、身体の成長は無いが、それなりの人生経験を積んだと思っている。
妹や親友がどうしているのかも気にはなるけど、大体が終わってから考えよう、と流されるままの人生でもある。
……それでも、嫌なことは嫌だけどな。
☆
「……ん? 決定事項なのか?」
「ありすにゃん☆さん、私から説明します」
「「「「!?」」」」
タチバナ=オンステージにふらりと分け入ったのは他でもない武内プロデューサーだった。
まさかの呼び方をそのまま使うその姿勢に、この部屋に元からいた誰もが目を見開いた。
「先日デビューしたユンさんですが、そのときの客層を皆さんは把握してますか?」
「んぇ? 客層? そんなの、アンズらにわかるわけないじゃん……?」
そんな中で比較的平静を保っていた、双葉杏がなんとか口火を切る。
残る面子は未だに復帰できていない。
そんな事態想定できるか、というやつである。
「一般のお客様もいましたが、大多数がユンさんのファンです」
「いや、待て待て。ファンってなんだ、そのときまだデビュー前だろ」
「……ファン、と呼ぶと語弊がありますね。だいたいユンさんにお世話になった方ばかりです」
「……あー、通りでおじさんが大勢いたと……」
えなんだそれ、とユンが呟く。
それとは対照的に復帰して納得の様子を見せたのは、その時同じく客席に居た本田未央だ。
正直、真横でサイリウムを振るうダンディなお髭のおじ様は中々シュールだった、と付け加えられる。
それは確かに、なんとも
本人的には孫か娘の応援に来ている心境かもしれないが、傍目に見たくない状況なのは間違いが無さそうである。
「そんな方々が裏で手を回してユンさんのデビューを支えていますので、アイドルとしては中々盤石な地位が整えてあります。公式ファンクラブもナンバーが7桁まで埋まりました」
「聞きたくなかった事実が次々出てくる……!?」
「それ、下手な枕営業よりも悪質じゃないかしら……」
説明する妖怪メイシダケデモに愕然とするユン並びに、茫然と呟く新田美波。
彼女のツィートに「ミナミ、マクラエイギョウとはなんですか?」と無垢な瞳で聞き知らぬ日本語を問いかける
ほぼ無意識で口走ってしまった最年長が言葉に詰まるも、被弾するのも御免なのか見なかったことにする少女たち。
しかし、日本語を知らぬモノばかりではなく、それ以前にこの場には年齢的に聞かせて不味いだろってな少女らが大多数を占めていることも事実。
強いて挙げるならば、佐々木千枝や櫻井桃華や古賀小春が顔を赤らめ視線を彷徨わせ、結城晴や的場梨沙がドン引きし、市原仁奈や龍崎薫あと赤城みりあと城ヶ崎莉嘉なんかが言葉を
なお、何故か橘ありすは何処か期待した眼差しでユンの方を息遣い粗めに見上げていた。自重してくださーいタチバナスァン。
そんなわけで自然と、ふたりから視線を逸らすことが急務とすべく、全力で話題転換に勤しむ程よい年齢層の少女たち。
率先して、渋谷と前川が口を開く。
自ら踏まなくてもいい地雷を踏み抜いたムッツリ助兵衛は切り捨て御免である。
「で、ファンのチカラがどうのはさておいて、それならそれで放っておいても問題なくない?」
「それはどんなアイドルにゃ……」
ユンのデビュー曲ではないが、セルフプロデュースするアイドルもいることはいる。
しかし、プロデュースの方向性からなにからを、割合多めにファンに委託しかけているこの状況は流石に看過できない。
極端な話、そうなってしまうとそもそも『所属事務所』という括りすら不要になってしまい、そうなってしまってはユンのデビュー自体に疑問視が浮上してしまう。
ファンはあくまで応援する立場であって、自らが率先してアイドルを引っ張って逝くものではない。
それでは本末転倒なわけである。
理想はどちらが先かとか上かとかも無く、相互に良好な関係を吊り合って伴うことなのだろうが、まあそこはまた別の話だ。
「そんなわけで、346が先立って作っていた公式プロフィールの更新を先駆けることで、多少のかじ取りを先手として取らせてもらいたいなぁ、という思惑なんです。ファンにも暗黙の了解という形にするのは、まあ偶像としては無理を通させないことが第一なので、自然な形になるかとおもいますし」
「ありすちゃん、ほんとうに小学生ですか…?」
タブレット片手に現状説明を伴ってファンの意識も傾けたい、と語るタチバナ=サンにさすがの笑顔も引き攣る少女がいた。
おいおいどうした島村、笑顔がぎこちないぞ。
そんな説明から一転、橘の顔がやや曇る。
「ただ、そのプロフの更新に当たって、問題が浮上したわけです」
「
「なぜ英語なのかはさておいて……、ユンさんに質問です」
口を挟んだ神崎蘭子ではなく、矛先は当人へと向けられる。
「うん?」
「あなたの趣味、得意なモノ、アイドルとしてこれだ、と推し出せるモノを答えてください」
「えっ」
言葉に詰まる。
目線は自然と右に傾き、絞り出すように悩み、体感以上に妙に長く感じる一分後。ゆ、と口が開いた。
「、弓……?」
「ほらこのざまですよ!」
バスーン! とありすが、怒りのままにタブレットをソファへ叩きつけていた。
「どうですかこの自己評価!? ゆみってなんですかゆみって! お料理だってお洗濯だってお掃除だってできるし、アクセサリーみたいな小物造りも手掛けられるのに、推し出す特技がそれっておかしいでしょう!?」
「いや、だってアイドルだぞ? そんな地味な趣味押しても、誰が喜ぶんだ?」
「誰だって喜びますし小躍りしますよ! 理想の嫁過ぎるでしょうが!?」
「落ち着けタチバナ。マジで」
どうどうと宥める晴に、猛牛のごとく肩で息を切るタチバナ=サンはなんとか鎮まり逝く。
ちなみに、ユンがその特技を先出ししたのは元居た世界での主武器であるためでもある。
行き着いた二つ名は【OSOのズドン保母】――などとよばれたことはいっさいないが。
「そんなわけで、いっそのこと周りのアイドルらで趣味特技能力なんかを俯瞰的に取り決めてみようという案がプロフ作成に取り上げられたのです。そんな生贄第一号が決定しました。さあどうぞ晒してあげてくださいお世話になった皆々様!」
「もう自棄になってないかタチバナサン?」
それとなく宥める心づもりで口出しするが、先の勢いあってかなんとも諫め難いユン。
それならば、とようやく納得したシンデレラガールズも、差し出されたタブレットにユンを俯瞰的に見た魅力を付け加えて逝く。
なお、先立って踏まなくてもいい地雷を踏み抜いていたムッツリとその相方のロシア娘は、まだ遣り取りを終えずにいた。
「マクラ……
「えっと、だからね……」
放置である。
残念ながら仕方がない。
~OSO
クロス先の原作
漫画版だとユンユンのいやらしi魅力的な画像がいっぱいアルヨ!
~「自由度の高いゲーム無い?」「表に出ろ」
掲示板ネタ
ですよね
~死に戻り
ナゥレッミーオプンジスカー
ではないです
~サイリウムを振るダンディなおじさま
ユンユンの立場を考慮して注釈しますが、男女比はそれでも4:6くらいありました
年齢層は上下幅在りすぎますが
~敢えて弓を推しだすアイドル
ニンジャとかエスパーも居るので妥当
~枕営業云々
お前が枕になるんだよォ!
みたいな展開はないです(ないです
次いつできるのかとかは書きません