りっく☆じあ~す×リトルアーモリー ~誰の為に引き金を引く~ 作:土居内司令官(陸自ヲタ)
ビルの階段を駆け下り、7人は道路に面したドアまでやってきた。
「よし、富山さんが開けて」
朝霞の指示に富山は頷き、ドアを手前に引いて開け放つ。通りに人の姿は見えないが、遠くから銃声が鳴り響いている。
「ゴー」
朝霞の言葉と共に、富山と多賀城が飛び出し、一気に道の反対側へと渡る。
渡り切った2人はハンドサインを出し、安全を伝える。すると直ぐにスナイパー3人組が渡ってきて、その後に朝霞と練馬が続く。
全員が渡り切り、多賀城は背負っていたM26MASS手動散弾銃の槓桿を引き、12ゲージ散弾(ドアブリーチング弾)を薬室に送り込む。そして、ドアノブに銃口を押し付けて発砲した。
広大な砂漠の中、大量の戦車が走る。
「全く、どうして私がこんな辺境の砂漠まで来なければならないのよ!」
先頭を走る、デザート迷彩仕様の10式戦車の車長用キューポラから頭を出す、即応機械化中隊 第1戦車小隊長の駒門が愚痴を溢す。
「それ、今更言ってもどうにもなりませんよ」
砲手用ハッチから頭を出す武器娘・ヒトマルにそう言われ、駒門は「むぅ⋯⋯」と頬を膨らます。
するとそこへ、無線で連絡があった。
〔トムキャット22からクイーンコマンダー。ポイントDA-2816に複数の熱源反応を捉えた。デコイ(囮)の可能性があるが、注意しろ。プラウチームがチャーリーアルファシエラのために待機している〕
「クイーン1-1、ラジャー。1-1より全車、全周囲警戒。後顧の憂いはありませんわね? 見つけたら派手にぶちかましなさい!」
『ラジャー!』
相馬原と芙蓉、2人の5.56mm軽機関銃が弾幕を張り、その間に他の隊員達が前進する。
「GO!」
視界に入ったマグマ軍兵士やASF兵士を、的確に撃ち抜き進む。
久居や金沢、豊崎、朝戸達は歩道に頭から乗り上げたダッチ ラムバンの陰に隠れて弾倉を交換する。すると、久居が何かに気付いた。
「待って。何かコードが——」
汚れまくった商業用バンの下から、近くの建物へとコードが伸びている。久居は89式5.56mm小銃と84mm無反動砲(B)を傍らに置き、バンの下へと手を伸ばす。
「何かある、これは——爆弾です!」
その言葉に、その場にいた全員の顔が青くなる。
「IED(Improvised Explosive Device、即席爆発装置)ですか!?」
「恵那ちゃん、そのコードを追って! 早く!」
滝ヶ原の言葉に、豊崎は頷いた。
「了解しました!」
「あたしも行きます!」
G36自動小銃を手にした白野と共に、豊崎は建物に突入した。
ドアを蹴破り、被筒に装着したタクティカルライトを点灯させる。床を伝うコードを追い、地下へと続く階段を下る。
そして、ある部屋へと入った。2人は死角に注意し、部屋を捜索すると、コードが繋がった手の平サイズの箱を見つけた。
「これだ!」
豊崎が駆け寄り、作業用デスクの上の箱に手を伸ばす。その側面の液晶画面に表示された数字がどんどん減っていく。豊崎は、とりあえずコードを引き抜く事を思いついた。
するとその時、カァーンという甲高い音が背後で鳴った。
「何!?」
振り返れば、そこにはフライパンを手にしたマグマ軍歩兵。その足元には、のびた白野の姿があった。そして、マグマ軍歩兵は豊崎へとフライパンを振りかざす。豊崎は辛うじてフライパンをかわし、素早くヒップホルスターからUSP自動拳銃を引き抜く。セーフティレバーを下ろし、そのままマグマ軍歩兵の腹部目掛けて引き金を引きまくる。
ホールドオープン、足元に9✖19mmパラべレム弾(フルメタルジャケット弾)の複数の薬莢が転がり、マグマ軍歩兵の物言わぬ死体が倒れる。豊崎はUSP自動拳銃の弾倉を交換、スライドストップレバーを下ろす。そして、思い出した。
急いで箱を持ち上げる。液晶画面のカウントは、5秒を切っていた。すぐにコードを外すと、カウントダウンは止まった。
「ふぅ⋯⋯」
豊崎は溜息をつく。すると、耳にはめたヘッドギアのイヤホンから、緊迫した声が響いた。
〔豊崎! 爆弾は解除したのか!? それと白野はどうした!?〕
「まりこさん、解除は出来ました。継実は、フライパンで殴られてのびてます」
〔PUBGかよ! 今こっちは敵と交戦中だ! 陸自と米海兵隊が駆けつけてくれたが、数が足りない! 急いで戻ってこい!〕
「了解!」
豊崎は、のびている白野を背負い、地上へと戻った。