りっく☆じあ~す×リトルアーモリー ~誰の為に引き金を引く~ 作:土居内司令官(陸自ヲタ)
その後、須恵原1尉のありがたいお言葉により、即応機械化中隊隊員総出でウェルドックの掃除を行い、自由時間となった。
「松戸さん、9mm弾を50発お願いします」
「9mmを50ですか。自主練?」
「はい」
そんな中、朝戸は〈サラトガ〉艦内の弾薬庫に来ていた。ラフなTシャツ姿だが、腰にはG17自動拳銃が収まったヒップホルスターとMK3戦闘ナイフがぶら下がっていた。
そして、松戸が「AK44J 9×19mm訓練弾」と書かれたベージュ色の箱をカウンターに置いた。朝戸はそれを受け取り、松戸にお礼を言って射撃場へ向かった。
ワスプ級強襲揚陸艦〈サラトガ〉は、第二次世界大戦時の如何なる空母よりも巨大な格納庫(正しくは格納甲板)を有する。しかし、〈サラトガ〉の設計想定数よりも少ない航空機しか持たない即応機械化中隊には無用の長物となっていた。
その為、現在では航空機格納庫の半分が潰され、「実験ラボ」やら「シューティングレンジ」やらが作られているのであった。
朝戸はシューティングレンジに入り、プロテクター類を身に着ける。既に何人かが射撃練習をしており、銃声が狭い空間で反響し、共鳴していた。
G17自動拳銃の弾倉に、9×19mm パラべレム弾(訓練弾)をマグローダーで押し込め、左右を区切られたシューティングポイントに立つ。そして、弾倉をG17自動拳銃の銃把に差し込む。
紙で出来た的を可動台にセット、可動台が徐々に近付いてくるようにセットしてボタンを押した。可動台は一気に20m先まで移動した。
朝戸はG17自動拳銃の遊底を引き、ヒップホルスターに仕舞った。
そして、ブザーが鳴った。
素早く朝戸はヒップホルスターからG17自動拳銃を引き抜き、狙いを定めて引き金を引く。決して弱くない、けれども慣れた反動が右肘を襲い、真鍮製の薬莢が壁に跳ねる。
硝煙煙る銃口を下ろし、的を見る。的に描かれた人影の胴体部分に数発の命中弾、上々だ。
「自主練?」
すると、背後から話し掛けられた。振り返ると、そこには白根がいた。
パーカーにショートパンツと飾らない格好だが、腰にはPx4ストームSD自動拳銃が収まったヒップホルスターが吊るされていた。
「まぁね。でも、本当私服が地味だね」
「何言ってるの。ここは戦場よ。コーデを考える労力は無い」
「…………」
朝戸は言葉を失う。すると、白根は可動台にセットされた的を交換し、20m先まで移動させた。
「未世の撃ち方はアイソセレス、15m以上には適さない」
「でも、学校ではこれしか習わなかったよ」
「試しに1発撃ってみて」
白根にそう言われ、朝戸はG17自動拳銃を抜いて構えた。狙いを定め、軽い引き金を引いた。
発砲、銃口が若干跳ね上がり、的に当たった。
白根がボタンを押し、可動台が戻ってくる。すると、朝戸が撃った弾丸は的の頭部、それもど真ん中に命中していた。
「おー」
「なるほどな」
すると、白根はまた的を20m先まで移動させ、Px4ストームSD自動拳銃を抜き、ウィーバースタンスで構える。
9×19mm パラべレム弾よりも強力な、.45ACP弾の衝撃が響き渡り、薬莢が床を跳ねる。
再び可動台が戻ってきた。的の頭部には、朝戸の命中弾を中心に、ニコちゃんマークが弾痕で描かれていた。
「ざっとこんな感じだ」
「……うわぁ」