桜色のレラカムイ   作:一ノ原曲利

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小樽追走劇(上)

 

 

「おじさん、それ頂戴」

 

北海道小樽。

深々と雪が降り積もる北の港の倉庫街。物流が盛んで栄えた都市の街中で、小柄な少女が出店に飾られている商品を指差した。

屋台の屋根の軒下に簡単な椅子を設けて座る店主の目に、少量の雪を乗せた編笠の下から覗くあどけない顔と、日本の国では滅多に見かけない髪が映る。

 

「お嬢ちゃん、変わった髪の色してるねぇ。何人だい?」

「日本育ちの日本人ですよー」

「はい、毎度あり。でも刀とはまた穏やかじゃないねぇ、お嬢ちゃん廃刀令って知ってる?」

「これ模造刀ですよ模造刀」

「にしても紛らわしいよ…しかしお嬢ちゃんも変な趣味してるねぇ」

「え? そうですか?」

 

編笠に乗った雪を払いながら、少女は購入したものを顔に被る。ただ穴の空いた小皿を三つ繋げたように見えるそれは、お世辞にも年相応の少女が買うものではないからだ。精々金を持った好事家の娯楽として買う分には不自然ではない、といった程度のものだろう。

 

「でもこれ、私が知ってる美人さんが被ってたものとそっくりなんですよ」

 

確かに人の顔には見えそうにない。だが、古来より逆三角形の頂点に有る黒点を見ると自然と、人の目と口を連想してしまうものだという。

 

人は樹木の虚に化け物を見た。

人は水面に開く孔に妖しき獣を見た。

人は夜空に浮かぶ輝きに吉兆を見た。

 

古今東西、獣に跨り地を駆ける少女に悪い奴はいない。そのお面は某有名スタジオの作品に出てくる少女が被っていたものと同じであった。

 

 

 

◼️◼️◼️◼️ーーかつて、そう呼ばれていた、気がする。

元の名前は思い出せない。生きていた時代も、生きていた場所も、共に生きてきた人達も。ただ生きていたーー少なくとも、過去では無かったように感じられる。

何故か人間関係や環境は思い出せないのに、自然とアニメや漫画、映画などの作品は覚えている。基本的にサブカルチャーが好きな人物だったのだろう。

 

死は唐突だった。別に友人の恋人を誑かしたせいで恨みを買われ後ろから刺されたとか、事故に遭いそうな子供を助けて代わりにロードローラーに轢かれたとか、嗤う殺人鬼に殺されて解して並べて揃えて晒されたとか、ましてや突如降ってきた隕石が頭に当たったとか、そういうものでは無かった気がする。

ただ、気がついたら死んでいて、気がついたら神様っぽい、さぞかし見る人が見れば湛えられた威厳を感じたであろう好好爺ーー神々しいお爺様のように見えたであろうーーが目の前にいた。

 

(どこぞの錬金術師に出てくる扉の前の口以外透明男とか、目力ガンギマリの鷲鼻おじさんとか、インポテンツのヒキニートとか、そういうのじゃなくてよかったと安堵したのは秘密だ)

 

そして、これまた態々記述することも憚られるようなテンプレートな台詞を口にされ、所謂『転生』なるものをして貰うと伝えられた。なんならお決まりの特典も付ける、と。

 

 

一先ずその小憎たらしいよぼよぼの顔を拳で潰してやった。

 

 

痛い、何をするんだ。といきなりの行動に文字通り二重の意味で面食らった様だった。神様(?)って痛覚あるのか。理由は単純明解。

 

「お前みたいなのがいるから現代人の死生観が薄れて、小説やネットでパタパタ死んだかと思えば異世界行ったりチートやったりする主人公がアホみたいに増殖してるんだよ! 反省しろ!」

 

と特に責任を負う必要がない文句をぶつけてやった。別に今目の前にいる神様(?)が諸悪の根源と言うつもりはないが、その一端を担っていると判れば一言申さずにはいられなかった。

その後数時間(死んでから時間感覚がものすごく曖昧)ほど独善的な人間の死生観についてガミガミと目くじら立てて説教する教師の様に説いてやったら、いい加減後がつかえるから転生して下さいと苦笑いして遠慮気味に勧められた。神様(?)の手違いってそんなに多いんだーへー???

じゃあ取り敢えずペンと紙と賽子を二つくれと言うと、神様っぽい何かは首を傾げつつもご丁寧にマジックペンと紙をくれた。それに文字を書き込み、途中で神様っぽい人にペンと紙を手渡す。

 

 

「STR・CON・POW・DEX・APP・SIZ・INT・EDU・HP・MP・SAN・DBはこっちで先に振っとくからそれに近い感じのキャラで、転生する世界は1D10でも100でもいいから決めて書いといて」

 

 

多分、転生を自分で振る賽子で決めたのは自分だけだろうと思われる(いや、二次創作世界には何人かいてもおかしくないか)。神様っぽい人を泣かせたのがその証拠だ、いい気味である。ざまぁ。ところでどの神話体系の神様ですか? いあ、いあ? 外宇宙の神様はお帰りください。

余談だが、敢えて某番組方式のように賽子に直接書き込む手段を取らなかったのは完全に嫌がらせである。著作権云々かんぬん。

 

だがおかしいことに転生した状態は赤子だった。恐らく態々転生させるのに手間取らせた報いなのだろう、解せぬ。

それはそうとして、振った技能値はいつになったら反映されるのかとヒヤヒヤした。

 

転生し生まれ落ち、数年の歳月が経過してから生家で最早習慣となっている早朝洗面をした際、鏡越しに己の姿を見る。

やや色素の薄い髪。そこから伸びる重力を無視した癖っ毛(俗に言うアホ毛)。華奢な撫で肩。細い手足。着物の合わせ目から覗く、豊満でこそないがそれなりにある胸。

 

「これ、完っ璧に桜セイバーですよね…」

 

桜セイバー。

死んだ世界で存在した作品の一つに存在する『女体化した沖田総司』だ。

転生する世界と見た目はせめてものイジメなのか教えてくれなかったが(そこは神様として義務を果たしてほしい)。流石は神様と言ったところか、あの短時間で少しはGK(ゲームキーパー)の醍醐味をわかっていたようである。

転生した世界は、親の名前で判明した。

 

瀬田宗次郎。

こちらも死んだ世界で存在した作品の一つに登場する優男風の剣客だ。近年映画化していた気もするが…最近だったか昔だったかは思い出せない。

因みに苗字が壬生の方の宗次郎ではなかった。もしそっちだったらあの殺し愛の果てに生まれた嬰児がどんな子か、それはそれで興味があったーーその場合、自分のことなのだが。

しかしなるほど。彼ならば、瀬田宗次郎ならば、確か作中で北の地方へ行く描写がされていたから北海道へ渡っていたとしてもなんらおかしくはない。そう、おかしくはないのだがーー

 

ふと、訪れていた近くの街に捨てられていた新聞を読んで目を疑った。

 

「網走監獄に『不敗の牛山』収監ってコレ、ゴールデンカムイじゃないですか」

 

なんと、異なる世界が地続きになっていたのである。

確かに出版社は同じような気がしたが、異なる作品を繋げた世界に転生させるとは中々神様とやらも趣味が悪い、というか賽子にそんな設定がされていたのだろうか。

 

たとえそうであろうとなかろうと、異なる世界が繋がっているという事態からして、あの神様とやらとの転生の話そのものが私の幻想である可能性は飛躍的に上がった。あの遣り取りそのものが壮大な妄想で、しかし知っているようなちょっと違うような世界に見覚えのある姿で転生したことが現実であるようだった。

 

 

 

 

「さて、と」

 

お面を被り、腰に挿した刀の具合を確かめて小樽の街を散策する。

小樽の街には、作中でも有名な第七師団の拠点が存在する。それと同時に、作中の囚人たちがのっぺらぼうに集合を指示された街が小樽である。

つまり、刺青を入れられた囚人とのエンカウント率が倍率ドン! さらに倍! というテンションで跳ね上がるのだ。

と言っても、こちらの世界に生まれ落ちてからというもの、作品の仔細な内容は記憶の経年劣化とも言えるのか大部分が喪失している。原因としては「新生児は何も覚えておらず、周りを見て聞いて感じることで情報を蓄える」という人間由来の性質が関係しているのだろうと適当に自己完結した。

 

「まぁ確かに、未来を知り台本の裏をかくような展開なんて面白くないですしねー」

 

建物の影から街路を覗くと、彼方此方で軍服を見かける。ここ最近網走で脱獄した集団の一人、『三十三人殺しの津山』を見かけたという噂は彼らの存在でほぼ決定的となった。警備にしては身重そうな装備がいい証拠である。

 

そうと決まれば話は早い。

 

「よ、ほっと」

 

当然ながら、無駄なものは何一つないと有名な江戸時代ではなく明治時代であるからして、街には不良品やゴミ、廃棄物が数多く存在する。綺麗に見える街並みの、誰の目にも届かないような建物と建物の間の細い路地には彼方此方に廃棄物が散乱しており、建物も煉瓦造が多い。

 

つまり、三次元的な足場が豊富なのである。

 

それを、一息に駆け上がる。

 

桜セイバーの俊敏性と瀬田宗次郎の歩法、この二人の共通点である『縮地』は大変便利であった。確か記憶では敏捷値が九十台をマークした化け物染みた数値であった気がしたが間違いではなかったようだ。

剣を腰に挿していようと御構い無し、まるで無重力体験のように身体が浮遊感を感じたかと思えば、あっという間に建物の屋根に登り切った。下から自分の姿が見えぬよう屋根に積もった雪の影に隠れつつ、小樽の街並みを一望する。

雪化粧に彩られた街並みは大変美しいものであるだろうが、今はそれよりも囚人の足取りである。恐らく殺人鬼で名高い津山であれば、例えば訓練された第七師団の軍人であろうと意気揚々と返り討ちにするだろう。

残念ながら『縮地』で小樽の街を縦横無尽に駆け抜けたとしても津山個人を見つけるのは時間がかかる。だが第七師団の人海戦術と第七師団の長である鶴見中尉の情報網であれば、見つけるのは時間の問題だ。

 

私は、その獲物を掠め取ればよい。

 

その刻は、案外早く訪れた。

小樽の街を引き裂く、悲鳴と銃声によって。

 

 

 

 

「追えっ、逃すなァ!」

「オオオオオオオッ!!」

「ガァッ、!」

 

新雪舞い踊る小樽の街で、警備隊の怒声と、銃声と、悲鳴が空を引き裂く。彼らが走った足跡には数多の軍靴と時折の血溜まり、そして首、頭部、顔面を引き裂かれた物言わぬ軍服の男達の屍が、腹部を切り裂かれ臓物を撒き散らす瀕死の男が、両腕を肘から断たれ絶叫する男が点在している。

それらはすべて、ある一人の男による犯行である。

 

三十三人殺しの津山。明治新政府創立以来の大量殺人鬼であるーーー公式記録で、且つ現段階で、だが。

 

「はぁ、はぁ、ハハッ!! これ貰ってくぞぉ!」

 

男は銃剣を持った軍服の男達から息を切らして逃げながら、凄惨な笑みを浮かべていた。途中、小樽市街地に足代わりとして誰かが乗っていたであろう馬を引ったくり、あっという間に跨って逃走劇を続ける。

 

「津山が馬に乗ったぞぉ!」

「至急馬を連れて来いッ! 今すぐにだ!」

 

網走監獄に収監されていた筈であるが、()()()()()により、彼は脱獄した。それは追ってくる警備隊ーーもとい、旭川駐留の第七師団にも見える形で、津山が挑発的に服の合わせ目を肌蹴させて晒した刺青が原因である。

 

刺青人皮。

網走監獄に投獄されたある男が、外部の仲間へと在るものの所在地を伝えるべく残した暗号である。

在るものとはーー金塊。

それも、古よりアイヌが和人に対抗すべく、来たる日の軍事費用として北海道のあちこちから集めた砂金である。

その量、約二万貫。現代に置き換えれば八千億の価値を持つ。

加えて金の価値は日本よりも外国の方が大きい。国外で換金すれば莫大な金を得られるだろう。

 

(その第一歩として、奴は捕まえねばならん)

 

部下が連れてきた馬に跨り、ボーチャードピストルを片手に構えながら額に残る大きな傷跡を覆い隠す男ーー鶴見中尉は走り出す。

日露戦争の地獄を潜り抜けてきた鶴見中尉であれば、馬に跨っていようと目先の男を撃ち抜くのは易いことである。しかし刺青を彫られた網走監獄の脱獄囚は誰一人として常人ではない、日本全国の手に負えない凶悪犯の流刑の地として存在しているのが網走監獄なのだ。

一見挑発的に馬を走らせているように見えて、後ろを盗み見ながら第七師団の銃の射線から外れるように走っている。馬を走らせる技術、そして銃口から予測される弾道、加えて各人が持つ銃のリロードの間隔。それらを読み切ることで津山は逃走に成功している。

 

そして何より、馬が早い。

 

津山が引ったくった馬は競馬用の馬ではないにしろ、恐らく早馬として速く走ることに特化した馬であったのだろう。比べてこちらは対抗すべく急遽借り受けた馬だ、速さは歴然である。

一秒一秒積み重ねる毎に、距離が広がっていく。その間にも津山は馬を自由に手繰り、道を遮る邪魔な障害物や住民を馬の蹄で、刃渡りの長い包丁で、懐に忍ばせた拳銃で蹂躙する。

第七師団は既に、三人の死が確認されている。他も数人の重傷者が出ている。このままでは犠牲を出すだけ出して逃走される可能性がある。

 

(それは散って逝った部下が浮かばれん)

 

鶴見中尉は何処ぞの誰かに悪質なカリスマ性を持つ男だと毒付かれているが、誰よりも部下や戦友を大事に想う男である。時に非情な一面を見せ、先の大戦で前頭葉が吹き飛ばされたせいか奇行に走ることが度々あるが、全ては軍事政権の設立による革命のためである。

その第一歩として、津山を必ず捕まえなければならない。

だが津山が走る先には待機させた部下がいるエリアではない為、待ち伏せによる襲撃は行えない。馬車を持ち出す暇が無かったためマキシム機関銃は無い。虎の子とも言える数人の狙撃部隊が別働隊として動いているが正直期待できない。

 

(何か、何かないのか!)

 

馬に首を揺らされながら苛立ちに歯をガチガチと嚙み合わせ、その刹那、

 

 

頭上から、青の衣が駆け抜けた。

 

 

「なっ!?」

 

ーーー早い!

少なくとも馬の速さは時速40キロメートル。鶴見中尉が率いる第七師団も先の大戦により足腰は鍛えられた部下ばかりのため屈強であることには変わりないが、馬に追いつくほどの速力を有しているわけではない。

視線の先で、同じく津山も肩越しに目を剥いていた。

 

「っんだテメェェ!?」

 

だが、だが!

 

今目の前を走る者は、馬を追い抜かんばかりの脚力ではないか!

 

「鶴見中尉ィッ!?」

「撃ち方やめェ! 全力で走れっ」

 

残念ながら、あの青い衣を纏う者が部下であった記憶はない。知り合いのアイヌでも、況してや協力を要請している資産家である筈がない。

一体誰か? それはもはやどうでも良い。

兎に角、この状況を打開できる一手に賭け、部下の発砲を中止した。

しかし、追跡を止めることはなく、寧ろ銃剣を構えながら走るよりも担いで走った方が部下の負担は少なく、そして速く走れる。

鶴見も馬を走らせながら、馬すら追い抜くその青い衣を纏う者の挙動に目を見張った。

 

 

 

「馬より速いとか、嘘だろ!?」

 

津山はかつてない危機を迎えていた。

第七師団と出くわしたまではそこまでは不運では無かった、たかが軍の一個聯隊であれば逃げ切るどころか、一方的に蹂躙して部下の首を置き土産におさらばする程の自信があったからだ。無論、年季の入った軍人はもしかしなくとも日露戦争(地獄)帰りの歴戦の猛者だろう。だから若いか、若しくは隊長の指揮や命令に対する挙動が僅かに遅い軍人が狙い目である。結果、出会い頭に銃を構えられるよりも速く殺害し、逃走中に更に数名殺した。

逃げ足の速い馬を目利き出来たのは、長年の犯罪者生活からの恩恵である。集合場所である小樽に着いたはいいものの、第七師団と出会ってしまったが、先頭を走る馬の脚は遅く、容易に逃げ切れる――はずであった。

 

それは、突如左右に軒を連ねる店の屋根から降ってきた、気味の悪い面を被った追跡者によって否定された。

 

恐ろしいことに、馬と同じ速度ーーいや、それ以上の速さで追ってきているのである。しかも足で。

 

「なんだそりゃッ」

 

津山を追う鶴見中尉達には背中姿しか見えないが、追跡者を真正面から見ることができる津山には、追跡者が奇妙な…気味の悪い面を被っているのがわかった。

三つの小皿を合わせたような、簡素でありながら薄気味悪い面だ。右目、左目、口の部分が黒く染まっており恐らくそこは空洞となっていて、穴が空いた部分になっているのだろう。

何処かで見たような青の段だらの服を纏い、その左の腰には刀を差していた。

 

「糞ッ糞ォ! 来るな…来るな来るな来るなァーーー!!」

 

懐にしまっていた拳銃の引き金を引きありったけの銃弾を撃ちまくる。だが、まるで意趣返しのように今度は青い衣の追跡者が銃口を見て、銃弾が放たれると同時に恐ろしいまでの速さで回避し、それで尚速度が落ちるどころか加速して津山に迫る。

ガチッ、ガチッと何度引き金を引いても銃弾が放たれず、弾切れになったのか弾詰まりを起こしたのかも分からずヤケになって拳銃を放り投げる。空中で高速で回転する拳銃であれど、当然追跡者に当たることはない。その様子が尚更津山から冷静さを奪った。

 

「っ、来るなら来いやぁクソッタレ!!」

 

あと数歩もすれば、馬上の津山の喉元に刃が滑る距離。しかし同時にこちらの間合いの範疇でもある。それを自覚して、腰だめに包丁を薙ぐ。

だがその一閃は空を切り、同時に気味の悪い面を被る追跡者が視界から消える。

 

「、は?」

 

我武者羅に包丁を振り回すが何処からも刀の刃が飛んで来ることはない。白昼夢だったのかと思った刹那、綱を引いていた馬が突然嘶いた。そして、唐突に鳴き声が絶えた。

同時に、冬空の凍てついた空気では味わえぬ熱が両腕にぴりりと走る。

 

「えっ、うわっ!」

 

凄まじい速さで走っていた馬が踏鞴(たたら)を踏んだ。慣性の法則で乗っていた津山が馬上から放り出され、そして正面を見た時なぜ馬の悲鳴が途切れたのかを理解した。

 

馬の首が、横一文字に断たれていた。

 

手綱を握っていた片手も、肘から先が無い。

 

それらの主犯は、目の前で血に染まる刀を下段に構えていた。そして、

 

「ーーーアゝ」

 

股から頭頂を、女を犯した時に感じる絶頂のような衝撃が駆け抜け、視線の先で返す刃が陽の光に反射して白く染まり、横薙ぎに振り切ったのを確認したところで、

 

ごろりと自身の首が大地に転がるのを感じながら、永遠に意識が消え失せた。

 




小説の感想を久々に頂いて、メモ帳にお蔵入りしていたものをあげました
アニメ化おめでとうございます、楽しみです
原作は三巻の内容を雑誌で読んだ時からハマってましたがアニメ化までするとは思いもよりませんでした

というよりまず先にドラマ化すると思ってました。精霊の守り人的な感じに

手抜きというか短編あげなので文頭1マスあけてません、ごめんなさい

※誤字修正(4/12)
誤字報告感謝

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