『ゴットイーター2・レイジバースト』~神々の二重奏~   作:平崎

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第2話 実地訓練‐序‐

 新人ブラッド隊員の研修が終わる頃、雪奈の神機の調整を仕上がっていた。

 ブラッドが支給される一般的なクロガネ装備、その長刀とアサルト、シールドとこれまた一般的な組み合わせの神機。だが身に着けている衣類は特注品である。本来ブラッドの制服や戦闘服は黒であるが雪奈は白い長刀用戦闘服を用意して貰い、下は雪奈の通っていた学校のスカート着ていた。その組み合わせの方が可愛くて機能的と言う理由だ。

 

「あのー、雪奈ちゃんですかー?」

 

 そこに束ねた髪が猫耳見えるのが特徴的な上下ラフなピンク色の服を着た少女が保管庫の扉から覗き込んでいた。

 

「うん、そうだよ。もしかしてもう一人の新人?」

「あー、良かったー。隊長さんにいきなり言われてビックリしていたんだよ。私、香月ナナ、よろしくねー、お近づきのしるしにーおでんパン‼ どうぞー」

 

 陽気な感じのナナに圧倒され、言葉を返す暇なくおでんパンと言われる串に付いたおでんをパンで挟んだものを手渡された。

 

「残したら怒るかね、ちゃんと食べてよ」

「ねぇ、ジュリウス隊長にも渡したの?」

「え、もちろん渡したよ」

 

 ポカンとする雪奈の目の前で更に驚きの光景が映る。なんとナナは串に付いた状態でガブガブとおでんパンを食べ出したのだ。

 雪奈は彼女が神機を調整している合間、チマチマとおでんパンを食べたのであった。

 

 

 

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 現場に着いた雪奈達は無線で怒られるジュリウスの姿を目撃する。恐らくオペレーターのフランであろう。雪奈はナナからこの実地訓練がオペレーターに話を通したものではなく、ジュリウス独断の行動だと聞かされていた。

 

「とにかく、次からは一言お願いします‼」

「わかった、新人も来たし一旦切るぞ」

「隊長ー、おでんパン美味しかった?」

「ああ、旨かったぞ」

 

 無線機を切ったジュリウスに直ぐに話かけたのはナナだった。おでんパンの感想をいち早く聞きたかったのであろう。しかしそれ以上に雪奈は涼しい顔で『旨かった』と言ったジュリウスに驚いていた。雪奈に取っておでんパンの味はなんと言えない味であった為、ジュリウスの守備範囲の広さにただただ驚くだけだった。

 

「よし揃ったな、では実地訓練の前に一つ言いたいことがある」

 

 ジュリウスの話を真面目にナナが聞く中、雪奈は段差したの小中型のアラガミ『オウガテイル』達がこちらを見ていることに気付く。それと同時ぐらいにオウガテイルが段差を飛び越えてジュリウス達に向かってきた。

 そのことにいち早く気付いた雪奈は神機を片手で構え、ジュリウス達の横を飛び抜けていく。

 

「どうし――」

「ジュリウス隊長、ナナちゃんをお願いします」

 

 口を大きく開けたオウガテイルに間一髪、刀身を突き刺し撃退する。

 そのオウガテイルを皮切りに次々とアラガミが上に上がってくる。

 

「この段差を飛び越えることなど、大型アラガミ程のものでもない限りはないはずなのに」

「そんなことより、神機を構えて下さい! ジュリウス隊長!」

 

 雪奈に言われ直ぐ様、神機を構えるジュリウスとナナ。その背後に電気体毛の鬣が特徴的なアラガミ『ヴァジュラ』がいることに雪奈が気付いた時には遅かった。

 ヴァジュラの剛腕の一振りでジュリウス達が下に落ちると入れ替りで、雪奈の神機がヴァジュラの顔を切りつける。

 

「隊長! ナナちゃん! 今いくから‼」

 

 段差を全力で飛び降り、ジュリウス達の元に駆け寄る。

 

「すまない、油断した」

「私はぜんっぜん平気だよ!」

「良かった、って安堵している場合じゃない」

 

 顔を切り付けられたヴァジュラが暴れ、周りのオウガテイル達は全滅したが、下に降りたことで反応したザイゴートとコクーンメイデンが現れ、ヴァジュラも落ち着きこちらを睨み付ける。

 完全に劣勢であった。

 

「雪奈、俺とお前でアラガミ達に対処する。その合間にナナ、ここからお前だけでも逃げるんだ‼」

 

 ジュリウスの言葉に従い、神機を構える雪奈はナナの様子が変なことに気付く。

 

「ア……ァァ……お母さん……」

 

 突如としてうずくまるナナは頭を抱え、虚ろに『お母さん』と言葉を繰り返す。

 すると同時に彼女の身体から特殊な波動が発せられだした。

 

「まさか、偏食場パルス‼」

 

 ジュリウスがナナから出る波動の正体を言い当てるより先にアラガミが一斉にナナを狙い飛び込んでくる。

 

「ジュリウス隊長! ナナちゃんを抱えて走って‼ この場から撤退するよ、道は私が作るから‼」

「ああ! ほらナナ、捕まるだ」

 

 ジュリウスがナナを抱き上げ、雪奈は襲いくるアラガミを撃破していった。

 

 

 

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 フライア オペレーター受付

 

「ジュリウス隊長! ジュリウス隊長!」

 

 オペレーターの少し褐色肌のフランは反応のないブラッドに何度も声をかけていた。

 

「どうしたのフランさん?」

「ロミオさん……実はジュリウス隊長と新人二名と連絡が取れないんです」

「それ本当!? 俺が様子見てくるよ」

「お願いします」

 

 そこにいた黄色いポップな服を着た青年は急いで神機を取りに走っていった。

 

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