私は過去の自分を許せない。ただの我儘であったとは思う。何が英雄か、あれではただの"鬼"ではないか。自暴自棄になり沢山の者を殺した。かつて私の後をついて歩いて来てくれた者もだ。私はできることなら彼らに謝罪したい。彼らが望むなら喜んで腹を切ろう。あぁ、だが私にはそんな事も許されないのだろう。
「うおぉぉ!!」
手に持つ斧をランサーに目掛けて叩きつける。だがそれは、ランサーには当たらずその槍に防がれる。先程からそれの繰り返しが行われているだけだ。
叩く、防がれる、叩く、防がれる、叩く、防がれる。防戦一方では無いだけまだマシではある。だが生憎俺には時間が無い。いち早くマスターの元へ行かなければ、きっと生きていたとしても取り返しのつかないことになる。あの手の奴はやばい、目が完全に据わっていた。
「ふっ。」
「あ?何笑ってやがる?」
防戦一方のはずのランサーが唐突に攻撃を防ぎながらニヤけた。
「いえ、気にしないでください。ただ、ここからは私が攻める番なので、覚悟していてください。」
「なっ!?」
叩きつけた斧が弾かれる。ランサーの姿が消える。なるほど、後ろに回りやがったか。
「甘ぇ!」
ランサーの槍を弾く。少しぎょっとした顔をしたが、すぐにその中性的で色素の薄い顔を無表情に変える。
「まだまだ行きますよ。」
そう言うやいなや、ランサーは先程よりも倍の動きで俺の周りを回りながら槍で突いてくる。
「ちっ、チョロチョロと、ゴールデン鬱陶しいな!」
場所はだいたい感で分かる。だが攻撃は掴めない。来た攻撃を反射で躱している様なもんだ。
「まだ、あなたには届きませんか。なら、速度を上げるだけです。」
そう言ってランサーは速度を上げる。右へ、左へ、後ろ、前。徐々にギアを上げていくランサー。槍が薄皮を掠め、どんどん槍が肉に近づく。先程とは打って変わって自分が防戦一方だ。
「さぁまだまだですよ。」
さらに上がる速度、ついに肉体に傷がつき始めた。だがこの状態はチャンスだ。いくら素早いランサーといえ、この速度ではきっとすぐには止まらない。ならば。
「ランサー、速度を上げるのはいいが、気をつけろ?ゴールデン大変な目にあうぜ?」
「何?」
頭の悪い俺に出来るのはこれしかない。ランサーの速度が上がりきらないうちにやってやる。
「うぉぉぉ!!!!」
腕に雷を纏わせる。その雷を纏った腕は紅く色が変わる。ここまでで1秒はかからない。攻撃は受けてはいるが、俺の体はこの程度なら問題ない。なら後は地面を殴りつけるだけ!!
「何っ!?」
速度を上げすぎたランサーは対処に遅れた。アスファルトが自分を中心にして吹き飛んでゆく。ランサーもその衝撃により吹き飛ばされていた。だがこれで終わりではない。宙に浮いているランサーを確認する。
「それじゃあ、大将の所まで一気に行くぜ!」
着地点であろう場所に入る。角度を決めて、ランサーに、
「ゴールデン!!パァァァァンチ!!!!」
思いっきりパンチを入れてやる。コンテナを突き破る音が一気に鳴り響く。
当たりは良かった、だが直には入ってはいない。
「野郎、間一髪槍で防ぎやがったな。…さて、俺も行くか。待ってろよ大将、すぐに行くからよ。」
走って自分の大将の元へ駆ける。ランサーが開けてくれた道のおかげで真っ直ぐに迷わず大将の元へたどり着いた。
そこには、腕が紅くなった自分のマスターと、派手にやられて相当キレてるランサーのマスターがいた。
「やっと、来たね…」
大将の腕の色は普通に戻り、体は地面へ吸い寄せられるように倒れた。
ゴールデン斧無しでいいんじゃね?徒手空拳でいいと思う
キャラ紹介は今回は無しで