ランサーのマスターとの戦いから目が覚めるとそこは自分の部屋では無かった。
「え?ここ何処?何?この木の天井と木の床は?しかも揺れてる…まさか!?」
部屋から出るとそこには日に照らされた海原が広がっていた。
「なんなのよ!ここぉぉぉ!?」
海に向かって叫ぶ。
「朝からうるさいなぁ、ったく。」
後から20代前半ぐらいの男性が出てくる。
「あんまりうるさかったらほっぽり出すぞ、バーサーカーのマスター。」
その呼び名を聞き、すぐに臨戦態勢に入る。こいつは聖杯戦争の事を知っている。
「ほう?いい目をするねぇ、だが止めておけ?俺には勝てねぇぞ。」
その言葉に彼は自信では無く当たり前の気配を纏って言い放ってきた。
「あら?たいそうな自信ね、その自信はどこから来てるの?」
質問してみる
「どこって言われても、俺はサーヴァントだからよ、人間なんて赤子の手をひねる様なものさ。クラスはライダー、この船は俺達の宝具ってところか?」
なるほど。納得した。
「ねぇ、ならなんで私は殺されずここにいるの?まさか、私を拉致していいように使うって魂胆!?」
「んなこたぁねぇよ。ほら来たぞ。」
彼が顎で指した方向を見てみるとそこには。
「よぉ、大将、おはよう。どうだ、調子は?」
敵の近くだと言うのに呑気に挨拶をしてくる。その姿を見て私は彼の首に片腕を回し、半ばヘッドロックの形で彼に小声で問いかけた。
「ちょっとバーサーカー、なんだって敵陣の船にいるのよ。」
少し焦った表情になるバーサーカー。
「それがよ、大将が倒れた後の話…」
「大将!?」
マスターが倒れたので駆け寄るのと同時に、ランサーとそのマスターへの警戒を強めておく。
「そんなに警戒しなくても僕達もう帰るから。」
寝転がったままランサーのマスターは言った。だがあの性格とあの魔術だ。気を抜いた隙に大将を捕られる可能性は十分ある。よって、警戒はそのままだ。
「ちっ、…まったく、分かった、早くこの場を離れるよ。」
「そうかい。」
「行くぞ、ランサー、僕は足が折れてどうにも動けそうにない。運んでくれないか?」
「あぁ、分かった。」
雰囲気が変わるランサー。自分のマスターを抱え、その足で拠点に戻って行った。追えばどこかは分かるのだが、気絶した大将をそのままにしては置けないので、追うのは止める。
「さてと、大将を運ぶとするか。明日の朝ごはんはゴールデンなものにしてやらねぇとな。」
そう言って大将を抱えようと近づく。すると、後から。
「おい!!俺の縄張りを荒らしたのはてめぇか!!!??」
とんでもない大声が聞こえる。気配からしてサーヴァントだ。
「だったらどうだってんだ?」
振り向いて声をかける。そこには、荒々しい格好をした人物と、きっちりきまった服を着ている子どもがいた。
「そんなん決まってらァ!一勝負といこ…ってぇ!!てめぇ!それお前のマスターか!?気絶してんじゃねぇか!!おい、早く来い!俺の船に入れてやるから!」
「おいおい、いいのか?マスターの意見も聞かずに。」
そうすると横の男の子はうなずき口を開いた。
「……うん、いい……困ってる人は…助け…なきゃ。」
「そうか!それはありがてぇ!恩に着るぜ!おい、てめぇはクラスなんだ?俺はバーサーカーだ!」
「俺はライダーだ!そんじゃよろしく頼むぜバーサーカー!あ、つっても敵は敵だからな。時が来たらお互い死力を尽くしてぶつかろうぜ!」
「ってことがあって…。」
「あんたねぇ、もしこの人達が悪い人だったら確実に私たちは海の藻屑よ!」
「なんでだよ?」
呆れる。寝首を搔かれると言うことは考えなかったのだろうか。ため息を一つつく。
「てか、なんか人が違うくない?ほら私の横にいるライダーさんはどちらかというとクール系の方だけど、あんたが会ったって言うライダーさん、クール系とは違うよね?」
「あぁ、それが俺も聞いてびっくりしたんだが…。」
「おうおう!元気のいいお嬢さんだ!!感心関心。」
後から声が聞こえる。とんでもなく大きな声なので、寝起きの私にはきついものがある。だがそんなことよりもびっくりするのが、
「おはよう諸君!」
「父上、朝からうるさいです。」
そう、ライダーのサーヴァントが二体いるのだ。
「お、嬢ちゃん、いい反応してくれるねぇ。やっぱびっくりするだろ!でもな、これだけじゃないんだぜ。俺たちは。」
ライダーの詳しい事項は次の後書きで。
「おいおい!早く紹介してくれよ!俺のこと!」
まぁ待てって、いい感じに説明するから。