夢の中の話だ。この前とは変わってはっきりした夜の山中の景色が見える。月が周りを照らしているのに気づく。それと同時に、私は見てしまった。そこら中の地面を濡らす赤い血。その中心には刀を持った金髪で筋骨隆々の男がいる。体は返り血で赤く染まっていてその様子はまるで"鬼"のようだった。
その男が見る先、いや殺意の先には、彼とは違い小柄な体型の女の子がいる。だがなぜそんなものを彼女のような者に向けているのか。彼女の額を見ればすぐに分かる。それは人とは違う角がある。一目見れば"鬼"と分かるほどの立派なものだ。
疑問が浮かんだ、地面に転がっている死体はなんなのか。鬼だ。首の一つ一つに角がある。つまり彼は"鬼"のように見えてその実、鬼を退治する側の"人間"だ。
「テメェ、誰だ?」
男が少女に問いかける
「うち?うちは■■■■、あんたはんは?」
「はっ!テメェに名乗る名なんざねぇんだよ。鬼はここでしめぇだ。」
そう言って手に持った刀を少女の首めがけて振り下ろす。だが、彼女の首に到達する前に、彼女の手で刀は止められてしまった。
「そないないけずなこと言わんと教えて欲しいわ~。」
「な!?今の一撃を止めるのか…なら教えといてやる、俺の名前は■■■■。よく覚えとけ、ここで死んであっちまでこの名前をよ!」
そこからは死闘がくり広げられていた。どちらかが首を取るまでの勝負。鬼の少女は舞うように軽く、人間の男は不動のように力強く、一撃一撃を、相手に放つ。だがそれは両者とも、届きそうで届かない。いや、どちらかが届いた時点で勝負は決まる。しかしそれは1羽の鶏の鳴き声で終わりを告げる。夜が明けるのだ。
「あら、明けてもうた。ならここは一旦引くとしましょ。」
「あ?逃げるってのかよ?」
男は怒気を含んで少女に言った。
「当たり前やろ?鬼は夜の世界で跋扈する。ほいなら夜が明けてもうたら家に帰らなあかんやろ?」
「ちっ、何が家だ。まぁいい、それなら次会った時は首を洗って待ってな、洗ったもんとって帰るからよ。」
「ふふっ、楽しみに待っとくわ~金髪の小僧。」
「なっ!?小僧だと!?テメェの方が明らかにチビじゃねぇか!」
「鬼を外見だけで年齢決めたらあかんよ?うちの方があんたより長生きなんよ?ふふふっ、ほなさいなら。」
そう言って彼女は去っていった。それと同時に夢も終わり、私の意識はまた落ちていった。
目が覚めると、もう日はとっくに上がっていた。カーテンを開け、夏の朝日をしっかり浴びる。そしてリビングに入りバーサーカーに「おはよう」と声をかける。
「おう、おはよう大将。今日もゴールデンな朝だな。」
だいたい分かってきたゴールデンの意味。多分これは、かなりいいと思った時に使うんだろう。ゴールデン…ね。
金酒は個人的に間合いの取り方が大事だと思う。やっぱ根幹は殺し愛だと思ってる。