「そういえば大将、あんた母ちゃんとかはどうしたんだ?」
唐突にバーサーカーが聞いてくる。別段聞かれて困るようなことはないので、正直に答えた。
「母さんは外国に出張。父さんはその付き添いで今はいないよ。多分二、三ヶ月は帰ってこないんじゃないのかな?まぁ昔からよくある事だし。今年から大学生だから家に一人でいるの。」
それを聞いて彼は「なるほど」と一言返してきた。
朝食を食べ終わり、私はバーサーカーに今日の予定を話しをした。
「バーサーカー、今日は少し友達と遊ぶから。まぁこんな時だから夕方には帰るけど、もしかしたら夜になるかもしれない。そうはならないようにはするけど、まぁそうなったらどうしたらいい?」
彼は少し渋った顔をして忠告してくる。
「いいか、大将。今はどこで誰がアンタを狙ってるのか分からねぇ。夜になれば相手は所構わず襲ってくる。それはアンタのダチも対象だ。だから最低限、夕方にはダチとは別れるようにしとけよ。あと、オレを呼びたいのなら、その令呪を使え。それがありゃあアンタのとこまでひとっ飛びだ。」
私の右手の赤い紋章を見ながら彼は言った。
「おっと危ねぇ、令呪に関して言うことがもう一つあった。それが使えるのは3回までだ。そこは気をつけてくれよ、まぁそんなの無くっても大概のことはやってやるから、安心しな大将。」
ニカッと歯を見せて笑う彼の表情は、先程の渋った表情とは違って、自信のある顔だった。
「分かった、約束は守る。だからバーサーカーも留守番お願いね。」
任しとけ。そう言って彼は私を見送った。
待ち合わせの場所に着いた。彼女は多分少し遅れてくる。それがいつもの事だ。集合時間の5分前、暇つぶしがてら、右手の令呪と呼ばれるものを眺める。三画の赤い紋章。この前まで気にはしていなかったが、改めて説明をうけると気になってくる。と、そんな時横から声がした。
「お~い、カナ~!ひっさしぶり!!元気だった?」
彼女が来た。時間を見ると集合時刻の2分前。明日は雪が降るのではないかと疑うが、そんなことより久々の友人との再会に胸が踊っていた。
「やっほーマイ。元気だったよ。そっちは…まぁ聞くまでもないか。」
神崎 舞花。彼女とは幼稚園の時からの幼馴染だ。大学に入ったおりに、少しだけ疎遠になってしまっていた。と言っても4ヶ月程度だが。それでも、毎日会って話していた友達とそれだけ会っていないと、普通の何倍もの寂しさがある。
「ごめんね~突然遊びたいって言って。」
今回誘ってきたのはマイの方からだ。バーサーカーを召喚する2、3日前から決まっていた。断ることも出来たが、彼女に会いたい気持ちが勝ってしまった。
「別にいいよ。ところで今日はどうするの?」
「えっへっへ~、実は、プランは0なのです!」
こういう所は昔からだ。実際のところあてにはしていなかった。だが、そういうところが、彼女と遊ぶ上で一番楽しみにしているところである。
「知ってた。ならどうしよっか。」
「そうだ!体動かしたい!」
「なら、まずはバッティングセンターとボウリング場ね?」
「うん!!」