マイと別れた後、一旦家に戻り夜の支度をする。ただ、支度と言ってもさほど用意するものは無い。
バーサーカーと夕飯を食べながら、今晩の作戦を立てていく。
「とりあえず、人気のないところをぶらぶらしとけば会えるかな?」
「まぁ、敵のヤツらが気づくはずだからすぐに出会うと思うぜ?」
作戦会議と言ってもいいのか分からないレベルの会話だ。だがそれも仕方が無いと思う。私たち二人は、情報が無さすぎる。だから手当り次第で今は行くしかない。本当に大丈夫なのだろうか?
「それじゃあ、昨日は山だったから、今日は海に向かって歩いていこう。」
「分かった、道案内は頼むぜ?大将。」
「任せといて。」
家を出て、港の方に向かう。人の気配は全くもって感じられない。普段ならばこの時間帯でも人はいる。やはり、人間の本能というものなのだろうか、誰も彼もが無意識のうちに外に出ることを嫌がっている、そんな空気感が漂っていた。
そこから30分経ったころ、なにか視線を感じる。バーサーカーに相談してみる。
「あぁ、使い魔がいるな。大将のことを監視してんだ。大方、アサシンのマスター辺りだろうがな。」
「え?それって潰しといた方がいいんじゃないの?」
「いや、今は別段ほっといてもいいと思うぜ?帰る時はきちっと始末すりゃあ問題はねぇだろ。堂々と見せてやろうぜ、大将。」
そう言って彼はニカッと笑う。その笑顔に私は「そうだね」と笑って返す。
そこから10分後、港についた。この港にはコンテナが沢山ある。多分仕掛けてくるならこの当たりが一番確率が高い。
そう思っていると急に後から声がした。
「こんな時間にこんなところに来るのは危ないって親から習わなかったのかい?」
後ろを振り向く。そこには男が立っていた。年齢は私より少し年下だと思われる。
「あんた、誰?」
「僕は"菅 悠人"。で、ここは危ないって言ったんだけどそれについての反応は?」
「別に?危ないのは分かってるけど、私はここに来たかったから来ただけなんだけど?てか初対面の年下の男に注意されるほど私は弱くないんだけど?」
そう言った時、彼は突然下卑た笑顔を浮かべた。
「フフッ、なるほど!なら、襲われても構わないってことだね!僕はこれを合意と受け取ったよ!邪魔な強そうな男がいるけど、今の僕には関係ないね。フフッ、アハハハハッ!!」
そのセリフは私に全身に鳥肌を立たせるのには十分すぎた。普通にこいつは気持ち悪い。ただの変態だと思って睨んでいると、横のバーサーカーが険しい顔をした。
「大将、下がれ。こいつ、マスターだ。」
その言葉に私はギョッとした。こんなやつが聖杯戦争の参加者なのか。
「おぉ?なんだなんだ?横のヤツ、まさかサーヴァント?こりゃあ幸運だ!まさかの一石二鳥かよ。楽しくなってきたぁ!」
「何が一石二鳥なのよ?」
「あぁ!?決まってんだろ!聖杯戦争参加者を一人消せれるので一つ。そして、サーヴァントを倒した後のお楽しみができるので二つ。ほら!ほら!フゥゥッフフッハハハハ!やっちまえ!ランサー!!女は俺がやるからよ!」
「御意」
すると男の横から、突然赤い槍を持った男が出てきて、ものすごい勢いでこちら側に突っ込んでくる。狙いは明らかにバーサーカーの方だ。
「バーサーカー!!!!」
「"黄金喰い(ゴールデンイーター)"!!」
すぐさま、斧を出し、彼の槍に合わせて叩き込む。ランサーはそれに持ってかれまいと、上手く斧を受け流す。そして、体制を立て直し、連続で刺突していく。その早さは、槍が数十本にも見えるほどだった。
だが、バーサーカーも負けてはない。基本的に避けてはいるが、避けれないものは、斧とその腕で対処していく。そして、ついにランサーの槍を掴んだ。
「なっ…!!」
ランサーが驚きの表情でバーサーカーを見る。
「はっ、捕まえたぜ、ランサー。…オラぁッ!」
バーサーカーの強烈な頭突きがランサーに入る。その音は明らかに頭突きの音ではなかった。地面が砕け散るような音であった。それほど綺麗にきまったのだろう。ランサーが一撃でよろめく。だが流石英霊だ。よろめくのは一瞬で、すぐに後方のマスターの元まで下がる。
「なかなかの兵とみました。では、次いきます、バーサーカー!ご覚悟を!!」
「あぁ!!かかってきな!ランサー!!この喧嘩、楽しんでこうや!」
ランサーVSバーサーカー
勝負開始
はい、新キャラの男「菅 悠人」の説明
名前 菅 悠人
ふりがな すが はると
誕生日 11月8日
血液型 AB型
髪の色/髪型 黒/オールバック
特技/趣味 弱いものいじめ
サーヴァント(マスターだけ) ランサー
基本的にクズに仕立て上げようと思って作ったキャラ
やっぱりクズキャラは一人いた方がいいと思う
次回は起伏がたくさんついてるはずだから楽しみにしててください