バトル・ロワイアル The Rebellious Memory   作:原罪

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二度目のチャンスは手放さない/一条要、諫早れん(アロマオゾン)

――未彩が死んだ。

 

――いや、殺された。

 

――だから俺は決めた。

 

――未彩の命を奪った奴らをこの手で殺すと。

 

 

アリスランドに集められた12人を2人まで減らすデスゲーム『追放選挙』に参加し

未彩の命を奪った憎き9人を追放し、殺害した。

その後、2人の生存を3人に増やすのを条件にアリスの出すクイズに答える事になった。

 

クイズの内容は12人の中で殺人犯の数とその名前全てであった。

俺はノーリを除く11人の名前を挙げた――だが。

 

『残念だけど、はずれ』

 

ノーリは人を殺していた。

身体から力が抜けていく、意識がゆっくりと闇に沈んでいく。

アリスのクイズに正解出来なかった俺はこれから死を迎えるだろう。

それでも苺恋とノーリの二人が助かるならそれでも構わなかった。

 

『そう、今からここに集まった約70名以上のみんなに―――殺し合いをしてもらうポン』

 

まるでアリスの様な機械生命体のホログラムを見るまでは。

 

 

死んだと思った俺は生きていた。

俺だけならそれでいい。だけど、何故あいつらが生きているんだ!?

あいつらは俺が追放して殺した筈だ。

未彩は死んだままだというのに、あいつらが生きていていい筈が無い。

しかも苺恋とノーリにまで殺し合いに巻き込むとは……怒りで腸が煮えくり返る想いだ。

 

俺は絶対に生き残ってやる。

『追放選挙』とは違うルールであっても

必ず苺恋とノーリを救い、再びあいつらを殺してやる。

 

 

残酷な殺人ショーが終わり、どこかの場所へ飛ばされた俺はスマホを弄り

バトルロワイアルのルールを確認していた。

参加者の中に伊純白秋、蓼宮カーシャ、絢雷雷神、忍頂寺一政の名がある。

他の5人は死亡済みなのか運良く選ばれなかったのかは分からないが

この地図の何処かにいる以上必ず始末してやる。

 

 

「――っ!?なんだ……」

 

 

まるで爆発でも起きたかのような轟音が響き渡る。

誰かが仕掛けた爆薬による物なのか、それとも超常的な力を持った人物により起こされた破壊なのか。

後者だったら不味い……ファヴと呼ばれるホログラムが発言していたパワーバランスというワードを気になっていた。

もしかしたらアーシャやカーシャ以上にデタラメな力を持つ常識外れな存在がいるかもしれない。

現に自分の持つ能力も常識外れと言える存在なのだから。

 

追放選挙とは違い、このバトルロワイアルにおいては

圧倒的な強さに物を言わせた暴力行為を振るわれたら一方的に殺されるだろう。

この場は急いで撤退しなければ。

戦闘の起きた場所から少しでも離れるべく走る要の前で一人の女性と視線があった。

 

「……君は、誰かを殺そうとしているのか?」

 

 

 

 

演出だと思っていた。

CGを用いた悪趣味なゲームだと思っていた。

だけど実際は違っていた。

6人はデスライブによって殺害されていた。

 

 

諫早れんは激しい後悔の念に苛まれた。

D.O.Dに勝ち残る事ばかり執着せずに

デスライブの阻止に動いていれば彼女を救う事が出来たかもしれないのに。

自宅に引き籠り、心の中で死んだ彼女達にひたすら詫び続けた。

芸能界への復讐の為に彼女を蹴落とすぐらいなら

自分が代わりに犠牲になればそれでいいと思うようになり自殺も考えていた。

 

 

その時、真理子組を名乗る老練な男が自宅へ訪ねてきた。

彼ら独自のネットワークによってマスコミすら未だ見つけられていない自宅を突き止めて訪問してきたのだ。

蒲田さんを死なせた原因は私にもある。

とても償い切れる物では無いが少しでも恨みが晴れるなら私を殺してくれ、と頼むと

老練の男は首を横に振り、共にドリパクを探し出し彼女達の仇を取ろうと言ってくれた。

私は涙を流しながら男の手を取り、共に戦う道を選んだ。

 

 

真理子組には様々なプロフェッショナル達がいた。

警察関係者やS級ハッカーだけでなく銃火器のプロ、ナイフを用いた軍隊格闘技の達人等。

元々は少数精鋭だった真理子組だが残虐なデスライブによって

傷付き悲しんだファン達や、ドリパクの悪行に怒りを燃やした正義感の強い人物達が集結し

今や真理子組は海外にまで活動拠点を持つほどの一大組織へと変貌した。

ドリパクを倒すという行動理念の元に集まった同士である。

 

 

諫早れんは同志達の指南の元、あらゆる技術を叩き込まれた。

銃の扱い方もナイフ捌きもハッキング技術も食らいつく勢いで必死に学んだ。

全てはドリパクを倒すために。

 

 

――遂に情報を掴んだ。

 

――とある国でドリパクが謎の連中と行動を共にしているのを発見した。

 

 

私達は精鋭部隊と共にドリパクのいるアジトへ向かった。

まるで武装したテロリストの鎮圧を目的としたような武装と兵数であるが

ドリパクは不可思議な能力を持っている、用心するに越したことはない。

 

 

合図と共にアジトに突入したその時、唐突に私の体が動かなくなり倒れた。

仲間達も同等の攻撃を受けて次々に倒れていく。

薄れゆく意識の中、私を見下ろすピンクの着ぐるみが見えた――そう、あいつこそ……。

 

 

「どり、ぱく……」

 

 

再び意識が芽生えた時には我が目を疑った。

まるで過去に戻ったかのようにあの衣装を着ていたからだ。

D.O.Dに参加していたあの衣装に。

更に辺りを見渡すと彼女達の姿があった。

デスライブによって命を失った筈のアイドル達の姿が。

私は彼女達の元へ向かおうとした、だが。

 

『そう、この殺し合いを盛り上げるための、楽しい楽しい余興だぽん』

 

ホログラムのマスコットがそう告げた後、画像が変わり別の映像が流れた。

これは!と思わず声が出てしまう。

ゲーム感覚で人の命を弄ぶ悪趣味で残虐極まりないデスライブ。

それとまったく同じような行為が目の前で行われていた。

 

「―――あーあ、残念だぽん。そこに隣に隠し扉があってそこがゴールだったぽん。おしいぽん」

 

何が残念だ!おしいだ!お前達は初めから生かす気なんて全く無い癖に!

確信した。こいつはドリパクと同類の悪党だ。

デスライブで死んでいった彼女達が何故生きているかは分からない。

だけど、こんな事は二度と繰り返させない。

あんた達の野望は私が必ず潰してやる!!

 

ファヴと呼ばれるホログラムが一通り説明を終えた所で自分のいた場所が瞬時に変わった。

あれもドリパクと同様に何か特別な力を持っているんだろう。

スマホを開いて操作してる中、突然爆発が起こる。

 

れんは急いで現場に向かおうとすると一人の青年と出会った。

もしかしたら彼は殺し合いに乗っているかもしれない。

そうだったら他の参加者に合わせるのは危険だと考え尋ねた。

 

「……君は、誰かを殺そうとしているのか?」

 

 

 

 

いいや、俺は誰も殺すつもりは無いよ

 

そんな質問を聞かれた所で正直に答える馬鹿はいない。

誰かを殺すとしても自分の犯行だと気付かれないように殺すつもりだからな。

 

「そうか、よかった」

「と、いう事は貴女も殺し合いをするつもりは無いと?」

「当然だ。私はこの殺し合いを止めるつもりでいる」

 

嘘は付いていない。

どうやら正義感の強い女性の様だ。

 

「色々話しておきたいですが先ほど近くで爆発が起きてここは危険です。

 急いでここから離れてから情報を交換しませんか?」

「……わかった。そうしよう」

 

れんは爆発に巻き込まれている人達がいるかもしれないのが気がかりだったが

目の前の青年を放置する訳にも行かないと考えて移動を開始する事になった。

爆心地から大分距離を取った所で、二人は物陰に隠れながら情報交換する事になった。

 

要にとってプロジェクト47もD.O.Dもドリパクも見知らぬ話であった。

突拍子も無い内容だが嘘を付いてない。

彼女が精神病で有りもしない事を信じている訳でも無い限り事実なのだろう。

実際にアイドルと言われるだけの容姿はしている。

 

「他でもこんな悪趣味なゲームがあるのは信じがたいかもしれないが……」

「いえ、信じますよ。出会ったばかりですが諫早さんが嘘を付くような人間では無いのは分かります」

「なら君の信頼に答えるためにも、一刻も早く一条の知り合いを見つけるのに協力させてもらうよ」

「助かります。皆とても大切な仲間ですから

 

善良な人間に見せかける為とはいえあいつらを仲間呼ばわりするのは虫唾がが走るよ。

出来るのならこの手で直接殺して、苦しみもがいて息絶える瞬間まで見ていたいぐらいだ。

 

「47のメンバーもライバルであり……大事な仲間だった……。

 所で聞き辛い事なんだが、一条の首輪解除条件を教えてほしい」

「……いいですよ。俺の首輪解除条件は第四回放送までの生存です」

「教えてくれてありがとう。私のは第四回放送までに二つの首輪の爆破だ」

「残念ですね。もっと早く俺の首輪が解除出来るならそれを爆破させる事が出来たのですが」

「指定時間までに二人の首輪を爆破させないとクリア条件が変化すると書かれている」

「クリア条件の変化?」

「ああ、条件は書かれてないが何だか嫌な予感がする」

「恐らく、より困難な条件に変わる可能性がありますね」

「出来るなら早めに解除して起きたいが、誰かの命を奪ってまで外したくはない」

(綺麗事を……まぁ、それだけお人好しな方が俺にとって都合がいい)

 

「諫早さん、何か護身用の武器は持ってますか?」

「そう言えば確かめて無かったな……なんだこれは!」

 

れんはわなわなと怒りに震えていた。

彼女の手には血に濡れたバットが握られていた。

 

「これは、天王寺を殺したバット……それにこれは烏丸を毒殺した八ツ橋、それだけじゃない

 蒲田さんの入った箱に仕掛けられた爆弾まで、私をどこまで馬鹿にすれば気が済むんだ!!」

「恐らく諫早さんの冷静さを奪うために奴らが仕向けた嫌がらせでしょう」

「くっ、そうだな。私がしっかりしないと」

「護身に向いた道具は無いようですし、これを使ってください」

「拳銃?そんな大事な物は受け取れない。一条が使うといい」

「俺は使い方何て全く分からない素人だし、それに女性である諫早さんの方が狙われやすい

 撃つ気は無くても相手に向けるだけで威嚇の効果はある筈です」

「……分かった。一条の行為はありがたく受け取るよ。お礼に何かあったら私がしっかり守るから」

「何だか手慣れてますね。まるでプロみたいだ」

「プロだぞ。しっかり訓練を受けているからな」

 

銃のチェックも終わったれんは三つの支給品を人目の付かない場所で廃棄した。

彼女達の命を奪った物は使いたくないし誰にも使わせたくなかったから。

それが終わると一条要と共に他の参加者の捜索へと行動を開始した。

芸能界への復讐は終わった。

今度は命を弄ぶ奴らへの復讐を果たす時だ。

それがD.O.Dで彼女達を救えなかった自身への贖罪になると信じて。

 

(私、今度は間違ってないよね?母さん……)

 

 

【D-5/一日目 深夜】

 

【諫早れん@アイドルデスゲームTV】

 

[状態]:正常

[服装]:アイドル衣装

[装備]:M1911

[道具]:基本支給品一色、スマホ

[思考・行動]

 

基本方針:多数の参加者を救い、殺し合いを止める。

1:一条要と共に行動をする。

2:他のアイドル達と合流する。

3:他の参加者の首輪を解除して自分の首輪も解除する。

[備考]

れんルート終了後からしばらく月日が流れてからの参戦です。

 

 

――諫早れんには伝えていない事が三つある。

 

一つ、彼は特定の参加者を殺害する意思があるという事。

正義感の強い彼女に知られれば自分は拘束され、自由を奪われる危険性があるからだ。

 

二つ、彼の首輪解除条件は第四回放送までの生存、それまでに他のプレイヤーに危害を加えない、である。

つまり彼は他者からの攻撃に対して正当防衛すら認められない立場でいるのだ。

例え、相手がお人好しとしても迂闊に自分の弱点を話すべきではない。

 

三つ、彼には支給品とは別にスマホに特殊機能を持っている事。

その機能は本人を含む半径5メートル以内にいる二人の首輪解除条件を入れ替える、である。

使いようによっては強力な武器になりえるこの機能は知られてはならない。

 

もし自分の首輪解除条件を他者に入れ替えれば一方的に相手を殺害する事が出来る。

だが、それは一発限りの切り札であり、その後で強大な力を持った参加者に狙われたら

なすすべも無く命を奪われてしまう。

 

それに半径5メートルという至近距離でスマホを操作する隙を作るなんて容易じゃない。

時間稼ぎのための肉盾は必要だ。

その為に諫早れんを利用させてもらう。

二人の内、注目されるとしたら銃を持った方だろう。

最悪、れんが殺されてる間に操作を終えればいい。

そうすれば俺に危害を加えた瞬間に相手は死んで俺が助かる。

 

現状、俺が最も警戒すべき相手は有無言わさず殺しにかかるマーダーだ。

逆に言えば何か策を弄して、相手を貶めようと企むようなタイプは怖くない。

嘘の言葉が赤く見える俺の能力の前ではそんな小細工など簡単に見抜ける。

 

まずは生き残るために取れる選択肢を増やしたい。

今は穏やかな好青年を演じつつ、利用できる駒を見つけるとしよう。

今度は失敗しない、俺の復讐を終えて苺恋とノーリを生存させてみせる。

 

 

……ファヴの言った事が未だに脳内にこびり付いている。

 

『最後まで生き残った優勝者には、どんな願いも叶える権利が与えられるぽん!』

 

本当にどんな願いも叶えられるなら、俺は未彩を……。

 

 

【一条要@追放選挙】

 

[状態]:正常

[服装]:いつもの格好

[装備]:なし

[道具]:基本支給品一色、スマホ、不明支給品1個(本人確認済み)

[思考・行動]

基本方針:苺恋とノーリを生存させ、伊純白秋、蓼宮カーシャ、絢雷雷神、忍頂寺一政を殺害する。

1:諫早れんと共に行動する。

2:苺恋、ノーリと合流する。

3:利用出来そうな参加者を増やす。

4:ファヴの言っている事が事実なら未彩を……。

[備考]

一条要のスマホの特殊機能は半径5メートル以内にいる二人の首輪解除条件の入れ替えです。

一度入れ替えると、再度使用するのに2時間の猶予が必要となります。

 

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