バトル・ロワイアル The Rebellious Memory   作:原罪

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聖女と野獣/黒河正規、ルーラー(パンドラボックス)

――嫌な夢を見た。くそったれなあの光景だ

 

 

――俺はアイツに救われたのかも知れない、あの時は柄にもなく気が抜けていた自分がいた

 

 

――そのせいだったのか、いや、いまさら誰のせいだったのかはどうでもい

 

 

――そうだ、あいつだ、結衣を殺したのはアイツだ、アイツさえ殺せればどうでもいい

 

 

――ここがどうであろうとも関係ねぇ。アイツさえ、アイツさえ殺せば――

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

○ ○ ○

 

「―――ッ!?」

 

目が覚めると、あの時俺を一撃で沈めやがった妙ちくりんな格好をした女が、隣に座っていた

 

「……目が覚めたみたいですね」

「……テメぇは」

 

目覚めると同時に気絶する前の記憶が鮮明に思い出してきた。

 

――最悪、まさにこの二文字だ。あの光景を見られて証拠隠滅に走ったはいいが結果はご覧の有様だ。手を見ると自分の体はもとに戻っていた。気を失ったら戻る仕組みなのか? などと考えている暇もなく、例の女は俺に対し話しかけてきた。

 

「お目覚めの所失礼しますが、貴方に対し色々と聞きたいことがあります」

「聞きたいことだぁ?」

 

……俺の中でまたしても嫌な予感しかしなかった。というか……

 

 

「……貴方は何の意図があって魔術で女性に変身していたのでしょうか? あと、あの時の攻撃はどういう意図を以って……」

 

この日、俺はこの状況を人生最大の厄日じゃねぇのか……とも思いながら、ここに来た事情を話すしか無かった。下手に反撃を試みようものなら、あの旗でまたしてもノックアウトされかねなかったからだ

 

 

○ ○ ○

 

 

「なるほど、やはり思った通り、この変な魔術アイテムで変身した、ということになるのですね」

 

「……ああ」

 

「ですが、あの状況で襲いかかってきた貴方にも否があると思いますが」

 

「うるせぇ! あんなの見られて冷静でいられるか!」

 

事情を説明した結果、納得はしてくれたようだ……どうにもこうにも世話が掛かると言うかなんというか

 

「……そういやてめぇ、名前なんだ?」

 

「……そう言えばそうですね。ですが、この場合はまず自分から名乗るのが礼儀では?」

 

「ちっ……黒河、黒河正規だ」

 

「……クロ、カワ……黒河、ですね。私はルーラーと申します」

 

「……ルーラーっていうのか、てめぇ。そういや名簿にそんな名前が載っていやがったな……」

 

「……名簿?」

 

例のルーラーがきょとんとした顔で顔を傾げた。なんだかまた嫌な予感がする……

 

「おいてめぇ、まだ名簿見てねぇのか? スマホはどうした?」

 

「……スマホ、ですか? これのことですよね? ……実は、このスマホというものの操作の仕方が分からなくて」

 

 

 

……こいつ、ガチの田舎娘なのか? 俺は心の中でそう呆れ果てながらも、こいつにスマホの操作方法を教えることにした。というか教えておいた方がいいと俺の心が何故か警鐘を鳴らしていた。主にもう一度失神させられかねない的な意味で

 

○ ○ ○

 

動揺、というものだろうか――この異常事態に見舞われた以上は今更であるが

 

私、ジャンヌ・ダルクは黒河という男からスマホの使い方を教えてもらい、なんとかまともに操作できるようになった後、新ためて名簿やら首輪の解除条件やらを確認していた

 

……名簿には私の見知った名前も存在していた。私があの状況からどうやって呼ばれたかも気になる所だが……

 

「……ジーク、あなたも、この会場の何処かにいるのですね」

 

何より名簿にあった「ジーク」という名前が目に付いたのは至極当然の事であろう。

あの時、あんな事を言った手前こうも再会の機会が降りるなんて思わなかったのもあるし、何よりも彼が『無事』であったという安堵の気持ちが一番であったから……いや、無事かどうか断言できるかと言われれば、どちらかと言えば『No』になる。おそらくだが、今のジークの令呪は0だと思うのだから

 

もしかすればすでに手遅れになっているのだろうか、それともまだ無事なのだろうか、その心配を一旦心の奥底に押さえ込み、改めて今此処にいる名簿に載っている他の聖杯大戦関係者(知り合い)の名を見る

 

黒のライダー――多分彼のことですのでジーク君を探そうとしているか……どちらにしろ彼が殺し合いに乗ることはなさそうですね

 

赤のアーチャー――現状何を望んでいるのかは分からない。ただもしあのファヴの言っていた「最後まで生き残った優勝者には、どんな願いも叶える権利が与えられる」という言葉がもし本当ならば、彼女が殺し合いに乗るかどうか……

 

赤のセイバー――彼女もどう動くか分かりませんね……少なくとも、もし殺し合いに乗るような行動をしているようならば捕まえる必要がありますね

 

黒のアサシン――彼女はほぼ間違いなく殺し合いに乗る可能性のほうが高い。

 

天草四郎時貞と赤のアサシン――彼らも此処に呼ばれたのですか。ですが、流石にどう動くかは見当がつかない

 

 

次に確認した『首輪解除条件』の項目、それは……

 

『第五回放送終了まで、「天草四郎時貞」「ウィキッド」「伊藤大祐」「忍頂寺一政」を半径3m以内に侵入させない。なお条件達成失敗と認識された場合、この首輪は爆破される』

 

中々に面倒な内容である。何にせよ、事実上『天草四郎』に接近できない制約だ。何を企んでいるにしろ、早く見つけて彼の目論見を止めないといけないのに。ただ、もしもの時は―――

 

 

 

「―――ったく、テメぇはテメぇで面倒な条件を押し付けられたもんだな」

 

 

いつの間にか、黒河が私のスマホの画面を覗いていた

 

 

「……覗き見とはあまり感心しかねませんね」

「他人に覗かれるような見方してんのが悪いんだろうが、流石に俺に使い方を教わるまで存在すら知らなかったってか、何処まで田舎モンだっつーんだ?」

「一応、元々農家の出ですが……」

「……もういい、こっちが疲れちまう」

「ではその前に一つ質問を、覗いた、ということですが、この名前の一覧の中で黒河が知っている人物はいるのでしょうか?」

「……ああ、一人は知ってるな。その『伊藤大祐』っていうくそったれのクソ野郎は。ああ、安心しろ、てめぇがコイツと出会うことはねぇ、俺がぶっ殺すからな」

 

この時の黒河は、純粋な殺意と憎しみが入り混じった目をしていた。

彼に何があったかは私が知る好でもないし、伊藤大祐という人物が彼に何をしたかは私は知らない。だが、事実がわからないにしろ、彼をこのまま放っておくのは危険かもしれない。

 

それに、初対面時に彼が使っていた魔術に関してもかなり気になる点がある。察するに彼自身は魔術を知らない『一般人』だ。だからこそ裁定者として監視する必要もあるし、もし彼が復讐のままに他者を蹂躙するようなマネをしようものなら、彼を殺してでも止めなければならない。

 

「ん、どした? ぼーっとしやがって」

「いえ、少し考えてごとをしていただけです」

「……そうかよ」

「――何処へ行くつもりです?」

「さっきも話しただろ、くそったれをぶっ殺しにいく。そもそもてめぇには関係ない話だろうが」

「残念ですが、そのステッキのこととかも含め、あなたと同行するべきと私は考えております。それにその伊藤大祐という人物を一人で探すつもりですか? 私はこの首輪で近づけはしませんが、探すぐらいの手伝いなら出来ます。それを含め、伊藤大祐と貴方の間に何があったか、それを見極せさせてもらいます。」

 

そう言い切った私の顔を見て、黒河は少し頭を抱えたあと、私の方に振り向き

 

「……ちっ、わーっかった。だが……俺の復讐に手を出すな。それが条件だ」

「それはあなた次第ですよ、黒河」

「……けっ」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ところで黒河、貴方は何処に向かうつもりだったのですか?」

「何処っつってもな……そんなもん今から決めるつもりだったっての。つーかテメぇが止めてなきゃ適当に探してたところだ」

「ということは結局当てずっぽうということですね」

「……否定できねぇのが心底腹立たしい」

「ならばせっかくなので、この位置の近くにあるユグドミレニア城へ向かいましょう。一旦行動の拠点となる場所も欲しいですし、何よりこの城に私は訪れたことがありますので」

「……てめぇ一体何者なのが俺にとっての一番の疑問だがな、ルーラー」

 

 

○ ○ ○

 

(面倒な女に付きまとわれる事になっちまいやがった……)

 

内心そう思いながら、改めて自分のスマホの条件を見つめる

 

『首輪解除条件』:アーナス、森の音楽家クラムベリー、魔王パムのうち一人の死亡。もし全員が死亡した場合、シークレットゲームにおいて『荻原結衣』を殺した犯人の情報が提示される

 

(……んだこりゃ、めんどくせぇ。全員死亡すりゃ荻原結衣を殺し犯人の情報が提示だぁ?)

 

くだらない。結衣を殺した犯人はあの三人……今はいないヒョロメガネを除けば二人。その内のどっちかだ。

 

首輪の解除なんぞ興味はねぇ、俺はアイツを殺す。アイツさえ殺せばそれで良い。

 

 

 

 

―――そう、アイツさえ殺せれば、後のことなんぞどうでもいい

 

 

 

 

 

 

 

【H-7/一日目 深夜】

【黒河正規@リベリオンズ Secret Game 2nd Stage】

[状態]:正常

[装備]:なし

[道具]:スマホ、基本支給品、マジカルフォン@魔法少女育成計画シリーズ、伊純白秋の毒薬@追放選挙、7753のゴーグル@魔法少女育成計画シリーズ

[首輪解除条件]

アーナス、森の音楽家クラムベリー、魔王パムのうち一人の死亡。もし全員が死亡した場合、シークレットゲーム『Code Revise』において『荻原結衣』を殺した犯人の情報が提示される

[状態・思考]

基本方針:結衣を殺したクソ野郎(伊藤大祐)をぶっ殺す。クソ野郎が犯人じゃなかったらあのガキ(阿刀田初音)を問い詰める

1:仕方ないのでルーラーと行動をともにする

2:ルーラーの提案に従いユグドミレニア城に向かう

[備考]

※Cルート、伊藤大祐を追いかけていった後からの参戦です

 

 

【ルーラー(ジャンヌ・ダルク)@Fate/Apocrypha】

[状態]:正常

[装備]:我が神はここにありてリュミノジテ・エテルネッル@Fate/Apocrypha

[道具]:スマホ、基本支給品、不明支給品2つ(本人未確認)

[首輪解除条件]

第五回放送終了まで、「天草四郎時貞」「ウィキッド」「伊藤大祐」「忍頂寺一政」を半径3m以内に侵入させない。なお条件達成失敗と認識された場合、この首輪は爆破される

[状態・思考]

基本方針:この殺し合いを止め、元凶を倒す

1:ジーク君が心配

2:監視も兼ねて黒河と共に行動

3:拠点確保も兼ねてユグドミレニア城へ向かう

4:大聖杯や天草四郎はどうなったのだろうか

[備考]

※アニメ24話、『紅蓮の聖女』発動後からの参戦

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