バトル・ロワイアル The Rebellious Memory   作:原罪

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秘密の探検者達/ミレイ、笠鷺渡瀬(アロマオゾン)

支給品を使い、辛くもカラミティ・メアリからの逃走に成功した渡瀬は

現在、ミレイを背負いながら橋のある南へと歩き続けていた。

もしかしたらカラミティ・メアリは自分達を追っているかもしれない。

次出会ったら、また上手く逃げ切れる可能性は限りなく低い。

そう考えると出来る限り、移動を続けて遭遇率を下げるのがベストだと判断した。

 

「ん、んん……。ここは?」

「起きたか」

「ちょっと!何きやすく触ってるのよ、さっさと降ろしなさいっ!!」

「うぉわっ!」

 

渡瀬はミレイに突き飛ばされるような形で無理やり降ろされた。

地面に倒れる渡瀬を見下ろす形でミレイは相変わらず尊大な態度を取っている。

 

「愚民風情が眠っている間に私の体に勝手に触れるなんて許されなくてよ」

「いい加減にしろよ!あの時、俺が助けて運び出さなかったらあんたは死んでたんだぜ」

「助けてなんて私は頼んだ覚えは無いわよ、勝手な事をして恩を売った気にならないで頂戴」

 

(前言撤回、こいつは黙ってようが眠ってようが二度と可愛いとは思わん)

 

「それで、笠鷺はどこへ行こうとしてたのよ」

「取りあえず橋を渡って南に行こうとな」

「はぁっ?そんな距離まで歩くなんて私は嫌よ、あそこの建物にしなさいな」

「七望館か?だけどそんな目立つ場所にいたら、またあの女ガンマンに出会うかもしれないぞ」

「それなら返り討ちにすればいいじゃない。あいつよりも先に建物内の構造を把握しておけば

 地の利を生かした戦いも出来て私の方がずっと有利になるわ」

「……そうだな。あんたの言う事は一利ある。そうしよう」

「初めから私に素直に従ってればいいのよ、おほほほほ!!」

 

渡瀬はある程度、理解した。

プライドが服を着て歩いてるような女に反対意見を言っても無意味だと。

自分の意見を言うにしても相手の顔を立てるのを前提に話した方が良いと。

ミレイの対応を知る事でミレイとのコミュレベルが一つ上昇した……ような気がした。

 

 

『七望館』

 

 

かつてD.o.Dの舞台としても利用されていた洋館。

大正時代に建てられ、当時はホテルとして使われていた古い建築物が

今度はバトルロワイアルの施設の一つとして用意されていた。

 

「なんだか随分寂れた建物ね。私が泊まるには老朽し過ぎてるわ」

「もしかしたら先客がいるかもしれない。注意して入るぞ」

 

慎重な足取りで七望館に入る渡瀬、それに続きミレイは堂々とした振る舞いで入って行く。

中はそれほど汚れておらず、十分に寝泊りが可能なほど家具も用意されている。

それでもミレイにとっては満足のいく場所ではなく、使用人を使って掃除をやらせたいと愚痴をこぼしていた。

その時、二人のスマホから着信音が流れる、それを確認しようとした所で

 

「やぁ~、愚かな参加者諸君!この七望館にようこそパク~!」

「なんだ……こいつは?」

「なによ。このぶっさいくな豚は」

 

奥から明るいテンションで二人に声をかけるピンクのゆるキャラのようなマスコットが現れた。

いきなり豚呼ばわりされた事でマスコットはぷんすかと怒ったリアクションを取っている。

 

「むき~!豚じゃないパクよ!オイラの名前はドリパクって言うんだ。よろしくな!」

「そんなことはどうでもいいのよ。あんたも首輪を外すのに私に協力してほしいって言うのかしら?」

「おいらをお前らみたいな愚かな参加者と一緒にしてほしぶべぇぇぇぇぇぇ!!!!」

 

ミレイは数歩下がった後に勢いよく駆けて、ドリパクをサッカーボールの様に勢いよく蹴り飛ばした。

吹っ飛ばされたドリパクは窓ガラスをぶち破り、まだ明けない夜空の方へと消えて行った。

 

「おいミレイ、何をやっているんだ!?」

「あいつがあんまり舐めた態度を取るからお仕置きしてあげたまでよ」

「ドリパク一郎兄さ~ん!!お~いおいおい……」

「なっ!?お前はさっき蹴り飛ばされた筈じゃ?」

「あれはオイラのお兄さんのドリパク一郎パクね。おやつをよく分けてくれたり弟想いの優しい兄だったパク」

「そうなの、だったらもう一度蹴り飛ばしてもよくてよ」

「止そうぜ。今度はドリパク二郎の弟とか言いながらまた出てくる気がする」

「お前ら!!話が進まないから茶番劇はここまでだ!ここから先は重要な話をするぞ、よく聞け!」

 

「この七望館には二種類のアイテムが隠されている。その一つはこの『ドリームコイン』だ。

 これを集める事で参加者には武器や食料などのアイテムをここで色々購入する事が出来るパク。

 もう一つは参加者の情報を記されたメモだ。これを集める事で参加者達のあ~んな事やこ~んな事。

 色んな秘密を握れることが出来るぜ~。情報ってのは時には戦力以上に重要だからな。これもしっかり集めるパクよ!!」

 

ドリパクが差し向けた方向にはドリームコインで購入できるアイテム一覧が書かれた看板があった。

 

ミネラルウオーター500ml 50コイン

乾パン 100コイン

幕の内弁当 500コイン

フランス料理フルコース 3000コイン

支給品ガチャ(銅) 500コイン

支給品ガチャ(銀) 1000コイン

支給品ガチャ(金) 3000コイン

 

「ふぅん……丁度いいわ。笠鷺、フランス料理を注文するからあんたがコインを探しなさいな」

「おいおい!食い物より先に武器だろ!それにお前も一緒に探した方が効率が」

「このミレイ様が、地べたに這いつくばって床下のコインでも探せと言うの?そんなの庶民がやるべき作業よ。

 ほら、分かったらさっさと探しなさい」

(……首輪を外したら速攻で出て行ってやるからな)

 

「この七望館の情報は最初に入ったお前らだけに教える特別だからな。お前らは運が良いパクよ~

 それに比べて今頃はもう既にくたばってる哀れで不幸な参加者も既にいるからなぁ~。

 お前らの大切な仲間が無事であるように、せいぜい祈っておくんだな」

「何っ!?」

「なんであんたがそんな事まで知ってるのよ?」

「おっと言い忘れてたぜ。オイラはドリパク、このバトルロワイアルの主催者の一人だ。

 言っておくけどよぉ~、ここでオイラを倒そうって考えは無駄だからな。

 オイラがその時になれば今すぐにでもその首輪をドカンとする事も可能なんだぜぇ」

 

陽気に話していたドリパクの声ががらりと変わり、ドスの聞いた語り方になっていく。

この素行こそが彼の本性なのだろう。

その銃で撃っても意味は無いと言わんばかりに渡瀬の首輪へ指を指している。

 

(こいつ、銃を向けられてもそれだけ余裕な態度を見せているって事は撃たれても通用しないのか?

 この距離なら間違いなく奴に命中させる事が出来る、だがそれで確実に殺す事が出来るか?

 俺達を、特にカラミティ・メアリの様な実力者までこの島へ拉致して来れるような連中が

 拳銃で撃ちこんだだけで本当に殺害する事が出来るのか?)

 

脳内での自問自答をいくつか繰り返した後で、渡瀬は銃を下した。

こんな魔法みたいな非現実的な行動を起こせる連中がそれで倒せるとは到底思えなかった。

今は無謀な戦いをするべきではないと判断し、情報を引き出すべくドリパクへ疑問を投げかけた。

 

「あんた主催者と言ったな?つまり俺達をここに呼び寄せて、この島に閉じ込めた挙句

 爆弾付きの首輪をはめてこんな殺し合いを強要させている連中という事か?」

「そうパクね。オイラは数ある主催者の一人パクよ~」

「その目的はなんだ?殺し合いをしろと言ったが殺人をやらせるだけにしてはやけに大掛かり過ぎないか?」

 

殺し合いに乗るつもりは更々無いとしても、生き残る為にはこのゲームの情報を詳細に知る必要がある。

まず主催者を名乗る連中の正体をはっきりと突き止めたい渡瀬であったが

 

「そこまで教える必要は無いパ~グね~♪」

「何だとっ!?」

「おいらが君たちに与える情報は七望館内でのお楽しみゲームのルールを教えてあげる事ぐらいだ

 主催者自身の情報や目的は教える義務は無いし、君たちに知る必要も無い」

「何の理由も分からず殺し合えと言うのか?」

「『最後まで生き残った優勝者には、どんな願いも叶える権利』それだけで十分に殺し合う動機になるパグよ」

「なに馬鹿みたいに真面目に問答しようとしてるのよ、こんなふざけた連中を相手にするだけ時間の無駄よ」

 

渡瀬とドリパクの長会話に痺れを切らしたミレイは強制的に話を打ち切り始めた。

疲労と空腹が溜まって来たミレイは解決する見通しの無い論争をやらせるよりも

迅速な食料調達に渡瀬を利用したいのである。

 

「ミレイの言う通り、おいら達は殺し合いが見たい訳で問答をしたい訳ではない。

 他の参加者を皆殺しにしてゲームをクリアしたらいくらでも話を聞いてやるぜぇ~」

「ふん!その主催者とやら全員、私がこの手で叩き潰してあげるから覚悟しなさいっ!!

 このミレイ様に楯突いた事を心の底から後悔させてあげる!!」

「言うねえ!!その減らず口がいつまで続くか楽しみに見ているぜ、それじゃあ最後に

 七望館での滞在時間は一度に付き三時間までだからな、それを過ぎると首輪がドカンだ!

 その後は24時間経つまで七望館の侵入は禁止になる、よく覚えとくんだな」

「はぁっ!?たった三時間じゃ温かいお風呂とフランス料理を堪能した後の睡眠タイムが取れないじゃないのぉおおっ!!」

(……こいつ、こんな状況の中でもそんな事を考えてたのか)

 

七望館をアジトにして休息を取るプランを考えてたミレイには誤算であった。

ショックのあまり大声を上げるミレイに渡瀬は深いため息を付いた。

 

「出来るだけ多くの参加者に探索を楽しんでもらえるようにする為の処置だパグ

 それに重要な情報を一部の参加者が独占するのは面白みに欠けるパグからね~

 多数の参加者が情報を得るチャンスがあった方がゲームとしても盛り上がるパグ~」

「最低でも三時間で3000コインを集めなさいと……」

「あ、今までの会話で30分経ってるから正確には2時間30分になってるパグ~ゲラゲラゲラ。

 最後に七望館に関してのルールはお前らがここに入った時にスマホに自動追加されてるパグよー。

 途中で再把握したくなったらそれを見ればいいパグ」

(館に入った時に鳴った着信音はそれだったのか)

「笠鷺ィ!急いで探索なさい!!」

「ああ、分かった!」

 

反論せず言われた通りに動かないと恐ろしい事になる、と本能で察知した渡瀬は迅速に行動を開始した。

気付いたらドリパクは消えていた、おそらく伝える事は全て伝えて用は無くなったのだろう。

 

まず机の中を調べる。

一段目、二段目は何も入っておらず、三段目で50コインを見つけた。

続いて置かれているぬいぐるみを退かせると100コインを発見する。

絵の裏側を探すと一枚のメモを発見した。

メモの中身を見るとこう書かれている。

 

蒔岡玲の秘密1

『蒔岡玲には弟の蒔岡彰がおり、過去のシークレットゲームに参加させられて死亡している』

 

「これが、参加者の情報を記されたメモって奴か」

「見つけたの?私に見せなさい……知らない人ね、どうでもいいわ」

 

蒔岡玲は参加者名簿にいる人物の一人であり、シークレットゲームという聞いた事無い用語も気になるが

考えるよりも探索を続ける事にした。

 

30分後、いくつかの部屋を探して回収出来たドリームコインは合わせて650コイン、メモは4つである。

 

プフレの秘密3

『バトルロワイアルの開始前に殺害されたシャドウゲールはプフレの従者であり、プフレに取って彼女はとても大切な存在であった』

 

蓼宮カーシャの秘密1

『彼女は双子の姉妹であるアーシャと共に愛する人を取り合い、最後には最愛の人を文字通り、半分に切り分けて殺害した過去がある』

 

東郷美森の秘密2

『彼女が東郷美森と呼ばれる以前の名前は鷲尾須美である』

 

そして先ほど見つけた4つ目のメモは……

 

カラミティ・メアリの秘密2

『本名は山元奈緒子39歳、魔法少女になる前は酒に溺れて子供に暴力を振るっていた為に、夫に離婚されている』

 

「アーッハハハハハッ!!何アイツ、とんだババアじゃないの!!しかも夫に離婚されてるなんて

 物凄く惨めで、どうしようもなくて、駄目駄目な人生送ってるじゃないの!オーッホホホホホホ!!」

(流石に笑いすぎだろ……)

「よくやったわ笠鷺、今度あいつに出会ったら思いっきり馬鹿にしてあげるんだから!」

 

カラミティ・メアリの秘密を知ったミレイは鼻歌を歌うほど上機嫌になっている。

更にミレイはドヤ顔をしながら手に持っているコインを見せつけた。

 

「なんだ?って1000コインも!?どこで見つけたんだ?」

「私が座っていたソファーの中に挟まっていたわ。運でさえ庶民を遥かに超える私の才能が恐ろしいわ。オホホホ!」

「こっちは一生懸命探してるというのに不公平だ……」

「庶民はせいぜい汗水垂らして必死に小銭を探せばいいのよオホホホホホホ!」

「なぁ、あんたは気にならないのか?」

「何よ、急に」

「ドリパクが言ってたが、既に死んだ参加者がいる。もしかしたらそれが俺達の知り合いかもしれないんだぞ」

 

バトルロワイアルには渡瀬の知り合いも呼ばれている。

中には狂気に染まり、自分の命を狙って来た人達だっている。

だけど殺されていい筈なんて無い。救えるなら手を伸ばしたい。

 

「どーでもいいわそんなの、私の命が最優先よ」

「何っ!?本気で言ってるのか?」

 

ミレイにとって楽士達はあくまでメビウスで暮らすために仕方なく手を組んでるに過ぎない。

帰宅部にとっては敵同士であり、例え共闘するべき緊急事態であっても

 

イケP←ただのバカ

シャドウナイフ←漫画のキャラクターみたいな痛い台詞を吐くガキ

ウィキッド←頭のネジが何本か飛んだイカレ女

巴鼓太郎←やかましい猿

峯沢維弦←顔はマシだけど女達にちやほやされて気取ってるキザ男

神楽鈴奈←乳がでかいだけの根暗ブス

柏葉琴乃←糞生意気なブス

 

どれをとっても協力する気にはなれない。

もし土下座をして「お願いします。助けてください」と泣いて頼むなら

しもべとして助けてあげてもいいと考え直す程には寛大な心を持っている。

少なくても自分から探しに行くつもりは更々なかった。

 

時間を見ると残り2時間を切っていた、急がなければフルコースを注文してゆっくり食事を取る時間の確保が難しくなる。

物取りの様に部屋を物色しながら探し回る気は無いがコインは迅速に確保したいミレイのイライラは募るばかり。

ふと目に付いた花瓶の裏側を見ると糊でくっつけられたメモを発見する。

 

「……ん?こんな所にメモがあるじゃないの、ちゃんと探しなさいよね」

「ほんとか!?俺にも見せてくれ」

「――ッ!?こんなものっ!!」

「おい!なんで破るんだ!」

「これは知る必要のない情報よ!ほら、さっさと次の部屋を探しなさい!」

(……おそらく自分の秘密が書かれたメモだったんだな)

 

渡瀬の推測通り、ミレイがビリビリに破いたメモにはこう書かれてあった。

 

ミレイの秘密1

『本名は一ノ瀬美玲、一ノ瀬グループ社長の娘だったが会社が倒産して両親は夜逃げ、残された彼女は貧しい暮らしを強いられている』

 

【G-1/七望館/一日目 黎明】

 

【笠鷺渡瀬@ルートダブル】

[状態]健康

[服装]シリウスの団員服

[装備]NZ75@ルートダブル

[道具] 基本支給品一色、スマホ、ウイングシューズ@よるのないくに2、不明支給品1つ(本人確認済み)ドリームコイン650コイン、参加者の秘密メモ5枚

[首輪解除条件]特定のパートナーと24時間以上行動を共にする

[思考・行動]

基本方針:殺し合いからの脱出。なるべく人は殺さない。

0:ミレイに同行して、首輪を解除する

1:七望館でアイテムの探索をする。

2:ミレイが他参加者相手に暴走しないように、上手くコントロールする

3:宇喜多、洵、サリュ、カラミティ・メアリを警戒。夏彦とましろについては保留。

4:地図にある「天川夏彦の家」が気になる

※参戦時期はDルート。夏彦のセンシズシンパシーによって本来の記憶を取り戻し、和解した直後からとなります。

※ウイングシューズを着用すると素早さを飛躍的に上昇させます。但し、有効時間は5分間のみで、1度利用するとその後2時間は効力を発揮しません。

 

【ミレイ@Caligula-カリギュラ-】

[状態] 健康、顔面打撲、ダメージ(小)

[服装]いつもの服装

[装備]なし

[道具] 基本支給品一色、スマホ、不明支給品3つ(本人確認済み)ドリームコイン1000コイン

[首輪解除条件] 解除条件を満たした首輪を2つ以上保持する

[思考・行動]

基本方針:生存優先。まずは首輪の解除。

1:首輪解除のために、使えそうな下僕を集める

2:さっきのブス(メアリ)は絶対に殺す

3:帰宅部の連中とウィキッドを警戒

4:ファヴがμと同等以上の力を持っていると分かれば、優勝も視野に入れる

5:自分が優位に立つために七望館で笠鷺にアイテムを探させる。

※参戦時期は劇場グラン・ギニョールで帰宅部に敗北した後からです。

 

七望館に侵入した参加者のスマホには追加情報が提示されます。

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