捻くれた少年と猫っぽい少女   作:ローリング・ビートル

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 μ's、8人目です!

 よろしくお願いします。


出会い

「あ~、疲れた~」

「大丈夫か?」

「秋葉原、人多すぎだよ~」

 

 同感だ。パーソナルスペースが広いボッチじゃなくとも、あの人混みは辛い。今は抜け出したが、正直もうクタクタだ。

 小町の提案で、残り少ない春休みの一日を使い、東京観光を試みたが、慣れないことはするもんじゃない。

 まあ、妹との外出なら悪くはない。疲れるけど。物凄く疲れるけど。

 

「ん?何だろ、あれ」

 

 小町は何かに興味を惹かれたようで、てててっと駆け出した。

 もう体力回復しちゃってんのかよ。

 小町が向かった先には人だかりができていて、皆一様にビルに取り付けられた大きなスクリーンを見上げていた。

 

「どうしたんだよ、いきなり……ん?」

 

 大画面に映っていたのは三人の少女。華麗なステップで舞い、美しい歌声で言葉を紡ぎ、観衆を魅了していた。小町も「ほえー」と口を開け、魅入っている。

 新人アイドルの宣伝か何かだろうか。

 すると、画面には煌びやかな文字が表示された。

 

「スクールアイドル……アライズ?」

 

 彼女達のグループ名はA-RISEというらしい。

 つーか、スクールアイドルってなんだ?

 ぼーっと画面を見つめていたせいか、背中に何かがぶつかってきた。

 

「にゃにゃ!?」

「っ!す、すいません……」

 

 猫っぽい驚き声に反応して、振り返りながら謝ると、そこには茶色っぽいショートカットが印象的な女子がいた。

 

「「…………」」

 

 意外と近くにあった顔を、ついまじまじと見てしまう。

 ぱっちりと大きな目に、小さくすらりとした鼻。淡い桜色の唇にきめ細やかな肌。間違いなく美少女にカテゴライズされる顔立ちに、はっと息を呑んだ。

 彼女もしばらくこっちをじっと見ていたが、急に慌てて頭を下げてきた。

 

「こ、こちらこそごめんなさい!凛もぼーっとしてて……」

 

 凛というのは恐らく自分の名前なのだろう、知らない人に自分の名前を安易に教えちゃいけません!と言いたいところだ。

 

「…………」

「…………」

 

 しばらくお互いキョロキョロしながら、たまに目が合う気まずい時間が続く。

 雑踏の賑やかさが少し遠く感じられ、青空の透き通る青さがやけに眩しく思えた。

 

「あ~、ごめんなさい。うちの兄が」

 

 気まずさが頂点に達しようとしたところで、さっきまでスクリーンに釘付けになっていた小町が割って入ってきた。

 

「お姉さんが可愛いから見とれていただけで、悪意とかはないんで」

 

 こいつ、フォローする気あんのか……。

 しかし、目の前の女子は意外なリアクションで返した。

 

「……り、凛は……可愛くなんか……」




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