捻くれた少年と猫っぽい少女   作:ローリング・ビートル

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何気ない一言

 入学してから一週間。凛は陸上部の体験入部に参加していた。

 やっぱり体を動かすのは大好き!

 久しぶりにグラウンドを走る感触が気持ちよく、いつまでも走れそうだ。

 

「星空さん、すごいね!こりゃエース候補かも……」

「てかバネだけなら、既に部内一だよね」

 

 こっちからはよく聞こえないけど、先輩達が仲良さそうだし、ここなら楽しくやれそうにゃ!

 だけど、少し気になることがあった。

 

 ********

 

 翌日。

 帰りのホームルームが終わると、すぐにかよちんの元へ向かった。

 

「かよちん。まだ部活決めてないの?」

「うん。もうちょっとだけ……」

 

 かよちんはまだ部活を決められないでいた。最初は一緒に陸上部に入ろうって誘っていたんだけど……。

 

「スクールアイドル部が気になってるの?」

「えっ?あ……えっと……」

 

 やっぱりだ。ちっちゃい頃からアイドルに憧れているかよちんは、スクールアイドルをやろうとしている2年生の先輩達を見て、自分もやってみたいと思ってるんだ。

 ……よし、ここは凛が背中を押してあげなくちゃ!

 

「ねえねえ、先輩達に会いに行かない?」

「凛ちゃん?」

「かよちん、スクールアイドル部入りたいんでしょ?」

「あ、ち、違うよ……ただ、どんなライブするのかなって……」

「……そう、にゃ?」

 

 多分ウソだと思う。そんな顔だ。

 でも、それ以上は何も言えなかった。

 

 ********

 

 家に帰って、何となくテレビを見ていると、かわいい衣装を着たアイドルが映っていた。

 ……かわいい。

 かよちんなら絶対にあんな風になれるのに。

 そんなことを考えていたら、その隣に同じ衣装を着た自分が登場してきたので、慌てて起き上がる。

 

「凛には似合わないよ……」

 

 つい呟いた言葉は、自分でもよく聞いている言葉だった。

 嫌な考えが頭を埋め尽くしそうだったので、頭を振ると、あの人のことを思い出した。

 そういえば、比企谷さんって部活入ってるのかなぁ?

 何となくメッセージを送ると、五分くらいしてから返事が返ってきた。

 

『帰宅部だったが、今日奉仕部に入部させられた』

 

「にゃ?ほーし部?」

 

 どんな部活だろう?よくわからないにゃ……。

 

『どんな部活なんですか?』

 

『俺もよくわからん』

 

 どういうことかにゃ?

 あと入部させられたって……。

 

『どうして比企谷さんは入部させられたんですか?』

『まあ、あれだ。色々あったんだよ……』

 

 そっかぁ。色々あったんだぁ。比企谷さんも大変にゃ。

 気がつくと、心が軽くなって、少しお腹が空いてきた。

 

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