早朝5時半。
俺はスマホの振動音で目を覚ました。
⋯⋯こんな時間に誰だ⋯⋯いや、思い当たるのは一人しかいない。
俺は枕元にあるスマホにのろのろと手を伸ばし、画面を確認した。
すると、やはり『星空凛』の名前が小さく表示されている。ただし、こんな時間に連絡してくる理由は思い当たらない。
中学時代ならうっかり勘違いして、眠気が吹っ飛んでしまうところだが、俺くらいボッチ歴が長いと寝ぼけ眼のまま対応してしまう。
そこには彼女らしい文体でこう書かれていた。
『比企谷先輩!凛はスクールアイドル始めることにしたよ!じゃあ今日からさっそく朝練行ってくるにゃ!』
⋯⋯この報告は昨晩就寝前じゃ駄目だったのだろうか。いや、こいつの事だからスクールアイドル始める事になってテンション上がりまくって忘れてたから、今送っとこみたいな感じだろうか。まあ、一応話は聞いていたからな。
「⋯⋯とりあえず、応援しとくか」
応援する意思だけ伝えて、俺はスマホを枕元に戻した。
結局、眠気が再び戻ってくることはなかった。
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比企谷先輩にスクールアイドルを始めたことを伝えると、『応援してる』とメッセージが来たにゃ!比企谷先輩がそう書いてきたってことはもしライブやることになったら観に来てくれるってことだよね?
まだ朝練初日なのにそんな先の事を考えていると、見覚えのある背中が見えてきたにゃ!
「あっ、西木野さん!おっはようにゃ〜!」
「こ、こんなとこで大声で呼ばないでよ!」
偶然にも同じ学校のジャージを着ている西木野さんと並んで歩き始めると、慣れない早起きをしたせいか、あくびが出てきた。
「ふぁ~~~……朝練ってこんなに早くからやらないといけないのかにゃ~?」
「当り前でしょ。ほら、急ぐわよ。ていうか、そう言いながらもうれしそうじゃない」
「えっ、そ、そうかにゃ?」
「そうよ、まあどうでもいいけど」
「あ~!西木野さん冷たいにゃ~!」
なんで凛はうれしそうにしていたんだろ?と自分のほっぺに手を触れながら階段を上ると、かよちんがいた……にゃ。
「かよちん……」
「ど、どうかな?コンタクトにしてみたんだけど」
「いいじゃない。似合ってるわよ」
「かよちん、かわいいにゃ~!!」
あまりのかわいさにかよちんに抱きついてしまったにゃ!
やっぱりかよちんは凛なんかと違って……
「あの……」
「「?」」
西木野さんの方を向くと、ほっぺたを赤くしながらもごもごと言った。
「私の事、名前で呼んでくれない?チームメイトなんでしょ?私も名前で呼ぶから」
「西木野さん……うん、よろしくね!真姫ちゃん!」
「にゃあ⋯⋯真姫ちゃん!真姫ちゃん真姫ちゃん真姫ちゃ~ん!!」
「ちょっ、そんなに呼ばないで!」
この後真姫ちゃんに怒られたけど、ちゃんと友達になれた気がするにゃ!