白猫プロジェクト〜光の祈り〜(未完)   作:ボイスターズ

4 / 5
第3話 光と闇の目覚め

OP【Stand Up!(堀江由衣)】

 

 

キャトラの案内で漸く森を抜けたカナタ達は、遺跡の入り口に立っていた。

 

「この遺跡、まだ殆ど人の手が入っていないだ・・探検しがいがあっていいじゃないか♩」

 

一番乗りで探検できるとあって上機嫌のカイル。

 

「(アイリス、気付いてる?)」

 

「(うん・・この感じ、何かしら?)」

 

一方で、アイリスとキャトラは妙な気配を遺跡から感じていた。

 

「(なんだ・・ほんの少しだけど殺気を感じる。それにーーコイツも反応してる)」

 

カナタも同じであった。左胸には、バロンから預かった石を収納している。まるで何かを伝えるように振動しながら、熱を放っているのだ。

 

「どんな罠が仕掛けられててもおかしくない。皆、慎重に進んでいこう」

 

カイルの呼びかけに全員が頷き、遺跡の中へと進んでいく。

 

「こ、これは・・!?」

 

だいぶ奥まで来たところで、壁画を見つけた。そこには玉座のような物にまるまる白猫を、胸にOのマークを持った戦士と一匹の黒猫が見上げている絵と、古代文字と思しき物が書かれている。

 

「カイル、コレ解読できるか?」

 

「いや・・これはそう直ぐには無理だ。俺でも何十年かはかかってしまうだろう。それにここに描かれている猫や戦士も気になるが・・この壁画は間違いなく《飛行島》だ!」

 

「・・〈敬愛する君へ、これを読んでいる時、きっとーー〉」

 

「え・・!?」

 

壁画を見つめていたアイリスは、そこにある文字を読み始めた。

それに驚くカナタとカイル。

 

「読めるのか!?コレは、遥か昔に失われた言葉だぞ?」

 

「なんとなくですけど、分かるんです。続きを読みますね。

〈ーー罰を受けよう。禁忌を犯した報いとして・・。闇を抱え、永遠へと彷徨うことが償い。悠久の果てに、もし君がこの地を訪れたならば、それは更なる罪の始まり。その日が来ぬことを願い、ここに光の翼を封印する〉・・壁画に書かれているのは此処までです」

 

「一体どういう意味だ?」

 

「光の翼・・か(ひょっとして、コレは飛行島と同一のモノじゃないのか?だとしたら・・)。」

 

「ここ、見てください」

 

「ん?」

 

アイリスが指差した先には、空を飛ぶ島らしきモノも描かれていた。

 

「やっぱりそうか!飛行島は、この遺跡に封じられているんだ!」

 

「でも、一体何処に?遺跡の道は此処で終わってるし・・」

 

カナタの言う通り、遺跡の中に続く道はこの壁画で終わっている。ここまでの間も、これといって怪しいモノは無かったため、飛行島のある場所がわからなかった。

 

「こうでいいのかな・・」

 

「アイリス?」

 

キャトラが見つめるなか、アイリスは《エンジェルウィング》という先端に水色の宝石を持ち、その下には3対6枚の翼状のパーツがある杖を壁画に向ける。

 

「〈×△※×□○#%!"ーー〉」

 

アイリスが呪文を唱えた瞬間、壁画を中心に激しい揺れが起き始めた。

 

「なんだ!?」

 

「何が起きてるのよー!?」

 

「2人とも落ち着け!無闇に動くな!」

 

パニックになるカナタとキャトラに一喝するカイル。

その間に壁画が崩れ、遺跡の奥へと繋がる道が現れた。

 

「〈君が光の翼を望むなら、その名を祭壇に刻め〉・・行きましょう。この奥に光の翼ー《飛行島》がある筈です」

 

「よし・・行こう!」

 

一行は、更に遺跡の奥へと進んでいく。

 

『・・・フッ』

 

その様子を黒いフードの男が見つめていた。彼は森からずっとカナタ達の後をつけていたのだ。

男は不敵に笑った後、カナタ達に気付かれないように尾行を再開した。

 

 

 

 

一行は壁画があった場所から更に奥へと進んで来た。だが、先ほどから起きている地震が未だに止まずにいた。

 

「こんなに長く揺れが続くなんて、幾ら何でもおかしい」

 

「確かにな。調査を終えたら直ぐに出た方がいいかもしれない」

 

「大丈夫かな・・いきなり潰れるなんてことはないわよね?」

 

キャトラが不安になるのも当然だ。何せ今自分達がいるのは古代に建てられた遺跡。この激しい揺れにいつまで耐えられるか分からないのだから。

 

「耐えてくれないと困る。まだまだ調査したいところがあるんだからな・・お、扉が見えたぞ」

 

「どうやら、彼処が最終地点みたいですね」

 

「いよいよか・・!」

 

期待に胸を躍らせながら、カナタ達は扉を開いた。

そこは小さい遺跡の中とは思えない程の天井の高さと広大な広さがあり、中には彼らの予想を裏切るとんでもないモノが待ち伏せていた。

 

 

「グオオオオオオオッ!!!」

 

 

そこには、30mほどの大きさで黒と紫の体色と背中に一対の翼を持つ禍々しい姿のドラゴンが雄叫びを上げていた。

 

「ドラゴン!?」

 

「ウソ・・」

 

「馬鹿な、何でこんなところに!?」

 

想定外の敵に驚愕するカナタ、カイル、アイリス。

 

「ど、ど、どどど、どうしよう!?逃げた方がいいわよねきっと!?えぇそうよ!さっさと逃げましょう!!」

 

一方キャトラはパニックになりながらも、カナタ達に逃げるように叫ぶがーー

 

「グオオオオオオッ!!!」

 

「ぎにゃーー!!?」

 

ドラゴンの雄叫びに驚きアイリスの後ろに隠れる。

 

「ちっ、逃がすつもりはないってことか!」

 

「皆・・ごめんなさい。私、こんなつもりじゃなくて」

 

ドラゴンが目覚めた原因は自分だと思い、謝罪するアイリス。

 

「ーーアイリスが謝ることなんてない。俺は、俺自身の意思で此処まで来たんだ!」

 

「俺もカナタと同意見だ。別に君のせいじゃないさ。カナタ、全力で行くぞ!」

 

「あぁっ!!」

 

カナタはフォス・トゥ・イロアを、カイルはエインシェント・ケイオスを構えてドラゴンに立ち向かう。

 

「カナタさん・・カイルさん!(私も、やらなくちゃ!)」

 

アイリスも決意を固め、エンジェルウィングを構える。

 

「てあああ!」

 

「グオオオッ!!!」

 

カナタはフォス・トゥ・イロアの刀身に力を込めて顔面に斬りかかるがドラゴンは首を振ることで弾き飛ばす。だがカナタは諦めず、刀身に宿った光を斬撃として飛ばした。

 

「グルルル・・!」

 

斬撃は3つに分裂してドラゴンに命中、僅かに怯むだけで決定打にならない。

 

「はあっ!うおりゃあっ!!」

 

その間に懐に飛び込んだカイルが腹部を連続で攻撃するが、爪で吹き飛ばされて通用しない。

 

「ふっ!」

 

後方からアイリスも光弾を放っているが、やはりドラゴンの身体にダメージを与えられない。

 

「こ・・のおおおおおっ!!」

 

カイル渾身のトルネードスピアも、ドラゴンが放った火球で相殺されてしまった。

 

「グオオオオオオッ!!!」

 

するとドラゴンは背中の翼を広げて此方に突進して来たため、全員慌てて左右に避ける。

 

「何なのよアイツは〜!?まるで効いてないじゃない!?」

 

「あのドラゴン、今までの魔獣とは段違いに強い!もしこの遺跡から出たりしたら、村が大変なことになるぞ!」

 

「くそっどうすれば・・」

 

 

ーードクン

 

「!」

 

左胸に鼓動を感じたカナタはそこに収納していた石を取り出す。みると、石は脈打つと同時に光が点滅している。右腰にあるカードホルダーも同様だ。

 

「カナタ、それは確かバロンから預かったっていう・・?」

 

「なにそれ?石?」

 

「(何だ・・俺に訴えかけて来てる?)!?」

 

すると頭の中にイメージが流れ込んで来た。それは、髪が黒い自分にそっくりな人物が、石とそっくりなアイテムと、光輝く剣を使って巨人になる映像。

 

「・・!!」

 

シオンは決意を固めた表情で立ち上がり、ドラゴンを睨みつける。

 

「皆、下がっていてくれ。アイツは俺が倒す」

 

「カナタ!?お前何を言ってるんだ!?」

 

「駄目よ、貴方1人では・・!」

 

「死ぬ気なの!?」

 

カイル達はカナタの雰囲気が変わったことを感じながら、必死に呼び止める。だがカナタに引く気は無かった。

 

「大丈夫、俺は死なない!頼む、俺に・・皆を守る力を!!」

 

 

ードクン!!

 

 

「「「!」」」

 

カナタの叫びに答えるように、石は鼓動と共に罅が入って砕け散り、中から白く光る光輪と赤いラインの入った白い翼、そして黒い手持ちグリップを持つ光のリングが現れた。

 

 

その名もー《オーブリング》。

 

 

「コレは・・」

 

リングから放たれる神秘のオーラを感じ取るカナタ。

次に右腰のホルダーから光に包まれた2枚の白紙のカードが飛び出しカナタの前に浮遊し、まるで力を取り戻したかのように表面に絵柄が現れた。

 

1枚は銀色の身体に赤いライン、胸に青い光を宿す戦士。

もう一枚は、同じく胸に青い光を宿し、銀色の身体に赤と青紫のラインが走り額には◇状のクリスタルを持つ戦士だ。

 

「行くぞ!」

 

カナタはカードを掴み、左半身を前に出すように立ち腕を胸の前でクロス、左手を前に突き出した。それによりリングから目映い光が放たれ、カナタの周囲が紫の宇宙空間となった。

 

「ウルトラマンさん!」

 

『ウルトラマン!』

 

ーヘャアッ!ー

 

戦士の名を叫んでカードをリングに通すと、リングが青く光りカードが同じ青色の粒子となって左後ろに飛んで"始まりの巨人"【ウルトラマン】が実体化した。

 

「ティガさん!」

 

『ウルトラマンティガ!』

 

ーチャッ!ー

 

続いて2枚目のカードを通すと、黄色い光と共に変換された粒子が右後ろに飛んでいく。

粒子から"古の光の巨人”【ウルトラマンティガ】が実体化し、リングの左右が青と黄色に輝き始める。

 

 

「光の力ーーお借りしますっ!」

 

 

カナタがオーブリングを掲げると2人のウルトラマンも同じ動きをし、持ち手のトリガーを引いた。

 

『フュージョンアップ!!』

 

力強い電子音声がなった瞬間、リングの左右にある翼が展開してリングが青→黄→紫の順に光を放つ。

 

ーシェアッ!ーチャアッ!ー

 

ウルトラマンとティガも、同じようにそれぞれ青と黄のオーラを纏って光に包まれたシオンと重なり、紫の光が包み込む。

 

『ウルトラマンオーブ!スペシウムゼペリオン!』

 

電子音声と共に足先から光が消えていく。

シオンの身体はOを象る青いクリスタルに赤、紫に黒と銀の体、胸と肩には金のラインが走るプロテクターを装備、頭部にも金のラインが走り額には紫に輝くクリスタルが持つ戦士へと変わった。

 

彼の名はー《ウルトラマンオーブ》。これはその基本形態であるスペシウムゼペリオンで、ウルトラマンとティガの力を借りた姿だ。

巨大化したカナタは元の場所に戻り、身体から紫の光を円状に2回放った。

 

「か、カナタさん・・?」

 

「(o_o)」

 

「光の・・巨人?」

 

未知の姿に変化したカナタにカイルとアイリスは驚愕し、キャトラに至っては驚きのあまり固まってしまった。

 

『待っていたぞ、ウルトラマンオーブ・・!』

 

後ろに隠れているフードの男は、歓喜の表情を浮かべた。

 

「グオオオオオオッ!!!」

 

オーブを見て、ドラゴンは怒りや歓喜ともとれる雄叫びを上げる。

 

「俺の名はオーブ!闇を照らして、悪を撃つ!!」

 

口上を叫んだカナタ・・いや、ウルトラマンオーブはファイティングポーズをとり、ドラゴンへと走り出す。

 

 

ED【Shine Your Orb(ボイジャー)】

 




やっとウルトラマンオーブを出せました・・・。
ドラゴンとの決戦は次回に持ち越しです。

次回予告

光の巨人、ウルトラマンオーブへと覚醒したシオン。仲間達を、そしてウェルバ村を守るべく、邪悪なドラゴンとの決戦に挑む。

次回、白猫プロジェクト〜光の祈り〜

『大冒険の始まり』

お楽しみに!
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。