白猫プロジェクト〜光の祈り〜(未完)   作:ボイスターズ

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第4話 大冒険の始まり

OP【Stand Up!(堀江由衣)】

 

 

「俺の名はオーブ!闇を照らして、悪を撃つ!!」

 

光の巨人、ウルトラマンオーブとなったカナタは、仲間達を守るため、ファイティングポーズをとった。

 

「グオオオオオオッ!!!」

 

ドラゴンはオーブに向けて走り出し、鋭い牙を剥き出しにする。

 

 

BGM【スペシウムゼペリオンのテーマ】

 

 

「ジェアッ!」

 

オーブもドラゴンに向けて走り出す。カイル達が近くの柱に隠れて見守るなか、2体が激突した瞬間轟音が上がる。

 

「フッ!ハァッ!デァッ!」

 

頭に2連続チョップを打ち込み、首にニーキックを放った。

 

「グオオオオッ!!!」

 

「ウッ!?」

 

ドラゴンは首を振って頭突きで怯ませ、鋭い爪で斬り裂いた。それによりオーブの身体から火花が散る。

 

「カナタさん!?」

 

アイリスが悲鳴を上げるなか、オーブは負けじとドラゴンに跨り頭部を殴りつけるが、直ぐに振り払われた。

 

「グオオオオオッ!!!」

 

更に火炎弾を受けて吹き飛ばされる。

 

「フッ・・!デュアッ!」

 

ーシェア!ー

 

オーブは両手を胸に当てた後、横に広げる。すると紫の光が横一線に現れ、右手に光輪として形成される。

これは、《スペリオン光輪》。光輪が放たれる際、ウルトラマンの声が響いた。

 

「グオオオオッ・・!!」

 

翼を切断されたドラゴンは痛みで苦しむ。

 

「ウオォォリャアアアッ!!」

 

ージェアッ!ー

 

その隙を逃さないオーブは、身体の赤い部分を発光させて強化した飛び蹴りを放つ。

すると、ウルトラマンティガの声が響いた。

 

スペシウムゼペリオンは、その身に宿すティガの力を一瞬だけ引き出すことができる。今のは、彼の形態の一つであるパワータイプの力だ。

 

「デァッ!!ハァッ!!」

 

ーチャア!ー

 

今度は紫の部分を発光させてスカイタイプの力を発動、高速でドラゴンの後ろに回り込み、パワータイプの力を込めたハイキックでダメージを与える。

 

「ジェアッ・・ウアッ・・!?グァァ・・!」

 

更に攻撃しようとした瞬間、ドラゴンの尻尾が巻きついて締め付けてくる。オーブは何とか振り払おうとするが、痛みでうまく力が入らない。

 

 

ピコン・・ピコン・・ピコン・・

 

 

オーブの胸の光《カラータイマー》が赤く点滅して警告音を鳴らし始め、左右でウルトラマンとティガの幻影が揺らめく。

 

オーブがフュージョンアップして戦えるのは僅か3分間。カラータイマーの点滅は、その限界を表しているのだ。

 

「グオオオオ・・!?」

 

更に力を強めるドラゴンだったが、突然感じた痛みでオーブを解放してしまった。

 

「・・?」

 

何が起きたのかと思い周囲を見てみると、己の武器を構えるカイル達の姿が映った。

 

「カナタ、お前だけで戦わせはしないぞ!」

 

「私達が援護します!」

 

「だからシャキッとしなさい!!」

 

3人の言葉に頷いたオーブは残された力を振り絞って立ち上がり、再びドラゴンに挑む。

 

「ジェアッ!」

 

オーブはドラゴンの首をヘッドロックで締め付けて頭部にパンチを放ち、後ろに回り込んで尻尾を掴む。

そして勢いよく投げ飛ばした。

 

「ンンンン・・ウォオオリャァアアアアアッ!!」

 

「グオオオオッ!?」

 

ドラゴンが火炎で反撃しようものなら、アイリスの出力を上げた光弾と、アイリスの魔法で強化したカイルのトルネードスピアで阻止する。

 

「グルル・・!」

 

オーブを焼き尽くすべく、ドラゴンは口に炎を溜め込んでいく。その威力は先程よりも上回る。

 

「フッ・・!」

 

オーブは勝負をつけるべく右腕を上へ、左腕を横に伸ばす。中央に紫の円が現れ、腕を十字に組む。

 

「(スペリオン光線!)ジェアッ!!」

 

前面に光の輪が展開され、右手から螺旋状の渦を巻く白色の光が放たれた。これぞ、スペシウムゼペリオンの必殺技《スペリオン光線》である。

 

「グオオオオオオオオッ!!!」

 

「ウォォォ!!」

 

ドラゴンも対抗して炎を放って来る。スペリオン光線と激突するが、オーブは出力を上げてドラゴンに命中させる。

 

「グッ・・グオオオオオ・・!」

 

光線を浴びたドラゴンは、力無く大地に倒れ、その目を閉じた。

 

 

 

 

「はぁ・・はぁ・・」

 

変身を解いたカナタは、疲労でため息を吐きカイル達の元へ戻る。

 

「どうやら、やったみたいだな」

 

「カ、カナタが勝ったの・・?」

 

「あぁ。勝ったんだよ、俺達」

 

キャトラに優しく語りかけるカナタ。それにより皆に笑顔が戻った。

 

「カナタ、皆、よく頑張ったな。俺達、結構いいチームになれるかもしれーー」

 

その時、倒した筈のドラゴンが起き上がり、目を怪しく光らせる。

 

「グオオオオオオッ!!!」

 

「!?カイルさん、離れて!」

 

それに気付いたアイリスが叫ぶが、時は既に遅し。

 

「ぐっ・・がぁぁ・・・!?」

 

溶け出したドラゴンの身体から放出された闇はカイルを取り込んで瞬く間に大きくなり、彼だけでなくその場にいた全員を飲み込んでいく。

 

「駄目だ・・身体が、言うこと聞かーー」

 

「あわわわわーー」

 

「うっーー」

 

やがて、周囲は完全に黒に覆われた・・・。

 

「よぉカナタ、無事か?」

 

「大丈夫です!」

 

暫くしてカイルの声が聞こえた為、カナタは返事をして無事を知らせる。

 

「全く、大変なことになっちまった。どこまで続くんだ?この闇は。まぁ、冒険に危険は付き物だから、愚痴を言っても仕方ないが・・」

 

「カイルさん!カナタさん!私の声が聞こえますか!?」

 

「アイリス!キャトラは!?」

 

「私は大丈夫よー!」

 

「私も無事です。待ってて下さい、今明かりを点けます!」

 

そう言ってアイリスは手を組んで呪文を唱える。

 

「カリダ・ルークス・プーラン・ルーチェンム・・」

 

「不思議だ。詠唱の声を聞いているだけなのに、何処か安心する(何者なんだ?アイリスは)」

 

やがてシオン達を覆っていた闇が消え、光が満ちた。

 

「おかえりなさい、皆さん」

 

「ありがとうアイリス。君がいなかったら、今頃俺達は助からなかっただろう」

 

「ねぇ皆!こっちこっち!外に繋がっているみたいだよ!」

 

「行きましょう、皆で一緒に!」

 

出口へと走るアイリスを追おうとするカナタ。だが、カイルが何故か悲しげな表情を浮かべているために足を止める。

 

「カイルさん?」

 

「・・・悪いな、カナタ。ここでお別れだ」

 

「え?」

 

唖然するカナタに、カイルは隠していた右腕を見せる。

 

「これ、見てみろよ」

 

「!?」

 

カナタが見たもの、それは右腕が人間とはまるで違う禍々しい形となったカイルの姿だった。

 

「恐らくあのドラゴンは仮の宿でしかなく、闇こそが本体だったんだ。そして、今度は俺が宿主ってことだ」

 

「そ、それならすぐにアイリスを!」

 

アイリスならば治せる。そう思いカナタは彼女を呼びに行こうとするがーー

 

「よせ、あの子を呼び戻しても、もう手遅れだ」

 

「そんなことわからない!アイリスが無理なら俺が・・・!」

 

カナタはオーブリングを構え、再度オーブに変身しようとする。

 

「それも無理だ。お前はさっきの戦いで消耗しきっている。それに闇が語りかけてくるんだ、アイリスを殺せと。どうやらあの子は、コイツにとって何か重要な鍵を握っているらしい」

 

「・・っ!」

 

仲間1人救えない己の無力さに拳を握り締めるカナタ。

 

「そんな顔をするな。念願だった《飛行島》まであと一歩のところまで来れた。冒険家としてはそれで十分だ」

 

「そうだ」と、カイルは懐から本のような物を取り出しカナタに渡した。

 

「この闇を抑え込んだら、俺もあとから追うさ。ーーだから、振り返るなよ?カナタ。俺はお前の足かせになりたくないんだ・・さぁ、行け!早くっ!早・・くしないと・・キサマノ・・カラダモ・・!」

 

「もう時間はない」そう察したカナタは、闇に侵食されていくカイルに見送られ、出口へと走って行った。

 

「さよならだ・・カナタ・・」

 

 

 

 

「カナタ!こっちよ!!」

 

「早く!ぐずぐずしてたら埋もれちゃうよ!」

 

アイリス達が出口の側で待っていてくれた。遺跡は相変わらず激しい揺れが起きているが、だからと言って止まるわけにはいかない。

 

「!?こ、これは・・」

 

外に飛び出してみると、周りには白い雲が幾つもある。しかも太陽が普段よりも近いように感じる。これは一体・・?

 

「びっくりした?私達、今は雲の上にいるのよ」

 

「・・この島は、空を飛べるのか!?」

 

アイリスからそれを聞いたカナタは驚愕に包まれた。今自分達がいるこの島は、空を飛ぶ飛行船だったのだ。

 

「ねぇねぇ!あっちにある島って・・」

 

「アストラ。私達の島よ」

 

「もしやと思ったが・・まさか本当に《飛行島》を起動するとな」

 

キャトラに答えるように、ヘレナとバロンが現れた。

 

「ヘレナ姉さんにバロン!何で此処に?」

 

「お前達の帰りがあまりにも遅いので、ヘレナと共に後を追って来ていたのだが、よもやこんなことになろうとは」

 

「あの・・皆さんは一体?」

 

アイリスの問いに先ずはバロンが答えた。

 

「私はバロン。古の時代の命により、この《飛行島》の行く末を見守る者ーーお見えになるのは初めてでしたな。白の巫女、アイリス殿」

 

「白の巫女?」

 

どうやらバロンはアイリスのことを知っているようだ。白の巫女とは何なのだろうか?

 

「なんと・・過去のことをお忘れですか?となれば、いずれ私が知る限りをお話しさせていただきましょう」

 

「カナタ、カイルさんは?一緒じゃなかったの?」

 

カイルがいないことに気付いたヘレナに、アイリス達もそういえばと辺りを見回すが、彼の姿は何処にもない。

 

「実はーー」

 

カナタは遺跡でのドラゴンとの戦いと、そこに取り残して来たカイルのことを話した。

 

「そ、そんなーーすぐに助けに戻りましょう!」

 

「いや、駄目だ。このまま進む」

 

カナタの発言に全員が驚き、キャトラが怒り剥き出しで怒鳴る。

 

「なんでよ!?カイルが危ないのなら、助けに行かなくちゃ「カイルは振り返るなって言った!!」ーー!?」

 

「カイルは、いつか必ず俺達に追いつく!それなら、俺達は進むしかない!」

 

そう言って、カナタは懐からカイルに貰った本のような物を取り出す。それは、上部から一筋の光を放って水平線上を照らしている。

 

「これは・・《ルーンドライバー》!お前、何処でこれを

・・かなりレアな宝物だぞ!」

 

バロンが《ルーンドライバー》を手に取り驚くなか、カナタはカイルのことを想った。

 

「(カイル、俺達は前に進む。だから、絶対にまた会おう!)」

 

いつか、カイルが追いつく日が来ることを信じ、カナタ達はアストラ島を旅立つ。

彼らの光と闇の戦い、そして世界を巡る大冒険が、今始まったのだ。

 

 

ED【Shine Your Orb(ボイジャー&白猫メインキャラ)

 

 




次回予告

アストラ島を旅立ったシオン達は、物資を確保するべくキタガワ島に降り立つ。そこでは、連日発生する謎の竜巻の被害が相次いでいた・・。果たしてその原因は何なのだろうか?

次回、白猫プロジェクト〜光の祈り〜

『悪魔の風』

お楽しみに!
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