ハイスクールD×D 魔神となりし元赤龍帝 作:アザゼル→パパゼル
アザゼルサイド in
あれから時間がたち、泣いていた坊主は溜め込んでいたものをすべて出したからか寝ちまった。
まあ、坊主にあった事を考えたらそれも当然か。
「にしても、この光景全て坊主一人でやったのか…」
俺はいまだ黒炎で燃え続けている木々や悪魔だったものを見ながら考えた。
あの時感じた力はこの状況から考えて坊主のものだろうし、危険だから野放しにできない。
それに坊主の事情を聞いてほっとくことなんてできないし、力についても気になる。
「……たく、しょうがねぇなぁ。とりあえず連れて帰るか。」
俺は黒炎を光の槍で打ち消してから坊主を抱えて拠点に戻った。
そのときにはもう坊主の体にあった紋様はすでに消えていた。
アザゼルサイド out
一誠サイド in
目を覚ますと、見知らぬ部屋のベットに寝かされていた。
「ここっていったいどこだ?さっきまで確か森にいたはずじゃ…」
確かに俺はあの兄に騙されて親に森に捨てられた。
そして、化け物に襲われて、何かはわからない力で倒すことができた。
その後に前髪が金髪のおじさんがきて………
「~~~~~ッ!!?」
さっきまでのことを思い出し、知らないおじさんについ泣きついてしまったことが恥ずかしくなった。
恥ずかしさのあまりベットの上で悶えているといきなり部屋の扉が開いてさっきのおじさんが入って話しかけてきた。
「よお、坊主。やっと起き……何してんだ、おまえ?」
「あっ…えっと…その。」
「はぁ、とにかく落ち着け。」
おじさんは悶えているのを見られて若干パニック状態になっている俺にそう言ってベットの近くにあるいすに座った。
「ここは俺の部屋だ。あの後お前は気絶しちまったからとりあえず連れてきた。」
「えっと、ありがとうございます。」
「ああ。それで坊主。お前名前は?」
おじさんにお礼を言うとおじさんは俺の名前を聞いてきた。
「一誠……ただの一誠。」
俺は家族に捨てられたから同じ名字を使いたくないので名前だけ言った。
「そうか。なぁ一誠。あの力はいったい何だ?」
「あの力?」
「お前がいた場所にあった黒炎のことだ。お前がやったんだろ?」
おじさんがあの炎について聞いてきた。
「…わからない。」
「なに?わからない?」
「うん。実は…」
それからおじさんにあの力について知っていることを言った。
俺を襲ってきた化け物がいたこと。
その化け物に殺されかけたこと。
そのときに声が聞こえたこと。
まだ生きていたいからその声の問いかけに答えたこと。
そしたら力が湧いてきて気がついたらあの炎を使えたこと。
俺がすべて話し終えるとおじさんは何かを考えているような顔をしていた。
「ねぇおじさん。」
「何だ?」
「おじさんはあの化け物のこと何か知ってるの?」
「ああ、知ってる。」
「あの、教えてもらってもいいですか?」
「……まぁ当事者だし教えてやるよ。」
おじさんは三大勢力について教えてくれた。
悪魔や天使、堕天使が実在していること。
過去の戦争でどの勢力も疲弊していること。
他種族を悪魔に転生させることができる
俺が倒した化け物ははぐれ悪魔と呼ばれる存在であること。
「そして一誠が倒したのははぐれ悪魔の中でもSランクと高ランクのやつだ。」
「そうなんだ…」
まさかこんなに大きな話になるとは思わず、呆けていた。
「なあ一誠。よかったら家にこないか?」
「え?」
「お前の力のことを他の勢力の奴らに知られるとどうなるか分からねぇし、ほっとけねぇからな。だから家にこないか?」
そんな俺におじさんはそう話しかけてきた。
俺には信じられなかった。
家族に捨てられたばかりだから、また裏切られると思った。
でも……
「俺…頭悪いですよ。」
「んなもん俺がいくらでも教えてやる。」
「迷惑ばかりかけますよ。」
「子供は子供らしく大人に迷惑をかけてりゃいいんだよ。」
「裏切ったり…しませんか?」
「たくっどんなことがあろうと俺が味方でいてやる。だから家にこい。一誠。」
俺を助けてくれて、今もやさしい眼差しで見ているおじさんのことを信じたいという気持ちもあった。
そしていろいろいった俺の最後の言葉にもおじさんは同じ眼差しのまま家にこいと言ってくれた。
俺は涙を流しながら言った。
「よろしくお願い…します。」
「よろしくな、一誠。っと、そういやまだ名乗ってなかったな。俺は堕天使の組織である『
「はい!」
──────────
その後、俺はアザゼルさんに連れられて冥界と言うところの
「ここがアザゼルさんの組織の本部かぁ。すごく大きいね。」
「そうだろ。ここはいろんな施設があるからむやみやたらと入らないようにな。まっ説明がてら案内してやるよ。」
そう言ってアザゼルさんは施設を案内してくれた。
大半の施設が何をしているのか分からなかったけど、それでも楽しそうな所がたくさんあり、これからの生活が楽しみで少しわくわくした。
そんな俺の様子を見たアザゼルさんはあの時と同じやさしい眼差しをしていた。
案内の途中である施設を通りがかったときに爆発のような音が聞こえてきて、少しの振動を感じた。
その時ふと思い出したようになにかを呟いたアザゼルさんが話しかけてきた。
「あいつまだ訓練してるのか。まぁいい機会だし、いずれ会うことになるんだし、会わせておくか……。
なあ一誠。ここにはお前以外にも保護している子供がいるんだがこれから一緒に住むことになるんだ。だから今から会ってみるか?」
「そうなんだ…うん会ってみたい。」
「そうか。ならこっちだ。」
俺の返事を聞いたアザゼルさんは嬉しそうな顔をして、俺を連れてさっき音のした方に向けて歩き始めた。
少し歩くとこれまでの施設よりもより頑丈そうな扉があり、その中から今も音や振動がしていた。
「ここは?」
「ここは訓練場だ。とりあえず俺の後ろにいろよ。」
アザゼルさんの言う通りにすると、それを確認したアザゼルさんは扉を開いた。
そこには青い翼のようなものをひろげている銀髪の少女が多くの光の玉に囲まれていた。
扉が開いた音に気づいたのか少女がこちらをみると、少女を囲んでいた光の玉のうちの一つが勢いよくこちらに飛んできた。
咄嗟のことに驚いて動けずにいるとアザゼルさんが光の槍を作り出して光の玉を打ち消した。
「おいヴァーリ!!一旦訓練辞めてこっちに来い!紹介したい奴がいる!」
アザゼルさんがそう言うとヴァーリと呼ばれた少女は光翼を使って俺達の目の前に降り立った。
「紹介したい奴?この子のこと?」
「ああ。今日からここに住むことになった奴だ。ほら互いに自己紹介しな。」
アザゼルさんが俺と少女にそう言ってきたので、相手に向き直って自己紹介をした。
「俺の名前は一誠。アザゼルさんに拾われてここにきた。よろしくな。」
「私の名前はヴァーリ。こちらこそよろしく。」
そう言ってお互いに握手をした。
こうして
一誠サイド out
ヴァーリサイド in
私は今日も自分の持つ力を使いこなすための訓練を朝から続けていた。
あいつに勝つためにはもっと強くならなくちゃならないから。
そんなときにアザゼルが一人の人間の男の子を連れてきた。
アザゼルがなぜ私に人間の男の子を紹介したのか最初は分からなかった。
でもその男の子…一誠の目を見て何となく理解できた。
昔の私と同じような目をしていたからだ。
だから少しだけ一誠のことは気にかけてあげようかなと一誠と自己紹介の後で握手をしながら私は思った。
ヴァーリサイド out