君の名は、   作:柚子丸

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ついに1月3日に「君の名は。」の地上波初放送が行われましたね!
ここでドハマりした方も多いのではないか・・・と愚考します
映画でハマった人も、テレビでハマった人にも楽しんでほしいなぁと思って執筆させていただきます
どうか最後までお付き合いください

では第1話です


出会い
邂逅


「あの!」

 

俺は女性に声をかける。

なぜかはわからない。

普通に考えればナンパだ。怪しい男だ。

でも、俺たちの間には何かがある。このまますれ違って終わってしまってはダメだ。仕事?知ったことか。この女性は絶対に手放してはいけない。この人は俺の≪かたわれ≫なんだ。

そんな気がして、衝動的に声をかけた。

 

「君を、どこかで!」

 

知らない男性に声をかけられた。

いつもの私だったら、怖がっていただろう。

またナンパかな…と悲しい気持ちになっていただろう。

しかし、今の私は喜んでいる。

なぜかはわからない。

私たちの間には何かがある。このまますれ違って終わってしまってはダメなんだ。仕事?そんなのは二の次だ。この男性とは離れ離れになってしまってはいけない。この人はわたしの≪かたわれ≫なんだ。

そんな気がした。

その男性の方を振り向く。

なぜか涙がぽろリと流れる。

見れば、その男性も涙を流している。

なぜかこの人と共に涙を流せることが無性に嬉しい。

私は、何の根拠もなしに言う。

 

「…私も!」

 

俺は

私は

「せーの」で言ったかのように、問いかける。

 

「「君の名前は?」」

 

俺は男として、先に答える。

 

「瀧です。立花瀧」

 

「瀧」という名前には、妙に聞き覚えがある。

まるで、パズルのピースがはまるかのように腑に落ちる。

さて、次は私が答える番だ。

 

「三葉。宮水三葉」

 

「三葉」か、どっかで聞いたことがある。

まるで、パズルのピースがはまるかのように腑に落ちる。

 

「瀧…瀧君…」

「三葉…三葉…」

 

私たちは互いの名前をかみしめるかのように反芻する。

 

「なんていうか…宮水三葉という名前にも、やけに聞き覚えがあります…。おかしいですよね」

「フフ…。私もあなたの瀧という名前には、聞き覚えがあります。お互い様です」

「ハハハ、本当に不思議です。なんで宮水さんを追いかけて電車を降りて駆け回ったのか。どこかで会った気がするからって、どうしてここまで…」

「何か…何かあったんじゃないでしょうか?忘れてしまった何かが、私たちの間に」

 

何か、か。

きっとそうなんだろう。

でも、その大切であっただろう何かは思い出せない。

無性に歯がゆい。

それは宮水さんも同じようで、会えて嬉しいけど思い出せなくてもどかしいという気持ちが表情から伝わってくる。

忘れてしまったであろう二人の思い出は、どうやら出会って名前を確認しただけでは、どうも思い出せないらしい。

でもまぁ、いいや。

二人で、ゆっくり思い出していけばいいんだ。会えただけで良しとしようじゃないか。

 

「あの、これ…俺はこういう者です」

 

立花君が名刺を渡してくれた。

ふぅん、22歳、新社会人なんだ。

なんか年下って感じがしないんだけどな。

建築業界で働いているみたいで、内装・外装のデザインに携わっているらしい。

一度、テッシーと会わせてみたい。

テッシーは、彗星災害を期にお父さんに「俺に家業を継がせろ」と言ったらしく、勅使河原建設は勅使河原克彦社長自らによる独創的な外装デザインでぐんぐんと業界で評価を上げている。

もしかしたら、気が合うかもしれない。

さて、それじゃあ今度は私が名刺を差し出す番だ。

 

「はい、これが私の名刺」

 

宮水さんが名刺を渡してくれた。

なるほど、25歳、おれより3年先輩か、どうりでいきなりため口になったわけだ。

なんか年上って感じがしないんだけどな。

どうやらアパレル業界で働いているらしい。

お、この会社の名前…もしかして奥寺先輩の働いている会社と同じなんじゃないか?

奥寺先輩は、今は千葉のアパレル企業の支店で働いているらしいのだが、ちょうどいい、いつか宮水さんを紹介したい。

もしかしたら会ったことがすでにあるかもしれんけど。

しかし、電話やメールだけでやりとりするのはなんとも不便そうだ。

おそらく俺と宮水さんは幾度となくやりとりをするだろうから、手っ取り早い方法はないだろうか…?

そうだ!

 

「あの、あとこれ…俺のLINEのIDです。もしよければ…」

 

瀧君(年下だし名前で呼んでもいいよね?)が紙にささっとペンを走らせ、私に渡してきた。

なるほど、LINEならやりとりも楽ちんだ。

 

「ありがとう。じゃあ、これ…私のID」

「ありがとうございます」

「瀧君!!!」

「は、はいっ!」

 

いきなり怒鳴られた(´・ω・`)。

なんかしたっけ、俺。

 

「さん付け禁止、あと名前で呼んで?」

「えぇ!でも年齢…」

「なぜか、瀧君が年下という気がしないの。だから、さん付けで言われるのがすごい違和感があって…」

「あぁ、それは俺もです。宮水さんをさん付けで呼ぶのは違和感がすごいです」

「じゃあ、呼んで?」

 

うぅ…。そりゃあ、宮水さんは年上って気がしないけど…。

でも、年上云々の前に俺は女性はさん付けで呼んでるんだよ!

しかも下の名前って…無理だ!

 

「み…宮水…」

「なんか名字で呼び捨てにされると、私が年下みたいな気がするんやけど…。」

「ウッ、み…三葉」

 

うん、やっぱり瀧君には「三葉」と呼ばれるのがしっくりくる。

また一つ、パズルのピースがはまったような感覚だ。

あれ…また涙が…

 

「えっ、み…宮…」

「三葉て呼んで!」

「三葉…えっと、何で泣いて…」

「違うの…これは悲しいから泣いてるんやなくて…、嬉しいというか懐かしいというか…」

 

えっと…こういうときは…そうだ、ハンカチハンカチ……。

あ………。

瀧は気づいた。

時間が大変なことになっていることに…。

 

「あああああああああっっっっ!!!!」

「え、ちょ、どうしたんいきなり?」

 

三葉がびっくりしたように問いかける。

 

「時間!やばい!俺新卒!!!」

「あ…」

 

瀧君がいきなり奇声を発した理由がわかった。

時刻は8時45分。普通の企業なら始業まであと15分だ。

瀧君の職場がどこにあるかはわからないが、私にとっては絶望的だ。

私の場合は既に社会人4年目なので、「ちょっと体調悪くて。」で何とかなるけど瀧君は新卒だ。この時期の遅刻はすごく痛い。

そう考えるとなんだか申し訳なくなってくる。なんかごめん。

 

「い…急いで行ったら?私はいいから」

「そ…そうさせてもらう!じゃあ、LINEでまた今日中に連絡しますんで!」

「とにかく急げー!!!」

「了解~~~~っ!!!」

 

そう言って瀧君はまだ履きなれない革靴でつまづきながら走っていった。

 

「スーツ…似合ってなかったなぁ」

 

そう独り言を発して、そういえば私も今日は仕事がたんまりあったことに気づいて、ダッシュした。

 

いつもなら、時間に追われ、焦った表情になっているはずなのに。

なぜか二人は、笑みをうかべながら走っていた。

 




今でも読んでくれる人いるのかな?
とも思いますが、よく考えれば自己満足で投稿してるだけなんで、読んでくれる人がいるかいないかは割と気にしておりません。
でもやっぱり読んでくれると嬉しい(笑)。
ちなみに、なぜタイトルが「君の名は、」なのかというと、映画は「君の名前は?」と問いかけた段階で終わってしまいますが、この物語はこれから始まる物語なので句点ではなく読点にしたほうがいいかなと思ったからです。

第1話はプロローグにすぎません。
ここから瀧と三葉は忘れてしまった記憶を取り戻していきます。
どんな感じで取り戻すかは乞うご期待!
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