幻の英雄その絆は幻ではない   作:ナカタカナ

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幻の英雄の弱音

 リーシャサイド

 

 「はぁ、またエルに助けてもらった。あったのは数えるくらいだが

昔から、愚痴を聞いてもらったり、王城を抜け出した時とか、助けてもらったな」

 

 『初めてだよ、私を全力で助けてくれたのは、でもどうやったんだ・・・』

 

 「ルクスアーカディア、あいつも中々頼りになるやつだったな」

 

 「男のなかにも、頼りになるやつがいるんだな」

 

 

 

 

 

 エルサイド

 

 僕は黒い空間の中にいた。

そして、四人と会話をしていた。

 

 「ご主人、近いうちに、不穏な気配がするから気を付けておけ」

 

 「ありがとう、気を付けるね」

 

 僕に忠告してくれたのは、僕のもう一つの神装機竜《デルピュネー》だ

フードで隠れて見えない、顔は口元だけ見せている。

口元はニヤリとしている。

 

 この表情をしている時は、大体悪い事を考えている時だ。

 

 「そ、それで、デル、みんなはどうしたんだ」

 

 「私が、幻を見せているから、ここには来ない、だから」

 

 デルは、こっちにソロソロトくる。

なんか悪い予感がする。いや、口が三日月の形になってるんですけど。

 

 「あ、あの、口元が怖いんですけど」

 

 「気にしない、それより、操縦が上手くなるように私が、私の事を教えてあげる」

 

 「い、いや、何でローブを脱ごうとシテルンデスカ」

 

 「私を全て知ってもらうため」

 

 「だ、だめだよ」

 

 「大丈夫、私を知れば、負担は軽くなるから」

 

 「そ、それでもだめ」

 

 すると、デルはフードを取った。

そこから出てきたのは、美少女とか言うレベルじゃなかった。

それを越えて、超絶美少女だった。

 

 紫色の髪に、薄い紫の瞳がこっちを見てくる。

その瞳には、顔を赤くした僕の顔が映っていた。

 

 その瞳に見られているだけで、意識が飛びそうになる。

 

 「デル、やめろ、幻を見せるのは止めろ」

 

 「あーらら、失敗しちゃった。まあいいかまた今度ね」

 

 デルの言葉と共にの僕の意識は覚醒した。

 

 

 

 

 意識が覚醒して最初に目に入ったのは知らない天井だった。

起きてみると、体中に包帯がまかれていた。

そして、そのすぐ横にはリーシャ様がいた。

 

 「お、起きたのか」

 

 「はい」

 

 「その、なんだ、助けてくれて、ありがとう、傷は痛むか」

 

 「いえ、大丈夫です。それよりリーシャ様こそ怪我はなかったですか」

 

 「ああ、お前が助けてくれたおかげで」

 

 「良かった、それなら」

 

 「そ、それでだな、お前に見てもらいたいものがあるんだ」

 

 「なんですか」

 

 「少しあっちを向いててくれ」

 

 「分かりました」

 

 

 

 

 「もういいぞ」

 

 「なんですか・・・ってなんて格好シテルンデスカ」

 

 「ち、違う、こっちだ」

 

 リーシャ様が指を指すところを見ると、とある紋章がついていた。

 

 「それは、旧帝国の・・・」

 

 「そうだ、私は五年前、旧帝国に囚われた」

 

 「それ以上は言わなくていいです。

僕も、リーシャ様に見せないといけないものがあるんで見てくれますか」

 

 「ああ、良いぞ」

 

 僕は自分の両腕、両足の人工の皮膚を外した。

 

 「そ、れは」

 

 「僕も、昔旧帝国の人体実験の被害にあいました。

そこでは、毎日薬漬けの日々でした。薬を打たれては、次の薬を打たれて、また次の薬を打たれる。

そして、僕は右目、両腕、両足を失いました。

そして、僕は外に捨てられた。

外に出て思った事は、ソラってこんなに広いんだ、やっと地獄の日々から解放されるって思っていた。

そこへ、あなたの母君が見つけてくれたんです」

 

 僕が昔の事を話していると、リーシャ様の顔は段々と歪んでいった。

 

 「そして、僕は四肢を失った為に、こんな風に機械にすることが出来た。

こうして、体の一部が機械でできた者たちでできた集団が機械科騎士団(マシンナイト)の団長になりました

『本当は、四肢を貰った後に、ルクス君たちと会って、幻の英雄になったけど』

そんなときでした、初めてあなたに出会ったのは、毎日王女としての振舞い方を勉強して疲れているあなたが中庭

で横になっているのを見たのは」

 

 「そう言えばそうだったな、あの時は愚痴を聞いてもらったな」

 

 「嬉しかったんです」

 

 「なにがだ」

 

 「僕と、同年代くらいの人と話したのは、会話の内容はあれでしたけど」

 

 「まあ、確かにな」

 

 「僕は、この時、ニコニコしながら愚痴を吐いているあなたを見ていると、彼女も王女とはいえ

れっきとした、少女なんだなって」

 

 「当たり前だろ、私だって愚痴くらいは吐くさ」

 

 「そして、話終わった後、笑顔になったあなたを見ると、僕は誓いました。

あなたと、あなたの母君に一生仕えようと思いました」

 

 「なっ、何を言ってるんだ貴様は」

 

 「それだけ、うれしかったんです」

 

 「そ、そうか、まあ今日はこれくらいにして、もう休め」

 

 「はい、そうさせてもらいます」

 

 

 

 

 「・・・というわけで、彼らが今日からこの学園に通うことになった、ルクス・アーカディアと

エル・クレイ・ダルクだ。なれないと思うが、仲よくしろよ」

 

 今、この教室には僕と、ルクス君しか男子はいない。

しかも、ほとんどがどこかのお嬢様だ、場違いにもほどがある。

 

 「えっと、ルクス・アーカディアです。よろしくお願いします。・・・」

 

 「僕は、エル・クレイ・ダルクです。えぇと、何か困ったことがあったら、隣のルクス君に頼んでください」

 

 「ちょ、何言ってんの」

 

 「「「「キャァァァァァァァァァァァァァ」」」」

 

 「うるさい、黙れ。

席は、えぇと・・・好きな所に座れ」

 

 僕とルクス君は開いてる席に座ろうとしていた。

 

 「あっ、ルーちゃん」

 

 「えっ」

 

 『ルーちゃん、ルクス君ってルーちゃんって呼ばれてたんだ』

 

 「フィルフィ?」

 

 「そうだよ、久しぶりルーちゃん」

 

 周りは、ピンクの髪をしているルクス君の知り合いと思われる、女の子が口にした

(ルーちゃん)って言葉にすごい反応している。

 

 「なんだ、知り合いか?」

 

 「はい、幼馴染です」

 

 「だったら、そこにしろ、エルはどうするんだ」

 

 「僕は、立ったままでもいいですよ」

 

 「「「「「それなら、ここに座って良いよ」」」」」

 

 僕がそう言うと、ほとんどの人がそう言ってくれた。

嬉しいけど、なんかリーシャ様が怖いんだけど、いやなんかスタ◯ドが見えるんだけど

 

 「そ、それだったら」

 

 僕はリーシャ様の隣まで行った。

 

 「隣、座らせていただいてもよろしいですか」

 

 「か、かまわん」

 

 「ありがとうございます」

 

 「「「「「キャァァァァァァァァァァァァァァァァァァ」」」」」

 

 さっきよりも、大きな声が教室に音の爆弾のように落とされた。

 

 「お前ら、黙れ・・・・・・・よしそれでは授業を始める。

教科書を開けろ」

 

 教科書を開けろって言われても、僕はまだ教科書を貰っていない、

 

 「あのー、すいません、リーシャ様」

 

 「なんだ」

 

 「教科書を見せてもらっても良いですか」

 

 「良いぞ、ほら」

 

 「ありがとうございます」

 

 向こうでは、こっちと同じようなやり取りをしていた。

 

 

 

 

 

 そして、授業が終わり僕達はクラスメートに囲まれていた。

「ねえねえ、ルクス君、雑用をしているって本当」

 

 「はい、それが僕の役目ですから」

 

 「だったら、私も依頼していいかな」

 

 「はいはーい、ルクっちへの依頼はこの箱へ、そしてエルっちへの依頼の箱はこっち」

 

 ティルファーさんがなんか勝手な事をしている。

 

 「ちょ、何勝手にシテルンデスカ」

 

 「そうですよ、僕は雑用なんかしないですよ」

 

 「おい、エル」

 

 「なんですかリーシャ様」

 

 「お前に頼みたい事があるんだが」

 

 「何なりと、お申しつけください」

 

 「な、何故そんな喋り方をするんだ」

 

 「冗談ですよ、なんですかリーシャ様」

 

 「その、だ、な、お前には私の騎士として働いてもらいたいんだが」

 

 「そんな事ですか」

 

 「そんな事とはなんだ」

 

 「僕は、今までもそしてこれからもずっと、あなたと、あなたの母君へ仕えますよ」

 

 「そ、そうか、だったらいいんだが」

 

 リーシャ様は、ほっとしたようで、こっちを見てくる。

 

 「というより、僕の方こそ、ずっと仕えさせてください」

 

 「う、うむ、貴様はずっと私達に仕えていろ、これは命令だ分かったな」

 

 「承知しました、お嬢様じゃなくて、お姫様」

 

 すると、周りの女生徒がカァーって顔が赤くなっていった。

リーシャ様も顔が赤いが、どこか嬉しそうな顔をしている。

 

 「ちょっと、良いかしら」

 

 すると、そこへ水色の髪をした少女がこっちに来た。

 

 「なんだ、クルルシファーか」

 

 「さっき、学園長がルクス君とエル君を呼んでたから」

 

 「あっ、はい分かりました」

 

 「それでは、お姫様しばし出かけてまいります」

 

 僕と、ルクス君はクルルシファーさんの後をついて行った。

 

 

 

 

 

 行き先は、学園長室ではなく、学園の中庭だった。

 

 「あの、ありがとうございます」

 

 「なにが」

 

 「助けてくれたんですよね・・・多分」

 

 「ふーん、子供っぽいのに頭は結構回るみたいね」

 

 「それで、お嬢様、何か話があるんですよね」

 

 「そうよ、あなた達に依頼を頼みたいの」

 

 「良いですけど、エル君は」

 

 「うーん、内容によるかな」

 

 「そう、それじゃ依頼の内容を言う前に、あなた達は(黒き英雄)と(幻の英雄)って知ってる」

 

 「はい、まあよく聞きますし」

 

 「まあ、それくらいは仕事の都合上よく耳にするけど」

 

 「一人で、千二百機の装甲機竜(ドラグライド)を破壊した黒き英雄と

その裏で、三千機もの装甲機竜(ドラグライド)を四機の神装機竜に乗って破壊した・・・幻の英雄」

 

 「あなた達には、探してほしいの、黒き英雄と幻の英雄」

 

 返事に困ったな、どうしよう。

流石にこの依頼を受けるわけには行かないが、ここで断ると、怪しまれるな。

 

 ゴーン

 

 『ラッキー、ナイスタイミング』

 

 「午後の授業が始まるわね。次は装甲機竜(ドラグライド)の実技演習だから急いだほうがいいわ」

 

 「そうですね、それではまた」

 

 僕とルクス君は急いで演習場に向かおうと思ったが、不味い、昼食を食べるのを忘れていた。

 

 「はぁ、昼飯抜きか、堪えるな」

 

 「それより、急ごう」

 

 「そうだね、ライグラリィ教官が怖いからね」

 

 

 

 

 

 

 昼食抜きでの疑義の授業はきつかった。

ものすごくきつかった。しかも装甲機竜(ドラグライド)の演習なんて、腹が空きすぎて意識飛びかけたし。

 

 そんな事があったが、今は夜だ。

ゆっくりと休憩をしたいんだが、なんとティルファーさんが用意した雑用箱の中身を見ると

とんでもない数の雑用依頼があった。

 

 僕は、月明かりが綺麗な中庭で、少しトレーニングをしていた。

トレーニングと言っても、流石に簡単なものだ、普段はもっときついトレーニングをしているが

今日は腹ペコで、力が出ない。

 

 今なら、どんなまずいものでも美味しく食べれる気がする。

『まあ、味なんて感じないんだけど」

 

 「ここに居たのか」

 

 後ろから声が聞こえてきて振り返ると、青い髪をした三和音(トライアド)の一人三年のシャリス先輩が

いた。

 

 「シャリス先輩、どうしたんですか」

 

 「いやな、あとで、女子寮の大広間に来てもらえると嬉しいんだが、というより来てくれ

来てくれないと、お姫様が起こると思うからな」

 

 「分かりましたって言いたいんですけど、大広間ってどこでしたっけ」

 

 「はぁ、私について来てくれ」

 

 「お手数をおかけします」

 

 

 

 

 こうして、シャリス先輩の後ろをついて行った僕だが、シャリス先輩から念のために正装に着替えといてくれって言われたため、僕は何を着るか迷っていた。

こういう時って、たいてい騎士の格好をしていたからな、シャリス先輩に聞いてみよう。

 

 「あの、シャリス先輩、正装ってどんなのが良いんですか、僕タキシードとか持ってないんで」

 

 「普段、君はどんな格好でパーティにでるのかね」

 

 「騎士の格好ですけど」

 

 「なら、それでいいじゃないか」

 

 「そうですよね」

 

 僕は、一度寮の部屋に戻って機械化騎士団(マシンナイト)の正装に着替えた。

機械科騎士団(マシンナイト)の正装は白いシャツを下に着込み、黒い長ズボン

そして、白いシャツの上から、全員色違いのブレザーのような物を着て、更に黒いマントに金の糸で機械科騎士団(マシンナイト)の紋章が刺繍されている物を羽織り、紅いネクタイを締める。

僕のブレザーのような物の色は薄紫色をしている。

そして、右目の所だけが、見えるようになっている、白い仮面をつける。

 

 この格好を最後にしたのは、あの人(女王様)に学園に行くように言われた時だったと思う。

 

 そして、廊下を歩いていると銀髪の二人組がいた。

そこには、ルクス君とルクス君の妹のアイリちゃんがいた。

 

 「良かった、念のために正装を持って着といて」

 

 「ははは、僕なんか場違いみたいで落ち着かないんだけど」

 

 「確かにね、僕もほとんどこういうパーティには出ないから」

 

 「でも、仮面は取っておいたほうがいいと思うけど」

 

 「うーん、どうしようかな、これは機械科騎士団(マシンナイト)の団長を示す仮面だから」

 

 「そうなんだ」

 

 「でも、どっちみち外さないといけないと思うので、外しておいたほうがいいですよ」

 

 「そうなんだ、ありがとうアイリちゃん、それじゃ外しておくね」

 

 僕は仮面を外し懐にしまった。

 

 そして、アイリちゃんが誘導してくれる通りに進むと大広間ではなく、食堂の前まで来た。

 

 そして、ドアを開けた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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