ペルソナ使い鳴上悠と魔法科生   作:ローファイト

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横浜騒乱編から始まる本編です。

タイトルも仮でなにか良い案があれば助かります。
また、タグについても、ペルソナメインなのか、魔法科高校の劣等生がメインが良いのかがどっちが良いのかわからないので、その辺も意見をいただければありがたいです。
魔法科高校の世界にペルソナ4を乗せるため、ペルソナの方のを設定をいじっております。違和感はあしからず。

12話目標で来訪者編で終了予定。


第一話 横浜事変

ペルソナ:人の心の奥底に眠る「もう一人の自分(ペルソナ)」を具現化した特殊能力。

ペルソナは「もう一人の自分」の有り様を模した形をし、心の有り様を大いなる力とし奮う事ができる。

ただ、この能力を発現できるのは特殊な環境「異世界」のみで、現実の世界では発現不可能であったため、一般には認知されていない。

 

 

稲羽市の謎の霧に覆われる事件、東京で起こったアイドル失踪事件と次々と信頼できる仲間と共に勇気と度量と類い稀なるペルソナ能力で解決した鳴上悠。

 

彼は仲間と離れ東京で高校生活最後の年を過ごしていた。

 

 

2095年10月30日(日)

鳴上悠は仲間の一人、一つ下の後輩、元トップアイドルで一年間の充電期間を経て芸能界復帰を果たした久慈川りせと横浜で久々に会える事になった。

 

「先輩、久しぶり~」

変装用に眼鏡をかけ、つばの広い帽子を深くかぶったりせが、待ち合わせ場所で立っていた悠の腕を後ろからとり、その大きな瞳で上目遣いをし、いたずらっぽく微笑む。

 

「久しぶり、りせは元気だったか?」

 

「まあまあかな、でも悠先輩の顔を見たら元気が出てきた」

悠とりせはそのまま並んで歩きだす。

 

「それは良かった」

 

「ありがとね。わざわざ横浜まで来てくれて」

 

「りせは芸能活動で忙しいだろ?」

 

「悠先輩も、受験生なのに···」

 

「勉強の方は問題ない」

 

「はぁ、先輩頭いいもんね」

 

この二人はこう見えても恋人同士ではない。

今も昔も、仲が良い先輩後輩の関係だ。

りせにはその気は有るだろうが、今は芸能活動を優先させているため、そういう関係になる事が出来ない。

悠にとってはりせは可愛い後輩の一人だ。

 

昨日、りせからの連絡で午後から仕事が急に空いたから遊びませんかという誘いだったのだ。悠の提案で、それならば現地で会おうという話になり、今横浜の中心街にいる。

忙しいりせの事を思ってのことだ。

 

二人は雑居ビルにあるレトロな雰囲気を醸し出している喫茶店に入る。

 

「りせ、横浜は?」

 

「CM撮影で、人が少ない早朝だったの」

 

悠の何時もの言葉少ない質問にも、りせは的確に答える。

此れだけでも二人の絆の強さをうかがい知ることが出来るだろう。

 

「直斗ったら、今日先輩と会うって知らせたら、羨ましそうにしてたわ」

そんな直斗の顔を思い浮かべたのだろう。楽しそうに微笑むりせ。

白鐘直斗、探偵王子の名で世間に広く知られている天才探偵少年だ。実際は男装の麗人然とした、りせと同学年の少女で、同じく悠たちと事件を解決した仲間だ。

 

「そうか、冬休みには稲羽に戻るつもりだ」

悠は稲羽市に在住している仲間たちとは、情報端末を介しネットコミュニティで毎日のように連絡をとりあっている。

 

「いいな~、······わたしも1日はなんとしてもオフもらって、皆に会いに行こうかな」

 

「あまり、無理するな」

 

「ええ~、だってわたしも会いたいもん」

可愛らしく頬を膨らますりせ。

りせは、りせちーの愛称で呼ばれる小悪魔的な要素を含んだ万人が認める美少女アイドルだ。しかし、復帰後は大人な要素も加わり、美少女から美女へと成長しつつあった。

 

「そういえば、直斗が変なことを言ってた。今の横浜は不穏な動きがあるから、気を付けろって······」

 

「直斗がそう言うのならば、何かあるな。俺のペルソナも、横浜に入ってから妙にざわついた感じがした」

 

「悠先輩も、······やっぱり気のせいじゃなかった。わたしのヒミコも······」

 

「シャドウや神、悪魔といった存在ではなさそうだから、取り敢えずは気にしないようにしてたのだが······」

 

「やっぱり直斗が気を付けろって言ってたのは、また魔法がらみのテロかな?」

 

「今日なのか、明日なのか、一週間後なのか、わからない。なにかが起こりそうな予感はする」

 

「先輩……横浜から、移動したほうがいいかも」

りせは心配そうにする。

 

「そうだな、一応美鶴さんに知らせておく······シャドウがらみではないから美鶴さんが動く事はないだろうけど、きっと警察とかに、警告してくれる」

悠はりせの意見に同意するも、知り合いである対シャドウ特殊部隊を率いる桐条美鶴に知らせるようだ。

普通、こんな話を何処に出しても取り合わないだろうが、同じペルソナ能力者である美鶴ならば、信じてくれるだろう。

 

「せっかくの悠先輩とのデートなのに」

りせは小声でぼやく。

 

 

 

りせの口から出た魔法がらみのテロ······

2095年21世紀も末期を迎えるこの時代では魔法は存在し、明確に体系化された科学の一部である。

すでに魔法が認知され100年が経っていた。

しかしながら、魔法が使える人間は極一握り。そのほとんどが戦争の道具となる。

さらに、日本の頂点に立つ優れた魔法を扱う一族はかつて、非人道的な人体実験などを繰返し出来上がったものだった。

それは社会に明確な格差と差別意識を生み、テロ行為などをたびたび誘発させる要因となっていた。

最近では魔法師育成機関である魔法大学付属第一高校が大々的に襲撃を受けたのは記憶に新しい。

 

また、世界情勢も極めて混迷していた。

各地で戦争が勃発し、日本もこの5年で隣接国から2度の侵略行為を受けている。

 

 

そして、今日も······

 

全国魔法協会主催の魔法科高校に通う学生達による権威ある論文発表会の場……

全国高校生魔法学論文コンペティションが開催されている横浜国際会議場に突如として、銃声が鳴り響く。

 

国籍不明のテロリスト集団が襲撃してきたのだ。

 

会場は一時騒然としていたが、一部の学生が冷静に判断し、魔法を駆使しテロリスト達を撃退していったのだ。

 

しかし、テロ行為が行使されたのはここだけではなかった。

横浜全体がテロの暴力にさらされたのだ。

唯のテロではない。軍事訓練を長い時間受けた本物の軍人が侵攻してきたのだ。

普段の生活を営んでいた人々は、現実から非日常へと変貌していく街中を逃げ惑い、ある者は銃弾に倒れ、ある者は魔法で吹き飛ばされ、そしてある者は建物の下敷きになり命を落としていった。

 

 

 

そしてあの二人の周囲でも……その惨状が起こりつつあった。

 

 

「悠先輩!!」

 

「俺は出る。りせはそこで皆と待っててくれ」

 

「私も!」

 

悠とりせは先ほどの喫茶店の客と周囲の人々を付近のビルの地下にあった避難シェルターへと誘導し、退避させていた。

悠はシェルターから出て階段を上り一人外の様子を見に行こうとしていたところ、りせが追いかけて来たのだ。

 

悠はポケットから黒縁の伊達メガネを取り出し、すばやく装着し外の様子を伺う。

悠とりせの前では未だ逃げ惑う人々と街を、重火器を持った軍人があちらこちらから現れ、無抵抗な人々をその圧倒的な軍事力という名の暴力で蹂躙していく風景が目の前で起きていたのだ。

 

「ペ・ル・ソ・ナ!!」

 カッ!!

悠はそう叫ぶと一瞬後ろに、大きな人型のような影(イザナギ)が一瞬表れ、スッと消える。

悠はペルソナ能力を現世で発動させるが、ペルソナは姿を隠す。

そして、ペルソナの能力が悠自身の身体能力を圧倒的に上昇させた。

 

そもそも、現世でペルソナ能力は本来発動できないとされてきた。

この世界との裏側にある精神と魂の狭間の世界、「虚ろの森」「影時間」などと呼ばれる異世界だけで発現されるのだ。

しかし、悠達は3度の事件を解決した後、現世でもペルソナ能力が行使できるようになっていた。起動キーは霧を見通すメガネ:クマが作成したメガネを装着する事で行使できるのだ。(悠だけメガネ無しでも行使可能ではある)

この事は、仲間内だけの秘密にしている。もちろん桐条美鶴にもだ。このご時勢である。このような能力が発現したとなれば、何をされるか分かった物ではない。

 

さらに、このペルソナ能力は一般的には存在しない物と認識されている。

桐条グループはペルソナ能力とシャドウが住まう世界について魔法協会などにも訴えかけたが、そもそも、現世では実際発動しない能力なのだ。戯言だと一蹴されたのだった。

 

 

「りせ、いざとなったら、ここの人達を頼む。それと、ペルソナを人目に見られると厄介だ。それこそ、りせが芸能界をやめなければならないことになる」

一般的な人間には悠達のペルソナは見えることはない。ただ、霊感や霊気が強い人間には見えてしまうようだ。

もちろん魔法師には見えてしまうだろう。

 

「悠先輩ありがとう。私もペルソナを顕現させずに憑依状態にすれば身体能力も上がるし、フルには使えないけど、ある程度能力も使える。それと私のナビゲーションが必要でしょ?」

 

「ふぅ、分かった」

 

「来てヒミコ…ペルソナ!」

りせはピンクの伊達メガネを装着し叫び声を上げる。

後ろに一瞬、女性のような影(ヒミコ)が現れるがスッと消える。

 

「状況は?」

 

「横浜全体が混乱している。……酷い。皆の苦しみや悲しみや怨嗟が聞こえてくるみたい……横浜港から大よそ500人程度の敵意が横浜を覆っているみたい。」

りせのペルソナ:ヒミコは探査能力に優れており、横浜の状況を把握したのだ。

 

「!?……横浜全体……とりあえずは周りの人たちの救出と、敵の排除をする」

 

「待って、敵の識別をするわ」

 

「助かる……行って来る」

 

「やっぱり私も!」

 

「落ち着け、りせまで表に出たら、誰がナビゲーションをしてくれるんだ?それと、ここに避難している人たちを頼む。頼りにしている」

悠はりせに笑顔を向けそう言って、りせを置いて建物の中から飛び出す。

 

 

大型の銃器を持った軍人6人が40、50人の市民を取り囲み銃を向けていた。

その周りでは、息があるのかは不明だが人々が倒れている。

 

悠は、落ちていたゴルフクラブを掴み、刀のように構え、凄まじいスピードで市民と軍人6人の間に入り、ゴルフクラブを奮う。

 

『電光石火!!』

一瞬、イザナギが顕現し、悠の身体を雷光が包み込み、奮ったゴルフクラブがスパークし軍人6人全員を一気に吹き飛ばす。

吹き飛ばされた6人の軍人は痙攣を起こし気を失う。

 

『悠先輩、右から、ロボットみたいなのが来る!』

りせの声が悠の頭の中に響く。

 

すると、右方向の300m先の角から、直立戦車が2機現れる。

 

『ジオ!』

イザナギが一瞬顕現すると同時に直立戦車の頭上から、雷光が降り注ぎ、2機の直立戦車そのまま煙を上げ倒れる。

 

『先輩!南方向からミサイルみたいなのがこっちに複数飛んでくる!』

 

『アラミタマ!!』

悠の右手に青白い炎と共に戦車のアルカナカードが現れ、それを握り潰すと同時に、勾玉に顔がついているような姿のアラミタマが悠の頭上に顕現し、迫り来るミサイルに突っ込んで行き、悉く自らを盾にし防いでいく。

 

『悠先輩!今のうちにその人たちをシェルターに!』

 

「了解」

悠は動けなくなったお年寄りを二人おぶった状態で、市民を先ほどまで居たシェルターまで誘導する。

 

 

後に横浜事変と呼ばれる隣国、大亜細亜連合の侵攻作戦であった。

 

 






悠とりせのみ登場でした。
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