ペルソナ使い鳴上悠と魔法科生   作:ローファイト

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第十五話 さらに修羅場

2096年1月21日(土)18:00

 

 

悠は広大な七草家敷地内にある訓練施設に通され本日のゴースト事件犯人捜索のミーティングに参加している。

ゴースト事件の犯人捜索を行うメンバーは、真由美の兄智一率いる6人。

そして、真由美率いる6人と悠である。

捜査員は全員黒色のウエットスーツのような戦闘服を纏っている。

それぞれ、短銃のような魔法を起動するための装置、特化型CAD又はブレスレット型の汎用型CADを装着していた。

但し、真由美だけが戦闘服は白色でデザインも可愛らしいものを着て、CADはブレスレット調の汎用型CADを装着している。

因みに悠はいつもの、動きやすい普段着だが、その上に防弾チョッキのようなライフジャケットを着させられている。

 

 

悠は真由美からメンバーの紹介をされる。

40代中頃の男性が佐藤隊長。実質この隊の戦闘指揮を執る。

そして、30代の中村副長、中川さん。

20代の藤堂さんに20代女性の飯田さんに石田さんだ。

 

「鳴上悠です。自分の様な若輩者が場違いなのはわかっておりますが、今日はよろしくおねがいします」

悠は無難な挨拶をする。

 

「うむ。流石はお嬢様を救出しただけある。精悍な顔立ちに、度胸もありそうだ。肉体も鍛えてそうだな。鳴上くんよろしく頼む」

佐藤隊長が悠の肩にポンと手を置く。

佐藤隊長はその心の中で(一般人でなければな)と一言付け加えていた。

 

「鳴上さんは、基本的にお嬢様の横で車の中で待機していただき、何か異変や気がついたことがあれば知らせてください。鳴上さんを戦闘に巻き込むような事はいたしませんので、どうぞ安心してください」

20代中盤から後半の大人しそうな女性飯田さんは悠に説明する。

飯田さんは既婚者で既にお子さんが二人いる身だ。

 

「鳴上くんは私の横で、周囲の状況とかを確認してくれるだけで良いから、戦闘になったらこの人達に任せればいいから」

真由美は横の悠を見上げ微笑む。

真由美は周りの目から見ても、機嫌が良いことが丸わかりだ。

 

「お嬢様の復帰最初の捜査だ。さらにお嬢様のご友人までいる。下手なところは見せられん、気合を入れていくぞ」

佐藤隊長はメンバーに檄を飛ばす。

 

「「「了解」」」

 

三列シートの大きな戦闘車両のような車に乗る。運転手は中村副長でその横に悠が座り、真由美がその横助手席に座っている。

 

あらかじめリーナと真由美と悠で、七草家の今日の捜索範囲のスケジュールを元に、大凡のスターズの捜索範囲候補を決め、七草家とスターズでお互いが重ならないようにしていた。

 

さらに、悠は真由美に大きな鏡がある公共施設を中心に探したほうが良いことを進言していた。

それも、捜査に反映され、公園や学校施設がある場所に向かい、車を降り捜索。それを繰り返す。

 

気合い入れて出動したものの、幸いなことなのか5時間程捜索を行ったが収穫は無く。本日の捜査は終了となる。

 

 

悠はこの後、23日、25日と1日おきに真由美に同行し捜査に協力しているが、26日(木)現在。ゴースト事件の犯人。ドッペルゲンガーは見つからない。それはリーナのスターズにも言えることだ。

また、悠自身空いている日はスターズと七草家と被らない様に独自に調査をしているが、奴らを見つけることが出来なかった。

しかし、その間も、ゴースト事件、ドッペルゲンガーの被害者は増え続けていた。

 

 

 

2096年1月26日(木)PM

 

 

悠達は放課後、悠の自宅マンションに集っていた。

今日はリーナのスターズは諸事情により捜査は中止。真由美と悠は非番である。

実はスターズは上層部の監査役と次官クラスの官僚が日本に来日してきたため、その警護に回っていたのだ。

 

「……見つからないわ」

制服姿のリーナはジュースを飲みながら、疲れたように言う。

 

「……被害者が出続けているのに」

こちらも同じく制服姿の真由美が眉を顰めて言う。

 

「俺が4人を助けてから遭遇しなくなった。俺は警戒されているのだろう」

悠は真面目な表情でそう言った。

 

「そうね……」

 

「被害が確認されているだけで、この一週間で3件……いずれも、私達の捜査範囲外で起こっているわ」

真由美は投写型の端末で、テーブルに東京近郊のマップを映し出しながら説明する。

 

「見事に外されているな…………情報が漏れている可能性も考えなければ」

 

「それも考えたわ。スターズメンバーでは考えにくい。となると上層部に居るかもしれないけど、相手はドッペルゲンガーよ人間じゃないわ。裏切り者が居るとは思えない」

リーナも既にその事に気が付き、内部状況を再確認していた。

 

「いや、誰かが既にすり替わっている可能性もある」

 

「私達はドッペルゲンガーの特殊なサイオン反応を感知出来る様にしてあるし……私の部下は大丈夫よ。しかし、制服組や軍部実働部隊以外の人間には徹底出来ていないわね。私の権限では上申は出来るけど、強制はできないわ」

 

「私もその線を疑って、昨日は七草家内で私がそれとなしに、リーナさんから提供されたCADプログラムでなんとか調べたけど、今の所そんな反応を示す人はいなかった」

真由美もリーナと同じく、七草の内部を探っていた。

 

「リーナは引き続き上層部に掛け合ってもらっていいか?」

 

「OK、……今日はルームメイトもいないし、悠に夕食は作ってもらおうかな~」

 

「あなた、鳴上くんの家で夕食をよばれるつもり?」

 

「だって、悠の作る料理って、外食するよりもずっと美味しいもの」

 

「ん?七草も食べていくか?」

 

「え?いいの?」

 

「1人分作るのも3人分もさほどかわらない」

 

「じゃ、私もよばれようかな……」

 

「真由美はさっき私に何か言わなかった?」

リーナはジトっとした目で真由美を見る。

 

「い、良いじゃない!」

 

 

 

そこに、悠の自宅のチャイムが鳴る。

「ん?頼んであった宅配だな……」

この時間に通販で買った商品が届く事になっていたため、悠は何気なしに扉を開けてしまった。

 

「せーんパイっ♡来ちゃった!」

 

そこには、色の薄いサングラスに深く帽子をかぶったりせが手を振って立っていた。

 

「りせ!!……と、突然どうした」

 

「ん?どうしたの悠先輩……さっき悠先輩が家に居るか確認のメールしたよ」

 

「確かにメールは確認して返事した。来るとは思わなかった」

 

「うん、丁度仕事が先方のスケジュールの都合で延期になったから、来ちゃった。それと先輩1人だと寂しいだろうなーって思って」

りせは帽子とサングラスを外し、手土産の箱を悠に渡し玄関へと入ってくる。

 

りせは悠の両親が在宅中に、3度程悠の家に遊びに来ている。一度目は夏休みに稲羽の仲間と一緒に、2度目は直斗と一緒に、3度目は1人で来ていた。

悠の両親がいつもより大はしゃぎし大歓迎していたのが印象的だ。

因みに悠の両親は両方共に自然科学者だ。同じ研究室の教授と助教という立場で、職場でも仲が良い事で有名な夫婦だ。そのため、両親揃って出張はよくあることだった。そのかわりと言って良いのか、子供についてはかなり放任主義である。悠が料理や家事が得意な理由はこの辺にあるようだ。

 

 

「そ、そうか」

何故か焦る悠。

 

「……先輩、誰か居るの?しかも女の人のクツ……先輩のご両親は海外出張中だよね」

 

「あ、ああ、前話したこっちの友達だ」

 

「こっちの…前話した……」

りせはそう呟いてから、悠の腕を自分の腕に絡めて、悠を引っ張り足早にリビングへ向かう。

 

 

「こんばんわ。悠先輩のこっちのお友達ですか?」

悠の右腕に自分の腕を絡ませたまま、アイドルスマイルでそんな挨拶をリーナと真由美の二人の前でする。

 

 

 

「……そういうあなたは誰なのよ?」

リーナは悠の腕を絡ませるりせを見て、刺々しく聞き返す。

 

「く、久慈川りせ…さん………こ、こんばんわ」

真由美はりせのいきなりの登場に驚きを隠せない。

 

「ん?真由美も知っている人?」

 

「リーナさん!この子は今日本で1、2を争う若手アイドルのスターよ」

 

「アイドル?タレントね。何で悠の家にアイドルが来るのよ」

リーナは日本に来てから間もないのと、テレビを殆ど見ないため、りせを知らなかった。

 

そんなやり取りを聞いたりせは…………

 

「私は悠先輩と大の仲良しで、今から先輩とデートなの、だからお引取り願います」

笑顔のまま2人にこんな事を言ってしまう。

 

「おい、りせ、そんな事を言ったらスキャンダルに……」

 

「先輩は黙ってて!」

 

「デートは嘘ね。悠は今から私達の夕食を作ってくれるって言っていたところよ!」

リーナはそんなりせに気後れもせずに言い返す。

 

「先輩の事呼び捨てにした!!あなたこそ何なのよ!!」

 

「私はアンジェリーナ・クドウ・シールズ!悠とは一蓮托生の仲よ!!」

 

「何よ!私なんて!悠先輩のあんな所やこんな所まで隅々まで知っているんだから!!」

それはりせがペルソナ【ヒミコ】で悠にフルアナライズ(完全探査)を掛けたからだ。

決していかがわしい意味ではない。

 

「リ、リーナさん、その久慈川さんも落ち着いて………」

真由美はりせの登場に気後れし、さらに二人の勢いに押されていた。

真由美はりせが悠とは自分たちより親密な仲だということを知っていた。しかもトップアイドルで見た目も自分よりも可愛らしい。そんな事で思い悩んでいたこともあり、気後れしていたのだ。

 

リーナとりせはお互い睨み合っている。

 

「二人共、落ち着け!」

悠は語気を強める。

 

リーナは一度目を瞑って、ソファーに座り直す。

 

「でも!」

しかし、りせは尚も突っかかろうとする。

 

「りせ!」

 

「だって!グスッ、だって…悠先輩とはなかなか会えないし………グスッ、そうしたら、仲のいい女の子が出来て毎日会ってるって言うし……私も毎日会いたいのに……グスッ…悠先輩この頃なにか隠し事してるし………きっと私のことなんか……ふぇ、ふぇえええええーーん」

 

「わかった泣くな」

悠はりせの頭にポンと手を乗せ、優しく擦る。

 

「で、悠……その人は何なの?」

 

「久慈川りせ、俺の親友だ」

 

「ごめんなさい。つい、羨ましくて……グスッ、久慈川りせです。悠先輩の一つ下の後輩で、アイドルやってるの見たこと無い?」

 

「私は日本に留学して間もないから知らなかっただけ、私も突っかかって悪かったわ。私のことはリーナでいいわ」

 

「……私もりせでいい。悠先輩からあなたのことを聞いているわ。私より年下よね。とてもそうは見えないけど……」

りせは悠から事前にリーナの事を悠からある程度、聞いていた。

 

「私は第一高校三年生七草真由美。よろしくね久慈川さん」

真由美はりせが泣いている姿を見て落ち着きを取り戻していた。この子も自分と同じ、悠という青年が好きなただの女の子なんだと感じたからだ。

 

「りせでいいわ。真由美さん」

 

 

「りせ、少し落ち着いたか……今、夕食作るから、そこで座って待っていろ」

 

「……うん」

 

 

 

「ところで、りせは悠と前から友達なのよね。悠って昔っからああなの?お節介やきだし……いつも堂々としているし」

 

「私も悠先輩と出会ったのは一年半前ぐらい、その時からほとんど変わってない」

 

「そうなんだ。鳴上くんはあまり昔の事を話さないから…………」

 

「悠先輩は誰にでも優しいの……だから、悠先輩の一番になりたいけど難しい…………」

 

「アイドルスターのあなたでも?」

 

「悠先輩はアイドルとかそういう一面だけで人を見ないの。だから皆惹かれるんだと思う」

 

「高校でもモテてそうなのよね。鳴上くん」

 

「前の高校でも悠先輩はモテてた。でも、周りに私とか、雪子先輩とかが居たから、告白はなかなかされてなかったなー」

 

「………その、因みに何だけど……雪子さんというのはどんな人?」

真由美は恐る恐るといった感じでりせに聞く。

 

「純和風美人、旅館の若女将なんだけど。私の目から見てもとてもきれいな人。 しっかりしてて自立した女性に見えた。悠先輩の横に立つと背も高いしお似合いなの」

 

「そ、そう、背が高くて、りせさんの目から見ても美人なの……」

真由美はシュンとなる。

 

「性格は天然でいつも訳がわからないツボで笑ってた。お互い信頼仕切っていたけど、でも恋愛って感じはしなかったかな」

 

「そうなの」

ホッとした表情をする真由美。

 

「いつ、どうなるかわからないけど……」

 

「……ほんと、八方美人って悠の事を指す言葉ね」

 

「間違ってはいないけど、リーナさん微妙に意味が違うわ」

 

「聞いていると、悠は女友達しかいないみたいね」

 

「そんな事無い。年齢も小学生からお年寄りまで老若男女問わずに友達も結構いて、学校では部活もやってたし、私達以外だと男友達と一緒の方が多かったと思う。でも、花村先輩と悠先輩の関係だけは嫉妬するぐらい羨ましかった」

 

「なに?悠は男にもモテたの?」

 

「違わないけど、違う。男の友情なのかな、あの二人の間には、誰も入れないというか……」

 

「そうなの……」

 

「悠先輩、ああ見ても、青春ドラマとかの体育会系のノリだったりするから」

 

「そうなの?意外だわ」

「タイイクカイケイ?」

 

「……久々に、こんな事話せてスッキリした。ありがとね」

りせは真由美とリーナに笑顔でお礼を言う。

 

悠の話題で女子トークに花が咲く。

 

 

 

 

 

しばらくして、悠の料理がテーブルに並び、皆は一様にその味を楽しむ。

「悠先輩の手料理、何時食べても美味しー」

「鳴上くん、何時も家で料理しているの?」

「悠をコックで雇いたいわ」

 

「お粗末様」

 

 

 

 

りせは悠と二人で食事の後片付けをキッチンで行いながら、話をする。

 

「悠先輩……二人にペルソナの事は?」

 

「ああ」

 

りせは、悠が二人にペルソナ使いであることを知らせているのかと確認をとる。

その上で次の事を悠に聞いてきた。

 

「悠先輩、私に隠し事しているでしょう。直斗もその話をするとはぐらかすし……私の事を心配して隠しているのも、直斗の反応を見ればわかる。でも、それでも教えてほしい」

 

「りせ……わかった」

 

「………俺は今、事件を追っている。おそらくシャドウが関わっている」

 

「やっぱり…それで?」

 

「実は、あの二人とはその事で協力関係にある………」

 

「そうなんだ。……私も悠先輩を手伝いたい」

 

「……二人にりせがペルソナ使いだとバレてしまう……」

悠はりせがペルソナ使いで有ることを隠し通すつもりでいた。

芸能人やアイドルが魔法師や異能力者であったとなると、世間の目は厳しいものに変わる。

もし、世間にバレでもすると、りせの芸能活動に取り返しの付かないダメージを追ってしまう。

 

「悠先輩が信用している人達なんでしょ?」

 

「しかし」

 

「大丈夫……悠先輩を信じているから……悠先輩が選んだ人だったら大丈夫」

 

「……助かる。但し、りせは芸能活動を優先だ」

 

「……うん」

 

その後、悠はりせに、簡単に今関わっている【ゴースト事件】について説明する。

 

 

 

 

悠とりせは片付けを終え、食後のお茶セットをリビングのテーブルに置く。

 

「悠、りせと何話してたの?」

リーナは少し不満そうな顔をしていた。

 

「ああ、色々とな」

 

 

「二人に話とお願いがある」

悠は立ったまま、真剣な表情で二人の顔を見る。

 

「改まって、なに?鳴上くん」

 

「悠?」

 

「りせは……俺と同じペルソナ使いだ。……その事は秘密にしてほしい」

 

「え?」

「りせも?……どういう事?」

真由美とリーナは驚きの表情で悠の隣に立っているりせを見る。

 

「うん。私もペルソナ使い……でも、悠先輩みたいに戦いは苦手かな………来て!ヒミコ!」

 

りせはその場でお祈りのポーズを取ると、りせの真後ろにスッとりせの倍ぐらいの長身の女性らしいフォルムをしたペルソナ【ヒミコ】が現れる。

そして、【ヒミコ】は両手に持った大きな半透明のリング状ヘッドマウントディスプレイをりせにかぶせる。

 

「……そんな……りせさんまで……」

真由美はりせがペルソナを顕現する姿に困惑する。

 

「……きれい……悠のペルソナとは全然雰囲気が違うわ」

リーナは素直に悠のペルソナ【イザナギ】との違い、りせのペルソナ【ヒミコ】の姿をきれいだと表現した。

 

「私のヒミコは探査やサポートに適した能力を有しているの。だから、この状態の私に隠し事は出来ないわ。ねー悠先輩!」

 

「ごめん」

りせは、自分に隠し事をしてた悠を皮肉ったのだ。

謝るしか無い悠。

実際ヒミコは他人の記憶を読み取る様な能力は無いのだが…………

 

「……探査能力とサポート?」

リーナは呟く。

 

「りせ、力を貸してくれ。この1週間、シャドウ……ゴースト事件の犯人の足取りが全くつかめないでいる」

悠は改めてりせに協力を仰ぐ。

 

「フフッ、任せて!悠先輩!…いっくよー!!敵は何処かな!?ヒミコ!エネミーサーチ!!」

 

「え?なに?」

「りせは何をしているの?」

ノリノリのりせに困惑する二人。

 

りせはこの地域一帯、いや、東京23区の3分の1の範囲をエネミーサーチを行い、シャドウの気配を探っていたのだ。

 

「んん?居た!これだ。悠先輩ここから北西6キロの公園に大きなシャドウ反応3。ここから北に4キロ先で2体が移動中。その2体を…2人づつ合計4人が追ってる。多分この反応は魔法師ね」

 

「まずい。その4人はドッペルゲンガーの罠に嵌まる」

りせが察知したドッペルゲンガーのものと思われるシャドウ反応は合計5体、3体は公園で待ち構え、移動中の2体は囮だ。それに魔法師2人二組が囮を追っているのだ。

3体が待ち構える公園に入った時点で、霧を発生させ、魔法師4人を捕らえるつもりなのだ。

 

「え?どういう事、悠?りせは何をやったの?シャドウ…ドッペルゲンガーの反応ってどういう事?」

リーナは突然の事に困惑していた。

 

「七草、今日の智一さんの部隊は捜査範囲は確か、もっと北のはずだな」

 

「そ、そのはずよ。……でも、りせさんは何を?」

真由美は悠にそう答えるが、突然の事態についていけていない。

 

「だったら?誰が追っている?……確か、警察も動いていると言っていたが警察の魔法師部隊か?」

 

「悠、どういう事!」

「鳴上くん?」

 

「今、りせがペルソナ能力でこの近辺一体広域に探査を掛けた。早速、ドッペルゲンガーを発見した。北西6キロ地点に3体と4キロ地点を移動中の2体、それを追っている魔法師がいる。敵は彼らを罠にかけるつもりだ。敵も単独ではなく集団で待ち構えている」

悠はまだ、状況を把握しきれていない2人に簡単に説明する。

 

「そ、そんな事まで分かるの?」

「凄い…」

真由美とリーナは驚きの表情でりせを見る。

りせはそれに気が付き、ウインクを返す。

りせのペルソナ能力は戦略的価値が非常に高い能力だ。

エネミーサーチだけでも、リーナと真由美のこれだけの驚きだ。

フル・アナライズなどは未知の敵や魔法師の能力や魔法まで全て判明してしまう。

さらに、歌による回復アシストなどの各種アシスト能力を発揮すれば、使いようによっては、りせ1人で戦場がひっくり返る代物だ。

これほど、ありとあらゆる場面で戦略戦術価値を見いだせる能力は、現代魔法に見られないだろう。

 

 

「敵はやはり七草家とスターズの動きを把握しているような行動だ。奴らが集団行動をとっていることからも、こちらの事を警戒しているようだ。…だが、ここから近い!リーナ!すぐに行けるか!」

 

悠はリーナを指名して一緒に向かおうとする。

リーナであれば、鏡の中に閉じ込める術は効かない上、単純な戦闘力では、あの最初の烏人間のドッペルゲンガーを圧倒していたからだ。

 

「行けるわ……でも戦闘装備は今は持ってないの」

 

「時間が惜しい。装備がないとあの凄まじい威力の魔法は撃てないのか?」

 

「…出来るわ!」

 

「私も行くわ!鳴上くん」

真由美が悠とリーナのやり取りに入ってくる。

 

「七草は…………わかった行こう」

悠は真由美の能力を正確に知らないため一瞬迷う。ただ、直斗から優秀な魔法師だということを聞いていたため……不安は残るが同行を許可した。

 

「悠先輩!それにリーナに真由美さん。サポートは任せて!」

 

 

「行くぞ!!」

 

 




次回戦闘ですね。

魔法科高校の来訪者編のストーリーとクロスします。
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