ペルソナ使い鳴上悠と魔法科生   作:ローファイト

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感想ありがとうございます。
誤字脱字報告ありがとうございます。

遅くなりました。
ようやく、話が頭の中でまとまりました。
これでしばらくは、前のペースで行けそうです。



第五十一話 特別遊撃隊始動

2月24日(木)

悠はこの日、東京首都大学へ入学試験を受けに行く。

悠の学力であれば、日本最高峰である東京国立大学も合格可能だったのだが、悠は在籍してる民俗学の教授で選んだのだ。

悠は東京首都大学伝承民俗学山下教授論文で感銘をうけ、すでに教授の講演に数度訪れ、コンタクトを取っていた。

悠の学力は全国でもトップレベルであり、何もなければ、まず合格は間違いないだろう。

 

 

ドッペルゲンガーが稲羽市に現れ、12日が経過する。

その間、ドッペルゲンガーの動きは全くなかった。

それらしき事件すらも起こっていない。

勿論りせのエネミーサーチにも引っかかってない。

 

政府内部では立て続けに戦力を失ったドッペルゲンガーは、活動ができないまでの戦力ダウンを被ったのだろうと言う見方が広がっていた。

今はドッペルゲンガーは失った戦力の回復や充実を図り、息を潜めているのだろうと……

ドッペルゲンガー対策室では、その間に政府内部や企業内部等に食い込んでいるドッペルゲンガーを一掃すべく、USNAから提供されたドッペルゲンガー特有なサイオン波を検出するプログラムをさらに改良したものを使い、手始めにドッペルゲンガー関連に関わってる警察や軍人員や魔法師の検査を始めていた。

また、ドッペルゲンガー対策室が立ち上がったと同時に、警察や軍、魔法師の中で、失踪した人間が数人おり、スパイ活動を行っていたドッペルゲンガーだった可能性が高いと見て、その足取りも追っている。

 

但し、ドッペルゲンガー対策室も、悠の特別遊撃隊も、この日ばかりは警戒せざるを得なかった。

情報が洩れているのであれば、悠という対ドッペルゲンガーの最大戦力が日中居場所固定され、悠の神出鬼没なイレギュラー性が失われるからだ。

 

軍部も警察もいつも以上に増員し警戒を厳にする。

全国の魔法科高校や魔法関連施設は厳重な警備体制を敷かれることになる。

 

ドッペルゲンガー対策室発足以降、全国の魔法科高校では第一高校の教訓を生かし、手始めに対テロ対策の一環と称し、鏡の撤去、鏡の設置は最低限のトイレや更衣室等にとどめること。学内でのCADの装着許可の簡便性を図る事を通達する。

これだけでも、鏡に映ったものを取り込む『鏡の牢獄』の予防になり、ドッペルゲンガーの不意打ちにも対抗できる可能性が高くなる。

それ以外の魔法関連施設にも、特に鏡の設置については、撤去が進められた。

 

 

 

そして……

2月24日9:40分

12日間の沈黙を破りついにドッペルゲンガーは動いた。

 

 

八王子にある八王子特殊鑑別所及び特殊少年院、特殊少年刑務所、がドッペルゲンガーに襲われたのだ。

 

八王子のこれらの特殊施設群は同じ敷地内に設置され管理されている。

いわゆる魔法適正や魔法技能を有する何らかの犯罪行為や特殊な事情を持った未成年が入所する施設なのだ。

鑑別所は拘留、観護処置施設。少年院は16歳未満の保護処分、受刑者が在院する再教育施設。少年刑務所は18歳未満の刑に服するための施設となっており、一般的に後者になるにつれ、罪が重い少年、少女が収容される。

通常の少年院や少年刑務所と違いここでは少女も収容されている。

当然施設設備は男女で完全に分かれている。

 

魔法師及び15歳以上の魔法大学や魔法科高校などで学ぶ実戦に耐えうる魔法適正者の人口は、日本の全人口の僅か0.02~0.03パーセント。おおよそ3万人程度と言われている。

それ以外にも15歳未満の魔法適正者や魔法師に認定されていない所謂野良の魔法師もいる。

 

その中で18歳未満の魔法適正者で、このような施設に収容される人数も全国でここ一か所で賄える程度の人数なのだ。

だが現在、通年に比べ収容される人数が多い。

昨年起きた、ブランシュによる第一高校襲撃事件での未成年犯罪者がここに十数名収監されているからだ。

それでも現在は全施設で70名程度しか収容されていない。

 

 

逆にそれがあだとなった。

魔法師は人数も少ないため、常に人手不足であり、他の重要な施設の防衛に回され、この施設はドッペルゲンガーへの対策、特に防衛人員の増員は後回しにされていた。

それでも、通年に比べ、警備員は増員されているが……

そもそも、この施設の警備員や職員に一般人が多い。施設内は対魔法師用の設備が充実、アンティナイトを施した装備を施設警備員が常備し、魔法師が魔法を使えないよう環境が整っているのだ。

護送要員や外部警備員、緊急対応要員と常駐してる魔法師はそれほど多くはない。

 

そこをドッペルゲンガーに狙われたのだ。

ドッペルゲンガーの目的は魔法師の生命エネルギー、サイオンの奪取。又は『鏡の牢獄』による仲間の増殖が狙いだろう。

 

突如として謎の霧が発生し、施設群全体が霧の結界に覆われ、そして『鏡の牢獄』により、施設内の鏡が閃光し、鏡に姿を映しだされた施設内の人間は鏡に取り込まれる。

しかし、鏡に取り込まれる被害は少なかった。鏡の数を必要最低限までに減らした効果が出たようだ。

 

仮面を被った全身黒ずくめの服装をした4体の人型形態のドッペルゲンガーが次々と四方から敷地内にその姿を現す。

ドッペルゲンガーは示し合わせたように、2組に合流し、この施設の二つしかない出入口へと向かおうとする。

 

 

 

 

『皆!来たわよ!!』

 

 

「悠の予想通りね……了解したわ」

「流石としか言いようがないわ」

施設総合受付前で待機していたリーナと真由美。

りせからの通信でドッペルゲンガーが施設内に侵入し、霧の結界を張り出したことを知る。

真由美は、受付に緊急事態であることを告げる。

職員も魔法師を狙ったテロが起こる可能性がある事は事前に通達があり、さらに十師族七草家の代理と名乗る真由美の指示に素直に従い、施設内全域の職員に緊急体制を取るように指示をする。

 

「お兄様、鳴上さんの推測通りですね」

「ああ」

裏側搬入口で待機していた深雪と達也は、りせのテレパスによるドッペルゲンガー接近の報告を受け、戦闘準備に入る。

達也はりせのテレパス通信性能に驚きながらも興味を持つが、今は目の前の事に集中し、興味心を引っ込ます。

 

「本当にここに来やがった」

「……敵の数も予想範疇よりも少な目かな」

「りせ姉さま。了解よ」

敷地内にある駐車場で待機していたレオと幹比古とエリカもりせの報告を聞き戦闘準備に入る。

 

 

『皆!準備はいい!?パーティーの始まりよ!!』

 

((((了解))))

 

 

 

 

 

さかのぼる事……

2月21日(月)3日前、夕刻。悠達特別遊撃隊は、悠の自宅に今日も集まっていた。

 

「ドッペルゲンガー、現れないね」

幹比古はソファーに腰を下ろしながら、誰となしに声を上げる。

 

「兄貴たちも、捜索してるらしいけど、全くって言ってたわ」

エリカもソファーに腰を下ろす。

エリカの兄は警察でドッペルゲンガー対策室の命令で、警察組織を使い首都圏南地区の陣頭指揮を執っていた。

警察組織もドッペルゲンガーに出くわすどころか、形跡も見つけることができないでいた。

 

「こっちも同じよ。まったく手がかり無しよ」

真由美は悠が淹れた紅茶を口にしながら答える。

七草家は十文字家と合同で軍組織を使いながら、捜索を行っていたが、手がかりは無しだ。

他の十師族も協力関係にあるが、自らの勢力の担当地方の防衛に専念している。

 

「りせも探査に引っかからないって言っていたわ」

リーナはテーブルの上に置かれているクッキーを手に答える。

りせは、仕事の合間を縫って、エネミーサーチを行っているが、全く反応がないとの事だ。

 

「……お兄様、どう思われますか?」

深雪はティーカップ片手に横に座る達也に尋ねる。

 

「相手は相当消耗してる。さらに、こちらが本格的に捜査網を引いている現状だ。動くに動けないのは確かだろう」

達也は投影タイプのタブレット端末を操作し、テーブルに投影された地図を見ながら答える。

 

「はぁ、折角仲間に入れてもらったのによ。活躍の場は無しかよ」

レオはソファーに持たれかかって、投げやりな言動をする。

 

「美月はどう思う。怪しい気配とか感じる?」

 

「何もわからないわ。でもエリカちゃん、あの時は、たまたまドッペルゲンガーとかの気配がわかっただけかもしれないし……」

エリカの質問に美月は自信なさそうに答える。

 

 

「悠、今日はどうするの?」

リーナはキッチンに居る悠に聞く。

 

「そうだな。闇雲に探しても、成果は上がらない。何かを見落としているかもしれない。もう一度よく皆で考えよう」

悠は今来たばかりのエリカと美月、幹比古、レオの4人分の紅茶と茶菓子を運びながら答える。

 

 

 

悠はレオと美月を正式にメンバーに加えていた。

美月は戦闘面ではなく、主にりせの要望で、サポート要員という事らしい。

悠は事情が分かってる人間がりせの近くにいるだけでも心強いだろうと了承した。

悠を筆頭に、七草真由美、アンジェリーナ・クドウ・シールズ、千葉エリカ、司波達也、司波深雪、吉田幹比古に、西城レオンハルト、柴田美月を加えたこのチームをドッペルゲンガー対策室から特別遊撃隊と便宜上呼ばれることになった。

 

あのバレンタインデー以降、ほぼ毎日、悠の自宅にこのメンバーは集まった。

流石にりせは来ることはできない。通信で何度か話に参加する程度だった。

 

悠は手始めに皆にドッペルゲンガーについての知識を1日駆けて一通り教え込む。

次に戦闘になった際の対応や対策、連携や陣形についてを教え込む。

皆は魔法科高校の授業には実戦形式の訓練が組み込まれているため、ある程度慣れているが、飽くまでも対人戦闘での話だ。

敵はドッペルゲンガー……シャドウは異世界の化け物だ。人間形態の時は制限はあるようだが、本来の姿に戻ったドッペルゲンガーは多種多様な攻撃手段を持つ。

物理法則を無視したような人では考えられないような攻撃方法を使ってくることもあるのだ。

それに人間形態時でも油断がならない。元となった人間が使用できる魔法という制限はあるがCAD操作無しに魔法を放ってくるのだ。しかも、威力も性能も、元となった人間よりも断然優れた性能でだ。

 

ドッペルゲンガーとの戦闘において、重要なのは、多種多様な属性攻撃が出来ることである。

相手の弱点属性を突けることは、かなり優位に働くからだ。

その点で一番なのはオールラウンダーな真由美だ。次は意外にも幹比古だ。各種古式魔法を使用できる幹比古は得意、不得意はあまりなく、スピードや攻撃力は現代魔法に劣るが応用範囲は広かった。

次にリーナと深雪だ。得意、不得意はあるが、各種多様な魔法が使用できるからだ。

後のエリカ、レオ、達也は物理攻撃がメインとなる。

達也の戦闘の要となる分解・再成魔法は直接ドッペルゲンガーに通用しない。ドッペルゲンガーの組織構成が読めないためだ。

まあ、クラスメイトに分解魔法は隠したい達也にとって、都合が良いと言えば都合がいいのだが……今の所、ドッペルゲンガーに有効な攻撃方法はマテリアル・バーストのみだが……最終手段となる。

 

達也は悠から教えて貰った知識を元に、皆のCADを対ドッペルゲンガー用に調整することを提案し、達也自ら皆のCADの調整を行う。

流石にUSNA軍の機密が詰まったリーナのCADと独特な形状を持つエリカの刀一体型のCADは調整は出来なかったが、2人は達也が示した調整方法を元に、それぞれ持ち帰って調整をしてもらうことになった。

 

その後は、外での実地訓練だ。魔法を使う訓練ではなく。敵に合わせた陣形や連携の組み合わせについてだ。

 

4日かけて、一通りの知識や訓練を行った後、街中に出て、捜索をしたのだが、丸2日何も成果が上がらない状態だった。

 

 

 

 

2月21日(月)に話を戻す。

「ドッペルゲンガーの狙いは、魔法師を狩り、生命エネルギーとサイオンの確保。そして、仲間を増やすことだ。最終的には異界の門を開けることだが、今はそのエネルギーは確保できていないため、異界の門を開けることは無いだろう。奴らの当面の目的は魔法師を狩る事だ」

悠は皆にそう話し出す。

 

「……前も聞いたのですが、ドッペルゲンガーが本人に成り代わるということは……私達も捕まるとそうなるんですか?」

美月は恐る恐る悠に聞き返す。

 

「そうだ。俺の予想だと、ドッペルゲンガーが当たりと称した魔法師は、ドッペルゲンガーの仲間になる何らかの適性を持った人物だろう」

 

「ということは僕と、エリカとレオは大丈夫なんだ。でも柴田さんは当たりだって」

幹比古は複雑そうな顔をする。

 

「幹、大丈夫って、当たりじゃない私たちは、前のレオみたいにエネルギー全部吸い取られてすぐに殺されちゃうのよ!」

エリカは声を大にする。

 

「……俺は死んじゃいないぞ」

レオは憮然としていた。

 

 

「……国防軍や警察、りせさんでも見つからない。そして、被害も出ていない。今はドッペルゲンガーに動きがないと言う事よね」

真由美は悠に向かって聞く。

 

「今は……、何れドッペルゲンガーは動く」

 

「……次に動くとすれば、鳴上さんの受験日である三日後が可能性が高い。鳴上さんは奴らにとって最大の天敵だ。鳴上さんが動けない日を狙ってくるのは当然だ」

達也は悠の意見に同意しこう続ける。

 

「でも、お兄様、鳴上さんがどこを受験するなんて、ドッペルゲンガーは知ってるのでしょうか?」

 

「奴らのスパイはつい最近まで、政府内に潜り込んでいたと聞いてる。ならば鳴上さんの情報が洩れてる可能性は十分にある。それ以外の学閥などにも潜り込んでいる可能性も考慮する必要がある」

 

「俺も達也と同じ意見だ」

 

「だったら、悠だけ受験日を変えて貰ったら?」

リーナは気軽にそんなことを言う。

 

「いや……変えたとしても、またどこかで情報を握られるかもしれない。変えて油断するよりも、変えないで準備を厳重に行った方がいいだろう」

 

「……俺も同じ意見です。鳴上さん。……しかも相手が出てくるのであれば、姿を現さなかった奴らを討伐できる機会です」

 

「でも、問題があるわ。ドッペルゲンガーがどこに現れるかよ」

真由美は根本的な問題を提示する。

 

「七草先輩の言う通り予想は付きにくい。現在、ドッペルゲンガー対策室は全国の魔法関連施設。特に教育機関等に、厳重な警戒を行ってる。容易には手が出せなくなってるはずだ……だが、奴らはどこかを狙ってくる。警備が薄い場所かまたは、何らかの作戦が優位に働く場所か」

達也は真由美の意見を聞き、考える仕草をする。

 

「皆、魔法師が集まる場所を教えてくれないか?俺はその辺の事はさっぱりわからない。一時的なイベントでもいい」

悠は皆に意見を聞く。

 

皆はそれぞれ思い思いに、魔法師の集まる場所を言っていく。

 

「家も意外と集まるわよ。千葉道場の門下生は魔法師も多いし、現役の警察官や国防軍の人も結構いるしね」

エリカの実家の千葉道場は警察組織や国防軍にも門下生を多く抱えているのだ。

 

「なるほど……」

 

「そうなると、十師族や百家の各家も考えられるわ。皆、優秀な魔法師を雇っているはずよ」

真由美の意見ももっともだ。魔法師族は皆、何らかの形で魔法師を確保している。

 

「どこも可能性が高そうに聞こえるよね。うちの家大丈夫かな?」

幹比古の実家吉田家も古式魔法の大家として、古式魔法師の門人を多く抱えているのだ。

 

「……そういえば魔法師が犯罪を犯した場合、専用の刑務所とかある?」

悠はしばし考え事をし、皆に質問をする。

 

「一般の刑務所とは別に、確かに魔法師が集まってます」

 

「どれだけある?」

 

「……日本には埼玉に人里離れた場所に1か所のみです。そもそも魔法師自体、全人口に対して3万人強ですから、犯罪率は一般人に比べ高くとも、それほど人数は居ません……いや!?」

達也が悠の質問に答えるが……途中で何かを思い出したようだ。

 

「お兄様?」

 

「それ以外に魔法師による国際犯罪者専用の刑務所があります。さらに横浜事変。あれで捕虜となった大亜連合の人間が少なくとも300人以上近く居るはずです。……どこかの国防軍の施設か……その国際犯罪者専用の刑務所です」

達也は投影型のタブレットを操作しながら話し出す。

 

「そんなに……確かに可能性は高そうだ」

 

「達也君。確かにそうだけど、あそこは日本で一番、警備が厳重な場所よ。魔法師も多く投入されてるわ。そんなところを狙ってくるかしら?」

真由美は達也の意見を聞き

 

「どれくらい投入されてるんだ七草?」

 

「今は厳戒態勢だから魔法師だけでも200人以上手練れの魔法師が常駐してるはずよ。一般の軍人だけでも1000人は居ると聞いたことがあるわ。さらに軍基地からも近いからすぐに軍が到着できる位置にもあるし。全国の魔法科高校を狙うよりも困難よ」

 

「……ドッペルゲンガーが日本で増殖した数の予想は20体前後、被害に遭った魔法師で行方不明、または遺体が後日に上がった例を見ると、その程度だとドッペルゲンガー対策室も予想してる」

悠もドッペルゲンガー対策室の予想した数字は大方あってると見ていた。

 

「実際に奴らも全員投入とは行かないでしょう」

達也は思考を巡らしながらも答える。

 

「流石に無理がある………一応、ドッペルゲンガー対策室にもこの件報告をするか、すでに対策を打ってそうだが………他にそんな所は無い?」

 

この後も議論を続け……そして、導きだした答えがここだった。

ドッペルゲンガー対策室も国際犯罪者専用の刑務所等については警戒していたが、この特殊施設群については重要度が低かった。

こういう施設だが、どちらかと言えば、魔法科高校等に入学できない能力不足な魔法適正者などが、犯罪に走るケースが多いため、それほど重要視されなかったのだ。

 

 

 

悠は、ドッペルゲンガーの現有戦力と、こちらの裏をかき狙ってくるとしたらここではないかと予想する。

 

 

ドッペルゲンガー対策室のトップクラスにのみ、ここを当日特別遊撃隊で警備することを伝えていたが……見事的中。

 

 

 

 

 

 

2月24日(木)10:20

 

特殊施設群から霧が晴れる。

悠の不在にも関わらず、特別遊撃隊は、4体のドッペルゲンガーを撃破。

施設の負傷者ゼロで終わった。

 

 

『もう反応はないわ!皆お疲れーーー!』

りせは自宅から皆にヒミコを通じてテレパスで指示を与えていた。

 

「ふぅ、マジで俺たちだけでアレを倒せたな」

「まあ、七草先輩の魔法の汎用性にはびっくりだけどね。ドッペルゲンガーに何もさせないで、弱点をとことん攻めるし」

「りせ姉さまよ。指示が的確過ぎるほど正確なのよ」

レオ、幹比古、エリカは戦闘態勢を解きながら、ホッと息を吐き、笑顔も漏れる。

 

「悠君が居なくてもなんとかなったわね」

「……真由美、前に比べ能力が全体的に高まってない?」

「……七草先輩」

「確かに調子が良かったみたいね。でも、止めを刺したのはリーナさんと深雪さんと千葉さんよ」

「魔法の発動スピードがケタ違いに早かったわ。……悠と何かあった?」

「ななななな、なんでそこに悠君がでるのよ!!そ、そうよ。きっと一昨日受験が終わってホッとしたからだわ!」

「……七草先輩」

真由美はホッと息を吐くが、その真由美にリーナは質問攻めをする。深雪も横で何かを言いたげにしていた。

 

「……りせさんの指示が凄まじく的確だ。なんなんだ。しかもこのテレパス能力だ。本人は都心の自宅にいると言うのにだ」

達也はそんな3人娘をしり目に、独り言ちていた。

 

『なによ達也。何か文句ある?』

それすらりせには筒抜けなのだが……

 

「いや……」

達也はりせの能力の異常さに気が付き始めていた。

 

 

 

「りせさん。こちらに攻めてきた数がこれだけって事は、やっぱりもう一つの方は……」

幹比古はりせにとあることを聞く。

 

『そうね。あっちの方でドッペルゲンガーを察知したわ。これも悠先輩と達也の言ってたとおりの、同時攻撃ね。援軍をそっちに向かわせるために、時間差をわざと付けたみたいだけど。それもお見通しよ!』

 

「……やはりか、手ごたえが無さ過ぎたからな。大方こっちは囮だろう」

 

「でも、お兄様、私たちが居なければこちらも大変なことに……、さらに軍の援軍もこちらに向かうことになり、本命の方が落とされる可能性が高くなっていたはずです」

 

 

『後は任せたわ!私はシャドウワーカーのサポートに入るね!』

 

 

 

 

 

 

 

 

 

一方りせがあっちと称したとある施設の厳重に施錠された狭い一室では……

 

「……外が騒がしいな。僕は今は静かに過ごしたいだけなのに、まったくやになっちゃうよ」




真由美がパワーアップしてる模様。
それはコミュレベルのおかげかな?

最後の方は、……皆さんご存知の方です。
あの人がついに……



りせは風花とはテレパスを開いています。それでサポートをするようです。
現実世界ではりせの方が圧倒的に能力が高い状態です。
ただ、霧の結界や異世界の中に入れば、風花も能力がフルに使えます。(現実世界に干渉しにくいですが)
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