ペルソナ使い鳴上悠と魔法科生   作:ローファイト

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感想ありがとうございます
ご指摘や誤字報告ありがとうございます。

悠の口調についてですが、すみません大分不完全であると思います。
ちょいちょい、変更していきますので、ここがおかしいとかありましたら、遠慮なくご報告ください。助かります。

今日、再度妄想チャージして、口調を脳内再現してみますが………自信なし><
ゲームのほうなのかアニメのほうなのか、結構混ざりそうです。

9話のタイトルは良いものが思い浮かばないので、すごいテキトーに、なにかいい案があれば……よろしくお願いします><








第九話 リーナとスターズと敵と…

2096年1月12日(水)PM

 

放課後、悠はいつも通り女生徒達を素早く巻いて、学校を後にする。

 

七草家を訪ねると、執事風の家人が真由美の部屋まで快く通してくれた。

 

「鳴上くん、来てくれたんだ」

真由美は嬉しそうな表情を浮かべ、ベットから体を起こす。

 

「大分顔色は良くなったな」

悠はベッドの横に置いてある椅子に座り、真由美の顔を伺う。

 

「そうね。ようやく自分で起き上がれるようになったわ」

 

「そのうち体の調子も戻ってくる。……七草」

悠はそう言った後、居住まいを正す。

 

「なあに鳴上くん、改まって」

 

「横浜での事を話さないでくれて、ありがとう」

悠は真由美に、改めて横浜で魔法師相手に戦っていた事を家族にも黙っていてくれた事のお礼を言う。

 

「約束だもの。鳴上くんもこうやって、約束を守って会いに来てくれるからお互い様」

真由美は微笑みながら答える。

 

「助かる。それとこれはお見舞」

悠は手提げ袋から白い小箱を取り出し真由美に渡す。

 

「何かしら……まあ、美味しそうなケーキ。ありがとう!甘いもの好きなんだけど、家の人が病人だからってフルーツは食べさせてくれるけど、ケーキとかお菓子は出してくれないのよ!その、鳴上くんがわざわざお店に行って買って来てくれたの?」

悠が手渡した白い箱の中には、モンブランやショートケーキなどのカップケーキを数種入っていた。

甘いものが好きな真由美は嬉しそうに悠に礼を言い、頬を緩ませ微笑みながら質問をする。

男子高校生が一人でケーキ店に行くことなど、この時代でもほぼ無いと行っていいだろう。わざわざ女性ばかりのケーキ店に行き、自分のためにケーキを注文する悠の姿を想像するだけで、にやけずにはいられない。

 

「いや、作った」

 

「え?……これを鳴上くんが?」

しかし返ってきた返事は真由美の想像を超えるものであった。

真由美は改めて、まじまじと悠の顔を見る。

 

「自信作だ」

悠は得意そうに言う。

 

「こ……これを………鳴上くんが…、あ、ごめんなさい。お茶を用意させるわね」

真由美はしばらくケーキと悠の顔を交互に見比べるが、思い出したように家人に紅茶の用意を頼む。

 

 

部屋の窓際にある、おしゃれな白い丸テーブルに家人はティーセットを用意し、真由美も悠に手を取ってもらいベットから降り席に着き、ティータイムを楽しむ。

 

「美味しい!これ本当に鳴上くんが?プロ顔負けね」

 

「お粗末さまでした」

 

「鳴上くんがお菓子作りが趣味だなんて、意外ね」

 

「趣味じゃないけど、料理や家事は得意なほうだ」

 

「そ、そうなの……なんか女の子として負けた気がする」

真由美は声はだんだんと小さくなる。

 

 

「そういえば、昨日、第一高校の留学生に出会った。日本は不慣れなようだったから、買い物に付き合ってあげることになって、七草は知ってるか?」

 

「え?アンジェリーナ・クドウ・シールズさんに会ったの?」

 

「ああ、そのアンジェリーナさん…リーナだ。何故わかった?留学生は七草の高校ではリーナ一人なのか?」

 

「そうよ。魔法科高校で留学生なんて本当はありえない話なのだけど……」

 

「ありえない?……どういうことだ?」

 

「優秀な魔法師は、海外への渡航は禁止されているわ。魔法技術や優秀な魔法師の流出が懸念されるためよ。それが同盟国のUSNAであっても同じ」

真由美の答えは、悠が思っていた事と逆であった。悠は海外に留学出来るほどの学力がある優秀な人材だから、留学出来たと思っていたのだ。

 

「じゃあ、なぜリーナは?」

 

「国家間で何らかの裏取引があって来たのよ。……しかもアンジェリーナさんはかなり優秀な魔法師だわ。……こんな事は思いたくないのだけど、その目的はスパイ活動であると……日本の魔法技術や、魔法師育成方法など……、公然の秘密なのだろうけど」

 

「なるほど……」

悠はリーナの昨日の困ったような作り笑いと、一昨日、夜中に出会ったUSNAの魔法師部隊と思われる一団の事を思い出す。

もしかすると、リーナもあの部隊と同じ目的で活動しているのではないかと……

実際には、あの少佐と呼ばれた仮面の女性こそリーナその者だったのだが、今の悠はそれにまだ気がついていない。

 

悠はあのUSNAの魔法師部隊を見かけた件について、本当は真由美に相談したかったのだが、まだ本調子ではないのと、今の真由美の話からすると、もしかすると、自校の留学生であるリーナが関わっているかもしれないと、思い悩む可能性が高いと考え、今は話すべきではないと判断する。

 

「それで鳴上くんはなんで買い物を手伝ったの?彼女が美人だからかしら?」

真由美はジトッとした視線を悠に送る。

 

「確かに美人だった……」

悠は昨日の事を思い出す。リーナは確かに美人だが、それよりも要領が悪そうな行動に気が気でなかったのだ。

 

「……目の前に女の子が居るのに、他の女の子を褒めるのはどうかと思うわ」

真由美は頬を膨らませ抗議するかのような口調だ。

 

「えええ?……七草が自分で話をふってきたんじゃ?」

 

「知りません!」

頬を膨らせたままプイッと顔を横に向け目を瞑る真由美。

 

「困ってそうだったから、ほっとけなかった」

 

「………仕方ないわ。鳴上くんだものね」

真由美はため息を吐きながら、正面の悠に顔を向ける。

 

真由美の表情を見、答えは正解だったようで、悠はホッと息を吐く。

 

 

そんなこんなで、しばらくティータイムを楽しんだ後、悠は七草家を後にする。

 

 

 

 

 

 

 

2096年1月13日(木)20:30

 

悠はこの日も、鳥人間達の捜索を行っていた。

捜索は、渋谷区から人通りが比較的少ない世田谷区方面へ足を伸ばしていた。

 

閑静な住宅街を速いスピードで走る一団を憑依させたペルソナが感知し、悠はそのまま追跡を開始する。

どうやら、感知した一団は、あのUSNA魔法師部隊だ。しかも何かを追っているようだ。

 

目視可能な範囲まで追いすがると、あの奇妙な仮面と格好した女性率いるUSNA魔法師達5人が黒ずくめの黒いマントを羽織っている人間を高速移動で追っていた。……そのマントの人間は悠が真由美を助けたときに遭遇した烏人間の格好と似ている。本人である可能性が高い。

 

 

そして、黒マントの人間と追いすがるUSNA魔法師部隊は、とある中学校の敷地へと入っていく。

 

(やはり、予想通りだ。黒マントは烏人間かその仲間だな。あの魔法師部隊を罠に掛けるつもりだ)

 

悠は遅れて、中学校の敷地へと……

やはり、敷地はあの霧に覆われている。

体育館の方で激しい光と轟音が鳴り響く。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

リーナ達のUSNAが誇るエリート魔法師部隊スターズは捜索中に黒マントの男を発見し、それを追っていた。

 

(間違いないわ。この反応は奴らね)

リーナは今、スターズの総隊長アンジー・シリウス少佐として、対抗魔法パレードを発動させ、あの恐ろしげな奇妙な格好をし、部隊を率いている。

 

リーナ達、USNAの魔法師部隊は烏人間達の仲間と思われる黒マントの事を知っていた。

というよりも、日本へ何らかの方法で入国を果たしたUSNA軍のメンバー全員が、黒マント達の捕縛及び抹殺が最優先任務として通達されていたのだ。

そのサイオンの反応が独特のパターンであることを知っており、その事から黒マント達を特定することも出来ていたのだ。

 

 

とある中学校敷地へと、黒マントが侵入、それを追ってリーナ達スターズのメンバーも散開しながら、中学校敷地へと突入する。

 

外からは全く見られなかった霧が立ち込め、視界がかなり狭まる。

 

散開したメンバーは敷地の真ん中へと魔法で探査を掛けながら進む。

すると校庭の真ん中で黒マントが待ち構えていたのだ。

 

「……ふっふっふっ、流石ですねスターズが誇る総隊長殿、私を追い詰めるとは」

黒い仮面を被った黒マントの男の声色に余裕が伺える。

 

「御託はたくさん。これは罠なのでしょう。ハミルトン少尉!いえ、そのドッペルゲンガー!!」

リーナは黒マントの男の事を知っていた。

 

目の前に居る黒いマントの男は元スターズでリーナの部下だった男、いや、ドッペルゲンガーとリーナに呼ばれているあたり、本人とは別の存在の可能性が高い。

ドッペルゲンガーとは、日本では、影法師やら分身体などと呼ばれているもので、魂が乖離し現れるもう一人の自分というニュアンスがある。まるでペルソナやシャドウと似ている意味合いを持つが、こちらはどちらかというと病や病魔の意味合いが強い。

海外では自身を投影した悪魔や悪霊の類ともされているものだ。

ここで言うドッペルゲンガーはリーナのニュアンスでは、本人をコピーした悪霊や悪魔といったところだろう。

 

「ほう、そこまでわかって来るとは、よっぽど自信がお有りのようで、アンジー・シリウス少佐」

 

「ハミルトン少尉は何処に!」

 

「マーク・ハミルトンは私ですよ……いえ、私が真のマーク・ハミルトンになったと言っていいでしょう」

 

「訳が分からないことを!!」

リーナは叫びながら右腕を横に水平に振る。

部下たちへの攻撃指示だ。

 

ハミルトンと呼ばれた黒マントの男にスターズのメンバーは四方から、魔法攻撃を放つ。

しかし、ハミルトンはファサッと黒いマントをたなびかせ防御魔法を展開し、魔法攻撃を防ぎながら、校舎の昇降口へと素早い走りで逃れていく。

 

リーナは手を振りで部下に指示を出し。

3名はそのままハミルトンの後を追い。リーナともう一人は裏口の方へと先回りをする。

 

校舎内から、数度、カメラのフラッシュの様な閃光が漏れる。

 

リーナは一人の部下と共に裏口で待ち構えていたが……ハミルトンは校舎の2階から、体育館へ向かうルートを通っていることを感知。

 

リーナ達は体育館へ突入。

一拍おいて、体育館のあらゆるところから、まばゆい光がリーナ達を襲う。

魔法の気配は感じられなかった。しかし、リーナと部下一人は防御魔法を展開しつつ回避行動を取る。

 

一瞬の閃光が収まると、リーナの近くに居たはずの部下が居ない。

魔法攻撃や衝撃などは伝わってこない。血や残留物の後も無い。

リーナは瞬時に確認をするが、何が起こったかわからなかった。

 

 

「総隊長……あなたは、なぜ、吸い込まれないのですか?鏡に映ったはずなのに」

ハミルトンは体育館の2階層部の手すりに立って、顎に手をやり不思議そうにリーナを見下ろす。

 

「何を言っているの、彼を何処にやったの!?」

 

「そうかパレードか!厄介な魔法ですね。認識阻害と聞きましたが、相対位置などもズレをおこしているのですね」

ハミルトンは一人納得したふうな口ぶりをする。

先程の光は鏡から放たれたものだった。その光は、鏡に映ったものを鏡に取り込む力がある。

しかし、リーナに同行していた部下は閉じ込める事が出来たが、リーナは対抗魔法パレードが発動していたため取り込む事ができなかったのだ。

 

リーナはハミルトンに向かい、細いナイフを数本取り出し、投擲する。

ハミルトンは黒いマントで防ごうとするがナイフは自由に意思を持ったかのように軌道を変え、首筋を狙う。

ハミルトンは防御魔法を展開しながら、回避行動を取る。

さらに、リーナはCADを片手に操作しながら電撃を次々とハミルトンに向かって放つ。

 

「小癪な」

 

「私には勝てない!」

 

ハミルトンは回避し続け、電撃も防御魔法でなんとか耐えていたが、ついに直撃を受け、体育館の床に落ちる。

 

 

「フハハハハッ、小娘!調子にのるなよ!この姿に恐怖しろ!!」

そして、ついにハミルトンは巨大な禍々しい烏人間の姿へと変貌していく。

 

「正体を現したわね。ドッペルゲンガー!!」

リーナはその姿に一瞬目を見開き驚くが、慌てずに戦闘体勢を取り、CADを操作する。

リーナは知っていた様だ。相手がこのような常識はずれな変貌をすることを……

 

烏人間となったハミルトンは翼を羽ばたかせると、風圧と共に、羽の刃が無数にリーナを襲う。

 

リーナはそれを難なく障壁を張り防ぐ。

 

ハミルトンは足のその鋭い鉤爪でリーナを襲うが、リーナの障壁の前に阻まれる。

 

ハミルトンはそのまま体育館の中空に移動し、羽を羽ばたかせ竜巻を2つ起こし、リーナに放つ。

 

リーナは2つの竜巻に潰されるように飲まれて行く。

 

「フハハハハッ、さすがの総隊長殿もこれには手も足も………」

ハミルトンは高笑いしそう言いかけるが……

体育館全体が放電したかのようにスパークし、竜巻はかき消され、体育館全域がプラズマが飛び交う灼熱の地獄と化する。

 

「グワッーーーーー!!」

烏人間はそのまま煙を上げ床に落ちる。

 

リーナの魔法『ムスペルスヘイム』だ。

 

「威力は弱めた……私の部下は何処、本当のハミルトン少尉は何処!?…次は本気で放つわ」

リーナは冷めた目で鳥人間を睨みつける。

 

「グッ…………流石に分が悪い」

烏人間はゆっくりと起き上がる。

 

「何処!!」

リーナは魔法を放つ構えをし、威圧する。

 

「その魔法はよした方がいい。先程まで居たあの男(部下)はそこに閉じ込めた。その魔法で鏡が破壊されるとどうなるかわからんぞ」

烏人間が視線を向かわせた方向をリーナはチラリと見る。

 

すると体育館に常設してある大きな姿見鏡に倒れている部下が映っているのだ。しかしその肝心の鏡に映っている部下がその場に居ないのにだ。

 

「どういうこと!!」

 

「フフフフッ、鏡に閉じ込めたのだ。校舎の方に残りの3人も同じだ…こちらには4人も人質が居る」

余裕が出てきたのか烏人間の声には笑いが交じる。

 

「な!?……全員を開放しなさい!!ハミルトン少尉も!!」

 

「ハミルトンは私だと言っているだろ。まあ、元ハミルトンはもうこの世には居ないがな」

 

「くッ!!この!!」

リーナは更に威圧感を高める。

 

「おっと、この私を殺すと部下は鏡の中から抜け出せずに死ぬことになるぞ……フフフフフッ、君には交渉権がないのだよ。総隊長殿」

烏人間はゆっくりと両羽を整えながら、そう言う。

 

「動かないで!動くと消滅させる!!」

 

「このままとは行かないだろう?そうだろ?総隊長殿?」

烏人間はリーナに近づこうとする。

 

「動くなと言った!!」

 

「怖いことを……君に部下を見殺しに出来るのかね。お優しいお優しい総隊長殿?」

そう言って、烏人間はリーナの5メートル先まで近づいてくる。

 

「クッ…………………」

リーナは悲壮な表情をし、魔法を起動させようとするが……ゆっくりと構えた腕をおろし、項垂れる。

 

「フフフフフッ、賢明な判断だ。君も精神を解き放ち、私達の仲間になるがいい…………」

鳥人間は更に近づく。

 

 

 

 

その時若い男の声が体育館に響く!!

「仲間を!!校舎の方も全員鏡から出した!!」

 

「ゆ……悠?」

リーナは若い男の声の方に振り向くと、そこには鳴上悠が先程まで鏡の中に囚われていた部下を背負っていたのだ。

 

「貴様!!!この前のペルソナ使い!!!」

烏人間は怒りを露わにして悠に襲いかかろうとするが……

 

 

「させない!!」

リーナは素早く魔法を展開し、上から巨大な光の剣を振り下ろす。

その巨大な剣は体育館の天井と壁を巻き込みながら、烏人間の頭を捉え振り抜かれた。

 

リーナの魔法『分子ディバイダー』だ。

 

 

「ギャーーーーーーーー」

烏人間は真っ二つになり、ドロドロとした黒い液体状となり、消滅する。

 

 

 

 

 




ここのリーナは結構強いです。
というか、このぐらいの強さはあると思います。
本編では不遇ですが><

七草双子だそうか迷いましたが…………また今度で…………
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