この敬虔なアクシズ教徒に祝福を!   作:nekoge

1 / 6
このオリ主に異世界転生を!

影宮水穂(カゲミヤミズホ)さん、ようこそ死後の世界へ。あなたはつい先程不幸にも亡くなりました。まだ短い人生でしたが、あなたの生は終わってしまったのです」

 

目を開けると周りは真っ暗で、俺は椅子に座っていた。

 

「....」

 

突然のことに俺は口から言葉を発することができない。

 

「ここはどこだ...あんたは誰なんだ?」

 

口から出た言葉はあまりにもお粗末。

 

しかし目の前の美しい女神のような存在は優しい笑顔で答えてくれた。

 

「貴方は一人の少女を助けるために道路に飛び出して代わりにトラックにひかれ亡くなったのです」

 

その言葉を聞いて思い出した。仕事帰りに赤信号の道路に飛び出した少女にトラックが迫っていたのを見て俺は道路に飛び出して...飛び出して...死んだ。

 

「あの...少女は無事なんでしょうか?」

 

「安心してください。少女は貴方のおかげで傷ひとつありません」

 

それを聞いて少し安心し、気持ちも少し落ち着いた。

 

「ここは?貴方はいったい誰ですか?」

 

するとその女神のように美しい女性は微笑だ。

 

「私の名はアクア。日本において、若くして死んだ人間を導く女神です」

 

髪と瞳は透き通るように美しい青色。スタイルもバランスよく整っており、ここの神聖な雰囲気も影響しているのか、彼女はとても神々しくみえる。

 

「さて、影宮水穂さん。若くして死んだあなたには、二つの選択肢があります」

 

選択肢?

 

「一つは人間として生まれ変わり、新たな人生を歩むか、そしてもう一つは、天国的な所でお爺ちゃんみたいな暮らしをするか」

 

天国か生まれ変わりか選択肢は二つか。

 

「迷いますね」

 

「それも良いけど、もっといい話があるの!」

 

もっといい話?

 

「あなた.....ゲームは好きかしら?」

 

ゲームは学生時代よくやっていた。しかし働きはじめてからはさっぱり。買いだめしたゲームを結局クリアせずに放置していた事を思い出してしまった。

 

「実はこの世界とは別にもう一つの世界に行ける話なんだけどね」

 

女神様の話では、ここではない世界、すなわち異世界に魔王がいる

 

その魔王と魔王軍のせいでその世界が危機的状況なんだとか。

 

その世界では、魔法、モンスターが存在する、まるで某有名ゲームのようなファンタジー世界。

 

またその世界で死んだ人達が魔王を恐れてその世界に生まれ変わることを拒否し、そのまま赤ちゃんが生まれずその世界が滅びるかもしれない。その解決策として他の世界で死んだ人々を、その世界に送り込む。

 

誰が考えたんだこのシステムは?

 

「で、どうせ送るなら、若くして死んだ人を肉体と記憶はそのまま、あと向こうに好きな能力や物を持っていく権利をあげているの」

 

以前読んだ異世界転生系のラノベみたな展開だな。

 

なら選択肢は一つしかないではないか。

 

「では女神様のいい話でお願いします」

 

「ふふっそう言ってくれると信じていました」

 

女神様はカタログみたいな紙を手渡してきた。

 

「では選びなさい。たった一つだけ。あなたに何者にも負けない力を授けてあげましょう。それは強力な特殊能力。神器級の武器。さぁ、どんなものでも一つだけ。異世界へ持っていく権利をあげるわ」

 

俺はそれらをパラパラとめくる

 

《怪力》 《超魔力》他にも聖剣なんとかを初めゲームだとレア装備や神器級の武器が沢山ある。

 

魔法が存在する異世界なら是非魔法を使いたいと思ったので超魔力を選択した。

 

「すいません、この《超魔力》でお願いします」

 

すると俺の周りに青い魔法陣のようなものが現れた。

 

「分かったわ、それじゃ、この魔法陣の中央から出ないようにね」

 

緊張が走る

 

「女神様一つ質問をよろしいでしょうか?」

 

「どうしたのかしら?何か聞きたいことがあるなら早くしてね、まだ仕事が残ってるから」

 

「女神様はどこかで崇められたりとかしていないんですか? そんなにも美しくて凛々しいくて魅力的ですので」

 

嘘ではない。実際女神様の姿は誰もが納得するほどの美少女だ。すると女神様は胸をはって答えてくれた。

 

「いい質問ね!私は今からあなたが行く世界に存在するアクシズ教っていう宗派の御神体なのよ!」

 

ほう。まあ女神、つまり神なのだから崇拝されるのほ当たり前か。

 

「こんなにも美しい女神様を信仰するアクシズ教というのは素晴らしい教えを広め誰からも尊敬されているんでしょうね」

 

そんな適当な事を言った時、アクア様は興奮した様子で口を開く。

 

「そうよ!何せ私を・・・崇めてるんですもの!!!あなたのこと気に入ったわ!貴方には私直々にアクシズ教団の信者になる事を許可するわ!だから転生特典としてもう一つ特別な物をあげる!」

 

「ありがとうございます。アクア様」

 

社交辞令のつもりだったのだが。

 

女神様もといアクア様は右手を俺に向け何か呟くとその手が光り輝き、俺はその光に覆われた。

 

「本当は駄目なんだけど貴方は特別よ!」

 

女神様の光が離れる。すると先程まで無かったモノが俺にあった。

 

「これはケープ?」

 

どこかの有名な探偵か昔の学生が着けてそうなケープを渡された。デザインは綺麗な青色でそれが綺麗なネック模様になっている。

 

更に首には三角形が重なったような形がかかれているひし形のペンダントがあった。

 

「そのケープは私の魔力で造った特別製よ!それを身に付けるだけで私の神聖な加護をずっと受け続けられるわ!あとその首にかかってるのはアクシズ教徒の証よ!」

 

「重ね重ねありがとうございます」

 

「気にしなくなくてもいいのよ!ゴホンッそれでは、影宮水穂さん。あなたをこれから、異世界へと送ります。魔王討伐のための勇者候補の一人として。魔王を倒した暁には、神々からの贈り物としてどんな願いでも。たった一つだけ叶えて差し上げましょう」

 

すると魔法陣が光り、身体が宙に浮いたと思うと俺の意識は無くなった。

 

 

 

 

__________________________________________________

 

意識が戻り目を開けると目の前に木が見えた。

 

「ここが異世界」

 

暫く周りの風景を見まわしていたが、このままじっとしているのもつまらないので身体を動かすことにした。この場合どうすればいいのかと考えていたら、昔嗜んでいたゲームやラノベだと冒険者ギルド的な所で登録して冒険者になるのがセオリーだということを思い出したのでそれらしいところに行くことにした。

 

暫く歩くが見つからん。

 

仕方なく誰かに道を訪ねようと思い偶然視界に入った女性に声をかけた。

 

どうやら女性のようで黒いドレスローブを着ており、その服装な上からでもわかるたわわな果実が視界にはいる。さすが異世界ここの女性も日本じゃ体験できんな。

 

「すいません。少しお聞きしたいことが...」

 

「はい、なんでしょ....!? あ、アクシズ教徒の方ですか?ご、ごめんなさい、勧誘は間に合ってます」

 

「え?」

 

そう言ってたわわな女性はとんでもない速さで行ってしまった。

 

その後も道を尋ねようと道行く人に話しかけるも全員に逃げられてしまう。

 

仕方なくぶらぶらと歩いているといつの間にかそれらしい建物にたどり着けた。

 

「冒険者らしき人も出入りしている」

 

それを確認した俺は意を決して扉を開けた。中は冒険者と思わしき人々が多数、昼間から酒を飲んでいる人もいれば掲示板の前に立っている人もいる。

 

「あ、いらっしゃ.....」

 

俺が中に入った瞬間俺の周りが静かになった

 

「あの、ごめんなさい、アクシズ教団の勧誘はお断りさせてもらっているんですが」

 

いきなり短髪赤毛のウェイトレスのお姉さんがそう言ってきた。

 

「今日は冒険者の登録をしたくて来たんですが」

 

「も、申し訳ございません。でしたらあちらのカウンターへどうぞ」

 

フム、イライラしてて少し声に力が入ってしまった。

 

「あ、ありがとう」

 

なぜ冒険者になるのにこんな思いをしなくてはならないのか。

 

「すいません」

 

俺は指定されたカウンターに行き、受付にいたこれまたたわわな果実を持った金髪のお姉さんに話しかけた。

 

「はい、今日はどう....」

 

同じ反応...

 

「勧誘ではありません! 冒険者登録をしたくてやって来ました!」

 

らしくもなく思わず声を上げてしまった。

 

「そ、そうですか。えっと、では登録手数料が1000エリス掛かりますが大丈夫ですか?」

 

は?

 

登録手数料?

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「いきなり詰んだ」

 

俺は今ギルドの隅に座りこれからどうしようかと考えている。

 

てかっ転生させるときにこの世界のお金ぐらい用意してくださいよ女神様...

 

下を向きため息をついていると誰かが話しかけてきた。

 

「もし、アンタもしかしてアクシズ教徒かい?」

 

声をかけられ顔を上げ見ると神父が着るような服を着こんだ爺さんが居た。

 

「何か御用ですか? アクシズ教団に入会希望ですか?」

 

「いやいや、私はエリス教徒なのでその勧誘はお断りさせて頂くよ」

 

「それは失礼しました」

 

「君は随分変わったアクシズ教徒だね」

 

「そうですか?」

 

「ああ、アクシズ教徒の人は騒がしく、変人が多いからね。あんたは今まで見てきたアクシズ教徒とは違う感じがするんだよ」

 

「それよりもご要件の方を伺いたいのですが?」

 

「先程のやりとりを見てたが、アンタ冒険者登録の手数料が無いんだろ?私がそれを払おう」

 

え?

 

「何故ですか?」

 

うまい話には裏がある。死んだじいちゃんの教えだ。

 

「お伽噺になるが、女神アクアと女神エリスは先輩、後輩の間柄らしい。これも何かの縁と思ってね」

 

...

 

「あ、ありがとうございます」

 

エリス教。

 

「いいんだよ。汝にエリス様の加護を」

 

そう言って爺さんは1000エリスを置いて行ってしまった。

 

俺は再び受付に行き貰ったお金をお姉さんに渡した。さっきのやり取りを見られてたのか、お姉さんは目を合わせてくれない。

 

お姉さんから簡単な説明を受けた。冒険者とは何でも屋。ギルドの依頼を受けてモンスターの討伐や護衛などを行う。そして冒険者には、各職業があるらしい。

 

職業、ここで戦闘スタイルを選ぶのか。俺は女神様から貰ったチートを活かせる魔法職を一択だがね。暫くして受付のお姉さんが俺に免許証くらいのカードを差出してきた。

 

お姉さん曰くこのカードにレベルや各ステータス、経験値、モンスターの討伐数などが表示される。また経験値が溜まり、レベルが上がって新しいスキルを覚えるためのポイントのを確認、それを習得することにも使用するとか。

 

「あなた、ゲームは好きかしら?」

 

女神様の言葉を思い出す。成程確かにゲームみたいだ。

 

「ではまず、かちらの書類に身長、体重、年齢、身体的特徴の記入をお願いします」

 

身長175cm 体重60キロ 年齢は19、黒髪黒目 。

 

「はい、結構です。えっとではこちらのカードに触れて下さい。それであなたのステータスが分かります」

 

成程これでステータスを計って職業を選択するのか

 

「選んだ職業によって様々な専用スキルを習得出来るようになりますので、その辺りも踏まえて選択して下さいね」

 

まぁどんな結果になっても俺は魔法使い一択だかな!

 

俺は少しドキドキしながらカードに触れた。

 

「はい、ありがとうございます。カゲミヤミズホさん、ですね。ええと、筋力と運はそこそこで...え!? なんですかこの数値!?生命力や器用度、知力はそこそこ高い位ですが、魔力が尋常じゃないレベルなんですが、あなた何者なんですか?」

 

異世界転生した日本人です。

 

「そんなに凄いんですか?」

 

すっとぼけたようにお姉さんに聞いてみた。

 

「す、凄いなんてものじゃないですよ!?」

 

そこまで言いますか

 

「この魔力とあなたの知力ならすぐにでも即戦力になりますよ。聖騎士(職業全般のルビを失敗しています)《クルセイダー》。剣士《ソードマスター》。《アークプリースト》。《アークウィザード》など最初から全ての上級職になれます」

 

ここまで凄いとは思わなかった。お姉さんからカードを一旦受け取って《アークウィザード》か《アークプーリスト》か迷っていると気になる表記を見つけた。

 

「この《アデプトウィザード》って何ですか?」

 

そう言った瞬間、お姉さんは固まった。

 

「そ、そそそれは!!? この国の歴史上二人しか確認されてない伝説の上級職です!!!」

 

お姉さんの声にギルド中の人もこっちを向いている。

 

まじっすか、チートすげっ。

 

「な、ならこの《アデプトウィザード》全能魔法使いでお願いします」

 

お姉さんは震える手でカードを操作する。

 

「アデプトウィザードはこの世の全ての魔法を操ることのできる伝説の上級職です。その実力はかの魔王にも引けを取らないと言われています。冒険者ギルドへようこそカゲミヤミズホ様。スタッフ一同、今後の活躍を期待しています!」

 

お姉さんはそう言ってにこやかな笑みを浮かべたていたが、周りの職員と冒険者はただ黙ってこっちを眺めている。

 

多少出鼻をくじかれた感はあるがこれから俺の異世界での冒険生活が始まったのであった。

 




影宮水穂《かげみやみずほ》

前世職業 地方公務員(市役所事務員)

年齢 19歳

チート 《超魔力》 神器『女神アクアのケープ』装備時:《アクア女神の祝福》

職業 《アデプトウィザード 》全能魔法使い

解説 全ての魔法を使うことの出来るチート職業ただし職業スキルは無料、あくまでも魔法のみ

王国の歴史をみてもこの職業をもった冒険者は影宮を除くと2人しかいない(その2人も日本人転生者)

メリット 使う魔法の威力倍増 専門職関係なくあらゆる魔法を覚えられる。使用する魔法の威力を魔法にこめる魔力次第で調整出来る。(調整次第では初級魔法でも中級魔法並みの威力になる。無理をすれば上級魔法レベルもいける)

欠点 魔法職なのに魔法を覚える時のスキルポイントが冒険者よりも高い。 魔法の調整で威力をあげようとするとそれ相応の魔力を使う。

カゲミヤが付けているのはケープ、詳しく言えばインバネスコートという肩に掛ける短いマントのようなもの。(カズマの冒険者服装のマントを肩までの長さにしたようなもの)

一応神器

能力: メリット=アクアしか使えない神聖魔法を本人程の威力ではないが使える(カゲミヤはアクアに教えてもらうまでそれを知らなかった)。水系魔法の威力、プーリスト系の魔法効果アップ。※アクアの使う神聖魔法を使用する際影宮の瞳がアクアと同じ青色になる。

デメリット=付けているのだけでアクシズ教徒だと全ての人に認識される。アクアに甘くなる(ほぼ逆らえない)
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。