アクセルの街を出て数時間。
俺は馬車に乗ってアルカンレティアに向かっている。最終的な目的地は紅魔族が住む紅魔の里だがその前にアルカンレティアで観光とアクシズ教の巡礼を行う予定だ。
またアルカンレティアから紅魔の里に行くには危険なモンスターが生息する地域を行くしかない。もうひとつ『テレポート』という空間移動魔法で行く方法もある。俺は後者の方法で行くつもりだ。レベル1の俺が危険な道を行くなど自殺行為だ。
だが問題もある。紅魔の里へのテレポート料は三十万エリス。今の手持ちでは足りないのでまた金を稼がないとならない。
「すいません、アルカンレティアまであとどのくらいですか?」
「お客さん、アクシズ教徒だから早く聖地に行きたいのは分かるが今日中に無理だね」
「そうですが」
日本だったら車や電車であっというまだったのを思い出して文明のありがたさを感じた。
「それよりもお客さんも冒険者ならこの馬車がモンスターから襲われないように見てておくれよ」
馬を引いているおっさんはそう言って笑った。この馬車の他にも数台走っている。そして馬車を護衛する冒険者。街から街への移動には大人数で行動するようだ。
ボケッと空をみる。
「たまにはこんな日もいいな」
考えればこっちに来て働いてばかりだった。せっかく伝説の魔法上級職になったのに魔法を覚えるのにも時間がかかった。
俺は日が落ちるまで何処までも広がる青空を眺めていた。
夜、アクセルとアルカンレティアの中間辺りで休むことになり、おっさんが用意してくれたテントを張って夜営していると、突然護衛の冒険者が叫んだ。
「敵だぁぁぁ!!!」
「あれは!?アンデットナイト!?それも何だあの人数は!!!」
「嘘だろ!?ゾンビなら分かるが何で滅多にみないアンデットナイトが...!?」
「誰かプリースト呼んでこい!あと聖水もだ!一体づつ確実に倒すぞ!!」
うるさいな。お勤めをしっかりこなしているのは分かるがもっと静かにしてほしい。
俺は子供の頃から寝起きの機嫌が悪い。特に夜に起こされるとき、子供の頃は暴れていた。友人いわく今でも起こそうとすると殴りかかってくるらしい。
「何かあったんすか?」
あくびをしながら騒ぐ大柄な男性冒険者に質問する。
「あんたこの状況でよくあくびなんてしてられるな!」
初対面なのに失礼なやつ。
「まあいいや。俺寝るから静かに殺ってね」
「おいっまて!」
「ああっ!?」
なんだよ、こっちは眠いんだよ。
「お前も冒険者だろ!俺達と一緒に戦うぞ!」
「えぇ...俺レベル1のウィザードっすよ?」
それを聞いた冒険者は顔をしかめた。
「チッ何でレベル1のウィザードがアルカンレティアに行くんだよ!とっとと駆け出しの街に帰りやがれ!」
「アクシズ教徒としての義務を果たすためっすよ~」
「お前はあの頭のおかしい変人教団の教徒だったのか、もういい!お前は下がってろ!」
「はぁ~い」
言われんでも下がるわ。
俺は馬車の近くに敷いてある布団に転がった。遠くでは冒険者達の声が聞こえる。
「くそ~近づけるな!!!」
「『ターンアンデット』ッ!」
「喰らえ!聖水投げ!」
...うるさくて寝られん。
俺は起き上がって再び冒険者達の元に行く。
「うるさくて寝られんのだが」
アンデットナイトだがなんだか知らねえが俺の睡眠を邪魔するとはいい度胸だ。
「くそっ!このままだと押されるぞ!!」
「もう駄目だお仕舞いだぁぁぁ!」
「くそ、アークプリーストさえいれば」
「無視すんなよ...」
すると大柄な男性がやって来た。
「お前はレベル1の腰抜けウィザードじゃねえか...どうだ、たっぷり寝られたか?」
誰れだこいつ?馴れ馴れしいぞ?
「もしかしてあの骸骨騎士が敵なの?」
見ると骸骨の身体に鎧を的って剣を持った存在が二十体近く近づいてきている。気のせいか俺の方に来てない?
「そうだよ!あれはアンデットナイトだ。この辺じゃあゾンビと一緒にたまに出てくるがこんなにうじゃうじゃ出てきたのは始めてだ!」
アンデットかぁ~。確か物理攻撃はあまり効果がない。効果があるのは魔法。特に神聖属性魔法だよな~。俺覚えてないな~。
「プリーストはいたんじゃないの?」
「護衛のプリーストは魔力切れでもう動けん」
「あらら」
どうスッかね~。ふと冒険者カードをみるとスキル欄に『ターンアンデット』があった。
これ覚えればいいじゃん。
迷わずターンアンデットを習得。スキルポイント遂に一桁になっちゃった(笑)
「そんじゃあ、殺りますか」
俺は右手を掲げる。
「お前何を...! おめぇそのマント光ってるぞ!?」
え?なんて?もう一度言って?
「『ターンアンデット』」
その後俺は再び眠りについた。
翌日。
昨日のことは余り覚えてない。気がついたらレベルが2になっており、スキルポイントが増えて40に。あと『ターンアンデット』覚えてました。あと俺が昨日二十体近くのアンデットナイトを浄化したとか。
「いや~昨日はバカにして悪かったな」
「あなた誰ですか?」
「おいおいそれは酷いぜ。昨日お前さんの魔法を見たのは俺だぞ?」
何言ってるのこの人?
「おめぇウィザードじゃなくてプリーストだったんだな!」
「違いますよ」
「なら、アークプリーストか!?」
「だから違います」
しつこいやつだ。あと色々とうるさい。
「なら冒険者か?」
「カード見せてやるよ」
俺はカードをしつこい大柄な男性冒険者に手渡した。
「アデプトウィザードだと!!?あの伝説の上級職じゃねーか!!!」
「色々苦労しているけどな」
「ならあの強さも納得いくぜ」
「勝手に納得するな」
「なああんたもし良かったら俺達のパーティーに来ないか?」
勧誘イベント発生。
「えぇ...」
「こっちは王都でも活動しているそこそこやりてのパーティーだぞ!どうだ?」
魅力的な提案だ。ここで入っておけば後々楽そうだ。だがしかし。
「ありがとうございます。でも今回の話は無かったことにして下さい。俺はまだ駆け出しです。自身の上級職の能力を使いこなせてないのです。俺が入っても逆にあなた方の迷惑になります」
「だが...」
「ごめんなさい」
「仕方ないか、冒険者は自由が一番だ。無理強いはせん」
いい人で良かった。
「それと昨晩はすいませんでした」
「あん?どうした急に?」
「聞けば俺があなたに失礼な態度をとっていたと聞いたもので」
「ああ、その件ならもういいぜ。だが俺以外の先輩冒険者には止めとけよ」
「肝に銘じます」
寝起きの時の性格何とかしないとこれから仲間を作るとき大変なことになりそうだ。
「お客さん方、まもなくアルカンレティアに着きますよ!」
「お、そろそろだとよ」
「遂にアクセル以外の街に」
新しい街少しドキドキしてます。
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「じゃあな、カゲミヤ」
「道中ありがとうございました」
俺は護衛の冒険者に頭を下げてお礼を言った。
「馬車のおじさんもありがとうございました。えっと料金は...」
「いや、今回無事ここにたどり着けたのはお客さんのおかげらしいじゃないか。特別に無料にしてあげるよ」
「でも...」
「お客さんは紅魔の里に行くんだろ?ならお金が必要なんじゃないか?」
全くその通りでございます。
「ありがとうございます。お言葉に甘えます」
「いいんだよ。またひいきしてくれよ」
「はい、またお願いします」
おじさんとも手をふって別れた。
「さてどうしようか」
馬車が着いたのは石像と噴水のある広場だった。
噴水から涌き出る水はとても綺麗で透き通っておりまるで鏡みたいだった。
ボケッと噴水を見ていると突然声をかけられた。
「ようこそいらっしゃいましたアルカンレティアへ!!!」
「観光ですか?入信ですか?冒険ですか?洗礼ですか?」
「それとも就職ですか?それなら是非アクシズ教団へ!!!」
「今ならアクシズ教団を広めるだけでお金が貰えますよ!!!」
「いま入信すればまもなくアクシズ教徒と名乗れますよ?」
「「「「「さぁどうですか?????」」」」」
初対面なのに騒がしい人達。これがこの街のアクシズ教徒か。
俺は自身のアクシズ教団のペンダントを見せる。
「俺はとっくに入信済みですよ。今回は洗礼と仕事を探しに...」
「おおっ!!なんと!同士でしたか!それも自らの足で聖地にたった一人で来るなんて!!!」
「素晴らしいですわ!それにそのマント!とても神々しいですわ!まるでアクア様のように清らかで美しい青色!!!」
「お仕事なら是非うちへ、さっきの内容に加えて今なら邪神エリス教団への嫌がらせもセットですよ!!!!」
「さぁさぁ同士よ!!!私たちといっしょにアクア様の素晴らしい教えを広めるのです!!!」
「そうだね。頑張るよ」
早くどっか行ってくれ。
「では同士、洗礼も大切ですがまずはお風呂に入ってくればよろしくてよ!」
「そうだな!兄ちゃんも長旅で疲れただろ!ここはアクア様の加護を受けた神聖な土地だ!ちょっと温泉に入れば疲れなんてぶっ飛ぶ!!!」
「は、はい」
「さようなら同士!!!」
アクシズ教徒の同士達はまたどっかに行って...なかった。
「ようこそ!アルカンレティアへ!!かんこ...」
来た人全員にやってるとは凄いな。
まぁいいっか。それよりも宿に向かうことにする。
疲れた...
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宿に荷物を置いた後アルカンレティアを探検することにした。俺の知らない所を散策する、俺の数少ないアウトドア系趣味の一つだ。
「それにしても幻想的な風景だ」
街全体は青を基調としたバランスのいい景観。遠目から見える大きな滝は常に大量の水を落としており、それが源泉なのか大きな湯気が発生している。
俺が風景に見とれていると背後から女性の叫び声が聞こえた。
「キャアアアア誰か助けて!!!」
声のする方向を見ると青色のプリースト服を来た金髪の女性がパンの入った紙袋を持って走っていた。
これはどういった状況で?
まずは落ち着こう。まずは女性を見る。フム、美人だ。少し性格に難がありそうだが。あと服装のせいで少し隠れているが走る度に揺れる二つの大きなお山。そしてたまに見える太ももがなんともいい味を出している。
「ちょっとそこのあなた!!」
はい?
「さっきから私の胸と太ももをエロイ視線で見ていたあなたですよ!!!」
やはり女性は視線に敏感。
「あなたアクシズ教徒よね!!?同士ならちょっと助けてよ~後でお姉さんがデートしてあげるからね?ね?」
そう言ってお姉さんはこっちに向かってくる。
魅力的な提案だな。前向きに検討しよう。
「今日という今日は絶対に許さんぞセシリー!!!」
お姉さんの名前はセシリーか。そう叫んでいるのは黒いプリースト服を来た女性だった。彼女はセシリーさんを追いかけながら叫んでいる。
「あっちもなかなか良いものをお持ちで」
「ちよっと!邪神エリス教徒のプリーストに興味示さないでよ!!」
おっと早速嫉妬ですか。可愛いとこありますね。
「両者この場は一旦冷静になって下さい」
俺は平和的な話し合いを提案する。
「モグモグ話し合いでふってモグモグそんなのおほとわりよ!!!」
食べながら話すなよ。
「あなたもアクシズ教徒ね!そんな話信じられないわ!」
これは困ったな。どんだけ信用されてないのだアクシズ教団。
そうこうしているうちにセシリーさんのエリス教徒の人は俺の目の前を駆け出す。
「もういいわよ!一人で何とかするわ!」
「待ちなさいよ!」
逃げる人に待てと言われて待った人は見たことない。
「私には女神アクア様の加護があるから絶対に捕まらないですよ!!」
セシリーさん、それはフラグというやつですよ。
その後セシリーさんは落ちてあったバナナの皮を踏んで盛大に転けた。
あ、パンツ見えた。
路地裏に入りそこに落ちていたバナナの皮を踏んで盛大にこけたセシリーさん。
エリス教のお姉さんに捕まり抵抗したが結局パンをとられたセシリーさんは「私のご飯返してよおおおおおおっ!!!」と言って泣いていた。
路地裏で泣く女性プリーストか。興奮するね。
「何ニヤニヤしているんですか?警察呼びますよ?」
先程まで、泣いていたセシリーさんは目を少し赤くして俺を見てそう言った。
「まあ落ち着いてくだい。何があったんですか?どうしてエリス教のプリーストに追いかけられていたのです?」
温厚なエリス教徒があそこまで怒るなんて何やらかしたんだこの人?
「ちょっと恵まれない人に配給するパンを貰っただけよ」
「それだけですか?ちょっと多めに...」
「本当は?大丈夫怒りませんよ?アクア様に誓います」
「今日配給する分を全部頂きました!!」
「よし、身ぐるみ這い出変態貴族にでも売るか。それともビデオか?題名は路地裏でホームレスのおっさんにピーされる金髪巨乳プリーストでいいか」
「ちょっと!!?なに言ってるんですか!?私にそんなことさせたら私のファン八千の人達が黙ってませんよ?」
「そうかなら連続八千回の快楽でもいいね」
「そ、それだけは...それよりも怒らないっていったじゃない!」
「俺は怒ってないですよ。でもその行いは人として、そもそも神に使えるプリーストの行動ですか?」
「私はアクア様の自由の教えを信仰し、自分の欲望を清く正しく実践しているだけよ!!!」
アクシズ教の教えには残念にも反していない。ならこっちも自由にさせえもらうか。
「言いたいことはそれだけか?ならこっちも同じく教えを守ってセシリーさんに俺の欲望に協力してもらいますよ」
「うっ」
「八千人の相手はみんなおっさんにするか」
その瞬間セシリーさんの顔は服と同じく真っ青になった。
「ちょ!?ほんとにごめんなさい!!謝るからほんとに謝るから!!!」
「俺に謝ってどうすんだよ?」
「うぅ、分かったわよ」
そう言うとセシリーは立ち上がって歩き出した。
「あなたも来てよ、同士」
「分かりましたよ、同士」
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「私だって恵まれない人なのに...」
「言いたいことはそれだけか?なら懺悔室で迷える子羊の話を聞きながら裏では中年のおっさんにピーされてアへってる企画ものも...」
「止めて!本当に止めて!」
俺達はこの街のエリス教団の教会に来た。
「行くぞ!」
扉を開く。
「頼もー!!」
セシリーさんが大声でそう言って入った。
「またあなたなの!もう今日の分のパンは配り終わって無いわよ!」
「そんな...私のパンが...」
「恐怖快楽に負けた美人プリーストボソッ」
「今まで恵まれない方々に配給するパンを全部持っていってすいませんでした」
セシリーは震えながらエリス教徒の方々に土下座した。
「ちょっと!!?顔上げなさいよ!!何なの行きなり来てごめんなさいとか!今度は何を企んでるのよ!?」
何処まで信用落ちてるだよ。
「初めまして。私はアクシズ教団の新人教徒のカゲミヤです。この度は...いえ毎度の事ながらうちのプリーストがご迷惑をお掛けしてます。私は以前エリス教徒の方に助けていただきました。そのご恩を少しですがお返ししたく今回このような事をしているわけです」
「そ、そうなのね。あなたは変わり者のアクシズ教団の中でも比較的ましな人なのね」
「騙されないで!この人は私達と同じく敬虔なアクシズ教徒よ。だって欲望のままに私とあなたの...」
「おやおや大丈夫ですか?土下座の姿勢がきつかったですか?」
俺は床に座っているセシリーに近づき耳元まで口を向ける。
「言ったらおまえの純潔は今日で終わりだ」
「...」
「何ですか?セシリー?カゲミヤ殿があなたと私がなんですか?」
「な、なんでもありませんよ~」
「何で棒読みなの?まあいいわ。謝ってくれたなら許すわ。」
「ぺっ邪神教徒め」
「あぁ?」
エリス教のプリーストさんからとんでもない声が聞こえた。
「何でもないで~す」
「はぁ。まぁいいでしょう。パンが欲しいのならまた来てもいいですよ」
「本当に?本当にですか!!!!」
「ただし、きちんとした量しか渡しませんよ!」
「あ、ありがとう。これで安心してトコロテンスライムを買いだめ出来るわ!」
「あんたそれやめなさいよ!!」
二人はまた言い争いを始めた。
まぁいいや。これで一件落着。
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俺とセシリーはアクシズ教団の教会に向かっている。
「あなたのせいで散々な目に合ったわ。どうしてくれるのよ!」
「俺はエリス教徒のひとに作った借りを返しただけだ」
「邪神エリスを信仰する邪教徒に借りを作るなんてまだまだアクシズ教徒としては半人前ね」
「お前はその半人前に脅されてるんだよ」
「う、うるさーい。私のこの清らかな身体を悪魔のごときエロイ視線で視姦しといて何よ!このむっつり変態!!」
「そのむっつり変態に脅されるとはあなたもまだまだですね」
「う~」
いい感じに悔しがる表情いい。
自分でも不思議だが何で今日俺こんなにアグレッシブなんだ?寝不足のせい?
俺たち二人はアクシズ教団の教会に着いた。全体が青色を基調としたデカい教会だ。
「では早速」
扉を開ける。
「頼もう!」
「ぜスタ様~セシリー帰りました」
中には誰もいない。
「誰もいないようなんですが?」
「多分ぜスタ様は遊びに...」
「何だって?」
「多分源泉の管理に行っているのですよ!」
「そうか。なら改めて明日また来るか」
「では私も失礼しますね~」
セシリーさんはそういった出ていった。
一人ポツンと残された俺は宿に戻った。
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宿に着いたので温泉に入ることにした。
今は男湯に浸かっている。隣に混浴があったがトラブルが起こる予感がしたのでスルーした
「あー」
気持ちいい~生き返る~
こっちに来たときからずっと休めなかったからちょうどいい感じにつかれが溜まってるな。
フッフッフ
この私をこけにしたあいつ...カゲミヤといったかしら、絶対に許さないわ。見てなさい。
「ついうたた寝してしまいそうだな」
のぼせちまう。
「そろそろでるか」
宿の浴衣に着替えて部屋に戻る。そして障子を開けるとそこには...
「お帰りなさ~い。料理にする?お風呂にする?それとも、わ た し ☆?」
同じく浴衣を着て人様の用意された料理を食べながらお酒で頬を赤くしたセシリーさんがいた。
「ぶっ殺」
食べ物の恨みは怖いんだよ?
一通り
「グスッうぅ、ごめんなさい、許してください」
「こんなことはこれっきりにしてください」
「はい、分かりました。それでは失礼します」
「待て」
「え?まだ何かあるんですか?」
「せっかく来たんだ、最後まで付き合え」
「え?でも?私はカゲミヤの料理を食べちゃって...!? まさか私を食べる気!?」
身体を押さえて顔を赤くするセシリーさん。
「それもありだが今日はいい。簡単なつまみを頼んだ。」
セシリーさんは目を点にしている。
「今日は奢りだ。」
「...はい!同士!!」
こいつの今日一番の笑顔を見た。不覚にもドキッとした。
それからセシリーさんとの会話は続いた。
「それでね私はね!小さい子を男の子、女の子問わずペロペロしたいの。とくにあの柔らかい頬っぺたなんてもう最高よ!あと九才から十三才までのあの間も最高ね!心はまだ子供なのに身体は大人に成長する。でも自身の急激な変化に戸惑うその姿!堪らないわ!!!」
そのセシリーの顔はとても妖艶でそれは美しかった。言ってることは犯罪だが。
「お前色々終わってるな」
「私の嗅覚とセンサーが反応しているわ!あなたも私と通じるところがある!!!」
「お前と一緒にすんな変態プリースト」
「その変態プリーストをエロイ視線で見てたのは誰だったかしら?」
「さあ?」
セシリーさんはすっかり出来上がっており、浴衣も少しはだけてその健康的なお山と太ももが露になっている。
「これがみたいんしでしょ?ホレホレ!」
するとセシリーは突然自分のお山を持って俺に近づいてきた。
おお、谷間の一丁目がぁぁぁ!!!これが巨乳の魔力かぁぁぁ~。おそろしい!!
「ほーれ」
この野郎。
「さぁ正直になりなさい。アクア様を騙せても私のセンサーは騙せないわよ!」
本能には逆らえない。
「うふふ、目線は正直ね。」
「神につかえるプリーストなのにその乳は何だよ。
誘ってんのか?」
「これは私が毎日アクア様にお祈りして手にいれた戦利品よ!」
戦利品なんだ。
「それよりもカゲミヤ、あなたのせいでパンの配給が決まった数しか貰えなくなったじゃないのよ!」
「お前に配給いらんだろ」
「いるわよ!私はね、ところてんスライムを買い占めたせいで毎回お金がなくて食事がそれしかないのよ!!」
「バカかお前は...ならところてんスライムを買わなきゃいいだろ」
「嫌よ、私ところてんスライム大好きなんだもの!」
「好物でも三日も食べ続けたら飽きるだろ」
「そ、それはそうだけど」
「それで、ところてんスライム買いすぎえ金欠エリス教のパンの配給にちゃっかりすがってたのか」
「フッフッフッ。これはただパンを頂くだけではないのですよ!」
「ほうそれで?」
「これは聖戦なのです!邪神教徒のエリス教団に対する戦争なのです!私達の偉大な女神アクア様の教えを広める手段なのですよ!!!!!」
「...」
何を言っても無駄だな。
「もういいわ」
「うふふ、私の勝ちね!さあ謝って!私にあんなことさせたこと謝って!!」
「へいへい、めんご」
「ちょっと全然反省の気持ちがこもってないわよ!」
最後まで騒がしいな。
「俺はもう寝る」
「え?まだ日を跨いで無いわよ!夜はこれからでしょ!!」
「もう眠いんだよ。言っとくが夜更かしすればするほど俺は不機嫌になってナニするかわからないぞ?」
「負けたま逃げるのね?とんだ負け犬ね!」
「わんわん、僕は負け犬なので寝ます」
「ちょっと!」
セシリーさんを無視して俺は敷かれていた布団に転がって意識をてばなした。
次の日の朝
部屋には大量の酒瓶と料理が入っていただろうお皿があった。
セシリーさんは居ない。
枕元に書き置きがあった。
ご馳走さま☆
「...」
もう二度とアクシズ教徒と飲むときは先に寝ないことをこの日生涯まで誓った。
カゲミヤ
特性:寝起き(夜などに叩き起こされた場合)は別人のように狂暴かクズになる。
寝不足なまま朝を迎えるとSになる。
相手をみてこいつヤバイなと思ったはそれ相応の対応をする。でも根は優しいかもか。
めんどくさいキャラだな
セシリーはコミカライズの爆焔をみて気に入りました。